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今季初のマルチゴールで勝利、両チームの策でフェーズが切り替わったゲーム【轡田哲朗レッズレビュー/J第8節 清水戦】(浦レポ)

「浦レポ」の有料記事を一部紹介させていただきます。

 

今季初のマルチゴールで勝利、両チームの策でフェーズが切り替わったゲーム【轡田哲朗レッズレビュー/J第8節 清水戦】(浦レポ)

 

(Report by 轡田哲朗)

3選手の入れ替えがあった水曜日のゲーム

 

浦和レッズは4月2日のリーグ第8節、清水エスパルス戦に2-1で勝利した。これが今季の2勝目で、ホームで一息つける勝ち点3になったのは良いことだし、鹿島アントラーズ戦が少し残念だったにしても3試合で2勝1分は決して悪くない。ホームゲームで勝ち点を量産できるペースを作ることは様々な意味でチームをやりやすくしていくので、まずは良い結果を得られた。

 

このゲームでは3つのスタメン変更があり、石原広教が右サイドバック、渡邊凌磨がダブルボランチの一角、松尾佑介が2列目の一角に入った。中継を担当したDAZNのアライバルインタビューに対し、マチェイ・スコルジャ監督は金子拓郎について「前節にケガがあった」という内容の話をしていたので、それも変更があった1つの理由だろう。それにより、2列目は右サイドにマテウス・サヴィオが入り、中央に松本泰志、左に松尾という並びになった。

 

一方の清水は3バックでも4バックでもプレーができるようなチームという感はあるものの、このゲームでは5-2-3の配置を基本にしながら右サイドの前後関係でマイボールと相手ボールの時に調整を掛けるような感じにしていた。また、浦和との縁がある選手では矢島慎也、松崎快の2人が途中出場でピッチに入ってきた。

サヴィオの駆け引きに始まり、互いの振る舞いで膠着した第2フェーズまで

 

スタートの噛み合わせは浦和が2トップを縦関係に近いような感じにして、松尾とサヴィオを高木と住吉に向けて押し出していきたいニュアンスの形をとっていた。開始4分でそれはゴールにつながり、サヴィオがうまいこと「空けておいて、誘う」という感じの駆け引きからボールを奪い取ってゴールにつなげた。この辺は、相手に何もさせないような位置を先に取るより、何か相手にさせて、それを自分で何かし返してやろうというメンタリティーの持ち主らしさを感じるプレー選択で、あまり国籍で物は言いたくないけど、ちょっとしたブラジル人らしさというか、対人ゲームの巧みさを感じるものになった。

試合後に答え合わせのような形で矢島に話を聞いたところ、清水の狙いは「浦和のサイドハーフの後ろ側」からの前進にあったようだ。その意味では、狙われている場所に誘い込むような形になったので、余計に試合序盤のプレーとして効いたのだろう。

 

一方で、清水の後方に控える左右のストッパーのうち高木は比較的に自分でボールを持って相手を引き出しながら何かをできる現代的で興味深いタイプの選手だったが、住吉はフリーでもすぐにボールを離したがるところがあった。一発目でサヴィオに狙われたのが頭にあったのか、その後は北爪まで飛ばす対角フィードを連発するようになり、この結果として先に高い位置に出ていく松尾の位置が浦和にとって負担になった。何回か荻原拓也のところで危なっかしいマッチアップの瞬間が生まれていたが、前半15分過ぎにピッチ上で選手が接触で倒れて時間ができたところで清水が住吉と高木の位置を入れ替えたことで、そこから両チームが交代を行うまで60分近くの構図が出来上がった。

 

 

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