■ワールドクラスのFKを間近で見る
やっぱり太鼓の音が加わるだけで、場内の雰囲気がだいぶ変わるのは、今回、非常に感じた。心臓の鼓動ではないが、あの音があるだけで、人間の気持ちは昂揚していって、「このまま落ち込んでいる場合じゃないぞ」とパワーアップしていく。拍手だけではなかなかそうはいかない。
何かきょうは、あの太鼓の音に乗せられた感じだった。
南側自由席の前列にいて、人の数もだいぶ増えて来たのもあってか、「きょうはイケそうだな」といった妙な確信が生まれていく。ここしばらく、埼スタでずっと点が入ったシーンを見てなかったわけだが、そうしたしょうもない過去を忘れさせてくれる。やはり「音」ってスゴい。
決定打となったのがマルティノスのフリーキックだ。私のマルティノスに対する印象は、見た目だけは「ワールドクラス」だけと、実際にプレーすると、いつも一歩か二歩足りない「今いちワールドクラス」であった。が、あのフリーキックに関してはワールドクラス。それも、非常に近い南側自由席前列で見られただけに、ボールの軌道までよくわかった。
例年なら、だいたい私の定位置は後列もうしろのうしろなので、ゴールも、あんなに身近な印象にはならない。それにだいいち、レッズの選手がフリーキックを直接決めることもあんまりない。
いいもの見せてもらった。
■観客数に課題
ポーンとレッズが前線にボールを出すと、ベガルタのDFが追い付いていけなくて、あっさりパスが通ったり、仙台は今後大丈夫かなと思うような場面が幾度もあった。
特に3点とられたあたりで集中が切れて、チーム全体が雑になったのは誰が見てもよくわかった。アウエーサポ席がないと、こういう時に精神的な支えがないんだろうな、と少し気の毒にはなった。ただ、それにしても、内容ガタガタで、今年は降格がないのが救いだろうと思わせてくれるチーム状態。
もっとも、観客動員的にいえば、きょうは当然、規定もゆるんだことだし、軽く1万人は超えるだろうと予想していたのが、1万人に達しなかった。
これはしっかり受け止めなくてはいけない重要事項だろう。前の試合までのレッズに「見るだけの魅力」を感じなかった人たちはやはり多いのだ。私だって、もし仮にきょう、もっと寒くて雨が降ってたら、風邪ひくのもいやだし、行くのを躊躇したかもしれない。
たとえヤリが降ってでも行く、と思わせるだけの魅力が、今年については見つかっていないのだな。
動画:浦和レッズ関連本を7冊出版した山中伊知郎さんとは何者なのか?
山中伊知郎
1993年のJリーグ開幕から、レッズの年間シート席をもっている。 山中企画という「ひとり出版社」を作って活動中。10月 には『タブレット純のムードコーラス聖地純礼』という本を出す。この本は、たくさんのラジオ番組が紹介してくれていて、先日もNACK5の大野勢太郎さんの『THE SEITARO★RADIO SHOW「1700」』でも紹介していただいた。
匿名の浦和サポ(IP:124.212.22.223 )
太鼓は良いけどせめてマスクくらいはきちんとして下さい。TVに映ってましたよ。
2020年10月19日 17:46