コラム

『今年も浦和レッズ川柳、やります』浦和vs神戸【山中伊知郎の素人目線2022】

■幅広い世代の来場に嬉しくなる

スーパーカップも、京都でのリーグ戦第一戦はあったものの、やはりホームでの初戦は格別なものがある。まあ、「今年もまた始まったな」という意味での「元日」みたいなものか。

そんなわけで、相変わらずホームゲームばかりの観戦になるが、今年も去年と変わらずレッズの試合を見て、そのときどきに感じたことを川柳にする「レッズ川柳」を続けていきたい。

試合開始は4時。この時期、寒くなるのはわかっていたので、厚着した上でホッカイロも持っていったが、なぜわざわざこんな夕方にスタートするのかと、そのあたりがちょっと疑問ではあった。少しでも早く始まってくれれば、まだ暖かかったのに。

2時半くらいに埼スタに着いて、南広場に行く。そこにいたのが「老若男女」だ。私のような「オッサン」もいれば、子供連れの家族、カップルっぽい男女、女性の二人組とかいる。ようやく「埼スタの日常」が2年ぶりに戻って来た感は強い。2万人限定といっても、去年の5千人限定に比べれば、幅は広い。私も、相当、嬉しい。

南側の入り口のところに、なぜか「ローストチキン コオロギ」が店開きしていた。そこで、さっそく一句。

興梠が  いないレッズも  店開き

 

■相手がいてこそ盛り上がる

スタンドで、さっそく席取りだ。今年は去年と違って南側自由席も、座席指定はなく、「自由席」の名の通り、席は自分で捜す。さすがに前の方はすでに埋まっていて、だいぶうしろの、40列前後の通路沿いに決める。このあたりが本来の私の定位置だ。

横を見ると、アウエーサポのエリアには、すでに満員に近いくらいの神戸サポが集結している。これで、一気に気合が入る。たとえチャントのぶつかり合いがなくても、敵がいなけりゃ、どうも力は入らない。

でもって、コンコースに行けば、やはりまず見るのは壁に貼られた歴代のレッズイレブンの写真だ。最近では、67歳になった私自身の「認知症チェック」として、毎年、写真に写るメンバーの名前を思い出すことにしている。弱ったことに、まさに30年前、Jリーグ開幕年の写真を見ながら、絶対忘れるはずのない選手の名前が出て来なくなってしまった。

「アルゼンチン」「キックがやたらとデカい」「長髪」「けっこう暴れる」とか、そういう周辺情報は次々に浮かぶのだが、肝心の名前が出て来ない。スマホで調べるのもシャクだから、そのままフラフラと歩いて、トイレで用を済ませて手を洗っている時、フッと思い出す。

「あ、トリビソンノだ」

あんなに強烈な印象が残ってる選手名を忘れるとは、と軽く自己嫌悪。

手洗いで  トリビソンノを  思い出す

しかし、去年から今年にかけてのように、こんなレッズのメンバーが入れ替わった時期はないと思っていたが、あの30年の推移をみれば、だいたいどの年も半分以上は入れ替わってたんだと気付く。

席に戻って、先発メンバー発表。さすがに神戸側の先発・槙野とリザーブの汰木の時は、レッズサポからも拍手はあった。が、リザーブで入っていたイニエスタには拍手なし。馬渡、大畑、松崎といった、生で見るのははじめての選手も加わって、新鮮といえば新鮮、よくわかんないといえばわかんない状態。

スタンドを見回すと、ほんのチョロッとだが、バックアッパーにも観客が入っていた。あれなら、もっと入れても「密」にならないのに、と気になる程度。

 

■明本の今後が気になる・・・

さーて、いよいよ試合開始。もう、例年、最初の試合になるとどの背番号が誰なのかこんがらがってしまうのだが、「6」が馬渡になって、鈴木啓太のイメージが強い「13」が犬飼、平川のイメージの「14」が関根、阿部勇樹だった「22」に柴戸海で、予定通り混乱する。

いきなりのCKを一体だれが蹴るのかとみたら、6番だった。それが南の、こちら側。

すぐに逆襲で、向こうのレッズゴールが攻められたと思いきや、プレー止まってVARでPK。それが失敗と安堵してたら、失敗した武藤にシュート決められて1点。もうあれよあれよ、という間で、川柳を考えている余裕もない。

ガッカリしていたら、急展開で、松崎と柴戸海のゴールが続いて、たとまち2-1だ。

少し見ただけで、松崎がロドリゲス好みの選手なのは、すぐわかった。J2での「下積み」を知っていて、攻撃でも守備でも力を抜かない「働きもの」で、とにかく小回りが利く。

まさしく軍艦でいう「駆逐艦」タイプ。

柴戸海にしても、以前はただ堅実に守るイメージ強かったのに、去年あたりから「巡洋艦」くらいの機動力と攻撃力を備えて来た。

レッズでいえば巨大な「戦艦」タイプはユンカーくらいしかいないわけで、こうした「巡洋艦」「駆逐艦」がどれだけ点を取れるかが重要になってくる。

ゴール前  魚雷を放つ  駆逐艦

ただ、残念ながら前半30分あたりからしばらくの攻撃は、松崎、伊藤、江坂と次々にゴールに迫っていくものの、最後の最後が決めきれない。そこに「巡洋艦」や「駆逐艦」の破壊力の弱さを少し感じた。巨大な大砲を持つ「戦艦」なら、強引にでもゴールにねじりこみそうなもんだけど。

寒さゆえに、前半終了とともにトイレに駆け込んで、ハーフタイムはまだかろうじて日があたっていた場所で「日向ぼっこ」した末に席に戻った後半。

やってくれちゃいました。明本、私のいる南側自由席からは離れた側なのに、はっきりわかるくらいに相手選手を突き飛ばしてしまった。まさしく相撲でいう「突き倒し」。いくら相手のディフェンスのねちっこさが度を超えていたとしても、あのレッドカードは擁護できない。もう、観客2万人の全員がわかるくらい明確な「暴力」なのだから。

2万人  見ている前の  突き倒し

「J2出身」で「働きもの」の、ロドリゲス監督がたぶん大好きないい選手なんだが、今回キレて、「ヤバい選手」のイメージがついたのは大きなマイナス。感情にまかせて、自分が退場食らったらどれだけチームに迷惑かかるか忘れちゃったわけだから。かつてのストイコビッチみたいに、図抜けたテクニックやカリスマがある「戦艦」ならともかく、暴走する「駆逐艦」は、次には使いづらい。

「働きもの」が一人減っただけでなく、11人が10人になった数の上でも、この退場はとてつもなく痛かった。しかも、直後にヴィッセルはイニエスタと汰木を入れてさらに攻撃的になってきたんで、こりゃもう守るしかない。それにしても、オーロラビジョンに映ったイニエスタの顔を見て、私の前の女性客は、思わず一言。

「かわいい!」

確かにぬいぐるみみたいな顔だな。

あと30分どうにかシノげば、とピッチ上の選手のみならず、観客の方も手に汗握る展開。
江坂がわざとノロノロ選手交代したり、イニエスタのキープしたボールを柴戸が奪い取って、「なかなかやるじゃん」と思わせたり。85分になったくらいのところでは、ヴィッセルの選手がゴール前でダンゴになって攻めて来たのを、どうにかゴール割らせずに押しかえしたり。

おダンゴの  串刺し阻む  ゴール前

助かったと、一息ついたところで、例の「スペインの、サッカーのうまいオジサン」が何気なくはなったクロスを、よりによって、あの槙野がピンポイント。

わざわざサッカーの神様もこんな劇的なオチにすることないだろ、って展開だ。私たちの多くは、去年、最後の試合に槙野の天皇杯のゴールを見て、今年見る最初の試合にまた槙野のゴールを見たことになる。はからずも、天皇杯の時、投稿作品の中で「土壇場で 去りゆく友の 置き土産」という一句を紹介させてもらったが、今回はもう「去っていった友」が痛烈な「恩返し」をしてくれたストーリー。

土壇場で  あの旧友の  恩返し

としておこうか。

もっとも試合後にロドリゲス監督も言っていたが、「この試合は勝ち点1とれただけでよし」としておくかな。明本が引っ込んだ後は守る一方で、いつ点取られてもおかしくない状況だったのだから。正直、引き分けで一安心くらい。

心配なのが明本だ。ああいう「やらかし」を見せられちゃったら、次から使いづらくなるし、今年のレッズは陣容見ても「駆逐艦」タイプはけっこう揃ってるから。

あと、ネットで見ても話題になっているレッズサポの「声出し」問題。それについては、まあ、ルール通りやろうよ、と言うしかないかな。南側は遠いので、そんなには気にならなかったが。

すでに日が落ちて夜になっていた帰り、寒さで自転車を運転する手が冷たくなっていて、うまくコントロールしづらく、二度ほど、他の自転車とぶつかりそうになった。

 

よかったら、これを読んでいる方でも、コメント欄にどしどし「レッズ川柳」、投稿してみてください。シーズンオフになったら、本当に川柳句会でもやりましょう。

 

動画:2021シーズン「最優秀浦和レッズ川柳」選定会

 

山中伊知郎

1954年生まれ。1992年に浦和に引っ越して来て、93年のJリーグ開幕時にレッズのシーズンチケットを取得。以後30年間、ずっとシーズンチケットを持ち続け、駒場、ならびに埼スタに通う。去年より、レッズ戦を観戦した後、「川柳」を詠むという「レッズ川柳」を始める。現在、去年一年の記事をまとめた単行本『浦和レッズ川柳2021』(飯塚書店)が好評発売中。

コメント

  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:60.43.40.102 )

    明本を猛省させて走らせろ!

    このコメントに返信

    2022年02月26日 10:46

  2. 5 匿名の浦和サポ(IP:114.185.30.13 )

    槙野君 心はいまでもWe are Reds?

    明本を神戸の槙野が慰める

    このコメントに返信

    2022年02月26日 11:45

  3. 6 匿名の浦和サポ(IP:106.146.9.192 )

    そろそろよー結果出さんと暴れるで?

    このコメントに返信

    2022年02月26日 12:27

  4. 7 匿名の浦和サポ(IP:36.14.116.40 )

    タフならば メンタル共に タフになれ!

    このコメントに返信

    2022年02月26日 12:42

  5. 8 匿名の浦和サポ(IP:119.104.52.129 )

    一度目は 許すぞ明本 一度はな

    このコメントに返信

    2022年02月26日 12:54

  6. 9 匿名の浦和サポ(IP:222.6.63.164 )

    のどもとに 怒り飲み込み また走れ! 

    このコメントに返信

    2022年02月26日 19:57

  7. 10 匿名の浦和サポ(IP:222.6.63.164 )

    初ゴール 「カイ」は「カイ」かいでも 松崎だ

    このコメントに返信

    2022年02月26日 19:58

  8. 11 匿名の浦和サポ(IP:27.137.208.104 )

    決定機 決め切る男 何処ぞやに

    このコメントに返信

    2022年02月26日 21:58

  9. 12 匿名の浦和サポ(IP:114.185.30.13 )

    代表で、柴戸のアンカー 観てみたい

    このコメントに返信

    2022年02月27日 04:31

  10. 13 匿名の浦和サポ(IP:164.70.139.79 )

    やりすぎた お灸は早めの 春休み

    このコメントに返信

    2022年02月27日 18:28

  11. 14 匿名の浦和サポ(IP:164.70.139.79 )

    心配は 無用と頼もし 快と海

    このコメントに返信

    2022年02月27日 18:31

  12. 15 匿名の浦和サポ(IP:164.70.139.79 )

    執念が 最後はバーに 乗り移り

    このコメントに返信

    2022年02月27日 18:33

  13. 16 匿名の浦和サポ(IP:114.185.30.13 )

    快い 風吹き抜ける 芝と空

    このコメントに返信

    2022年02月27日 20:02

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