浦和レッズについて議論するページ

気がつけば、最後にコラムを書いてから、もう2年以上が経ちました。お久しぶりです。浦和を愛するみなさん、ごきげんいかがですか?
浦議から依頼を頂き、改めて月1ペースでコラムを書くことになりました。マッチコラムではないので、戦術以外にもさまざまなテーマに手を出そうと思います。

 

▼緊張感がある試合が続くことは良いことだ

試合が続くというのは、ありがたい事だ。

失意のACL決勝から、わずか6日。浦和は残留がかかるプレッシャーの中、首位を争うFC東京とアウェーで対戦する。

浦和はシーズン終盤の過密日程で蓄積した疲労がある。緊迫した試合が続くのは、身体には辛いだろう。しかし、敗戦から気持ちを切り替えるためには、必要な緊張感でもある。

この記事(ACL決勝 浦和レッズがねらった“蜂の一刺し”と、その結末)でも書いたが、ACL決勝は、現状でやれることはやった。

そこにもう一つ、タラレバの反省を加えるなら、後半の序盤だろう。大槻監督は後半に強度を高めた相手のプレッシングに対し、「あそこの最初のところをいなせれば良かったと、いまは思っています」(Jリーグ公式)と若干、采配の後悔とも受け取れるコメントをしている。

「最初のところをいなす」で思い当たるのは、後半11分の場面だ。浦和は槙野智章から青木拓矢にショートパスを当て、プレスを掻い潜って右サイドへダイナミックに展開し、橋岡大樹を経由した後、最後は長澤和輝のクロスからファブリシオがヘディングを見舞った。

まさに大槻監督が言う、「最初のところをいなす」がフィニッシュにつながった場面だ。しかし、それが出来たシーンは限定的だったので、もっと再現性を持たせたかったと、大槻監督の中には反省があるのかもしれない。

だが、それにも限界はあっただろう。浦和が「いなす」に力を入れたとしても、時間の進みを見ながら、アル・ヒラルは守備を修正することができる。外される場面が増えれば、前線から追うのをやめ、カリージョのロングカウンターを活かす展開に絞ったはずだ。タラレバを増やして試行錯誤しても、先が見えない。

アル・ヒラル戦は、まさに完敗だった。

負けた選手の口から、これほど「コテンパン」という言葉が出る試合も珍しかった。却ってスッキリした選手もいるかもしれないが、一方では絶望的な力の差を感じ、自信を失った選手がいても不思議ではない。

しかし、そのモヤモヤを引きずる暇はない。緊迫したFC東京戦がすぐにやって来るから。否が応でも気持ちを切り替えるしかない。身体は辛くても、選手として、これほどありがたいことはないのではないか。

 

▼FC東京の方がプレッシャーがかかっている

その一方、FC東京にとっては、あまりありがたい試合ではなさそうだ。味の素スタジアムでは2004年以降、浦和が負け知らず。FC東京はこの優勝をかけたタイミングで、苦手な相手と戦わなければならない。

スポーツライターの飯尾篤史さんは、直近のFC東京について、こんな記事(優勝王手目前にFC東京がさらしたナイーブな姿。次節ホーム最終戦、“真紅の大群”に対抗できるのか)を書いている。

勝てば優勝に王手を掛けられたゲームでさらけ出したのは、かつてのようなナイーブな姿だった。
「久しぶりの味スタっていうところで、前半ちょっと、僕もそうですけど、全体的に硬くなってしまって……」
キャプテンの東慶悟はそう振り返った。

アウェー8連戦という“死のロード”からようやくマイホームに戻ってきた。しかし、「やってやる」という気持ちが空回りして浮き足立ったのだとしたら、あまりにもナイーブすぎる。こういうときこそキャプテンが両手を叩き、チームメイトを激しく叱咤激励する必要がある。

なるほど。ホームで緊張して硬くなる、浮き足立つ、か。

思い返してみると日本代表でも、経験の少ない選手を中心にそんな話は度々聞こえてきた。ホームよりもアウェーで、対戦相手の怒号を受けていたほうが、むしろ集中できる。そんなことを口にする選手は意外といた。

ただ、浦和ではそういう印象を感じたことがない。ホームで却って硬くなるとか、浦和ではあまり聞かない。ホームの雰囲気が、そのまま試合の力になっている。意外とすごいことかもしれない。隣の芝生は青く見える。逆に、隣の芝生が茶色いのを見て、「あっ。うちの芝生は青かったんだ」と改めて長所に気づくこともあるようだ。

優勝のプレッシャー、彼らがホームのナイーブさを克服していないのなら、浦和がひと泡吹かせた瞬間、意外と脆く崩れるかもしれない。FC東京戦は楽しみだ。

 

▼クラブはサポーターへきっちりと説明を行うべき

その一方、残留をかけたピッチ内は心配だが、ピッチ外はもっと心配なんだと、言いたい人もいるかもしれない。

浦和は最終盤に先立ち、来季の強化体制を発表した。中村修三GMが退任し、代わって土田尚史氏がSD(スポーツダイレクター)、西野努氏がTD(テクニカルダイレクター)に就任する。

近年、浦和のスカウティングは滑りまくり。「いっちゃんエエ奴」を買って、不良債権化する。そんなことばかりを繰り返し、すっかり買い物下手のクラブになってしまった。土田氏と西野氏は、この状況を打破できるのか。

お二人のことを詳しく知っているわけではないので、手腕は知らない。ただ、なぜ土田氏と西野氏になったのか、クラブの発表では説明されていない。

GMではなく、SDとTDにすることで、トップチーム専任の体制を作りたかったことは理解した。だが、それ以外は何もわからない。二人に何を期待しているのか、クラブの目的が見えてこない。

外国人選手のスカウティングに力を入れたいとか、若手や中堅を採って世代交代を進めたいとか、あるいはテクノロジーを含めて指導体制のサポートを増強したいとか、何かそういう目的があって、だからこの人が就任します、という話ならわかるが、いきなり人から入るので、何がしたいのか正直よくわからない。

属人的なやり方は継続性を生まない。

せめてクラブは、来季の強化が目標とすること(優勝など結果の話ではなく)と、その目標に合致する人材を選んだことを説明する必要がある。

クラブのビジョン、強化手腕の話になると、浦和は隣の芝生が青く見えてばかりだ。クラブの発表からは、「誠心誠意がんばります!」という心意気は伝わってくるが、具体性がない。

もし、何をがんばっていいのか手探りになっているのなら、たとえば海外の会社と強化のコンサルティング契約を結ぶなど、抜本的な改革に向けて道筋を付ける必要があるのではないか。

 

 

清水 英斗

サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『日本サッカーを強くする観戦力』、『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』、『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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コメント
  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:114.185.63.175 )

    そもそも強化体制って誰が決めてるの?社長の独断てことはないでしょ。変えるなら根元の部分から変えないと。

    このコメントに返信

    2019年11月30日 11:46

  2. 2 匿名の浦和サポ(IP:112.70.18.237 )

    確かに、FC東京にとって今日の浦和は嫌な相手でしょうね。なんせ我々は残留か降格かの戦いで、死にものぐるい(のはず)。

    このコメントに返信

    2019年11月30日 11:50

    • 2.1 匿名の浦和サポ(IP:118.241.63.24 )

      死に物狂いな感じはあんまり感じない。
      何とかなるんじゃね?ぐらいののり。

      2019年11月30日 11:54

    • 2.2 匿名の浦和サポ(IP:106.129.217.22 )

      そんな感じしないけど

      2019年11月30日 15:56

  3. 3 匿名の浦和サポ(IP:121.81.185.4 )

    死ぬものぐるいでも頼みの綱は興梠のみ 興梠を抑えられたらマグレ勝ちしか望めない現状。
    マグレ勝ちでもいいけどね。

    このコメントに返信

    2019年11月30日 11:54

  4. 5 匿名の浦和サポ(IP:219.114.117.144 )

    F東戦のことはさておき、強化人事のことはごもっとも。
    チームをこういう方向で作っていきたいから、人選を進めてこの人にお願いしたというのならわかる。今のままだと、
    「とりあえず土田、西野体制にしました。あとのことは…えーと…えーと……彼らに訊いてください。」
    とぶん投げている状況。
    無責任極まりない。

    このコメントに返信

    2019年12月01日 16:43

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