「浦レポ」の有料記事を一部紹介させていただきます。
クラブW杯前のラストゲームを勝利、テストの方向性とリーグ戦の関係【轡田哲朗レッズレビュー/J第19節 横浜FC戦】(浦レポ)
(Report by 轡田哲朗)
負けパターンの試合でカムバックできたのは素晴らしいこと
浦和レッズは6月1日にリーグ戦の21試合目で横浜FCと対戦して2-1の勝利を収めた。押し込みながらゴールを奪えず、緩い対応からカウンターで先制を許すというのは、サッカー的な「あるある」みたいな話だと典型的な負けパターンのゲームだったが、自分たちの力でカムバックして勝ち点3を奪ったことは素晴らしかった。
それと同時に、このゲームはクラブ・ワールドカップ(W杯)前のラストゲームになった。トータル的な振り返り要素を入れるタイミングでもあるけど、そのような部分はこれがアップされる6月3日の夜に河治良幸さんと、この「浦レポ」のチャンネルでYoutube配信をすることになっているので、そこでお話しできればと思う。
5月17日のFC東京戦から5連戦の日程になることが話題になっていたが、この時期の裏テーマになっていたのがクラブW杯に向けたテスト起用だったとみられる。松本泰志のボランチ起用、中島翔哉、髙橋利樹のスタメン起用、井上黎生人、原口元気のスタメン起用、チアゴ・サンタナの途中出場といった形で、各試合に少しずつテーマに沿った部分があった。そして、このゲームだと1つ前のセレッソ大阪戦の途中から配置されていた渡邊凌磨を左サイドハーフに起用して、マテウス・サヴィオを中央に置くメンバー構成になった。
時系列を飛ばすと、試合後にマチェイ・スコルジャ監督は「最も得点を取ってきた彼をサイドに置くのは不思議な判断だと感じるかもしれません。しかし、これはクラブW杯で必要なことかもしれません」と話し、その起用の意図をハッキリさせている。
ここ5試合について、このようなテスト的な起用を理由に勝ち点がちょっと不足したと因果関係を作るのは必ずしも100%正しいとは思わないけど、目先の勝ち点3を得るための良い効果があったのかに疑問符がつくものもあった。しかしながら、クラブW杯という強い相手との短期決戦を見据えて、リーグ戦とは違ったベクトルのチームを用意しなければならなかったことも理解できる。だからリーグ戦を長い目で見るならば、それ以外の期間でそれを補うような勝ち点を取っていなければならないわけで、その点でスタートの失敗が痛かったのは間違いない。このタイミングは「やりたい」と「できる」の関係性もそうだし、作りたい料理に必要な素材が揃っているのか問題が色濃かった。これは、マチェイさんだけでなくもう少し俯瞰的に見る話題なのだろうけど。
同点ゴールは今季のベストゴール候補、個々の好プレーも連続
渡邊とサヴィオの位置取りというこのゲームのトピックは最後に取り上げるとして、まずはゴールシーンを1つ見ておきたい。この場面は何人かの選手の素晴らしいプレーが組み合わさっていて、私の尺度ではシーズンのベストゴールで候補の1つに挙がると思う。
前進のスタート地点はサミュエル・グスタフソンがペナルティーアーク付近で横にボールを捌いたことだけど、受けた安居海渡がどの方向にでもボールを出せるような受け方をしたのが最初の良いポイントだった。このような時に正対してしまってリターンパスに逃げるようなことが多かったけれども、ここ数試合で彼の変化を感じるところだ。彼のパス選択に関する質問もミックスゾーンであったけれども、違いは恐らく下地にあたる受ける瞬間の体の向きにあると思う。このプレーの権化みたいなのがグスタフソンだし、彼の柔らかさというか一呼吸早く体の向きを変える域に達することができる選手はあまりいないだろう。まだまだ味方に爆弾を投げ渡してしまうようなパスはあるけど、安居がこの方向で進化できるならキャリアも少し変わるかもしれない。この辺の話は、後でのテーマにも絡む。その後のパスも、右に開く石原広教にも出せる角度から内側に刺したのが良かった。
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