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▼オリヴェイラ監督の交代策を自分に絡めて解釈する
浦和レッズは16日のルヴァン杯グループステージ最終節のサンフレッチェ広島で1-0の勝利を収めた。浦和の立場は引き分け以上なら2位以内が決まり、広島は勝利が絶対条件という条件戦で、浦和は広島に対して十分な攻撃回数も質の高さも許すことなくゲームを運び、無失点で終えた。その時点でこのゲームに対するミッションは成功させていたが、ボーナスとなる勝利を呼び込んだのが李忠成だった。

 

後半半ば、チームがPKのチャンスを得た時に李がキッカーに志願した。その瞬間に、確か浦和に来て彼はPKを失敗したことがないはず、と頭によぎった。往々にして、ということもないが、ここでまさかの失敗をすることになる。試合後に聞くと「プロサッカー人生で初めてじゃないかな」ということだった。

 

PKというチャンス自体が、高い確率でゴールが決まると外からは思われるものだ。それだけでも失敗した時のショックが小さいわけがない。それに加え、もう30歳を越えるキャリアの持ち主がプロで初めて失敗をしてしまった後の精神状況は、ガックリ来てしまうのが普通なのだろうとも感じる。それでも、李は折れることなくゴールに向かったプレーを繰り返した。そこには、オズワルド・オリヴェイラ監督の交代策を自分の中でどう解釈したのかという面があったのだという。

 

「いやーもう、PKを外してしまったんですけどね。その後に、『俺が絶対に点を取るんだ』という気持ちでゴールに向かった結果、点を取ることができたんで。その後(PK失敗)の選手交代で、オズワルドのメッセージを感じたのは、FWで出て先発してPK外した奴が、しっかりケツ拭いてゴールを取って来いというメッセージだと受け取ったので」

 

オリヴェイラ監督はPK失敗の4分後、遠藤航に代えて青木拓矢を投入していた。ベンチには興梠慎三を入れていたので、確かに興梠を李に代えて送り込むことは可能だった。そうではなく、3人目の交代枠を自分以外のところに使ったことを、李は自分へのメッセージだと受け取ったのだという。オリヴェイラ監督の意図がそこにあったのか、本当の意味での真相は監督にしか分からないが、ある意味では自分に都合よく周囲の変化を受け取ることも、ストライカーというチームの成績を左右するポジションには必要なのだろう。

 

過去に話を聞いた時、彼は「サッカーを始めた時からFWだった」と話していたことがあった。50年くらい前のサッカーならいざ知らず、今やストライカー然として構えていられる選手はチームに1人か2人である。そしてゴールという結果でふるいに掛けられ、その競争に勝ってきたからこそプロになった。他のポジションもできるという強みがあるタイプではないストライカーには、こうした少し違ったメンタリティーを持つ選手がいる。ある意味では、浦和の中で唯一無二の存在であるとも言える。オリヴェイラ監督は、鹿島アントラーズ時代の采配を考えても、彼のような選手を上手にチームの中で活用する術を持ち合わせているはずだ。シーズンの後半戦でも、ポイント、ポイントで彼が存在感を発揮する瞬間は訪れるだろう。

 

▼「死ぬわけではないし、サッカー人生は続く」
この試合は、18日に発表されることが決まっていた日本代表のメンバー発表で直前の試合だった。槙野智章は順当に選出されるだろうという予測のあった中で、西川周作は微妙な立場だった。4月の柏レイソル戦を日本代表の西野朗監督が視察した際に、相手GK中村航輔と西川の両者について「ウィークポイントが出た試合でもあった」と話していただけに、西川に対して厳しい意見を持つ部分があることが明るみに出ていたからだ。

 

果たして、その発表された27人のリストに西川の名前はなかった。この記者会見が行われた時間、西川は19日のガンバ大阪戦に向けた移動の最中だっただろう。この広島戦後、彼には代表と浦和と、今季のパフォーマンスについて少し話を聞いていた。

 

「今はチームで無失点試合を多くすることに尽きるので、(代表に)入っても入らなくてもやるべきことがありますから。入ればワールドカップ、入らなければルヴァン杯と天皇杯で自分の役割がある。まあ、(入らなくても)死ぬわけではないですし、サッカー人生は続きますからね。

 

4年前と今では、今の方が楽しみですね。4年前はメンバーが固定で、ほぼ入るだろうと。今は、どうなるか分からない。その楽しみはありますよ。その、楽しみにできているというのは、パフォーマンスがイメージ通りだからだと思います。監督によって好き嫌いもあるし、求められるものも違う。やり切ったなら、納得できるじゃないですか。気持ち的にはそういう感じですし、余裕をもってプレーできていますよ」

 

すでに日程は決まっていることなので、選考結果に関わらず彼はG大阪戦の試合後にコメントを求められることになっていただろう。本人が「相手がガンバというのも変な感じですよね」と話したように、G大阪からGK東口順昭がメンバー入りした。中村の年齢が少し若いことを考えると、西野監督が東口と西川の間で選考をした可能性も少なからずある。

 

それでも西川は「僕とヒガシ(東口)の仲は、お互いにリスペクトしあえているし、どちらが入るのか2人ともどうなのか分からないけど、彼は間違いなく良い選手だと理解しているので、ヒガシが入るなら素直に応援したい」と話していた。

 

もちろん、6月4日にFIFAに23人の最終メンバーを提出するまで、何が起こるかは分からない。だが、現実的に西川は今回のワールドカップに出場する可能性が極めて低くなった。それでも、昨年に経験した代表落選で感じたショックとパフォーマンスの低下を繰り返すような心配はないだろう。GKとしてはまだまだ成長していける年齢でもある。彼には浦和を何度もタイトルに導いて、4年後のワールドカップでは日本代表のゴールマウスに不動の存在として立ってほしい。


※関連リンク

システム表記は何でも良い 浦和と広島のボール保持率を分けた差【轡田哲朗ゲームレビュー/ルヴァンカップ第6節広島戦】(浦レポ)

 


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:125.14.188.200 )

    李のゴールを奪うぞという剥き出しの闘志、時には空回りすることもあるものの、今の浦和にはとても大切なものだと思います。
    これからゴール量産だ!

    このコメントに返信

    2018年05月19日 10:35

    • 1.1 匿名の浦和サポ(IP:123.230.120.51 )

      試合終盤での出場が続くリーグ戦ではプレータイムも得点機も少ないけど、ぜひリーグ戦でも結果を残してほしい。

      2018年05月19日 11:50

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