浦和レッズについて議論するページ

2018年、山中伊知郎さんが「どうしたら浦和レッズの観客数は復活するのか?」をテーマに色々なレッズサポーターにインタビューする企画がスタートします!

 

※過去記事
第1回『SNSを使ってユルい交流の場を作るのはどうでしょう?』コグレマサトさん編(ネタフル管理人)
第2回『みんなが戻ってくる場所が大事』今井俊博さん編(酒蔵力浦和本店 店長)
第3回『さりげないファンサービスをもっと大事にしてほしい』関口洋子さん編

 

第4回はUGさんです。

 

UG

生まれも育ちも池袋。20年近く前に、「SOCCER UNDERGROUND BLOG」をスタートさせ、日本代表アウェーの海外試合ゴール裏にも、よく顔を見せる。W杯は2006年のドイツ大会から、ずっと現地で日本代表の試合に参戦。ロシアW杯のスタンドで「大迫半端ないって」のゲーフラを持ち、NHKの映像に5秒間登場したことでも知られる。サッカーのみならず、池袋とフジロックを熱烈に愛する。ツイッターのフォロワー数は5万人以上。

 

 

――――レッズの試合を本格的に見るようになったのは、いつからですか?
2001年頃からですね。その頃に知り合ったレッズサポーターの先生がいまして、その先生と一緒に観る為に先生の奥さん名義のシーズンチケットを15年以上譲ってもらってます。

 

あれからずっと、埼スタのホームはほぼ全部行ってます、たぶん300試合ぐらいスタジアムで観てるでしょうかね。アウエーでも神奈川や山梨くらいなら行きます。

 

見てきた選手の中で、一番思い出深いのは阿部勇樹でしょう。南アフリカのW杯も、阿部を応援したくて行っちゃったし、僕の人生の中でも、友人家族を除いてナマで、最も長い時間見てる他人かもしれない。

 

あと長谷部。浦和デビュー当時は少しちゃらい感じ(笑)なドリブラーのイメージで、あんなに大きく伸びるなんて、思えませんでした。

 

忘れられない試合といったら、一番は2007年のACL準決勝です。途中交代で入って来た城南一和のでっかいFW(キム・ドンヒョン)にやられて、同点延長のPK戦でようやく勝った試合。あれは燃えた。決勝より燃えましたね。

 

―――最近の埼スタについて、どう感じますか?特にピッチ上ではなく、スタンドについて。
僕は、多くのレッズサポやクラブ関係者が考えている以上に、今の観客が減ってる現状は危険な状態だと感じてます。

 

浦和レッズの場合、シーズンチケットって毎年更新し続ければ、毎年同じ席になるんですよ。だから、僕が居るシーズンチケットエリアの一帯はだいたい毎年同じ顔ぶれでした。

 

それがここ2~3年、シーズン開幕の度に廻りの知った顔がいなくなっていきます。これ、けっこう恐怖ですよ。

 

ここ2、3年で3割くらいは人が変わってる気がします。発表される観客数減少以上にシーズンチケットの更新者数って減ってるんじゃないでしょうかね。

 

しかも、シーズンチケットの席なのに、毎回、来る人が違っていたりもする。

 

それに、注目の試合は来ても普段は来ない、といった「試合間格差」も年々目立ってきています。

 

結局のところ、レッズを応援するテンションというか熱も、下がってきている感じがしますね。

 

―――応援テンションの低下は、どこにその原因があるとお考えですか?
一概にはいえないにせよ、やはり「JAPANESE ONLY」のあの事件は、影を落としてるかな。

 

あの一件をサポーター全員の連帯責任にした上に、その後の対応で「サポーターの応援は必要ない」という姿勢をクラブが見せてしまったじゃないですか。

 

「クラブはサポーターに冷たい」「俺達は必要とされてない」と思い、冷めてしまった人も多かったと感じています。

 

あと、Jリーグ自体が、応援に対する規制が多すぎるのもあるかもしれない。横断幕やフラッグ、野次についても、日本代表、プロ野球などと比較しても禁止事項が多すぎる。

 

特にその中でも浦和レッズはゲーフラ禁止、フラッグ禁止みたいに細かい規制がある。

 

僕は埼スタのセンターラインぐらいの位置のシーズンチケット席から望遠カメラでよく写真を撮ってるんですけど、望遠で撮ると浦和ゴール裏よりもアウェーの鹿島とかのゴール裏の方がビジュアル的に熱い応援しているように撮れてしまうんですよね。

 

アウェーチームはフラッグやゲーフラの規制が無くて数多く出てるから画が強いんですよ。

 

あんな誰も喜ばない規制で、浦和の魅力を自分達で削いでいるのは本当に勿体ないと思います。

 

以前から言われていることですが、浦和レッズはもともと「応援コンテンツ」が大きな魅力だったわけです。試合を見に来るのと同じくらいに応援を見に来る楽しみがあった。

 

あの事件前には、確実に、ゴール裏に熱狂的な「応援好き」がたくさんいたんですね。それがどうも減りまくって新しいファンが増えてないのではないでしょうか。

 

 

―――新規ファンが増えない理由はなんでしょうか?
僕は、アイドルと夏フェスに取られてる、と見ています。

 

有名アイドルから地下アイドルまで含めて、昔だったらレッズだけでなくJリーグに流れてきてた「若い応援好き」の多くが、そっちに流れているんじゃないか。

 

アイドルの応援なら、そんなに規制も強くないし、無愛想なJリーガーと違いカワイイ女の子が「ありがとうございます」って笑顔で感謝してくれる。

 

僕のまわりでも、サッカー熱が冷めてアイドルに流れた人間は結構います。

 

一番うまく「応援好き」を取り込めたのがモモクロでしょうかね。「応援好き」をうまく吸収して紅白まで行っちゃった。

 

それと、「応援好き」以外にも、以前は「人が集まっていて盛り上がっている流行りの場所が好き」って層もサッカーに来てた思います。特に2000年代中盤の浦和には。

 

そういう流行に敏感な若い層は、いまサッカーに来ないでフェスに行っちゃってるんですよね。

 

SNS時代の今、友人達がより「いいね」押してくれて承認欲求が満たされるイケてる場所は、スタジアムより遥かにフェスになってしまってるんですよね。

 

フェスなんかでも、主役はミュージシャン以上に、そこに観客として参加している自分たちなんです。それをインスタにアップしたりしてエンジョイしてる。

 

この層を出来るだけ呼び込もうと、インスタ映え する場所やギミックをスタジアム内に用意するニュースもよく見ますよね。

 

でも、どうもレッズはそういう動きは遅い。自分達は日本一、みたいなプライドがあるのか、なかなか動かない。

 

―――では、それを回復させるにはどうしたらいいでしょうか?
フェスって、本来は音楽フェスなんだけど、今じゃ 本当の音楽好き が集まる場所ではないんですよね。

 

Jリーグのスタジアムもそういう場所にならないと他ジャンルに負ける一方だと思います。

 

サッカーはよくわからないけど、仲間と応援して楽しい場所。一緒に声だして応援を楽しめる場所。それが理想のスタジアムだと思います。

 

しかし、今の浦和レッズはスポンサーとJリーグに気を使うばかりで、自縄自縛な対応して、若いエネルギーの発露の場としてのゴール裏を一旦否定してしまった。

 

新規層にとっては何の意味もないサポーターを縛る規制はさっさと廃止すべきじゃないでしょうか。一度自分でゲーフラとか作ると、せっかく使ったからまたスタジアムに持って行こうという気になりますしね。

 

他には、Jリーグにおいて劇的に動員を増やし、応援をヒートアップさせるのに必要なのは、とりあえずは「優勝コンテンツ」と「昇格コンテンツ」でしょう。

 

「優勝がかかる」「昇格がかかる」となれば、自然と盛り上がる。

 

アイドルにしたって、「夢の武道館に出るために応援してね」とか、「紅白が目標」とか宣言して、ファンを引き付けました。うまい例がまさにももクロ。

 

ところがレッズは、その「優勝コンテンツ」と「昇格コンテンツ」は、もう使っちゃってる。それどころかACL優勝して次の年なのに観客が減ってる。

 

埼スタはアクセス悪いし、何があっても見に行きたい選手も浮かばない。今は、スマホで海外サッカーをいくらでも見られる時代ですから、試合の面白さだけではなかなかお客さんも呼べない。

 

気楽に観れる海外サッカーに試合レベルは勝てないのだから試合内容云々より、より良い「応援しがいのある存在」を目指すべきなのに、クラブはそうは思ってないような気がします。

 

—-何か良い手はないでしょうか?
19歳、20歳の入場料を一部タダにする「Jマジ」みたいに、無料サービスのワクを独自に広げていったっていいんじゃないか。

 

僕の知ってる若い人達って、多くはびっくりするくらいカネがない。JリーグでSAやSBの指定席が3500円とか4000円とか、払えない。そういう人達を引き入れて、応援を体験してもらう。

 

Jリーグを応援するサークルが大学にあって、所属してる大学生に話を聞いた事あるんですけど、やっぱりJマジからJリーグを観に行くようになったと聞きます。

 

ゴール裏なら30歳以下の女性は無料なんてしたっていいくらい。なんなら売れ残った旧モデルのユニフォームも貸し出しにしてカワイイ写真撮ってSNSにどんどんUPしてもらいましょうよ。

 

それをSNSで発信してもらって各地に広げる。これくらいやんないと、若者や女性の新規はなかなか来ないと思います。

 

それと長期で浦和レッズを見続けている固い地層の上に、新たに入れ代わり立ち代わりやってくる新規のファンが乗っかっていく、そんな形をつくらないといけないのに、今はシーチケ層が細ってきている上に、新規もなかなか広がらない。

 

シーチケについては、買い続けるメリットが殆ど無いのも、影響してるかもしれません。値段的には普通にチケット買うのと何ら変わらないですしね。
他チームには、「友達の方をお誘いください」と招待券を付けてくれるところもあるけど、レッズは「ウチは自然にお客は来る」と思ってるのか、そういうサービスは一切なし。せいぜいが特定の試合の優先入場でしょ。

 

既存のシーチケ層は大事にしてない、新規に来る層には敷居が高い、どうも手詰まり感が強いんですよ。

 

―――5年後、10年後、レッズと、それを囲む観客席はどうなっていると思いますか?
どうだろう。今から10年前は、チーム力はともかく、観客動員力については圧倒的なナンバーワンでした。今も、他チームに迫られているとはいえ、まだトップ。

 

でも、今後もそれを維持したいなら、埼玉だけじゃなく、もっともっと東京23区内に進出していかないといけない。特に埼玉に近い北側の北区、足立区や、東武東上線沿線、西武池袋線沿線あたり。

 

限界効用逓減の法則」ってあるじゃないですか。一回目はムチャクチャ感動しても、同じことが2回、3回と続いていくと、回を追うごとに感動が薄れ、「効用」が減っていくっていう経済用語。

 

浦和周辺のサッカー好き、観戦好き、応援好きって層は既に浦和レッズという「効用」を使い切ってしまっている気がします。それも今の観客減の大きな要因かと思うんですよね。

 

地域密着を売りにしてるJリーグですけど、関東近県のチーム、鹿島や清水は東京からの観客が3割超えてるじゃないですか。それなのにより東京に近い浦和が何もしてないのはもどかしいですよね。

 

たまにACLとか大きな試合の時に浦和駅前で選手がビラ配ったりするじゃないですか、あれ見る度にいつも王子駅前とか駒込駅前とか池袋駅前とかでやってホームタウン拡大図ればいいのにと思ってます。

 

ただ残念ながら、もし噂にあるように都心の専スタが出来たら、今度こそ23区のサポーター予備軍をFC東京が全部を持って行っちゃうかもしれない。

 

これ、けっこう大問題になると思うんですよ。

 

いまの浦和に来てる僕のような東京23区北側の人間は、当時Jリーグのチームを応援しようにも東京に応援するチームがなかった。

 

だから埼玉でも浦和に来た。FC東京が出来てもスタジアムがある飛田給より、浦和の方が近かった。

 

でも23区内、それも代々木に素晴らしいスタジアムが出来てFC東京のホームスタジアムになってしまったら、今度こそ東京からの浦和新規ファン流入が断たたれてしまう。

 

今後の10年、20年後を考えたらさっさと東京都内ファンの確保にも動いていいのかもしれない。

 

たまに年に数回、浦和が公式に池袋から Here WE号 っていう埼スタ直行のバスを出してるじゃないですか。あれももっと定期的に、それも新宿とか渋谷からバンバン出せばいいのにと思うぐらいです。

 

まとめると、アイドルにフェスにFC東京の新スタジアムは親の仇ぐらいに思え。既存のシーチケ層の流失を食い止めるサービスを年内に打ち出しつつ、新規開拓の為に地域密着というポリシーは一旦置いて東京都内のサポーター予備軍を取り込む。応援に関しても積極的に規制緩和して応援好きが楽しめる現場を再構築する。

 

ってところですかね。

 

※過去記事
第1回『SNSを使ってユルい交流の場を作るのはどうでしょう?』コグレマサトさん編(ネタフル管理人)
第2回『みんなが戻ってくる場所が大事』今井俊博さん編(酒蔵力浦和本店 店長)
第3回『さりげないファンサービスをもっと大事にしてほしい』関口洋子さん編

 


山中伊知郎

昭和29年生まれ。93年のJリーグ開幕時から、シーズンチケットでレッズを見続けている。職業はライター。山中企画という会社を作って、自分が制作費を投下して本も出版している。今年もまず5月に、山形県米沢市の前市長・安部三十郎さんの本『鷹山政治の継承』を出版。米沢と東京で出版パーティーも開催。続いて、夏ごろの出版を目指して、かつて11回まで続いた「横浜・野毛大道芝居」に関する取材を続けている。自ら主催するお笑いライブ『ちょっと昭和なヤングたち』も継続中で、次は72回目。MCはイワイガワ、7月30日(月) 午後6時半からお江戸上野広小路亭で。

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