長年レッズを追いかけ続けるサッカーライター島崎英純さん、ミスターレッズ福田正博さんが浦和レッズについて熱く提言を行う「浦研プラス」。
今回、浦研編集部の許可を頂き、有料記事の一部を転載させて頂きます。

成績下降の要因
浦和レッズが成績を落としている。きっかけは、第22節のジュビロ磐田戦だったと思う。この試合の選手たちからは、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌監督)時代のサッカースタイルへ回帰するような意思を感じた。
今の浦和に在籍している選手たちは攻撃志向が強い。自らが主導権を握ってゲームを進めたい。そのメンタリティはなかなか変えられないので、自らの志向にそぐわないサッカーを続けていると、次第に充実感を失って変化を模索するようになる。そこで、もう一段レベルの高いサッカーを求めてしまう。今回、オズワルド・オリヴェイラ監督体制の中でもその傾向は見て取れて、そのきっかけが磐田戦の戦い方に表れていたように思う。
磐田戦では浦和の攻撃面の良さが全面に押し出されていた。その要因のひとつは森脇良太が右ウイングバックで先発したことだ。この試合での森脇のプレーパフォーマンスは素晴らしく、彼のプレーによってチーム全体の攻撃に幅ができた。ペトロヴィッチ監督時代のサッカーに似せようとするならば、右ウイングのポジションは森脇が最適だ。ただ、そうなると守備のインテンシティが弱まり、攻撃へ特化することになる。サッカーの質は上がるが、守備強度は薄れる。それが磐田戦におけるチーム傾向だった。
この試合で先発した選手の大半はペトロヴィッチ監督時代に主力を張ったメンバーたちだった。直近のゲームで無得点だったこともあって(第20節・Vファーレン長崎戦/△0-0、第21節・サガン鳥栖戦/●0-1)、オリヴェイラ監督から先発を任された選手たちは何らかの改善を図りたいと思ったのだろう。それが、磐田戦でのスタイルチャンジにつながったのではないか。
磐田戦で起用された選手たちのプレーはペトロヴィッチ監督時代と変わらず、良い攻撃コンビネーションが多数見られた。実際に4得点しているわけだから内容が悪いとも思わない。ただ、守備面の緩さが感じたのも事実だ。
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