▼マリノス戦の途中出場で感じていたことをピッチに
浦和レッズは、4日のルヴァン杯グループステージ第3節サンフレッチェ広島戦を0-0で引き分けた。これが今季に入って初の無失点ゲームとなり、グループステージは3試合を終えて1勝1分1敗の勝ち点4で3位。ホームで敗れ、アウェーで勝ち点を奪うという構図にはなったものの、ホーム2試合が最後の2試合という日程を考えれば、2位以内に入ることが突破条件のリーグ戦を俯瞰すれば決して悪くない3試合の結果と言える。それは、最初に押さえるべきことだ。
ただし、何と言ってもこのゲームが特別だったのは、監督交代が起こっての初戦だったということだ。1日のリーグ第5節でジュビロ磐田に敗れた翌日に堀孝史監督との契約を解除し、ユースチームの監督でもあった大槻毅育成ダイレクターを暫定監督に据えた。わずか2日間の準備期間で、あれもこれも、というわけにはいかない中で、まずはメンバー構成でスタメン全員をリーグ戦から入れ替えるという手法を取った。今季キャプテンマークを巻いている柏木陽介や興梠慎三、昨季までのキャプテンである阿部勇樹もスタメンにいない中で、キャプテンマークを巻いたのが山田直輝だった。
「それ(キャプテンマーク)を巻いていてもいなくても、僕は絶対に選手たちを鼓舞して、90分を通してスキを与えない気持ちだった。浦和レッズというチームでキャプテンマークを巻いたのは凄く光栄で、余計に勝ちたかった」
試合を終えた山田はキャプテンで90分を終えたことについてこう話した。この言葉は、3月18日の横浜F・マリノス戦で途中出場し、その後の時間帯で決勝ゴールを許して敗れた後に話を聞いた時の言葉からリンクするものだった。
その時の山田は「フィールドプレーヤー10人とGK1人がいる中で、誰かがサボると全員にひずみがくる。全員で一体になるのがサッカーの醍醐味なんですけど、90分で『この1回はいいや』と一人が思うとそこから失点するのがJ1なんです。マリノス戦、(自分が入った時間帯で)間延びしながらも一人一人は踏ん張っていたけど、何人かが抜けたプレーをした瞬間に失点しましたからね」と話していた。
▼自分が全てをできていないから・・・では変わらない
大槻監督が試合後の記者会見で「監督が代わって、次に誰が来るかは知らないですけど、前の基準とは違う人がやる(大槻監督自身のこと)わけだから、同じ人が良い評価を受けるかは分からない」と話したように、このタイミングはこれまでスタメンを掴み切れていなかった選手には目の色を変えるべきチャンスだ。だからと言って、個人のアピール合戦になっても勝利はおぼつかない。そうしたタイミングでチームの中心部を任せられたからこそ、山田にはこだわりたいことがあった。
象徴的だったのは、後半に入ってから右サイドハーフのマルティノスが完全に守備をサボった時と、ズラタンを投入した後に役割を理解しきれていなかったアンドリュー・ナバウトが不用意なプレスに飛び出して守備に穴をあけた時だ。山田は2人に対して大きなジェスチャーを交えながら、声の届かない記者席から見ても明らかに怒りを表現してメッセージを伝えていた。
それこそが、このゲームで自分がこだわりたいところだったのだという。
「試合中、鼓舞というか、叱るというか。自分が全てをできているわけではないけど、自分が全てをできていなければ何も言わないというのではチームは変わらない。自分ができていないところがあっても、ダメなプレーはダメと言うのが大事だと思う。ほとんどの選手に声を上げたけど、しっかりと会話して、次はやらないようにしようとか、言いすぎたゴメンというのもやりながら、自分としてはうまくやっていたと思います」
このゲームにあたって、大槻監督が施せた戦術的な修正点は微々たるものだ。それこそ、センターバックやボランチ、2トップといった4-4-2システムの中で横並びになる中央の2人組みユニットで、同時に前後せずに1人が出て1人がカバーするといった基本的なことを徹底することくらいだ。それよりも「質の部分は別にして、しっかりと走るところが見られたのは良かった」と試合後の記者会見で話したような、精神的な部分に起因するところが大きい。
だからこそ、山田はチームにメッセージを発信し続けた。その結果が「ゼロに抑えれば負けは絶対にない。90分を通してチーム全体の意識が少し変わったと思う。外から見ればピンチな部分があったと思いましたけど、中でやっている選手はすごく切り替えが早くて集中していたので、最後の最後はどこかで守れるという自信を感じながらプレーできた」という試合につながった部分があるのだろう。
▼この試合がリーグ戦での好転を保証するものではない
忘れてはいけないのは、広島もリーグ戦であまり出場機会のない選手にチャンスを与えた試合であり、浦和も大槻監督の「質の部分は別にして」という言葉が残る11人だったこと。これが、J1のリーグ戦で各クラブがその時のベストを並べてくる11人と対峙した時に、気持ちだけではどうにもならない部分が出てくることも十分に予想の範疇であり、覚悟しなければいけないことだ。
それでも、前提にあるのは山田が「自分の力を浦和のために出さないといけない」と話した部分だ。中2日で迎えるベガルタ仙台とのリーグ戦のピッチにどの11人が立つかは分からないが、少なくとも山田が示した「自分が全てをできていなければ何も言わないというのではチームは変わらない」という姿勢は、ピッチ上の全員が持つべきことのはずだ。
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連動の広島と直線の浦和 短い期間で大槻監督が修正できたのは【轡田哲朗ゲームレビュー/ルヴァンカップ第3節広島戦】(浦レポ)
轡田哲朗
1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。
1 匿名の浦和サポ(IP:222.15.246.123 )
もう記者の皆さんもここ最近のあちこちの記事で遠回しに言うんじゃ無くてハッキリ言っちゃえば良いんじゃないの?
柏木がキャプテンに相応しくない
って
直輝が良いとかじゃなくて柏木は間違いなくキャプテンに向いて無いだろ
2018年04月06日 08:04
2 匿名の浦和サポ(IP:182.250.243.193 )
柏木には悪いけど、キャプテンを山田に任したい気持ちになってしまった。柏木も浦和に9年いるけど、浦和に対する愛情は山田のほうがわずかに上回っている。プロの世界には通用しないかもしれないが、ネイティヴ的なものがクラブのプラス面につながることもあると思う。
2018年04月06日 08:12
3 匿名の浦和サポ(IP:211.14.61.243 )
このクラブは、プライドオブ浦和の意味を再確認することから出直さないと駄目。浦和レッズのプライドじゃない。そんなナロウな低次元のお話じゃないんだよ。プライドオブ浦和とは地元浦和のプライドを意味する。浦和レッズは地元浦和のプライドによって支えられて来たしこれからも支えていくということ。大槻さんはこのあたりわかってそうな発言してるね、今のところ。
2018年04月06日 08:16
4 匿名の浦和サポ(IP:36.12.7.42 )
プライドオブ浦和を1から10まで分かってる直輝がキャプテンやったほうが絶対上手くいくと思った
2018年04月06日 08:26
5 匿名の浦和サポ(IP:183.74.0.207 )
長谷部契約延長か もう戻ってこないかな
2018年04月06日 08:43
6 名無しの浦和レッズサポーター(IP:61.21.217.23 )
山田直輝が、こんなにも頼れるようになってくれたことがうれしいね。
そして技術なんかよりも、直輝のいうように90分間サボらず戦える選手がピッチに立つべきだ。
2018年04月06日 09:59
7 匿名の浦和サポ(IP:60.121.244.122 )
後半に入ってから右サイドハーフのマルティノスが完全に守備をサボった時と・・・
あかんやん!
2018年04月06日 10:25
8 匿名の浦和サポ(IP:126.33.19.175 )
マリノス戦、(自分が入った時間帯で)間延びしながらも一人一人は踏ん張っていたけど、何人かが抜けたプレーをした瞬間に失点しましたからね」と話していた。
マリノス戦のあの状況下で、抜けたプレーした奴らは、浦和にはいらない!クビで良い!
ぬるま湯に浸かりきった、ゆるゆるな高給取りどもは、さっさと浦和から出て行ってもらおう。
そんな奴らよりも、周りを叱咤し、チームの為に最後まで走り続ける直輝のような選手を俺達は応援したい‼︎
2018年04月06日 10:25
9 匿名の浦和サポ(IP:1.75.241.195 )
浦和の子だった直輝が浦和の男として帰って来た。
湘南のチョウ監督に、チームのために何をするか、攻守に抜いたプレーはしてはいけない、勝敗に責任を持つ年齢になった、と教え込まれ、もう、いい加減なプレーはしないし、できないでしょう。
かつては闘莉王や都築や長谷部など闘う浦和の男がいたんだけど、今は。
次の試合は中二日なので面子が変わるだろうが、直輝、荻原、橋岡、柴戸らがベンチに入ってきてほしいね。
2018年04月06日 10:26
10 匿名の浦和サポ(IP:210.251.177.109 )
これまでは
「監督のために・・・」「監督を・・・」
って言葉ばっかりで、
「浦和のために・・・」
なんて言葉は聞く機会が少なかったと思う。
色々な部分で「浦和」が軽くなっていた日々から、決別する良い機会だと思う。
フロントも然り。いや、フロントから。
2018年04月06日 10:53
11 匿名の浦和サポ(IP:182.251.252.36 )
キャプテンは阿部。将来のキャプテンは遠藤。
2018年04月06日 11:08
12 匿名の浦和サポ(IP:218.219.14.19 )
誰がキャプテンでもいいから、とにかく勝ってくれ。
2018年04月06日 11:23
13 匿名の浦和サポ(IP:14.3.231.6 )
柏木を嫌ったりしているわけではないけど、柏木はキャプテンじゃない方が1人で溜めこまないで自由で伸び伸びしたプレーができると思う。
2018年04月06日 11:54
13.1 匿名の浦和サポ(IP:219.114.117.144 )
多分ね、柏木の性格では、守備をサボる選手を叱咤することはできないと思うよ。阿部ちゃんも優しすぎる感じがしたし。キャプテンはこのくらいやってよいと思う。
2018年04月06日 12:36
14 匿名の浦和サポ(IP:106.156.160.78 )
嫌われ役を直輝はやろうとしている。そういうキャプテンシーが今の浦和には必要。
2018年04月06日 12:20
15 匿名の浦和サポ(IP:153.235.74.30 )
柏木はミシャサッカーが染み込みすぎてるかもね。
2018年04月06日 12:27
16 匿名の浦和サポ(IP:49.98.135.140 )
今一番プライドオブ浦和を体現できそうな男
明日は俺は18番でゴール裏に行くよ
2018年04月06日 12:31
17 匿名の浦和サポ(IP:219.114.117.144 )
浦和で育ち、レッズの下部組織で育った直輝は、レッズ愛が最も深く、レッズの何たるかを最もわかっている。今シーズンは今更変えられないだろうが、来期からは直輝がキャプテンでよい気がする。
2018年04月06日 12:33
18 匿名の浦和サポ(IP:49.98.7.53 )
キャプテンなんて口うるさくて嫌われるのを怖がってちゃできないもの。
2018年04月06日 12:52
19 匿名の浦和サポ(IP:119.106.92.180 )
確かにマリノス戦失点時の目の前の山中のドリブルをじーっと眺めてた選手いたね。
平川曰く柏木が1人で全てを背負い込んでるって記事見たけど、まだ何も背負ってないと思うけどね。
去年までの阿部ちゃんが1人で背負ってたって言うならまだ理解出来るかな。
2018年04月06日 15:15
20 松本の浦和さぽ(IP:60.114.101.28 )
ロビー、あの頃の浦和がほしい!
2018年04月06日 16:00
21 匿名の浦和サポ(IP:133.202.154.65 )
私は以前から、強いチームには、かつて磐田にいたドゥンガのように、グラウンド内にも『監督の役割』ができる人間が必要だと思っています。
山田直輝のコメントは、私がずっと今の浦和に求めていたような言葉で、とても嬉しく思います。
試合観戦に行く楽しみが増えました。
そしてフロント。この人たちを叱咤するのは、我々ファン・サポーターの役割でもあるかも。
微力ながら、クラブにメールで思いのたけをぶつけて伝えていきたいと思っております。
2018年04月06日 16:16
22 匿名の浦和サポ(IP:182.249.245.166 )
直輝先発を信じて明日のチケット購入してきました。ユースから意気のいい選手がどんどん出てくる、あの頃のワクワクする試合を思い出して楽しみにしています。
2018年04月06日 21:07
23 匿名の浦和サポ(IP:1.75.239.216 )
チョウ監督には感謝やな。こんなに頼もしくなって戻ってきて涙もんだわ
2018年04月07日 00:24
24 何といったって浦和(IP:49.98.149.236 )
これからが、進化が問われるのが、浦和の宿命、勝たなければ成らないのが浦和の宿命ですよ
2018年04月07日 00:39
25 匿名の浦和サポ(IP:153.208.154.200 )
別に今さらではなく、直輝はデビュー直後から、自分にも周りにも厳しかったと思うけどね。それで蛮勇のごとくガツガツいきすぎて怪我がちになったから、今まで遠回りしてしまった印象。むしろ、少し全体を見る余裕ができて、自分1人でガツガツいくんじゃなく、チームとしてのオーガナイズを考えるようになってくれたんなら、確かに大きな成長だと思う。
2018年04月07日 00:58
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