コラム

“カタノサッカー”を大槻レッズがどのように狂わすかが注目な一戦【浦ビュー】

今年よりTwitterでスタートした「浦和レッズのプレビュー、レビュー」が面白いと話題となっている浦ビューさん。
その原稿を浦ビューさんに許可をいただき浦議に転載させていただきます。

 

 

2019 J1第17節 プレビュー
大分トリニータvs浦和レッズ

 

いつも読んで頂きありがとうございます。

 

蔚山現代との対戦を終えて2週間ぶりにリーグ戦を迎える浦和レッズ。1試合未消化の浦和は、最下位とは勝ち点8差。首位とは勝ち点12差と自分たち次第で首位争いも降格争いも演じられる位置につけて前半戦のラストを迎えます。

 

ACLでの勝利は素晴らしいものでした。
しかし、リーグ戦はまた違う大会です。
決して浦和が確信を持って勝てる相手はいません。
悲願はリーグタイトルです。リーグへの情熱もACL同様にですね!

 

そして今節の対戦相手は、今季のJリーグで最も異彩な存在を放つ大分トリニータです。
片野坂監督、コーチ陣に最大限のリスペクトを持ってこの作品を作りたいと思います。

 

では、プレビューを始めたいと思います。

 

〜大分トリニータ直近5試合と成績〜

第12節 清水戦 1-1△
第13節 川崎戦 0-1●
第14節 FC東京戦 1-3●
第15節 名古屋戦 1-1△
第16節 神戸戦 2-2△

 

7勝5分4敗 勝ち点26 19得点 14失点 現在6位。
ホーム戦は3勝2分3敗であり、アウェイで強いです。

 

直近の試合では勝ちに見放されていますが、昇格組として6位の好成績です。

 

〜大分トリニータ直近のスタメン〜

第13節 川崎戦

 

第14節 FC東京戦

 

第15節 名古屋戦

 

第16節 神戸戦

 

基本システムは、3-4-2-1。そのシステムをベースに相手に合わせて派生していきます。
•左右両方できる選手、CB and WB両方できる選手が数多くいるのが特徴的です。
•岩田智輝は、コパアメリカ日本代表から帰国。今節の出場は不透明です。
•3試合連続ゴール中のオナイウ阿道と伊藤涼太郎は、浦和戦は契約上出場できません。

 

誰がでても勝てるチーム作りの片野坂監督のスタメンを読むのは難しいです。「1人の選手に依存するサッカーはしたくない。怪我や出場停止で欠けたときに、いつものサッカーができなくなるようなチームではならない。」と言い続けているそう。直近のスタメンを見て頂いた通り、スタメンは流動的です。浦和戦にどのような武器を持った選手を送り出して、どのような狙いを持って挑むのか。片野坂監督がどのように浦和を見ているのかとてもとてもとても注目してみたいと思います。

 

「”カタノサッカー” を大槻レッズがどのように狂わすかが注目な一戦」

大分トリニータ片野坂知宏監督は、西野朗、ミシャ、森保一、長谷川健太というJリーグ屈指の名将の下、コーチ(ヘッドコーチ)として多くの経験を学び大分の監督に就任しました。その中でも、ミシャさんから学んだことが1番大きいようで、基本システム3-4-2-1からのボール保持時4-1-5や非ボール保持時5-4-1という、いわゆるミシャ式と類似した点が多いチームに仕上がっています。

 

今回ほど書きたいことを迷ったことはなく、順序、言葉の表現、展開など相当悩みました。検討を重ねた結果、今回はいつもとは順序を逆にします。なので、最初の4つのテーマだけ読んで頂ければ、今回はもう読み終わっていただいても大丈夫です。(一応、心配性なのでそれ以降もいつもながら長々とレビューのためにさまざまな視点から言及していきますが。)おそらく、4つのテーマを読み終わったときに「大分って面白い!」となると思うはずなので、そう思った前のめりな方は、最後まで読んで頂けると嬉しいです。

 

では。やってみましょう。

 

〜大分のプレーモデル•ライフワーク〜

大分のプレーモデルは、相手陣内でのボール支配率、ポゼッションが上がることに意味を持つチームではないと思います常に狙いは相手の最終ラインの背後だと思います。そのスペースをいかに使えるのか、空けさせるのかが、「大分のライフワーク」だと思います。なので、大分にとって最も嫌なことは、GK高木まで猛烈にプレスをかけられることよりも、自陣にバス(ブロック)を敷かれて完全撤退されることだと思います。

 

昇格組•大分ということで、対戦相手は甘く見て高い位置からプレスに出てまんまと大分のライフワークを遂行されたのが、開幕の怒涛の快進撃。そして、開幕から最終節までに段階を踏んで成長曲線を描いていきたい片野坂監督の狙い通り、大分対策を施してくるチームが続々と現れて苦しむ試合が続くものの、信念を曲げずにやり続けることは、本当にチームとしての強さを感じます。結果を残せていることが素晴らしいです。

 

なので、この後も何度も言及しますが、大分の最も嫌なことは後ろにドン引きされることです。

 

〜ミラーゲームに苦しむ”カタノサッカー”〜

ミラーゲームには、”カタノサッカー”が苦しんでいるのは結構有名らしいです。

 

J2時代からそのようで、今季も松本(0-1●)、広島(0-1●)、札幌(2-1〇)、セレッソ(0-0△)、鳥栖(2-0〇)、湘南(1-0〇)と大分4敗のうちの2敗をミラーゲームで喫しています。もう2敗が、Jリーグ王者の川崎、久保建英選手の2得点で話題となったFC東京であることを考えると、いかに大分から勝ち点3を奪うことが大変でありながらも、ミラーゲームには屈しやすいというカタノサッカーの傾向が見られます。でも、松本、広島と連敗してからは、3勝1分であることから修正してきた感はありますね。というか、松本と広島に通ずるあのプランを行使すれば、自ずと大分対策は見えてくるんでしょうけども…。。。

 

浦和は幸運なことに3-4-2-1ですね!

 

〜直近の大分の成績下降について〜

大分は直近の試合は、

vs川崎 0-1●
vsFC東京 1-3●
vs名古屋 1-1△
vs神戸 2-2△

です。

前述したように昇格をした大分が、Jリーグ王者と現在リーグ首位(毎年シーズン前半に強い東京)に対して負けてしまうことは、致し方ないと言ってもいいです。更には、Jリーグ最強の個を揃えた名古屋と神戸についても勝てはせずとも、負けなかったことにクラブ規模を考えれば素晴らしいことです。

 

しかし、開幕ダッシュに成功して昇格組ながら6位という好成績を出したチームが、なぜこの4試合白星を挙げることができなかったを考えたら、神戸戦だけは見方によっては例外かもしれませんが、この4試合共通して大分が、「主語」でボールを保持する機会がそれ以前の12試合に比べて減ったと思います。つまり、大分のライフワークは、相手の最終ラインの背後のスペースを狙う、空けさせることですが、ボールは自分たちが握りながら試合を進めていくのが大分が目指すスタイルです。だからこその”疑似カウンター”。しかし、この4試合は、川崎、名古屋と風間系譜を継ぐ2チームとは、自分たちが、「主語」でボールを握ることができず。FC東京にも上手く守備されてらしくないミスが続き、逆にFC東京がボールを握りました。相手が「主語」で、自分たち(大分)が非ボール保持主体で、相手の最終ラインの背後のスペースを狙うことは、単なる”カウンター”です。それは大分の本来、求めるスタイルではないはずです。それを上手くやられてしまったのが、この4試合だと思います。

 

つまり、自分たちが「主語」でなくなったときには、秩序が崩れて、機能不全になりやすいということだと思います。片野坂監督は、J1で大分が勝ち抜くには、ボールを保持するスタイルしかないと話していましたので、語弊があるかもしれませんが、大分から「主語」を引っこ抜ければ、ただの昇格組になってしまっていると思います。

 

〜”カタノサッカー”を狂わす2つのプラン〜

ということで、大槻レッズが”カタノサッカー”に臨むべきプランは以下の2点だと思います。

 

①浦和が「主語」でボールを握る

②大分のライフワークをさせない為に後ろに5-4-1とガッチリとブロックを敷く

 

どちらか2点だと思います。

①に関しては、相当ミッションが高いです。
川崎と名古屋だからできた。FC東京の巧みな守備ベースありきの久保、東がいたからできた。が、本当のところで、浦和が川崎、名古屋ほどに効果的にパスを繋ぐことができるかと言えば難しいとは思います。しかし、浦和の本来持っている質が、決して川崎、名古屋、FC東京、神戸の選手たちに負けていないと確信しているので、この提案をさせて頂いてます。ただ、ゴールの為のパスではなく、パスの為のパスだと大分のプレスをモロに受けて普通にやられますけどね。

 

②に関しては、オリヴェイラ体制、ホームでの蔚山戦のような5-4と後ろを消すことです。大分のライフワークを潰した広島方式ですね。大分はやはり最後の「個」の質では、J1相手の守備を上回りきれない問題を抱えています。大分の最も嫌なことは、このプランです。

 

ただ、浦和の1つ心配すぎる点は、川崎、鳥栖、蔚山とそれ以前でもマイナスのクロス、ボックス内でのボールウォッチャーの対応でマークを見失うという重要な課題を抱えていることです。

 

藤本の序盤戦のゴールの再現性を思い出して頂ければ分かりますが、彼は、ボックス内での「静」から「動」へのスイッチの入れ方が半端なく上手い選手です。その特徴を多くのチームが研究して、最近はゴール数を減らしていますが、藤本にとって浦和はやりすいと思います。初期の「静」のときにマークにつかれていますが、「動」のスイッチを入れた途端にはマークを見失ってくれるので、浦和が改善しない限り大好物ですね。

 

浦和目線で言うと、明確に終着点が分かっているにも関わらず、防げずに簡単にやられてしまう絵が想像できてしまうことが、現状の課題であることを物語っていると思いますので、絶対絶対絶対改善して欲しいと思います。

 

と言うことで、後ろにドン引きすることは、大分の最も嫌なことではありながらも、浦和の早急な課題であるボックス内での対応の機会が増えることになるプランが②です。

 

以上2つのプランについて言及しました。

 

勿論、①を採用しても、浦和が100%「主語」でボールを保持できる訳ではないので、奪われたら奪い返さなければなりません。更には、浦和が「主語」になるには、「どう?」したらいいのかということも考えなければなりません。②を採用しても、100%ドン引きしていたらゴールを決めることはできないので、前へ出なければ行けません。というように、時間帯などで変えたり、変わったりすると思いますが、浦和が”カタノサッカー”に対抗するには、基本ベースとしてどちらかの2択を採用することが重要だと思います。一方で曖昧だと……悲劇が起こるかもしれません。

 

はい。以上、4つのテーマについて言及しました。ここで読み終わっていただいても構いません。伝わってほしいことは、ここまででおおよそ言及しています。大分の面白さに前のめりな方は、次に進んでくれると嬉しいです。

 

〜覚悟を決めたら徹底的に〜

大分の基本システムは、3-4-2-1。浦和とミラーゲームになります。

 

ボール保持時は、ボランチを1枚降ろしての4-1-5や、GK高木を使った4-2-5で数的優位を確保します。具体的には、中央CB鈴木を右CB、右CBを右SBに可変させて、ボランチ1人又は、GK高木が左CBのように振舞います。

 

浦和は3-4-2-1を恐らく採用するはずなので、1トップ2シャドーと大分の3CBで数的同数となるので、大分はボランチを一枚降ろして数的優位、GK高木をフルに活用したビルドアップをいつものように行ってくることが予想されます。

 

先ほど、浦和が用意した方がよい2つのプランについて言及させていただきましたが、相手ありきのスポーツなので当然思惑通りにはいきません。大分ということで、ボールを繋がれることは当然あります。

 

では、大分の直近対戦した名古屋や神戸同様に前線からプレス、プレスと高いラインを設定して守備を行うのか?という問題を考えることになります。今回は非ボール保持時の対応をそのようになっことも仮定して、本当に注意ポイントは沢山あるのですが、今回は2つに分けて言及してみます。

 

①ボランチのポジショニング

全ポジションが重要ですが、今回はボランチに焦点です。GK高木までを含めて前線からプレスに出ると決断したとしたら、徹底的にやらないといけません。中途半端では簡単に回避されます。なので、ボランチも最前線と連動して前がかりになると思います。しかし、大分の狙いは常に相手の背後のスペースです。ボランチに限らずですが、自分が前がかりにプレスに出るイコール自分の背後にスペースができるといことを理解したうえで出るのか判断しなければいけません。

 

今回、なぜボランチにこだわったのかというと、ロングパスからのセカンドボールの回収が大分とても上手いからです。大分はゾーン1でギリギリまで浦和を食いつかせて、ボランチも前がかりにさせてから、一気にロングボールを送ります。最終ラインの背後を突ければパーフェクトですが、競り合う系のロングパスでも大分にとって問題ありません。つまり、ロングパスの競り合いに負けてヘディングで弾き返されたとしても、シャドー含めてセカンドボールを拾える準備が大分にはできています。更には、浦和はボランチまでも食いついて前がかりだったので、間延びして最終ラインと2列目に大きなスペースが存在することになっています。そこから大分は、素早い攻撃でシュートまで持っていきます。

 

そのようなことをされたくないなら、最終ラインとボランチが間延びしないようにボランチが前へ出た分だけ、最終ライン前へも出てしまえばいい!となります。それでもいいと思いますが、そうなると今度は最終ラインの背後のスペースが更に広がります。大分はこれを待っています。

 

以上のことを考えると、そもそも、前線からプレスをかける必要はあるのか?という問題まで考えることができます。どこを抑えて、どこを捨てるのか。その難しい選択肢の中で、チームの中点となるボランチの選手がどのような基準で、前と繋がるのか、後ろと繋がるのか、などボランチ視点で見てみようと思います。大槻監督が用意するものは果たして!

 

②司令塔・GK高木

チームの心臓と言われる選手たちは、昔ならトップ下のポジションの選手であることが多く、それがボランチに変わり、近年ではセンターバックがそれを担うチームも多く存在したり…。歴史を重ねるごとにチームの心臓と言われる選手のポジションが下がってきている印象のあるサッカー界ですが、大分の心臓は間違いなく、GK高木です。

 

その高木をどう狂わせるか?が大分と対戦するチームの最近の課題となってきている気がします。シーズン通せばミスしても攻めることはできない程、完ぺきで高木ですが、唯一粗を探してみました。

 

高木は左利きです(勿論、右足も巧い)。しかし、できる限り左足にスムーズに蹴られるところにトラップしたいようで、高木から見て左側、相手チームからすれば右サイドの選手側からプレス(突進)されたときに、高木は苦しむ、パスが乱れる印象を受けました。

 

高木のパスが味方に繋がらなったシーンを動画にまとめましたので、相手がどのようにプレスをかけているのかも踏まえて見てみてください。

 

 

前節のビジャ含めた神戸や、名古屋などは、”消す”、”限定する”ことがとても上手だったと思います。

 

Gk高木にプレスに行くときは、自分の背後にいる選手、もしくは、片方のサイドを限定しながら距離を詰めていくことが神戸は特に秀逸だったように思いました。

 

そして、反対サイドも徹底的に連動しなければいけません。しっかり消しておく、もしくは、マークする相手にすぐに行ける距離を保ち、あえてパスコースを空けさせておいて、パスが出たボールの移動中に一気に詰めて奪取する。などの手段があります。

 

特にビジャはかなり素晴らしい消し方、限定の仕方をしていましたね。高木のミスを誘発させたところからのゴールの一因になっていました。

 

完璧の完璧に徹底的に仕込んだとしても、高木がミスしてくれるのは10回に1回もないと思いますので、高木に対しては、奪う、プレッシャーを与えるというよりかは、味方を消す、限定することを考えながらプレーした方が、良い対応策だと思います。

 

以上、浦和が前がかりに大分の最終ライン、更にはGK高木までプレスに出たと仮定したときのポイントを2つ言及しました。まだまだあるんです。ということで、レビューで機会があれば言及してみようと思います。

 

〜再現性のある攻撃〜

大分の再現性のある攻撃について特筆すべき点をいくつか言及してみようと思います。

 

大分は、内側(ハーフスペース)のスペースを意図的に使いながら前進したい狙いを持つチームです。「ゴール前に侵入するには?」、「ゴール前に侵入してからは?」とチームとして同じ絵を描くときに常に最終的な拠り所にしているのは、内側のスペースです。

 

その影響もあって、後ろを5枚で並べられる3-4-2-1のミラーゲームになると苦しむ印象があるのかなという個人的な意見を持っています。しかし、それを打開するために片野坂監督が解決策を打たない訳がありません。4-1-5と相手とミスマッチを作ったところから、右SB化した岩田がパスを受けたときに相手のWBがプレス→右WB松本は内側に絞り、相手の左CBに影響を与えて釣り出す→その作業によってようやく得られた内側のスペースをシャドーのオナイウが走り込み岩田からパスを受けてゴー! というような前進が見られました。

 

セレッソ戦で気に入ったシーンを高画質で見て頂きたかったのでこれだけは、Twitterではなく、長方形のバーをの方をクリックして高画質で見てみてください。(浦議さん経由の方は、「2019 J1第17節 大分戦 プレビュー動画」をクリックです。)

 

2019 J1第17節 大分戦 プレビュー動画

 

 

見て頂いたような効果的な前進の手段はたった一例ですが、正しいポジショニングと相手に影響を与えて動かし、矢印を外すなどなど、自分たちの思い通りにスペースを作り出す巧さは、まさに”カタノサッカー”の真髄だと思います。

 

もう1つ注目したい再現性が、右WBの松本からボックス脇へ送る斜めのスルーパス(クロス)です。これは、パスを入れるタイミング、受け手の相手の死角を取る動きなどを本当に訓練を重ねてしっかり教え込まれているのがよく分かります。相手からすれば、分かっていてもボックス脇を取られる。という本当に絶妙に突いてきます。

 

更に松本のクロスはファーサイド主体でもあるので、相手としては絞るにしても絞りづらい状況になっています。 隙あらば、ボックス脇へズドンとスルーパス(クロス)を送ってきます。浦和戦でも最低3回は相手の狙いの逆を突く決定的なボールを松本は供給すると思いますね。ボックス内での対応ですよ。浦和さん。頑張りましょう

 

松本パーティーにならないことを願います。

 

では、ここまでの大分の再現性のある攻撃を個人的に気に入ったシーンを動画でまとめましたので見てみたいと思います。

 

内側(ハーフスペース)のスペースを意図的に経由してシュートまで完結していることが良くわかります。

 

というより、大分のライフワークも含めたシーズン前半戦のベストゴール集みたいになっています。ただ、再現性のある攻撃であることを印象づけるには理解が進む動画です!!!

 

2つです。どうぞ!

 

~大分の非ボール保持~

大分の非ボール保持は、ゾーン2まではできる限り3-4-2-1を維持しつつ前線の藤本らの限定した守備から高い位置から守備に行く試合と、早めに5-4-1と後ろに敷いたところから守備をする試合と相手に合わせて状況に合わせて変えていました。ただ、どのようなプランであっても不必要な横パス、パスミスを起こすと獲物を捕らえるかのように藤本含めて最終ラインに襲いかかってくる迫力がありますので、いつも以上に警戒は必要だと思います。浦和のボール保持に対してどのような制限をかけるのか? 片野坂監督の狙いが見えてきそうなポイントだと思います。

 

自陣まで押し込まれたときは、基本的に人(相手)を意識した守備をすることが多いです。なので、浦和のシャードがサイドに流れれば左CBは釣り出されますし、相手がボックス内に予め人数をかければ、大分のCBは中央に絞られます。 その傾向を突いて、先に中央に絞らせてから、広がったCBとWB間のスペースへ2列目から飛び出してパスを受けるなど、各チームそれぞれアイディアを披露していました。

 

浦和は、基本的には鳥栖戦や蔚山戦のような感じで攻撃すると思います。先ずは、大分の藤本らの最初の山を越えてから、さて、どうするのかという問題になると思います。ミラーゲームになるので、大分同様にミスマッチを起こさせるのかということもポイントの1つだと思います。大槻体制では、初のミラーゲームなので。大分にとっては、武藤や興梠が初体験の選手が多いと思うので、ACLの相手選手のように慣れず苦しんでくれたらなぁ〜と願っています。

 

被CKの守備対応はゾーンディフェンスでした。CKからの失点は今季ありません。CKに関して、今回は注目してみる時間なかったので、深堀できません。あしからず。

 

〜擬似カウンター〜

カウンターというのは、非ボール保持→奪取→一気にゴール前まで攻める。とアバウトですが、このような定義だと思います。

 

では、擬似カウンターは、ボール保持→ボール保持→一気にゴール前まで攻める。とこれまたアバウトですが、ポゼッションの状態を高めておいて、相手が食いついてきたところを回避してから、一気に相手自陣のスペースを突くといような認識でございます。大分は、擬似カウンターをJリーグで最も効果的に駆使して再現性のある攻撃として相手を破壊していると思います。

 

動画で見て頂くのが1発だと思いますので、得点シーンを分かりやすく選んできました。

 

見て頂いた通り、擬似カウンターに限定した話ではありませんが、大分のボール回しを見ていると、サッカーは、必ずしも縦パスが正しくて、バックパスが悪いという訳ではないことが分かると思います。もちろん、サッカーはボールが縦に進まないとゴールできないスポーツであるということは理解していますが、大分は、ライフワークを遂行するために、相手を動かす、食いつかせる、矢印を外すことを意識しながらボールを保持していることが、結果的にこのような縦パス、斜めのパス、横パス、バックパス関係なく繋がっていると思います。同じ絵を共有していれば、乱れることはありません。それが、J3からJ1上位まで怒涛のように導いた片野坂明宏監督の手腕です。

 

さいごに

16節鹿島戦を消化していませんが、リーグとしては、前半戦が終了します。最後にして最高にプレビューしがいのあるチームについて学べて、作品ができてとても嬉しく思います。後出しジャンケン感はありますが、片野坂監督の哲学や価値観に期待を込めて、開幕前の大分の順位予想は9位。それよりも上回る成績を出したことに片野坂監督の素晴らしさを感じます。本当にこのようなチームが上位にいることができれば、Jリーグは発展することができると思えるチームです。スター選手やJ1の経験のある選手を集めるのではなく、J2で実績を残した”渋い”選手補強をする辺りも好きです。大槻監督は大分戦のポイントを、「ポイントを喋っちゃうとね、相手にも分かっちゃいます。」とコメントしましたが、この試合ほど、大槻監督がどのようなものを用意するのかが注目な試合はないと思います。そして、そのような意見を持って頂けるような情報を今回は提供できた自負はあります。

 

最も作りがいのあった大分戦のプレビューに対して、できる限り「読みやすく、分かりやすく、面白く」を工夫したつもりですので、面白ければ、Twitter上でリツイートや引用リツイート等々で #浦ビュー をつけて拡散、宣伝して頂けると嬉しいです。

 

長文読んで頂きありがとうございました。

 

浦ビュー

初めて浦和レッズを見た方にも読みやすく分かりやすい内容にしつつ、長く浦和レッズを応援して頂いてる方にも満足して頂ける内容を目標に2019年より浦和レッズの公式戦のプレビューとレビューをTwitter上でスタート。
Twitter:@ux1JmiTaYbsMArM

 

  1. 匿名の浦和サポ(IP:121.116.23.191 )

    契約上、出られなかった気が。

    2019年06月29日 22:17

コメント

  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:49.98.172.64 )

    大分トリニータ
    カテナチオ(カメナチオ)
    守備がいいからな
    西川、岩武
    地元大分凱旋試合
    勝ち点3のみ❗
    オナイウ阿部と涼太郎、要注意ですね

    このコメントに返信

    2019年06月29日 21:11

    • 1.1 匿名の浦和サポ(IP:49.98.172.64 )

      オナイウ阿道、要注意

      2019年06月29日 21:15

    • 1.2 匿名の浦和サポ(IP:121.116.23.191 )

      契約上、出られなかった気が。

      2019年06月29日 22:17

    • 1.3 匿名の浦和サポ(IP:106.132.132.133 )

      契約上出場できないと書いてくれてるのに。読まずに投稿してるんですか?

      2019年06月30日 00:06

    • 1.4 匿名の浦和サポ(IP:14.8.0.64 )

      そうですよ

      2019年06月30日 08:14

  2. 2 匿名の浦和サポ(IP:49.98.172.64 )

    明日6月30日(日)
    背番号41
    関根が観たい
    途中から頼むぞ❗

    このコメントに返信

    2019年06月29日 21:12

    • 2.1 匿名の浦和サポ(IP:110.133.51.19 )

      関根はまだ出られないでしょ

      2019年06月29日 21:45

    • 2.2 匿名の浦和サポ(IP:27.137.237.165 )

      最短で7/20やで…

      2019年06月30日 11:51

  3. 3 匿名の浦和サポ(IP:126.233.154.195 )

    しっかりと守備されて、攻撃が詰まって、跳ね返ってカウンター。
    どれだけやられてきたか。
    相手の苦手は理解しているはず。
    札幌、横浜と慢心のガチンコ勝負して惨敗。
    相手の良さを消してから、自分たちのサッカーが出来る。

    このコメントに返信

    2019年06月29日 21:30

  4. 5 匿名の浦和サポ(IP:27.84.170.219 )

    浦ビューって何なの?頑張って読んでいる。
    片野坂や大分のコーチがこれを読んでいたら嫌だな笑

    このコメントに返信

    2019年06月29日 21:35

    • 5.1 匿名の浦和サポ(IP:49.97.92.115 )

      申し訳ないが浦ビュー書いている方より分析力が無い指導者は流石にいないと思いますよ。

      2019年06月29日 23:29

  5. 6 匿名の浦和サポ(IP:114.158.67.8 )

    「自分たちのサッカー」を貫くのかどうか
    大槻監督の指示が見もの

    自分たちを名古屋、FC東京クラスと過信するのか
    それとも下位クラブ(大分は上位)として臨むのか

    ミシャなら予想は簡単だったが果たしてどうするか

    このコメントに返信

    2019年06月29日 21:36

  6. 7 匿名の浦和サポ(IP:49.98.172.64 )

    エヴェルトン
    期限付き移籍 契約満了なら
    背番号8が空く
    武漢のラファエル シルバ復帰?

    このコメントに返信

    2019年06月29日 21:47

    • 7.1 匿名の浦和サポ(IP:175.132.137.183 )

      例え6月までの契約だとしても獲得した年の数ヶ月しかもシーズン途中で契約満了なんて有り得ないでしょう。
      買取オプションや契約延長など浦和側に有利なオプション契約になっていると思うよ。

      2019年06月30日 05:06

  7. 8 匿名の浦和サポ(IP:49.98.172.64 )

    エヴェルトン
    ポルトvs.浦和レッズ
    マネー交渉
    フロント頑張れ❗

    このコメントに返信

    2019年06月29日 21:48

    • 8.1 匿名の浦和サポ(IP:49.98.172.64 )

      50000円出すから
      残りはフロント出して

      2019年06月29日 22:07

  8. 9 匿名の浦和サポ(IP:202.215.165.133 )

    オナイウと涼太郎は契約で出れないから注意しなくてもいいよ
    8があくなら札幌の伸二を取ろうぜ
    エヴェルトンが残るにしろボランチがいるな
    青木がケガだと厳しいし
    関根が帰ってくるなら橋岡をボランチとかいいかも
    航はケガみたいたがステップアップできないなら復帰もアリじゃね
    ボランチやりたくて出て行ったんだろ
    海外だとケガの間ギャラでにこと多いみたいだしね
    そろそろ長谷部帰ってきてもいいんじゃん
    まだレギュラー張ってるみたいだけど

    このコメントに返信

    2019年06月29日 22:02

    • 9.1 匿名の浦和サポ(IP:219.100.29.166 )

      ボランチ橋岡は俺も見てみたい
      橋岡の可能性も広がるしね

      2019年06月29日 22:15

  9. 10 匿名の浦和サポ(IP:49.98.172.64 )

    槙野、マウリシオ
    オナイウ阿道をしっかり抑えて❗

    このコメントに返信

    2019年06月29日 22:06

    • 10.1 匿名の浦和サポ(IP:126.11.67.57 )

      オナイウは出ないですよ

      2019年06月29日 22:24

  10. 11 匿名の浦和サポ(IP:118.22.100.108 )

    大分の試合を見る限り、ものすごく後ろでリスクを負って繋いでくる印象。ミシャ以上に繋がせ、食いつくのを待っている。無意味に蹴っ飛ばすことはあまりないし、ドリブルで仕掛けることもそんなに多くない。キーパーを使いながらひたすら繋ぎ倒し、相手が食いついてきたところでスピードアップしていく。一昔前の広島時代のミシャサッカーに近いものがある。

    このコメントに返信

    2019年06月29日 22:09

  11. 12 匿名の浦和サポ(IP:126.35.1.42 )

    抜けて行く動きにどう対応するかだな。ミシャ時代のレッズで言う所の槙野、森脇の宇賀神、関根を追い越す動きに誰がどうやって対応するか。興梠が落ち、抜けて行く武藤、李は誰がマークするのか。食いつき過ぎると上手く剥がされて行くから、リスクを負って死なばもろともプラッシングで行くか、このコラムの方が言っている通り引いて、人海戦術でスペースを消すか。

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    2019年06月29日 22:23

  12. 14 ウラワ(IP:61.193.215.146 )

    オナイウ阿道に気を付けろってコメント出してる人達プレビュー飛ばして読んでないのバレバレ、アド欠場は攻撃で牽引してたし地味に痛いと思うな、後は前からプレスかけてボール取りに行くのか敢えてプレスかけずにボールを持たせるのか見物だな

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    2019年06月29日 23:24

    • 14.1 匿名の浦和サポ(IP:106.132.132.133 )

      たぶんこの人釣りですね。かまってほしいんですよ。

      2019年06月30日 00:11

  13. 15 匿名の浦和サポ(IP:49.96.35.145 )

    槇野と宇賀神が、藤本のマークを外してあっさり点を取られることは解った

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    2019年06月30日 00:23

    • 15.1 匿名の浦和サポ(IP:147.192.124.133 )

      思い切って槙野使わないてのもあり!藤本も30歳だし良い選手だけど獲得するほどでは。

      2019年06月30日 08:36

  14. 16 匿名の浦和サポ(IP:219.114.117.144 )

    ちょっと前に大分の試合を見たときに、藤本の動き方って興梠に似ていると思った。
    それを知り合いに言ったら、
    「藤本って興梠を信奉していて、『目指せ興梠慎三』と思ってプレーしているんだって。」
    とのこと。納得した。

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    2019年06月30日 01:55

    • 16.1 匿名の浦和サポ(IP:126.227.237.189 )

      だとしたら、藤本を獲っておくか

      2019年06月30日 08:15

  15. 18 匿名の浦和サポ(IP:175.28.162.17 )

    いま福岡。
    雨が心配です。

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    2019年06月30日 08:03

    • 19.1 匿名の浦和サポ(IP:14.8.0.64 )

      間違えました

      2019年06月30日 08:14

    • 19.2 匿名の浦和サポ(IP:126.182.204.245 )

      何やってんだ柏木

      2019年06月30日 09:07

  16. 20 匿名の浦和サポ(IP:61.199.159.168 )

    前日、神戸まで在来線だけで移動し、神戸から大分までフェリーで移動。
    早朝大分入り。すげー雨だな。

    このコメントに返信

    2019年06月30日 08:16

  17. 21 匿名の浦和サポ(IP:112.70.23.210 )

    橋岡は運動量があるし、守備的MFもいいと思うけどな。もちろん課題もいろいろあると思うが。
    東京五輪代表に選ばれるためにも。

    このコメントに返信

    2019年06月30日 08:46

  18. 22 匿名の浦和サポ(IP:106.130.45.209 )

    蔚山戦のようなサッカーが出来るかだと思う。大分戦でチームの成長が計れるでしょ。そう簡単に組織力は身につかないけど少しずつ成長してくれたらいいと思う。勝つ意志を強く持って戦おう。

    このコメントに返信

    2019年06月30日 09:08

  19. 23 匿名の浦和サポ(IP:118.241.63.24 )

    これから首位争いを演じられるか?というところは疑問だが置いといて、
    頭のところしか読んでないけど
    プランで行くなら2しか選択の余地がないぞ。
    槙野選手がボールウォッチャーなら外すもよしじゃないでしょうか。
    でも浦和の主軸ですから外すのは難しいですかね。

    このコメントに返信

    2019年06月30日 09:23

  20. 24 匿名の浦和サポ(IP:123.255.132.165 )

    正直に言うとオナイウに大分の選手として出て欲しいところが本音だ。本来の大分の戦力がそうならば。
    それでも、オナイウと伊藤は絶対浦和に戻ってきてもらうからね!

    このコメントに返信

    2019年06月30日 10:11

  21. 25 匿名の浦和サポ(IP:1.75.247.112 )

    勝ちしかない。
    宇賀神が決めそう

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    2019年06月30日 11:05

  22. 26 匿名の浦和サポ(IP:106.129.162.80 )

    「相手をのプランをいかに狂わせるか」って大槻サッカーで結構キモになる考え方のところだと思っていて、自分たちのサッカーをいかにやり切るかに振り切ってたミシャ、相手のことを分析した上でそこを潰して不完全燃焼な攻撃の隙をついて決めに行ったオリベイラ、っていう対比でいうと、相手のことを分析した上でそこを積極的に潰しに行ってプランを崩して腕力勝負に持ち込むサッカーに見えるんだよね
    庄司がストッパーの位置でフィットしなかったりとか、大分のバックスはここのところ割と理想と現実でもがいてる感があるし、アドもいないしで浦和は積極的にプレスかけてくやり方にすると予想
    あとはそこの連携が中3日でどれだけ準備できてるかだなあ

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    2019年06月30日 17:23

    • 26.1 匿名の浦和サポ(IP:106.129.173.122 )

      自己レスで余談なんだけど、大槻さんが育成ダイレクターになって以降の浦和ユースあがりの選手って、ほぼほぼみんな複数ポジション経験してる選手たちなんで、監督が変わってサッカーが変わったりとか、試合中ゲームプランがぐちゃぐちゃになったりとかするのに強いんですよね
      もっと言えば武田英寿の青森山田も中高一貫で攻撃サッカーと守備的サッカー経験させたりしてるし、(最近の育成のトレンドなだけかもしれないけど)どんなサッカーでもできる選手が増えてきてるのは嬉しい限り

      2019年06月30日 17:34