浦和レッズについて議論するページ

今年より町田ゼルビア、浦和レッズを中心に取材するライター郡司聡さんによる「対戦相手から見た浦和レッズ」というコラムシリーズが浦議でスタート!
第8回はJリーグ浦和vs鹿島戦になります。

 


▼鹿島のシナリオどおりだった前半
来シーズンのAFCチャンピオンズリーグのプレーオフ出場権を獲得できる3位に食い込むためには、勝ち点4差で3位に位置する鹿島アントラーズから勝ち点3をもぎ取ることは、今節の浦和レッズにとって、至上命令だった。それは今季のACLでベスト4進出を果たしている鹿島にとっても、この試合の価値はホームチームのそれと同等に等しかった。鹿島の左サイドハーフ・安西幸輝は、「ビッグマッチだったので、気持ちも入っていたし、いつもよりは高いテンションで試合に入った」と試合後に振り返っている。

 

開始2分、鹿島の守護神クォン・スンテのキックミスのボールを拾った青木拓矢が前線の興梠慎三へ展開し、最後は右ウイングバックで先発した森脇良太が決定的なシュートを放った。この場面はゴールの枠を外れたものの、このシュートシーンが一つの号砲となって、序盤から浦和が猛攻を仕掛けた。

 

鹿島戦の浦和は“ミシャ・レッズ”を想起させる流麗なコンビネーションでチャンスを作ったかと思えば、素早い攻守転換からスピーディーなカウンターを仕掛ける形も創出。そして12分には武藤雄樹がキレキレのドリブルでフィニッシュに持ち込んだ場面のように、コンビネーションあり、個の破壊力で崩す形ありと、この日の浦和のオフェンスはバリエーションが豊富だった。

 

鹿島の土居聖真は「ボールを奪ったあと、すぐにボールを取られることが多かった」と振り返り、日本代表CB昌子源は浦和の攻撃のインパクトについて、次のように話している。

 

「レッズさんがテンポよくパスを回している中でボールを取りに行く形は無理があるなと思っていました。何度かリョウタさん(永木亮太)が取りに行って、警告を受けたり、ファウルを取られていましたし、無理に行ってフリックされる形を作られるよりは、ボールの前に立つような状況でも良かったと思います」

 

このように鹿島撃破に燃える浦和は、オリヴェイラ体制で最も攻撃の機能性が高い試合展開を披露していた。しかし、鹿島の立場に立てば、これだけ押し込まれるのは想定内でもあった。昌子は言う。

「前半は危ないシーンがあっても想定内というか、カウンター1本でゴールを決めればいいと思っていました」

28分にスピーディーなカウンターから安西がフィニッシュまで持ち込んだシーンは、岩波拓也のシュートブロックで事なきを得たが、38分には中央でセルジーニョに起点を作られると、左SB山本脩斗のクロスボールから反対サイドの西大伍にダイレクトボレーを叩き込まれてしまった。「どれだけ押し込まれていても、あのように点を取ってくるのは鹿島の強さだと思う」と宇賀神友弥。決定機を逃し続けた代償を、前半の浦和は支払うこととなった。

 

▼想定外だった武藤のプレー
しかし、この日の浦和はハーフタイムを挟んでも、序盤から続いた攻勢が収束することはなかった。後半開始直後の51分、森脇の縦パスから右サイドで起点を作った興梠が中へ折り返し、武藤が後ろにスラしたボールを宇賀神が左足でフィニッシュまで持ち込む。宇賀神のシュートは守護神クォン・スンテの正面に飛んだが、直後のCKから岩波が同点ヘッドを叩き込み、浦和が同点に追いついた。

 

さらに前傾姿勢を強めた浦和は、60分に9番が輝く。青木の縦パスを受けた武藤が鋭いターンから二人引き剥がして左足を振り抜くと、鋭い弾道が鹿島ゴールに突き刺さる。武藤を早めに潰すことができなかった昌子は「取りに行ったところを良いターンをされてシュートを決められた。抜かれたあとのコースにパッと入っていくとか、そういうリアクションをしなければいけない」と痛恨の失点シーンを振り返っている。

 

スコアをひっくり返された鹿島は62分、ボランチの小笠原満男に代わって、FWの鈴木優磨を投入。トップの土居をトップ下にスライドさせて、永木がアンカーを務める布陣に変えて反撃を試みた。しかし、大岩剛監督によるこの用兵は、「フォーメーションが変わった中でもう少し(鈴木)優磨にサポートする形が欲しかった」とCBの昌子が振り返ったように、さしたる効果を生まず。浦和ゴールを脅かしたシーンは、75分に永木のCKから鈴木優磨のヘッドがポストを直撃した場面など、それほど多くはなかった。

 

そして圧巻だったのは終了間際の90+3分。鹿島の攻撃を跳ね返したカウンターの展開から、最後は武藤が長い距離の強引なドリブル突破で相手を引き剥がし、チーム3点目を奪って勝負を決めている。

 

「プラン通り」(土居)に“常勝軍団”のしたたかさでリードを奪われた前半から、後半の45分は柏木が「メッシのようだった」と振り返った武藤の個人技などで見事な逆転勝利を浦和がもぎ取った。

「相手のゴールがスーパーだった」

そう言って土居も脱帽するしかないほど、9番がまばゆい輝きを放った鹿島とのビッグゲームは、オリヴェイラ体制の“ベストバウト”と言っても差し支えないだろう。

 

※過去記事
『興梠、武藤をイライラさせた柏の守備プランとは?』Jリーグ浦和vs柏
『ポドルスキが語る。大量失点の理由はどこにあったのか?』Jリーグ浦和vs神戸
『仲川にやられ続けていた宇賀神を救ったピッチでの助け合い』Jリーグ横浜FMvs浦和
『前半多くのチャンスを作った磐田。ハーフタイムで的確な修正をした浦和。その要因とは?』Jリーグ浦和vs磐田
『谷口が「強さを感じた」と認める浦和のストロングポイントとは?』Jリーグ浦和vs川崎
『名古屋の選手達が「怖い」と言った攻撃の形とは?』Jリーグ浦和vs名古屋
・『甲府選手のコメントから見えてくる浦和レッズの強さと弱さ』ルヴァン杯 浦和vs甲府


蹴球界のマルチロール・郡司聡

30代後半の茶髪編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクションを経て、2007年にサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』編集部に勤務。その後、2014年夏にフリーランスに転身。現在は浦和レッズ、FC町田ゼルビアを定点観測しながら、編集業・ライター業に従事している。

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  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:175.132.137.183 )

    鹿島戦はオリヴェイラ体制のベストバウトであると共に武藤も浦和に来てからのベストバウトでしょう。
    そして初めて「浦和の9番」に相応しい仕事をしたと思う。
    残り4試合しかないが覚醒した今の武藤を見るのが楽しみでならない。
    頑張れよ、武藤!

    このコメントに返信

    2018年10月24日 04:15

  2. 2 匿名の浦和サポ(IP:182.251.79.23 )

    体がキレキレなのは前半からわかった。あれだけ積極的に動いていればチャンスも訪れる。しっかり結果を出したのに想定外は本人に失礼だぞ。今日の天皇杯サガン鳥栖戦も頼むよ。

    このコメントに返信

    2018年10月24日 08:05

    • 2.1 匿名の浦和サポ(IP:123.230.118.50 )

      鹿島視点で「想定外」のスーパーゴールって話なのに、結果を出したのに本人に失礼とか的外れ。

      2018年10月24日 10:22

  3. 3 匿名の浦和サポ(IP:36.11.225.91 )

    敗因が武藤が凄かったってことしか伝わってこないんだけどアルバイトにでも書かせてるんだろうか

    このコメントに返信

    2018年10月24日 08:29

    • 3.1 匿名の浦和サポ(IP:61.201.49.34 )

      このコメントにダメを押してる人がいるけど昌子のコメントを並べてるだけで
      内容の無いコラムだと思う このコメントもどっかで直接聞いたわけではなく
      どこかで拾ってきたものだろうし

      2018年10月24日 09:03

    • 3.2 匿名の浦和サポ(IP:118.151.184.157 )

      敗因は武藤が凄かったでいいんじゃない。

      2018年10月24日 10:29

  4. 4 匿名の浦和サポ(IP:123.230.118.50 )

    昌子が言うように小笠原が抜かれたあとのコースにDFが入っていけば、その分興梠や槙野がフリーになって、裏に武藤から決定的なラストパスが通っていたと思う。

    このコメントに返信

    2018年10月24日 10:28

  5. 5 匿名の浦和サポ(IP:153.236.141.158 )

    直前にナバウトがつぶれて鹿島の隙ができたよね
    途中出場で要注意だったろうし
    昌子が病み上がりで切れはなかったのもあると思う
    ここで無理してまた怪我ってのも怖かったろうし
    あと武藤はオリベの厳しい練習にあったんだろうね
    武藤はもっと練習すべきだったんだろう
    怪我人続出だけど

    このコメントに返信

    2018年10月24日 14:50

    • 5.1 匿名の浦和サポ(IP:159.28.178.216 )

      それで?

      2018年10月24日 16:05

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