コラム

『自転車に抜かれた台数で感じる埼スタの熱気』浦和vs横浜FM【山中伊知郎の素人目線2021】

■まさかの3選手退団

ほぼ1カ月ぶりのホームの試合。

しかし、その1カ月の間に、阿部勇樹と槙野と宇賀神と、この3人がいっぺんに来年のレッズにはいなくなるというのは、まさしく「まさかまさか」であった。特に宇賀神は、平川ではないが、なんかもうずっと埼スタに根っこが生えていて、そこから一生動かない選手のような気がしてたので、「契約満了」という言葉がどうもピンと来ない。きょうも、後半終了間近の大事なところで投入されてたし。

宇賀神を植物にたとえると「柳」のイメージ。一見、そんなに目立たず、風になびいてフラフラしているように見えつつ、実は根っこは強靭で、倒れてもまた起き上がってくる感じ。

どういう形になろうが、レッズに関わり続けてもらいたい気持ちを込めて、一句。

根の張った  レッズの柳は  いつまでも

 

■埼スタの日常が戻りつつある

私は自転車で埼スタに行くのだが、ゆっくりとダラダラ行くために、いつも必ず何台もの自転車に追い抜かれて行く。

ただ、ここ2年ほどはずっと入場制限が続いていたのもあり、抜かされる台数が減りっぱなしだったのが、きょうは久しぶりにいっぱい抜かれた。それで少しウキウキした。「祭りの会場」に向かっている意識が高まるからだろう。

試合開始30分前、埼スタについても、またウキウキだった。外の広場にはアトラクションもあるし、キッチンカ―も並んでいる。

久々の「お祭り感」なのだ。人も沢山集まってるし。しかも老若男女というのがいい。試合開始前は、広場で、飲んだり食ったり、ボール借りて蹴って遊んだり。それを見ているだけで日常とは違う異空間を味わえる。

2年前までは、これが当たり前だったんだな、と改めて思い出す。贅沢してたんですよ。

やっと出来た  キッチンカ―で  腹ごしらえ

今回、私がとった席はいつもの南側ゴール裏ではない。バックスタンドの南側の前列。
LOYALTY特別優待販売というのでチケットを買ったが、普段の指定席とゴール裏で、時間差で販売された。それで、ゴール裏の発売時間を待ちきれずに、バックスタンドの席を買ってしまったのだ。

ちょうどコーナーエリアがすぐ前にあるくらいのところで、いつもと見え方が変わるあたりもちょっと楽しみ。

スタンドを見回してみる。アッパーにも人がそこそこ入っていて、ようやく2年前に戻った気はするが、これでも観客数発表では2万1千人あまり。かつての観客4万、5万がどれほどスゴい数字だったのか、再認識。

コンコースで、年度別のスターティングメンバーの写真をながめて、ほんの2~3年前の先発メンバーが、ほとんど今と変わっている現実をまた再認識。

ほぼ違うチームになってる。

メンバーの  あまりの変化に  立ち尽くす

 

■負けても強かったマリノス

試合は、最初からどちらかといったらマリノスに押され気味。前半15分くらいは、ほぼ向こうのエリアでボールが回され、あまりこっちにやってこない。

ようやく来たと思ったら、いきなりFKのチャンスだ。位置はほぼ私の座ってるすぐ前。
キッカーの江坂は、まさかスタンドの誰もが予想しなかったような、地を這うようなキックをゴール前に通して、それが伊藤の得点につながった。

偶然というか、ちょうど私の座っていたポジションから、そのボールの軌道がはっきりと見えて、「きょうはラッキー!」の心境であった。

劣勢を  地を這うキックで  跳ね返し

1点目が実質、江坂の決めた得点だとしたら、2点目は決めたのは田中達也だが、実質はスルーパスの関根だろう。これもまた、いつものゴール裏ではなく、バックスタンドから見ていたために、そのパスの距離感がよくわかった。「あ、あそこついてくるか!」であって、かつての小野みたい。

試合そのものは、どっちかといえば押されている状態なのに、気が付けば、2-0でリードしてる。相撲でいうと、土俵際まで押されながら、突き落としや肩透かしで逆転してるみたいな感じ。

それにしても2点目決まった時の、オーロラビジョンに映し出されたロドリゲス監督の喜びっぷりは派手だった。まだまだ1点じゃ心もとなかったのだろう。

まったく、後半を見ても、やはり2点目入れといてよかった、と考えるしかない。前田大然をはじめとして、マリノスの攻撃陣は、次々とレッズのゴールに襲い掛かってくる。コーナー変わって、今度は南側の攻防なので、ヒヤヒヤの連続だ。特に、1点入れられた後の最後の10分くらいは、すでに日もかげってきて、肌寒くなっていたのもあり、肝が冷える場面が続いた。

きょうは点とってないけど、前田は本当に足が速い。早いだけなら、かつての岡野のが上かもしれないが、小回りが利く。しかも頭がああなので、私のようなハゲは親近感がわくし、どこにいるかすぐわかる。

西川のファインセーブやポスト直撃もあったりして、ようやっと2-1で逃げ切ったものの、印象的には引き分けか、負けていてもおかしくない試合だった。

ようやっと  勝利をつかむ  日暮れ前

あと、リーグ戦のホームは1試合。それと天皇杯か。天皇杯勝って、来年はまた満員の埼スタでACL決勝を見たいものだな。

帰りも、数多くの自転車に抜かれながら、のんびりとベタルをこぐ。もう日は暮れていった。

 

よかったら、これを読んでいる方でも、コメント欄にどしどし「レッズ川柳」、投稿してみてください。シーズンオフになったら、本当に川柳句会でもやりましょう。

 

動画:浦和レッズ川柳で10月の激闘を振り返る

 

山中伊知郎

1993年のJリーグ開幕から、レッズの年間シート席をもっている。 山中企画という「ひとり出版社」を作って活動中。昨年10月、『タブレット純のムードコーラス聖地純礼』という本を出した。今までどこも出していなかった「ムードコーラス」の歴史を克明に追った本で、マヒナスターズ、東京ロマンチカなどメジャーなグループから、誰も知らないようなマイナーグループまで続々登場。今年は4月に、東洋医学医師で腸のオーソリティでもある田中保郎さんの『腸を診る医学  コロナに必要なのは東洋医学の「調整力」!?』という本を出した。どんどん形を変えていくコロナウイルス対策としては、ワクチンに頼るだけでなく、東洋医学を使ってウイルスとの「共存」をはかるべき、といった内容だ。YouTubeで、田中先生との対談をアップしたりもしている。
12月21日には、ずっとアサヒ芸能で連載中の『あなたの知らない原価の世界』を単行本化して出版の予定。メロン、マグロなどのグルメから、Tシャツ、和服などの衣類、建売住宅、マンションなどの建築物、それにデリヘル、オナクラなどの風俗や、はしご車、入れ歯、マスクなどに至るまで、様々なジァンルの「原価」にこだわった異色の一冊だ。

コメント

  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:131.213.4.238 )

    満員の 埼スタはすぐ やって来る

    このコメントに返信

    2021年11月22日 20:27

  2. 2 匿名の浦和サポ(IP:59.166.134.211 )

    夕暮れも 埼スタも赤く なりにけり

    このコメントに返信

    2021年11月22日 20:33

  3. 3 匿名の浦和サポ(IP:222.6.63.164 )

    阿部ちゃんが 見守るあつき 若き赤

    このコメントに返信

    2021年11月22日 21:40

  4. 4 匿名の浦和サポ(IP:60.47.47.240 )

    去る人を 勝利で送る 夕間暮れ

    天皇杯 必ず取るよ 君の為 

    このコメントに返信

    2021年11月23日 03:00

  5. 5 匿名の浦和サポ(IP:111.239.188.151 )

    決めたのは 次代を担う アツとタツ

    このコメントに返信

    2021年11月23日 06:41

  6. 6 匿名の浦和サポ(IP:133.106.33.130 )

    来シーズン 新たに誰が 来るのかな

    このコメントに返信

    2021年11月23日 16:33

  7. 8 匿名の浦和サポ(IP:49.98.164.120 )

    カウンター 浦和のスタイル サポも納得

    このコメントに返信

    2021年11月24日 07:18

  8. 9 匿名の浦和サポ(IP:60.47.47.240 )

    貴(とうと)ぶは 熱き血潮と戦術理解
    関根貴大     伊藤敦樹   リカルド

    このコメントに返信

    2021年11月24日 14:18