浦和レッズについて議論するページ

サッカーライター郡司聡さんが浦和レッズと対戦した選手たちへの取材をもとに「対戦相手から見た浦和レッズとは?」をテーマにした原稿を浦議で連載していただくことになりました!

 

▼浦和の狙いを上回った攻撃
アウェイスタンドに陣取った浦和レッズサポーターが作り出す声援の大きさに、決してひるむことはなく、「むしろ燃える」と話した現役日本代表の畠中槙之輔は、視線の先にある前方の景色について、こう表現していた。
「浦和はただ引いているのかなと思いました。ブロックを敷いて、前からプレッシャーを掛けに来なかったので、ビルドアップをするにも苦ではありませんでした。スペースも空いていましたしね」

 

埼スタでの前回対戦で0-3の完敗を喫していた浦和は、基本的に[5-4]のブロックを築いてスペースを消し、縦パスを軸にパスワークで崩す横浜F・マリノスに対して、窮屈な状況に追い込むアプローチで試合に臨んでいた。試合後の会見で大槻毅監督は「90分間、ずっとオープンな展開は難しいと思っている」と話していたように、前半は自陣でブロックを構築しながら、クローズな展開に持ち込み、試合がオープンになった時間帯から勝負に出るプランを思い描いていた節がある。しかし、クローズな展開に持ち込むためのアプローチが、対戦相手の横浜FMにとって、「苦ではなかった」(畠中)ことは“誤算”と言うほかない。

 

パス出しの起点役を担うダブルボランチの一角・扇原貴宏は、ハイラインの4バック付近まで降りてプレッシャーを受けない状態で縦パスを打ち込み、浦和のブロックディフェンス攻略を試みる。ベルギーのクラブに移籍した天野純に代わる役目を担った扇原や、ビルドアップを特徴に持つ両CBがパス出しの起点になることは、浦和もスカウティングで十分に分析できるはず。だからこそ、彼らにある程度前からプレッシャーを掛けて制限を加えることも、手段の一つだろう。

 

しかし、この日の浦和はそれを選択せず、彼らをある程度泳がせながら、縦パスが入ってから対処する狙いだったという。こうして自陣に引き込む浦和を前に、扇原らは自由を謳歌。トップ下のマルコス・ジュニオールや両サイドハーフが浦和のブロックディフェンスの隙間に顔を出し、後方からの縦パスを誘発。一度ボールが入れば、そこからより縦へ、もしくはサイドへと展開し、浦和を自陣に釘付けにした。

 

もちろん、前半はある程度、防戦一方の展開になることは覚悟の上だった浦和も、反撃の一手を有していなかったわけではない。横浜FMの畠中は「浦和の狙いはハッキリしていた」と話した上で、「逆サイドの裏やSBの裏を狙って蹴ってきた」と振り返る。そして31分にその狙いが結実する。

 

左CBの槙野智章が相手の右SBの裏を突くロングフィードを供給し、スペースでボールを受けたファブリシオが広瀬陸斗の対応を外して、ゴール前にクロスを入れた。しかし、そのボールは戻って守りに入った扇原に当たり、クロスバーを叩く。この“ワンチャンス”が決まっていれば、また試合展開は違ったものになっていたに違いない。

 

ファーストチャンスを仕留められなかった浦和は、再び自陣に押し込まれる展開が続く。相手が自陣に引きこもるだけのような展開に持ち込めた横浜FMにとっては、別の“副産物”が生まれていた。扇原は言う。
「あそこまで相手を押し込めていたので、選手同士の距離感も近かったです。たとえボールを失っても、すぐに味方がいましたし、みんなのポジショニングも良かったことで切り替えも速くできました。奪い返してからの二次攻撃、三次攻撃を仕掛けることができましたよね」

 

あとはゴールを奪うだけの状況を作り出せていた横浜FMは0-0で迎えた38分。ボール処理を誤った橋岡大樹のミスを突き、ボールを奪ったティーラトンからのパスを、遠藤渓太が巧みなボールコントロールから左足シュートを決めて先制した。

 

▼オープンな展開になるも余裕があった後半
横浜FMの1点リードで迎えた後半は、扇原に対して、青木拓矢か阿部勇樹のいずれかが前からプレッシャーを掛けることで扇原のパス出しに制限を加える。しかし、当の扇原は「一つはがせればチャンスになっていたし、そこから速い攻めにつながっていました。来てくれたほうが自分たちにとってはスペースができたので、それはそれで良かったのかな」と涼しい顔で振り返っている。

 

そして後半は序盤からオープンな展開となったが、カウンター時に空いたスペースを有効に使えていたのはむしろホームチームのほう。CBの畠中は「後半は相手が少し前からプレッシャーを掛けに来たけど、つなげたし、時間が経つにつれて、スペースがより空いてきた。カウンターになるとスペースも空いていたし、余裕を持って出せるようになりました」と振り返る。

 

59分に仲川輝人のゴールとして結論づけられた場面や、86分のエジガル・ジュニオが決めたPKを取られるまでの過程は“誤審問題”に揺れたが、そこまで横浜FMに危険な形を作られていることのほうが大きな問題だろう。
「オフサイドやハンドなどを語る前に、そこまで崩されていることは事実で、それは修正すべきポイントです」

 

試合後の槙野がそう話したように、その事実から目を背けてはならない。また、エースの興梠慎三は「チャンスも少ない試合でした」と振り返った上で、こう話している。
「相手にボールを持たれることは分かっていましたが、フロンターレや札幌には前から行ってやられていたので、慎重に行き過ぎたのかなという感じもして、はまっていなかったですよね。引くのも大切なんだけど、結局はボールを奪って失って、という形が多かったと思います」

 

試合後の敵将、アンジェ・ポステコグルー監督は「マリノスのサッカーはパスサッカーだと思っているでしょうけど、1点目はプレッシャーを掛けた形から生まれました。カウンターを仕掛けられるという意味でも、われわれはより危険なチームに成長していると思います」と自信満々に語っている。

 

ブロックディフェンスを築く浦和の戦略が、横浜FMの縦パスを軸にしたポゼッションスタイルの持ち味をより引き出し、相手に前から押し込む状況を作られたことで、浦和としては、高い位置でのボールロストから鋭利なカウンターを食らう展開に陥った。そもそものプランやアプローチが、横浜FMの良さを助長し、引き出すような形になったことは、なんとも皮肉な結果だった。

 

蹴球界のマルチロール・郡司聡

編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクションを経て、2007年にサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』編集部に勤務。その後、2014年夏にフリーランスに転身。現在は浦和レッズ、FC町田ゼルビアを定点観測しながら、編集業・ライター業に従事している。著書に『不屈のゼルビア』(スクワッド・刊)。

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  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:49.98.150.224 )

    悔しい
    横浜F・マリノス戦
    横浜F・マリノス、良いサッカーしてた
    うちの完敗…
    入れ替えて明後日の試合に集中❗

    このコメントに返信

    2019年07月18日 19:52

  2. 2 匿名の浦和サポ(IP:49.98.150.224 )

    ん?
    ジュビロ磐田の今野
    明後日、出るみたいなこと言ってる
    Jリーグへ登録 間に合ったのか?
    出たら厄介だな…

    このコメントに返信

    2019年07月18日 19:59

  3. 3 匿名の浦和サポ(IP:49.98.150.224 )

    中国の武漢に
    ラファエル シルバ
    良い外国籍選手が居るみたい
    夏の補強で獲りましょう❗

    このコメントに返信

    2019年07月18日 20:04

  4. 4 匿名の浦和サポ(IP:49.98.150.224 )

    明後日7月20日(土)、関根貴大が観れる
    エコパスタジアム行くよ❗

    このコメントに返信

    2019年07月18日 20:10

  5. 5 匿名の浦和サポ(IP:49.98.150.224 )

    明日、札貼りに行こうかと思いまして
    エコパスタジアム
    札貼り
    現在 何番ですか?

    このコメントに返信

    2019年07月18日 20:23

  6. 6 匿名の浦和サポ(IP:42.146.50.21 )

    今年は2種登録も無しかな?

    このコメントに返信

    2019年07月18日 21:41

  7. 7 匿名の浦和サポ(IP:49.98.150.224 )

    アウェイ清水戦参戦、さわやかハンバーグ食べれなかったから
    明後日、試合前に行く
    念願のさわやかハンバーグ

    このコメントに返信

    2019年07月18日 22:13

    • 7.1 匿名の浦和サポ(IP:106.158.76.71 )

      さわやかのハンバーグ言われている程でもないよ。食べてみれば分かるけど。期待しないでね。

      2019年07月18日 23:38

    • 7.2 匿名の浦和サポ(IP:126.182.130.10 )

      こーゆー人の楽しみ潰すやつってきらわれるよねぇ〜

      2019年07月19日 10:43

  8. 8 匿名の浦和サポ(IP:175.132.137.183 )

    >プランやアプローチが、横浜FMの良さを助長し、、、
    そもそも浦和はボールを持たれるとボールウォッチャーになり、好き放題ヤレるのはお決まりパターンでしょう。
    ブロックを敷いてクローズしたいのなら自陣に入り込まれたら厳しい守備をしないとダメなんだよ。
    多くの選手が他人任せの守備をしているから簡単に自陣深く入り込まれサンドバック状態になるんだよ。
    これは選手にも問題があるが大槻が連動性のある守備を構築出来ないのが大きな問題だろうね。
    そろそろ大槻もオリヴェイラと似た様なサッカーをせずに自分の哲学に基づいた戦術的サッカーをしないと監督交代をした意味がないぞ。
    まさかとは思うがこれが大槻サッカーではないよね?

    このコメントに返信

    2019年07月19日 05:11

  9. 9 シーチケ所有者(IP:124.140.192.21 )

    しょうがないよ、ボールウォッチャーの神様、槙野がいるからね。

    このコメントに返信

    2019年07月19日 06:26

    • 9.1 匿名の浦和サポ(IP:119.224.175.166 )

      それを言うなら橋岡じゃね?あのミスがゲーム壊した2失点目のワンツーも彼のミスだろ

      2019年07月19日 07:54

  10. 10 匿名の浦和サポ(IP:106.180.20.142 )

    橋岡より、岩武の方が、
    今は、いいと思う

    このコメントに返信

    2019年07月19日 08:49

  11. 11 匿名の浦和サポ(IP:210.162.55.198 )

    若い選手のミスは仕方ないよ。だから使わない、補強、というのが浦和の良くないところ。
    関根だって最初はミキッチにチンチンにされた。
    橋岡も岩武も山中もガンガン使ってあげればいい。ただし適正なポジションで。WBは今はだめだ。
    正直、今期は優勝厳しい。降格はまずいけど、今期この成績だからできることがあると思う。
    ACLとリーグとはっきりメンバー、フォーメーションも使い分けちゃってもいい。今の組長の事情はみんな理解してるから生みの苦しみなら支持されるでしょ。

    このコメントに返信

    2019年07月19日 09:34

  12. 12 匿名の浦和サポ(IP:126.182.8.15 )

    ③自分の近くにあるボールを明らかにプレーしようと試みており、この行動が相手競技者に影響を与える
    ④相手競技者がボールをプレーする可能性に影響を与えるような明らかな行動をとる

    このコメントに返信

    2019年07月19日 09:54

  13. 13 匿名の浦和サポ(IP:118.151.184.157 )

    今シーズンは結果は求めない。
    近い将来に必ず川崎や名古屋、東京、横浜のような内容で圧倒して、結果を残せるチームになるプロセスが見えるような、希望が見いだせるような戦い方をしてほしい。
    また、お金を出しても見に行きたいと思わせる試合を常に念頭においてほしい。
    横浜戦の前半みたいに相手に攻められっぱなしのゲームは、オリヴェイラで充分おなか一杯。
    もう二度と見たくないからやめてくれ。

    このコメントに返信

    2019年07月19日 15:20

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