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トレーニングマッチを通して見えた、大槻毅監督のチーム構築の狙い【浦研プラス】

長年レッズを追いかけ続けるサッカーライター島崎英純さん、ミスターレッズ福田正博さんが浦和レッズについて熱く提言を行う「浦研プラス」
今回、浦研編集部の許可を頂き、有料記事の一部を転載させて頂きます。

 

プレシーズンのキャンプからチーム作りを進められる大槻毅監督が、今季のチームビルディングを進捗させている中で、最大の焦点が4ー4ー2の新布陣採用だろう。今季初の対外試合となった沖縄SV(九州リーグ所属)とのトレーニングマッチは、30分×3本という変則マッチで実施された。トータルスコアは11-0という圧勝劇だったが、実際にピッチ上に反映された試合内容や選手たちの肉声を交えながら、大槻監督によるチーム作りの意図を探っていく。

 

 

▼前提となるチームコンセプトの遵守から着手

昨年の5月末に就任した大槻毅監督は、“分析家”タイプの指揮官らしく、徹底したスカウティングを下に、対戦相手によって戦い方を変えるアプローチを志向してきた。どちらかと言うと、チームマネジメントよりも、目の前の試合に勝つための策を選手たちに授ける“ゲームコーディネーション”に重きを置くタイプの指揮官だったと言っていい。しかし、今季はプレシーズンからチームを構築できる利点を生かし、沖縄・金武町での一次キャンプでは、「意思統一された」(柴戸海)コンセプトの下、チームの指針を明確に打ち出しているように映る。少なくとも沖縄SV戦のピッチ上には、大槻監督が今季標榜するチームスタイルが、明確に反映されていた。

沖縄SV戦の浦和は、始動日から取り組んできた4ー4ー2システムを採用し、メンバーを入れ替えながら戦う中でも、システムは一貫して変えることがなかった。その中で見えてきたチームとしての戦い方の基本線は、“コンパクトな陣形をベースとしたプレッシングスタイル”。沖縄SV戦後、4ゴールを決めたファブリシオは昨季の反省点として、「距離感が遠かった」ことを挙げていた。そうした反省点を踏まえ、まず指揮官は選手同士の距離感を改善するために、「そもそもコンパクトでないと成立しない」と柏木陽介が評する4ー4ー2を採用し、距離感の改善に着手した。

例えば、現在鹿島アントラーズでコーチを務め、J2のFC町田ゼルビアを直近6年間にわたって率いてきた元日本代表の名左SB相馬直樹氏は、一貫して4ー4ー2システムを採用してきた人物の一人。J2最小予算規模のクラブである町田を引き合いに出して恐縮だが、相馬氏は4ー4ー2システムについて、「選手が均等にバランスよく配置されるシステム」と話していたことがある。そういった意味では、距離感を改善するために、適正な人材がいるかどうか、その議論は別の問題としても、4ー4ー2という新システムに着手した判断は、理に適ったものと言えるだろう。

こうして味方同士の距離感が近くなれば、選手間のコンビネーションも発動しやすく、攻撃に重厚感が生まれるし、仮にボールを失ったとしても、「距離感が良ければ、取られた後もすぐに奪いに行ける」(柏木)状況を作り出せる。

 

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