▼前半に足りなかったのはゴールへの意識と話す長澤
浦和レッズは3日のホームゲーム、ガンバ大阪戦に1-3で敗れた。相手は6連勝中で、シーズンの中でも最も良い時期を過ごしていると言えるチームだったが、浦和もまた公式戦を6戦無敗で迎えただけに、勢いがなかったわけではない。確かに橋岡大樹と荻原拓也が代表活動で離脱し、さらに負傷で青木拓矢を欠いてしまったことは、オズワルド・オリヴェイラ監督をして「私が考えていたオプションが使えない試合でもありました」というタイミングではあった。
しかしながらリーグ戦の残り4試合で、目標に対して必要とされる勝ち点や結果も明確になってきた状況下では、より結果にフォーカスせざるを得ない。この敗戦によって、リーグ戦で3位以内を確保して来季AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得という目標は、他力本願の色がとても濃くなってしまった。
そうなってしまった試合の中で、気を吐いていた印象の強い選手が長澤和輝だった。立ち上がりから相手ボール時には遠藤保仁のところに厳しく寄せて良い形のビルドアップをさせず、攻撃時には積極的にスペースへ飛び出していった。本人も「パスの供給源としては、前の選手も収まるので、あそこ(遠藤)だけではないですけども、そこから質の良いボールが来ることは分かっていたので、そこはしっかりと意識して相手の中盤を掴みに行こうとは思っていました」と、オリヴェイラ監督の信頼を掴んでいることが理解できるプレーを見せていた。
そうしてガンバにほとんどチャンスを作らせず、浦和は良い前半を過ごした。「内容」という言葉を使うとそれは何を指すのか問題が必ず発生するので、少し具体的な言い方をすれば、マイボールを安定的に敵陣のラスト30メートルくらいまで運んでいける上で、相手にはそれをさせていない。ボール保持率という数字以上に、ゲームを支配できていたと言えるだろう。
ただ、それをスコアに反映できなかったという点で、大きなマイナスになってしまう。武藤雄樹は「押し込んでいる割にビッグチャンスが多かったわけではない」と表現したが、自陣から運んできたボールをゴール前の仕上げにつなげる部分でのクオリティーはお世辞にも高いと言えなかった。
長澤は、そうした試合展開に感じていたこととして「シュート」という明確な言葉を話した。
「すごくポジティブなプレー、チャンスにつながっているプレーも多かったですし、前半も自分たちがパスをつないでチャンスも作っていたんですが、鹿島戦(10月20日に3-1)みたいに良い流れの時に先制されてしまって、今回は結果を得られませんでした。このような試合で結果を出していかないといけないと思います。そのために必要なのはシュートだと思うし、もっともっと全員がゴールを意識してプレーできればいいなと、前半はそのように思いました」
そうした部分は後半の同点ゴール、武藤のフリックに対して素早いサポートをした長澤がドリブルで持ち込み、ペナルティーエリアのすぐ外からでも迷いなくシュートを放ったプレーにつながったのだろう。それが相手GKに弾かれたところを興梠慎三が詰めてゴールになったのだから、その言葉にも頷ける。
▼結果的に0-1だった前半は今季の縮図のようなもの
この試合の前半のようにボールを持ち、敵陣に入り込みながら決定機につなげられない、あるいはシュートを打ち切れないというのは、今に始まった課題ではない。例えば、今季のリーグ戦の対戦表を見てみると、そうした観点は浮き彫りになってくる。
この試合が終了した時点で浦和は暫定6位だが、首位の川崎フロンターレから浦和までの間の直接対決で得た勝ち点が最も多いのがサンフレッチェ広島の16(未消化1)で、FC東京の15(未消化2)に続くのが浦和の14(未消化2)だ。川崎は13(未消化1)であり、鹿島は8(未消化なし)、コンサドーレ札幌は6(未消化2)と、上位対決での戦績は決して悪くない。全チームを見ても、現時点で上位2チームから3勝しているのは浦和だけだ。
そうなれば、川崎からFC東京はまだしも、なぜ鹿島や札幌を上に見て戦っていなくてはいけないかという答えは明白だ。現時点での下位6チームから奪った勝ち点を見ると、川崎が28(未消化なし)、広島が24(未消化1)、FC東京が24(未消化なし)、鹿島が21(未消化2)、札幌が28(未消化なし)なのに対し、浦和は12(未消化1)でしかない。
結局のところ、自分たちが主導権を握れる、あるいはボールを持てるような試合で、その優位性をスコアに反映できずに勝ち点を落とすという流れは監督交代を経ながらも続いている。それは、このガンバ戦の前半が終わってみれば0-1だったのと同じことだ。その課題の中身は、長澤が話したようにシュートを打ち切れるかどうか、良い形でシュートを打てる状態をチームで作り切れるかどうかという要素が大きい。
オリヴェイラ監督は就任してから、比較的に相手ボール時のプレーやそこでの厳しさ、規律を守ることからの立て直しに着手していただけに、こうした攻撃の仕上げの部分に掛けられる時間やリソースが少なかったのは事実だ。それに加え、ファブリシオの戦線離脱というアクシデントもあった。それでも、このガンバ戦の前半は現状を生んでいる今季の縮図と言えた。せっかく良いゲームをしているなら、それを点数で表現して結果につなげること。それができてこなかったチームらしい敗戦の仕方になってしまった。
轡田哲朗
1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。
1 匿名の浦和サポ(IP:126.247.80.139 )
精神論になってしまいますが、(恵まれている待遇・環境に対して)一泡吹かせてやろうと、対戦チームの目の色が違うような気がします。
浦和のメンタルも相まって、上記の成績に繋がっているのかと…
2018年11月05日 07:54
2 匿名の浦和サポ(IP:49.98.44.180 )
ミシャの時とは真反対とまでは言わないけど少なくとも違うサッカーにはなったよね
2018年11月05日 08:33
3 匿名の浦和サポ(IP:106.180.10.41 )
ミシャの時は下位に取りこぼしは少ないんだなと
札幌に行ってもそれは変わらず
2018年11月05日 09:03
3.1 匿名の浦和サポ(IP:126.233.221.187 )
ミシャのチームはプレッシャーに弱い。リスクを負う事が前提の戦術のため、ミスが出来ない試合になると怖さが無くなる。だからこそ、鹿島、東京が負けてくれれば、3位になれる可能性はまだある。他力本願だけど。
2018年11月06日 00:02
4 何といったって浦和(IP:49.98.154.156 )
長澤君同感、何故シュートせず戸惑っている、気持ち的に負けてる何が何でもまずシュートする何が起こるか解らないだろう!皆マウスの前でモタモタは見飽きたよ。
2018年11月05日 10:50
4.1 匿名の浦和サポ(IP:58.89.144.23 )
厳しい事を言うようだが長澤があの運動量で90分とは言わんが
85分持つようになってくれれば、だいぶ違うと思う。
2018年11月05日 23:16
5 匿名の浦和サポ(IP:49.97.102.8 )
ゴール前はもーシュート打ってくれよ笑
2018年11月05日 12:29
6 匿名の浦和サポ(IP:49.97.98.114 )
守備が安定してきて、攻撃が機能するようになってきた、と同時に攻撃陣はミシャサッカーのようにコンビネーションで崩そうとしてきてるような気がする。
ミドルも増えてきたんだけも、崩さないとシュート打てない、みたいな。
隙があったらシュート打ってくる、くらいの姿勢じゃないと、相手には怖くないと思うのだが。
2018年11月05日 12:44
7 匿名の浦和サポ(IP:49.98.172.219 )
来シーズン優勝狙うなら、ファブリシオが来シーズン初めかり出られないことを考えると、ストライカーもしくは得点力のある2列目の補強は必須。
2018年11月05日 19:25
8 匿名の浦和サポ(IP:153.155.104.52 )
さすがに森脇をスタメンにした監督が悪いとは
長澤からは言えんだろう
そこをつかれたから周りはフォローで
スタミナ切れになったんだよ
走れないやつをサイドに使うなよ
2018年11月06日 09:50
8.1 匿名の浦和サポ(IP:182.251.117.228 )
他にいないだろ
2018年11月07日 09:55
9 匿名の浦和サポ(IP:1.75.211.162 )
シーズン始まった時の意図しない戦力で、ここまでの成績を残したのは監督の手腕によるものと思います。
残り勝ちきる事、上位を目指す事に変わりがないけど、戦力の補強やシステムの見直しなど色々とやらなきゃならない事がまだまだ多いと感じます。
どっちにしても強い浦和が好きです。
we are REDS !
2018年11月06日 10:48
10 匿名の浦和サポ(IP:110.134.182.216 )
正直ファブリシオ以外は外人総入れ替えでいいくらい。ただ現実的にマウリ、ナバウトは残留かな。ワンチャンマウリあたりはブラジル復帰あるかもね。夏にもフラメンゴの噂あったしどっかかはオファーありそうやな。
2018年11月06日 22:14
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