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ゲームを勝つために必要なことをしている連勝、次のステップはどこにあるか【轡田哲朗レッズレビュー/J第14節 東京V戦】(浦レポ)

「浦レポ」の有料記事を一部紹介させていただきます。

 

ゲームを勝つために必要なことをしている連勝、次のステップはどこにあるか【轡田哲朗レッズレビュー/J第14節 東京V戦】(浦レポ)

 

(Report by 轡田哲朗)

 

5連勝は9シーズンぶりで、クラブ歴代でもなかなかの記録

 

浦和レッズは5月3日にリーグ戦の14試合目で東京ヴェルディと対戦して2-0で勝利した。前半の内に2点を取って逃げ切るという最近の勝ちパターンとも言える展開に持ち込んで、5連勝を達成した。これは2016年秋に6連勝を達成して以来の記録であり、シーズンをまたがない、延長戦を含まない浦和のクラブ最長記録もまた6連勝(過去3回)なので、クラブ歴代でも有数の連勝をマークしている。無敗となると最長は19試合(2015年)まで伸びるのだけど、引き分けを挟まずに9勝ち続けることの難しさを示す数字と言えるかもしれない。

 

このゲームはサミュエル・グスタフソンがコンディション的に間に合わなかったことで登録メンバーを外れた。メンバー構成はプレビューでも触れたように、公開練習の時にセットしていた松本泰志と安居海渡でダブルボランチを組ませ、その左右も松本が右、安居が左に配置するものだった。ゲームが終わってみれば、この左右はどちらでも良かったのかもしれないが、ヴェルディの出方が違った時に中で調整が必要になったら、この左右の方が良かっただろうから自然な選択だったように思える。渡邊凌磨と松本の前後に関して言えば、恐らく本人たちがしっくり来るのもこちらだろうし、単純にミドルシュートも含め得点を取るのが上手な選手を前に置くのが自然だと思うので、今後に安居も含めローテーション起用のタイミングが来た時もベースはこちらで良いように見える。

ヴェルディは3-4-2-1でスタートして、完全マンツーマンとは言えないまでも少なからず自分の担当をハッキリさせる最近の流行と言えるような感じのやり方をしていた。それに対して、準備段階からうまくやったことは浦和の前半を有利に進めさせたと言えるだろう。

 

開始時点で優位な盤面、ダブルボランチの位置取りがポイントに

 

試合開始から早い段階で松尾佑介がスコアを動かした場面はハイライト映像でも見られるだろうから、そちらも参照しながら見ていただけると良いと思う。この時も顕著だった構図は、ヴェルディのダブルボランチが浦和のダブルボランチに対する意識が強くて、最終ラインとの間が広くなる傾向にあったことだ。左サイドにボールが回ってきた時にマテウス・サヴィオと長沼洋一が前後を入れ替えていて、サイドバックの位置でサヴィオが受ける。この時に長沼はライン間で浮いていて、ウイングバックが前にズレた背後にボールが出た。これは直接的にライン間にボールが入ったわけではないが、マチェイさんが記者会見で話した「前半で実行した形を練習してきました。ゾーン1では4-2の形を作り、松本と安居が少し低い位置を取ることで相手のボランチを引き出すことです。それにより素早いサイドチェンジからサイドを狙いました」という狙いが表現された場面になっただろう。

 

少し落ち着いて盤面を整理してみると、ヴェルディは1トップの木村が松本か安居の近くに立ち、森田か平川が残り1人を見る。2シャドーがダニーロ・ボザとマリウス・ホイブラーテンを気にするところから始める。ただ、この構図はスタート地点であって典型的な変化が起こるので、ヴェルディが1トップの選手を浦和のボランチの番人にしたという言い方になると基本的にはダウトだ。

 

 

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