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(福田正博)FUKUDA’S EYE『不透明な強化体制に違和感を覚える』【浦研プラス】

長年レッズを追いかけ続けるサッカーライター島崎英純さん、ミスターレッズ福田正博さんが浦和レッズについて熱く提言を行う「浦研プラス」
今回、浦研編集部の許可を頂き、有料記事の一部を転載させて頂きます。

 

【福田正博】FUKUDA’S EYE−『不透明な強化体制に違和感を覚える』浦研プラ

 

 

アル・ヒラルとは明確な力量差があった

 

 AFCチャンピオンズリーグ決勝の浦和レッズとアル・ヒラルのゲームは2試合とも浦和の完敗だったと感じた。個人の力量、組織力の両面でアル・ヒラルの方が勝っていて、その差は歴然だった。もちろん勝つチャンスが全く無かったわけではないが、勝機を掴むには相応の戦略が必要だったのは事実で、ピッチに立っていた選手たちは相手との力の差を我々以上に感じていたのではないか。

 

 浦和は東アジアの戦いでは結果を残せた。中国スーパーリーグのクラブなどは外国人選手たちの実力も高かったが、浦和は特定個人に対策を講じて抑え込み、相手のストロングポイントを消せていた。しかしアル・ヒラルの場合は外国人選手の力量はもちろん、自国選手たちのプレーレベルも非常に高かった。それに加えて11人全員がハードワークする組織力をも兼ね備えていて、付け入る隙をほとんど与えてくれなかった。

 

 大槻毅監督も何とか状況を打開しようとしていたようにはうかがえる。例えば相手FWのバフェティンビ・ゴミスに浦和センターバックがハードマークしたり、サイドからの攻撃構築でダイアゴナルに相手ゴール前へパスを通して攻略を図るような所作はあった。ただ、その戦略手法はいたってオーソドックスなものだ。これだけ力の差がある相手ならば、もう少し斬新な、相手の予測の範疇ではない戦略を採るべきだったのかもしれない。選手起用、システム変更など、様々なファクターから一発勝負に打ち勝つための方策で臨めば10試合戦って1試合は勝てるだけの余地を見出せたかもしれない。結局、普通の対応では番狂わせを起こすことはできなかった。それが今回のACL決勝で浦和が直面した現実だったと思う。

 

 今のアジアはアル・ヒラルのような強化を進めるクラブが増えている。世界でも名のある外国人選手を獲得するのに加えて、自国選手のレベルアップをも目論んでいる。それには選手たちに、そのクラブでプレーする価値のある環境を整えるのが大事だ。分かりやすいのはそれに見合った報酬、あるいはその先に繋がるブランド価値の確立だろう。日本のJリーグでいえばヴィッセル神戸がその足掛かりを築こうとしていて、日本国内の勢力図も変わりつつある。

 

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