▼リーグ戦では約3カ月ぶりに流れの中から決まる
浦和レッズは28日のサンフレッチェ広島戦を4-1で勝利した。首位に立つチームを相手にしたアウェーゲームであり、それまでの17試合で8失点だったチームから4点、それも流れの中から3点と良い攻撃から得たPKで1点を奪うというのは、正直なところあまり想像していなかった。
何しろ、流れの中からリーグ戦でゴールを決めたのは5月2日の川崎フロンターレ戦以来のことだった。ワールドカップ(W杯)ロシア大会での中断期間が明けてからの公式戦3試合で6得点を奪ったのは全てコーナーキックからで、試合のスコアという意味での価値はどのゴールでも同じではあるものの、精神的な充足感という意味では必ずしも十分なものではなかった。
それを打ち破ったのが興梠慎三だった。前半25分にファブリシオにボールが収まったところで、武藤雄樹が一気に追い越す。そこへのフリックパスとコントロールは少しズレたものの、武藤もうまくリカバリーして最終ラインの背後にスルーパス。そこに走り込んだ興梠がうまく相手GKと入れ替わるようなシュートを決めた。これまでも下がってボールを捌いて攻撃の起点になるようなプレーは大きな貢献を見せていたエースだったが、この広島戦では相手の最終ラインとの駆け引きにかなりの比重を割くことができていた。そうなれば、やはり試合の中でしっかりと決定機を迎えて決めてくる能力があることを見せた。
試合後の興梠は「最近はセットプレーからしか点が取れてなくて、そういう意味で流れの中で点が取れたことは非常に良かった」と、淡々としながらも少しホッとしたような表情で話していたのが印象的だった。
その1点が決まると、後半にはサイドを崩したところから中央への折り返しで、柏木陽介が走り込んだところで倒され、そのプレーで得たPKを興梠が冷静に流し込んだ。柏木は「あれは押されなかったら、ヘディングが入ったかどうかは分からないけど、ヘディングをできた状況だった」と話していただけに、流れの中での良い攻撃があったからこそのPKだった。そして、チームの3点目と4点目もセットプレーではない流れの中から決まった。
▼点を取っているチームほど、チャンスを良い意味で雑に扱える
ケチャップが何とか、という話ではないけれども、興梠の先制点がチームの重荷を一気に下ろしたのは事実だろう。以前、武藤と「得点を奪っているチームほど、たくさん点を取れる」という禅問答になってしまうような話をしたのを思い出した。要は、自分たちが点を取っている、取れているという気持ちがあると、ゴール前で余裕が生まれて次のシュートが決まりやすい。しかし、その逆の気持ちがあると大事にやろうとしすぎてしまい、かえって決まらないという話だ。
宇賀神友弥の3点目やファブリシオの4点目は、そうしたものを強く感じさせるものだった。宇賀神はフリーだったが、ゴールの中に相手のカバーもいてノープレッシャーではなかった。もし、0-0や0-1の戦況であの場面を迎えていたら、トラップをしたくなったかもしれない。そうなれば、かえって戻ってくる選手にコースを消されて、パスを出さざるを得なくなったかもしれず、それが原因でゴールにならないということは起こり得るシチュエーションだった。ファブリシオのゴールも、同点かビハインドのアディショナルタイムだったら、あの位置からシュートの選択をしたかどうかは微妙なところだ。
結局はリードしている、得点を奪えているという流れがあるからこそ、チャンスを適度に雑な扱いでプレーできる。その流れを作ったのは紛れもなく興梠の先制点であり、「FWとしては、やっぱりセットプレーからしか点が取れていなかったので、もどかしさみたいなものがありましたけど、その意味では上手く崩せた1点だったと思いますし、流れの中で取れたことは、今までハードな練習をやってきて良かったなと思います」という言葉からもチームに大きな自信を与えるものになった。
柏木は流れの中からゴールが生まれたことについて「非常に良かったんじゃないかなと、ゲーム的にも。みんな戦っていたし、どんどん試合の中で前に出て行く回数が増えている」と手応えを話した。コーナーキックから立て続けにアシストをしていた時に、誰よりも流れの中で崩せないことにもどかしい思いを話していたのが彼だった。そういう意味では、柏木にとっても精神的な落ち着きを得られる試合になったのだろう。
もちろん、1試合で何もかもがうまくいくようになるとか、オズワルド・オリヴェイラ監督のサッカーが全て機能したなどとは言えるものではないが、選手たちに「この道で間違っていない」という思いが強まったなら、そこには大きな意味がある。もし、本当にここから上昇気流に乗っていける未来が訪れたなら、広島戦で決めた興梠の先制点には計り知れない価値があったと、シーズンが終わったころ思い出せるものになるはずだ。
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轡田哲朗
1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。
1 匿名の浦和サポ(IP:182.20.244.37 )
思い切ったプレーとか、迷いがないプレーと表現したほうが妥当な気がする。
雑では先につながらないと思う。
2018年07月30日 22:13
2 匿名の浦和サポ(IP:1.75.8.103 )
ファブリシオならシュートの選択をしたと思う。
2018年07月30日 22:15
3 匿名の浦和サポ(IP:126.236.128.174 )
柏木がアシストランキングで1位。アシスト数は8らしいが、リーグだけなら今季は7だと思うんだが…。だれか検証よろ。
2018年07月30日 22:17
3.1 匿名の浦和サポ(IP:49.239.65.99 )
検証しました。8でした。
2018年08月01日 06:43
4 匿名の浦和サポ(IP:153.164.214.248 )
宇賀神へのセンタリングが8個目なんじゃね?わからんけど
2018年07月30日 23:00
5 匿名の浦和サポ(IP:124.208.111.200 )
東京:槙野
長崎:ズラ
神戸:岩波、マウ
名古屋:遠藤×2、槙野
広島:ウガ
アシストは8で合ってるはず。
ちなみに流れの中からのアシストは前節が初。あとは全部セットプレー
2018年07月30日 23:13
6 匿名の浦和サポ(IP:110.134.193.60 )
長崎を舐めてるとかじゃなく川崎の後の長崎さんは興梠休ましたい。
2018年07月30日 23:51
6.1 匿名の浦和サポ(IP:49.98.134.203 )
上を見るなら今の浦和に興梠を温存する
余裕は無いと思うけど!
川崎戦と長崎戦も怪我さえなければ
興梠は先発するでしょう!
その為に広島戦で途中交代したし
長崎戦の後は、土曜日の鳥栖戦まで空くので
このホーム2連戦は、全力で取りに行かないと!
中断中にキツイキャンプを送った選手達ならば
この夏場を乗り切ってくれるはず!
2018年07月31日 01:52
7 匿名の浦和サポ(IP:153.167.130.126 )
李は広島戦の途中から出てきたけど、よい動きだった。
夏場の連戦なので、長崎戦は李、マルティノス、武冨の3人の先発を見たい。
2018年07月31日 01:35
8 匿名の浦和サポ(IP:211.14.61.167 )
まあ、こういう経緯はこれまでいくらでもあったからね
そのままあてはめるなら明日はまたホームでなさけない試合をやって敗戦ってこと
広島には相性がいいだけで、やっぱり上位川崎には負けってなパターン
2018年07月31日 06:29
8.1 匿名の浦和サポ(IP:81.219.42.6 )
↑浦和に関する意見主張皆無で荒らし目的のdeGUchiをなぜ排除しないのだろう???
2018年07月31日 12:59
9 匿名の浦和サポ(IP:211.14.61.167 )
今の浦和は負けが込んだ方が将来のためと考える俺でさえ「チャンスを適度に雑な扱いでプレーできる」って部分だけは筆者の〇〇を疑うね
2018年07月31日 06:33
10 匿名の浦和サポ(IP:126.233.18.119 )
マウリシオもファブが加入してから
パフォーマンスが安定した印象。
ファブリシオ人柄もすごい良さそうだし
2018年07月31日 07:53
11 匿名の浦和サポ(IP:1.66.97.24 )
異国の地で、同郷の選手がいるというのはほんとに心強いと思う。 遠藤も関根や富安と一緒で安心するでしょ~勿論他の選手ともコミュニケーションとらないと駄目だけど。 ところで、富安っていう選手あまり知らないんだよなアビスパから行ったのとDFぐらいしかわからない
2018年07月31日 13:19
11.1 匿名の浦和サポ(IP:60.236.219.248 )
世代別代表のDFリーダー。橋岡君の一つ上の世代です。
2018年07月31日 15:27
12 video islam francais youtube(IP:91.231.45.36 )
C’est toujours le cas dans les vidéos de l’EI. img.emoji
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2018年07月31日 22:31
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