コラム

『戦術が得意ではない私もわかった浦和レッズが強くなった理由』浦和vsC大阪【山中伊知郎の素人目線2021】

■大雨の中、ポンチョを着て感じたこと

台風接近で、確実に雨が降るといわれた18日。それでも夕方、一度は雨もやんだので自転車にて埼スタに出発。もう、バッグの中にはレインコートから折り畳み傘、濡れた時用の着替えのTシャツまで含めて、パンパンになるくらいに荷物を詰め込んだ。ちょっとした旅行気分だ。

途中、5時半過ぎには、もう雨がまた降り出して来ていたので、すぐにレインコートを着る。試合開始1時間前にスタジアムに着いてからは、ずっとコンコースで待機。さすがに埼スタはコンコースが広いので、待つ場所はいっぱいある。ここしばらく、ずっと駒場だったから、余計にその広さを感じる。みんな、ここまで傘さしてやってきて、コンコース内でポンチョを着る。

私の場合は、もう着ていたシャツがずぶ濡れになってしまったために、トイレでシャツそのものを着替えた。どうやら台風は温帯低気圧に変わったらしいのだが、雨の勢いは衰えない。ずっとスタンドには出ずに、先発メンバー発表も屋根のあるところで見る。いつも通り、ダイヤモンド会員とかも多いし、年齢層は高め。

ようやく試合開始直前、席に着いた。いつもの南側自由席だ。当然、自分のまわりは赤いポンチョ姿ばかりだが、屋根で完全防備のアッパーが開放されていないのもあって、メインスタンドもバックスタンドも、ほとんどポンチョ姿が並ぶ。「あ、みんな雨に濡れてるんだ」と思うと、妙に一体感を感じてしまった。こんな天気でもチケット買ったら来る人ばかりで、ほぼ5千人集まるのだから、スゴい。さっそく一句。

雨に濡れ  ポンチョが並ぶ  一体感

 

■酒井宏樹、江坂に共通する特性

雨は、試合が始まっても、勢いはおさまらない。近眼なので、最初のうちはメガネをかけていたが、水滴と曇りで、かえって見づらくなってしまう。うっかりカバンの中を半開きにしていたため、中に入ってた手帳やらノートやらがビショビショになってしまった。

だが、チームはそんな悪条件はものともせず、快調に突っ走る。ユンカーがリザーブで、いつも通り「点取り屋」がいないはずなのに、関根のパスに江坂が飛び出して、あっさり先制点。私のいた南側は、そのパスコースがはっきり見えるところにあり、「やはり、江坂が出て来たか」と納得の1点だった。江坂といい明本といい、「ここに来てくれ」というポジションに来てくれる選手は、見ていて気持ちがいい。特に、スタンドのすぐ前だから。もう、シンプルにその時の心境を。

そら、江坂  ここに来てくれ  決めてくれ

あれでもう、きょうは勝ち、と楽観出来た。今のレッズDFは点取られないから。

しかし、雨が降る中でもウォーターブレイクってあるのは、妙な気分。こんなにジョボジョボと水が落ちてくる中で、まだ水飲むのか、と。まあ、雨水と飲む水は別モノなんだけど。

ショルツが、ドリブルで駆け上がってきて、惜しいループシュート放ったシーンは、少し驚く。あ、こういうこともする選手だったのか、と。うしろをガッチリ固めてるイメージが強かったし。ああいうのも間近で見られるのも南側のいいところだ。

後半になると、レッズが攻めるのは北側のゴール。だからゴールシーンも、誰が、どんなふうに入れたのかはよく見えない。

汰木のゴールも、いったい何が起きたのかわからなかった。すくなくとも、トラップしたボールがそのまま入っちゃったみたいで、ひょっとしてオウンゴールかなと思ったくらい。

オーロラビジョンで確認して、ちゃんとシュートをしていたのを初めて知った。すいません。

あれ?汰木  オウンゴールと  勘違い

60分過ぎには「レッズの天敵」大久保嘉人が投入されたものの、レッズの陣形はほとんど揺るがないので、危ない場面もほとんどない。

またまた後半になると、私のいた席からは右サイドの酒井が見やすかったので、ほぼ一点集中に近く、ずっと見ていた。

前へ後ろに、よく動いていて、攻撃にも参加しつつ、いつの間にか守りになるとゴール前に戻っていて、敵の攻撃を止めてる。なんというか「いてほしいポジションに必ずいる選手」なのだ。江坂でも感じたが「来てくれ」で来てくれたり、「いてほしい」でいてくれたりする選手が多いと、チーム全体のバランスがとてもよくなるのだ。そういうのはサッカーの理論とかにちっとも詳しくない私でもわかる。ことに、体でいえば「下半身」にあたるDFがしっかり安定していれば、上半身が少々ゆらいでも、バランスは崩れない。相撲の力士が、たとえ上半身が弓なりになっても、下半身がガチッとしていれば簡単には負けないのと一緒だ。

酒井は、いわば下半身を固めつつ上半身を支える「腰」。腰が強ければチームも強い。

また、酒井  腰の強さで  無失点

試合が終わったころには雨もあがっていた。が、ズボンのポケットに財布を入れっぱなしだったため、中に入れた千円札はびしょ濡れ。家に帰って乾かさなければならない。

ズボンもシャツも濡れそぼって、帰ると同時に風呂に入る。

しかし、今シーズンはじめはバランスがグチャグチャだったチームが、こんなに変わるとは。改めて、監督の力は大きい。

 

よかったら、これを読んでいる方でも、コメント欄にどしどし「レッズ川柳」、投稿してみてください。シーズンオフになったら、本当に川柳句会でもやりましょう。

 

動画:『浦和レッズ川柳8月』駒場での2試合を振り返る

 

山中伊知郎

1993年のJリーグ開幕から、レッズの年間シート席をもっている。山中企画という「ひとり出版社」を作って活動中。昨年10月、『タブレット純のムードコーラス聖地純礼』という本を出した。今までどこも出していなかった「ムードコーラス」の歴史を克明に追った本で、マヒナスターズ、東京ロマンチカなどメジャーなグループから、誰も知らないようなマイナーグループまで続々登場。今年は4月に、東洋医学医師で腸のオーソリティでもある田中保郎さんの『腸を診る医学  コロナに必要なのは東洋医学の「調整力」!?』という本を出した。どんどん形を変えていくコロナウイルス対策としては、ワクチンに頼るだけでなく、東洋医学を使ってウイルスとの「共存」をはかるべき、といった内容だ。YouTubeで、田中先生との対談をアップしたりもしている。

コメント

  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:183.77.133.226 )

    酒井ショレ 平野とあたる 夏補強

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    2021年09月19日 20:27

  2. 2 まろ(IP:221.248.231.138 )

    今までの 悔しさ永せし雨風の 明けはあっぱれ日本晴れ

    このコメントに返信

    2021年09月19日 20:30

  3. 3 匿名の浦和サポ(IP:126.243.22.135 )

    てか関根より田中って言ってた人いたよね笑
    俺はずっと関根を推してる。

    このコメントに返信

    2021年09月19日 20:57

    • 3.1 匿名の浦和サポ(IP:211.15.235.105 )

      2人とも活躍すればいいじゃんかよ。何でもかんでも優劣をつけようとするなよ。

      2021年09月20日 00:02

    • 3.2 匿名の浦和サポ(IP:126.140.245.195 )

      3.1それはそう。
      どっちがスタメンか、ってこと

      2021年09月20日 07:00

  4. 4 匿名の浦和サポ(IP:180.149.170.179 )

    雨の日は希望者はアッパーに変更できるような発券システムに出来ないもんかね

    このコメントに返信

    2021年09月19日 22:30

  5. 5 匿名の浦和サポ(IP:27.94.108.13 )

    5,000人 いつになるやら 50,000人

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    2021年09月19日 22:36

  6. 6 匿名の浦和サポ(IP:106.73.26.193 )

    そら、江坂  ここに来てくれ  決めてくれ

    この川柳は躍動感があって響くものがありました。

    このコメントに返信

    2021年09月19日 22:38

  7. 7 匿名の浦和サポ(IP:114.159.45.119 )

    ショルツ様の言葉や周りへのリスペクト、そしてプレーをみてると全て筋が通ってるよね。酒井も同じものを感じるなあ。こんな選手達がいたら必然的に周りの選手やスタッフも確実に成長しちゃうよ。
    浦和に行きたいって他チームの選手、増えるんじゃないかな?しかも昔のようにギャラじゃなく、選手として成長したい欲のある選手が集まりそう。

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    2021年09月19日 22:55

  8. 8 匿名の浦和サポ(IP:211.15.235.105 )

    チームが好調なせいか、山中さんの川柳も冴えている気がする。

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    2021年09月20日 00:03

  9. 9 匿名の浦和サポ(IP:60.47.47.240 )

    待ちわびて 根を張る芝も サポーター

    *大雨なのに選手が滑ってミスをすることがなかったた。埼スタの芝は最高です。

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    2021年09月20日 00:49

  10. 10 どんだけ~(IP:1.66.97.110 )

    俺的強くなりつつある理由、ゆるきー&せきねーが仕掛けるようになった!コースを消すだけの守備から、奪いに行く守備に変わった!スルーパスを狙う選手の加入!その他諸々!

    このコメントに返信

    2021年09月20日 01:31

  11. 11 匿名の浦和サポ(IP:111.239.185.250 )

    日々進化 ええサッカーは こうやって

    このコメントに返信

    2021年09月20日 03:33

  12. 12 匿名の浦和サポ(IP:150.66.67.213 )

    サッカーは 失点しなけりゃ 負けは無い
    サッカーは 得点しなくちや 勝ちは無い

    このコメントに返信

    2021年09月20日 07:50

  13. 13 匿名の浦和サポ(IP:59.147.204.210 )

    サッカー批評Webで京都に行っている荻原拓也が高評価だね

    このコメントに返信

    2021年09月20日 09:50

  14. 14 匿名の浦和サポ(IP:126.152.13.252 )

    今の浦和が、今の川崎でも、三連覇の鹿島でも、2002の磐田でも無く、最強チームか?笑

    このコメントに返信

    2021年09月20日 10:01

    • 14.1 匿名の浦和サポ(IP:126.158.71.114 )

      2002の岩田≧3連覇の鹿島>>>>今の浦和>>>三苫がいた川崎

      2021年09月20日 10:04

  15. 15 匿名の浦和サポ(IP:147.192.124.133 )

    2020川崎F、2002磐田、2007鹿島、2016浦和、2015広島、2019横浜FMの順番かなぁ。

    このコメントに返信

    2021年09月20日 22:43

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