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▼石原監督就任で、主体的なサッカーを志向
浦和レッズレディースは、7日のAC長野パルセイロレディース戦を0-0で終えた試合で、今季のリーグ戦の全日程を終了した。最終的に勝ち点32で3位と優勝には届かなかったが、昨季が勝ち点19の8位で1部残留争いを戦う事態であったことを考えれば、よく立て直してきたという言い方ができるだろう。

チームは昨季にコーチを務めていたところからの昇格で、石原孝尚監督が就任して戦った。プレシーズンから攻撃的に臨むことと、その一端として自分たちでボールを保持して主体的にプレーすることを掲げてきた。石原監督は「最終戦が一番いいゲームだったと言えるように」という言葉や「成長しながら勝っていこう」という言葉をよく使っていた。もちろん、最初からうまくいくことばかりではなく、猶本光が序盤の戦いを「つなぐばかりになっていた」と話したように、チームのベースを作っていくのに時間が必要だった。

センターバックの一角としてプレーしてきた長船加奈は「去年まではサイドチェンジで揺さぶるばかりだったけど、今年になって、前も見て、ゆさぶることもしてと選択肢が増えました。それは、やっていて楽しさを感じる部分です」と話し、最終ラインからのビルドアップを求められるようになったチームの変化を話した。

そうした中で石原監督も、シーズン序盤にはトップ下を置く4-2-3-1を試し、4-4-2に変化し、安藤梢がドイツから復帰したタイミングで4-3-3を試しと、選手たちの個性をチーム力に反映するために試行錯誤していた。その中で「最終的には4-4-2がしっくりくる」ということに落ち着いたが、シーズン中にそうやって課題を見つけながら、あるいはテストをしながら戦ってきた中では、簡単に頂点に立つ優勝という結果を求めるのは厳しいだろう。

石原監督になっての一つの変化は、サイドバックにボランチでもプレーできる選手を重用したことだ。北川ひかるが負傷離脱した中で始まったシーズンであったことも影響したにせよ、右が栗島朱里で、左が木崎あおいという、両者とも下部組織では中央のポジションでプレーしてきた選手をコンバートした。その狙いを「サイドバックのところでもボールを落ち着かせられるように」と話したように、11人が主体的に関わるサッカーを描いている。その一方で、昨季にサイドバック起用されていた塩越柚歩をトップ下や2列目の左サイドにコンバートするなど、コーチとして1年間選手たちの特性を見て、その上でより生きるポジションを与えようという意図が見えていた。これは、コーチから昇格した監督が持つ絶対的な強みであり、それを生かしたと言えるだろう。

▼ベレーザとINACを上回るために必要なもの
とはいえ、リーグ戦というのは1年間のトータルで競うものだ。やはり、シーズン序盤に勝ち点を簡単には積み重ねられなかったことが、最終順位にも反映される。吉良知夏は「あらためて、前半戦がここまで響いてくるんだなと感じます」と、優勝した日テレ・ベレーザから勝ち点15の差をつけられて終わったシーズンを振り返った。それだけに、来季はシーズンの頭から2位のINAC神戸レオネッサも合わせた"2強"を上回ることを念頭に置くシーズンになる。今季の戦績表を見れば、その両チームに対して0勝4敗であり、それで優勝というのは虫が良い。逆に言えば、直接対決でその2チームを上回るようになっていけば、頂点というのは見えてくるからだ。

石原監督は「今の時点でも、10回やって2回か3回は勝てると思うし、策を練っていけば可能だと思う」とした上で、あくまでも王道を持って制したい気持ちを話している。

「クオリティーで上回って勝ちたいと思っています。若いチームですし、本当の力で勝てるようにしたいと。その2つに勝つと考えたら、もう1つ深く崩せるようにしたい。『あとは決めるだけ』という形がないと、相手も守りやすかったのではないかと思うんです。それを引き出しにして、トレーニングをしていきたいです」

石原監督が話したように、浦和のチャンスは相手と競り合いながら吉良や安藤、菅澤優衣香といった選手たちが個のクオリティー差を見せつけてゴールするものが多かった。一方でベレーザやINACを見れば、ゴール前のラスト20メートルに侵入する時に、ボール保持者の前にパスターゲットがいる状況や、最前線の選手が1つ戻したところに良い形でシューターが入ってくるという質の高い攻撃が多い。浦和の攻撃は、裏に出たボールを追いかけている選手や、ドリブルで運んでいる選手が先頭でゴール前に入っていくことが多く、オープンな状況でシュートコースを選べるようなチャンスは少なかった。その質を高めることは、石原監督も課題として認識しているようだ。

難しいチャンスでも決めてしまうような能力の高いFWがいるからこそ、より攻撃の質を高めればもっと多くの得点を奪うことにつながる。守備面では簡単には崩されないだけの安定感を身に着けてきただけに、それがリーグタイトルを得るためには必要な条件だろう。

ベースづくり、あるいはベースアップという観点から見れば、今季の浦和は内容だけでなく、リーグで3位、リーグカップで準優勝という結果からも十分な合格点が与えられて良いはずだ。まだ皇后杯の戦いは残っているが、来季以降に向けて多くのポジティブな要素があるシーズンだったのではないだろうか。

※関連リンク
リーグ最終節を終えて猶本光が振り返るシーズン 2強を上回るために必要なこと【轡田哲朗レッズレビュー/プレナスなでしこリーグ1部第18節 長野戦】


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

コメント
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1. 名無しさん(IP:49.98.167.153)

ベレーザとINAC神戸に勝つ メンタルが必要!!

October 10, 2017 12:38 PM

2. 名無しの浦和レッズサポーター(IP:118.108.186.163)

宮間って今フリーじゃないのかね? まだまだやれるだろうし、若いチームにああいう経験がある選手きてほしい

October 10, 2017 2:42 PM

3. 名無しの浦和レッズサポーター(IP:113.159.111.220)

あとレディースの選手はトラップの練習をたくさんやりな いつもトラップがデカくなって球離れが大きくなってそれで手間取るからね。 そのために無駄走りや相手にボールをカットされるのが多々あるから。チャンスをそれで潰しまくってチャンスの芽を自分たちで小さくしているから

October 10, 2017 2:45 PM

4. 名無しの浦和レッズサポーター(IP:122.213.201.194)

女子サッカーてGKとディフェンスが重要だよね。つまりアホみたいな失点をなくせば勝てるINACやベレーザにも勝てるチャンスはある。

October 10, 2017 4:51 PM

5. 名無しの浦和レッズサポーター(IP:119.106.105.163)

3もトップの話かと思われるほどだ。何か共通の原因があるのだろうか。

October 11, 2017 6:41 AM

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