■川崎相手に気合いを入れて埼スタへ
なにはともあれ、最初にいかせてもらう。南側ゴール裏で観戦して一句、
雨風と 得点浴びた ゴール裏
もう、「浴びてる」って感じがピッタリであった。やんなちゃう。特に後半は、フロンターレがこっちに攻めてくるわけで、体も心もビショビショになってる。
さて、時はさかのぼって、まず埼スタに向かうところから。
雨が降ると、自転車ではなくバスで行く。ちょうどウチの近くのバス停を通って浦和美園駅に行く路線があるのだ。もっとも、一時間に2本くらいしかない。
天気予報では雷の可能性もありと脅されていたのが、単なる雨降りだったので、かえって「ラッキー!」という気持ちだった。
ただ、風が強い。浦和美園でバスを降り、埼スタに行く途中、安いビニール傘が「オチョコ」になりかかって、面倒なのでさすのをやめた。そういや、「オチョコ」って今はあんまり聞かなくなった。傘がひっくり返って、酒を飲むオチョコみたいになっちゃった様だ。
歩いていると、前方に変わった観客を発見。赤ちゃんを乗せたベビーカーを押すお父さんとお母さん、それに横にチョコチョコついてくる幼児の四人家族だ。子供連れの父親、とかは見ないこともないが、5千人の入場制限で、ダイヤモンド会員などが優先される今、ここまでしっかり「ファミリー」なお客さんは初めて見た。出来れば、もっともっとこういうお客さんにきてほしいものだが。で、さっそくその光景を見て一句、
春の雨 ベビーカー押し 埼スタへ
試合開始1時間くらい前、浦和美園から埼スタまで、歩いて20分くらいの道のりも、出店もなく、人の通りも一昨年の試合前に比べてグッと少ない。殺風景。
埼スタに到着した後も、スタンドに座って雨を浴びるより雨宿りとばかり、コンコースをうろちょろしながら先発メンバー発表を待つ。
本日の席は、南側、バックスタンド寄りの5列目。さすがにフロンターレ戦だけに、ネットの発売開始と同時にアクセスしても、アクセス殺到ですぐにはつながらず、数分してつながって、とれたのが5列目だった。
話はかわるが、何回やっても、あのネットでチケットを取るっていうのは、いつもヒヤヒヤする。ACL決勝などで、何十分かけてもアクセス殺到でつながらなかった経験がトラウマになっているからだろうか。
いつもの、年間シート席さえ買っていれば、何もしなくてもとりあえず席は確保できたのが、どれだけ楽ちんだったことか。
先発発表では、フロンターレは三笘も家長もリザーブ。この二人を出さんでも、レッズくらいならチョチョイのチョイ、という意味なのだろうか。いや、それはちょっとヒガミかもしれない、と少し反省。いかんいかん、試合が始まる前から、どこかもう「負けて当然」の負け犬根性になっていた。ついつい一句、
勝ち負けは ビビんじゃないぞ 時の運
レインコートを着て、風でフード部分が動かないようにハチマキをしめ、メガネをかけて試合開始を待つ。もともといつもメガネはかけていたのだが、老眼がひどくなって、メガネをすると近くの文字などが読めなくなったため、普段はかけなくなっていたのだ。
フードして、メガネかけて、マスクすると、ただでさえメガネレンズはくもる上に、雨で水がたれてきて、見づらいことこの上ない。何度かティッシュでふきながらの観戦だ。そんな状態を一句に、
ハチマキを しめてメガネは 水びたし
■心も体ももずぶ濡れ
きょうの試合を、私はレッズの今シーズンを占う大切なものとして考えて来ていた。もしもフロンターレに勝つようなことがあれば、優勝戦線に名乗りを上げられるかも。引き分けか1点差負けくらいなら、J1の中位くらいの力はあると少し安心できるが、3点以上の差で負けるようなら、残留争いも視野に入れなくてはいけない。
レッズの今の力を知るためのリトマス試験紙だな。勝つかどうかはともかく、対等に戦うためには、まずは点を取らなくては話にならない。「負のスパイラル」に陥りかかっているとはいえ、現状のメンバーでは、杉本にやってもらうしかないではないか。だからこそ、またしてもレッズがこちら側のゴールに攻めてくる前半は、杉本に焦点を絞って試合を見ていくことにした。
決まりそうでいて決まらない。そんな「惜しくも」シーンばかり毎試合見せられて、どこかウンザリしてる感はぬぐえないものの、小泉や伊藤などの新戦力にも、得点の予感はしてこない。三笘がリザーブに回るフロンターレと比較して、こんなに選手層薄いのかよ、と呆れたところで問題は解決しない。まず杉本に点取り屋としての自信を取り戻してもらわんと。
で、前半10分を過ぎたあたりで、お得意の「惜しくも」ゴールだ。
私はここで一句はやんない。点を取った時に、改めて、一句したためようと思ったのだ。
さすがにこのあたりでは、杉本の得点とレッズの勝利に対して、それなりの期待感は持っていた。0-1で前半を終えたあたりでも、スタンドの観客の間では、「そこそこやれるじゃないか」といった安堵感があった。
さーて、いよいよ雨風と得点をまとめて浴びてしまった後半だ。反対側のゴールならともかく、目の前で次々と点を決められて、西川が怒りとふがいなさとで、どんどんキレていく様子を目撃させられてしまうのだから、こんなに南側の観客の体と心に悪影響を与える試合はない。
いきなりがレアンドロダミアンの鮮やかなボレーシュートだ。しかも、なぜか彼が、本来、フロンターレ・サポ―ターがいるはずの場所に向けて、手を上げて得点を歓んだ。今はいるわけないのに。私は「嫌味なやっちゃなァ」といささかムッとした。あれは、スタンドにはレッズ側しかいないのを知ってて、「どうだ、すごいだろ」とエバってみせている気がしたからだ。さっそく一句
手を上げて こんなもんさと レアンドロ
怒りが収まる間もなく、さらに続けざまに2点叩きこまれる。そのうち1点決めた小林などは、普通、得点を決めると選手は「ドヤ顔」をするのに、彼はそれすらあまりしない。
「決めて当然」の「当然顔」なのだ。これにマタ、ムカッ腹が立つ。明らかにレッズはナメられているのだ。怒りが増幅して一句、
点取って 当然顔に 腹が立つ
0-4になったところで、なぜかようやくの3人替えだ。
4点を とられた末の 3人替え
そのまま一句になってしまった。もうここまで来ると、選手を替えてもどうしようもない。
レッズDFは、まるでフロンターレの選手に近づくのを怖がっているみたいに、ゴール前でも「及び腰」になって、あんまりプレスかけにいかない。
それが南側の観客にも伝染したようで、雨の中、諦めムードが広がって、なぜかあまり悔しさとかが沸きあがってこない。声を出していいのなら、当然、野次が飛んで来る状況。だが、今の規則だから野次がないのではなく、声を出す元気もないように見えた。
「しょうがないよ。相手が強いんだから」
勝負事では一番あってはいけない諦め。そこでこんな一句、
ディフェンスも 観客席も 及び腰
一方で、フロンターレの方はカサにかかって攻めてくる。出ないのかなと思った三笘も出して来て、5点も取っておいて、さらに得点を重ねようと狙ってくる。私、ついつい、
「この上、まだ点が欲しいのか。強欲なやっちゃ」
とつぶやいてしまった。こちらも重ねて一句、
強欲な フロンターレが 三笘出し
あーあ、こりゃもう見てらんない。一時期、小降りになった雨も、終わるころにはまた勢いが強くなり、終了と同時に、席を立ってとっとと帰る。選手の挨拶回りなどは、とても落ち着いて受けたくない気持ちだった。
終了を 待ちわびるように 席を立ち
これ、「残留争い」が現実味を帯びつつある、といってもいいのかもしれない。「点取り屋」不在の問題だけでなく、「点取られ屋」が多すぎるからだ。DF陣が相手にビビってどうすんのよ、メンバー替えろよ、とつい言いたくても、ベンチに代わりになりそうな選手はあまり残ってない。レッズって、こんなに選手層薄かったっけ、と再認識させられる。
財布に入れていたお札までずぶ濡れになってしまった雨の中で、こんなサイテーの試合を見せられた記憶は、たぶんずっと残ってしまうだろう。
天候と試合内容を含めて、今から今年のワーストマッチにしておこう。もし万一、今日以上のワーストなマッチがあるとしたら、それは「降格決定」の試合しかない。そんな試合がないことを心から祈って、
3月に ワーストマッチの 決定版
よかったら、これを読んでいる方でも、コメント欄にどしどし「レッズ俳句」、投稿してみてください。シーズンオフになったら、本当に句会でもやりましょう。
動画:浦和レッズ関連本を7冊出版した山中伊知郎さんとは何者なのか?
山中伊知郎
1993年のJリーグ開幕から、レッズの年間シート席をもっている。 山中企画という「ひとり出版社」を作って活動中。昨年10月、『タブレット純のムードコーラス聖地純礼』という本を出した。今までどこも出していなかった「ムードコーラス」の歴史を克明に追った本で、マヒナスターズ、東京ロマンチカなどメジャーなグループから、誰も知らないようなマイナーグループまで続々登場。今年は4月に、東洋医学医師で腸のオーソリティでもある田中保郎さんの『腸を診る医学 コロナに必要なのは東洋医学の「調整力」!?』という本を出す。コロナ対策としては、ワクチンに頼るだけでなく、東洋医学を使ってウイルスとの「共存」をはかるべき、といった内容だ。
匿名の浦和サポ(IP:153.223.130.9 )
チケ代と
試合内容
釣り合わぬ
2021年03月22日 14:59