今年よりTwitterでスタートした「浦和レッズのプレビュー、レビュー」が面白いと話題となっている浦ビューさん。
その原稿を浦ビューさんに許可をいただき浦議に転載させていただきます。
いつも読んで頂きありがとうございます。
今回も開いて頂きありがとうございます。
前半90分は0-1でリードされました。残念です。
アップするタイミングとても悩みました。
いつもは試合後1〜3日以内にアップするのが原則ですが、今回は2週間空白があったこと、試合内容を考えても、一旦クールダウンしてからの方が皆さん前のめりに開いて頂けると考えて金曜日(6日後)にアップを決めました。
今回も多くの浦和レッズサポーターの1つの考えとして捉えて頂ければ幸いです。
では、レビューを始めたいと思います。
〜今の浦和が言えることではないが、 アルヒラルの守備は鉄壁ではない〜
アウェイ第1戦。シュート2本。ボール支配率29%。
ゴールの匂いを感じた瞬間まるでなし。
正直、アルヒラルの事もみっちり勉強した側の人間から言わせてもらうと、どのような駆け引きがあったとしても、90分間でアルヒラルに1点も奪えなかったのはビックリでした。
アルヒラルもビックリしたと思いますよ。ウノゼロ(1-0)で勝った試合は今季初。アルヒラル的に1得点だけなのは残念だったと思いますが、自分達の弱みから逆算して、まさかACL決勝で90分を0失点で終えられるとは想定していなかったと思います。それぐらい、国内リーグやACLのこれまでの勝ち上がりを見ても失点は多く、守備に不安が多いチームです。
それにもかかわらず浦和は”ほぼ”突かず、暴こうともしませんでした、できませんでした。
なので、まだアルヒラル対策としてトライして欲しい事を何一つしてないので、再利用するしかないです。確認作業からもう一度出直すしかないです。
そして、自分の意見だけではなく、過去の大槻監督の采配からどのように浦和が試合を作ってくるのかを想定してみたいと思います。
・アルブライヒにエラーを起こさせたい
この部分だけは譲れないです。どんな状況であっても、狙い続けて欲しいです。そうです、左CB5番アルブライヒを意識的に狙うことです。
第1戦でも右CBチャンヒョンスは本当に奮闘していて、カバーエリアも広く、浦和の起点を悉く潰していました。
一方の相方・5番アルブライヒは、前へのアタックに自信を持っていて、その強みを出した結果、第1戦でイエローカードを貰ったような選手ですが、軽率な対応・無駄な食いつき癖・カバーエリアが狭い・スライドが得意ではないという不安要素を抱えている選手でもあります。チャンヒョンスに補完してもらっている部分は大きいです。なので、アルブライヒにエラーを起こさせるような状況を意図して作ることを浦和レッズさんには求めたいです。
(図1)
(図1)のようにチャンヒョンスが的確にスライドするのに対して、5番アルブライヒはスライドせずに空くことがあります。
(図2)
・起点を作るのは、
チャンヒョンスの前ではなく、アルブライヒの前。
・左サイドから攻めたときはチャンヒョンスとアルブライクのズレを積極的に見つけて、的確に突きたい。
(図3)
一方で中央~右サイドでも狙うのはアルブライヒ側からです。(図3)のようにアルブライヒ側へ抜け出していくことを強く求めます。
第1戦もこれだけは継続的にやって欲しかった。。。
↑↑↑こうではないです。
↑↑↑↑↑↑こっちです。
アルブライヒの食いつき癖を利用するなら、シャドーがアルブライヒに影響を与えるように手前に降りながら背後にスペースを創出して、興梠が背後へ抜け出して岩波が送るというのが、最も想像しやすく現実的な流れの1つだと思います。
優位性を保って自陣から敵陣にスムーズに前進することが全く準備、仕込まれていない現状の浦和なので、ある程度アバウトにでも敵陣にボールを放り込んでから攻めることをしていかないとゴールには近づけないはずです。その中でも、リアリティがあり、相手を見ながらプレーするのであれば、第2戦こそ積極的にアルブライヒから何かエラーを起こさせるような配球・アクションが欲しいです。
これらを意識的にトライした上で負けてしまったら、力不足だったと諦められます。でも、明らかなウィークポイントでアルヒラルから複数得点を挙げているチームはみんな突いていることを取り組まないことは後悔します。分析が一致していることを祈ります。
・過去の大槻レッズから①
これまでの大槻監督の采配を振り返ると、意欲的にボール保持しようとした時には、青木を最終ラインに降ろして4-1-5を形成させることを積極的に行なっています。そして、今回もその状況を作ってから前進していく気がします。そう想定して話を進めます。
4-4-2に対して、青木を降ろしてワザワザハマる状況にすることは個人的には非効率さを感じていますが、大槻レッズでは鹿島戦を筆頭に4-4-2相手でもします。
4-1-5をセットしたときにSB化した槙野と岩波のポジショニングに毎回不満を感じています。
その理由は、上図のように槙野は幅を目一杯取るのはいいですが、関根との関係性が悪いし、相手のSH(19番)に何1つ影響を与えるポジショニングを取れていないです。逆に岩波は、幅を取らず3バックのときとほとんど変わらないポジショニングになっていて、それなら相手FWはプレスをかけることも容易ですし、4バック化することの意味を為していないポジショニングになっていることが、これまでの特徴です。
槙野の本来の持ち味、関根の器用さ、長澤の癖と馬力を考えれば、4バック化したところから左サイドで敵陣に侵入していくなら、上図が最も効果抜群だと思います。ほんの一例ですが、このような共有があれば、あとは相手の出方を見てプレーすることができれば、どこかは空く相互関係になるはずです。
一方の右サイドは、岩波が幅を取ることはしないと思いますし、槙野とは違って上下動させずにキック精度に期待したい選手なので、前線が微調整してフリーの選手を作って欲しいなと思います。
そのときにアルヒラルの特徴も考えれば、SB12番のアルシャハラニは物凄い食いつきがちで先に動いてくれる選手です。それは、第1戦でも見られた現象でしたが、浦和は全く認知できずに、情報として与えられていないようで効果的な方を突くことができず引っかかり続けました。
なので、今回は積極的に狙っていきましょう。
その為には、橋岡が予め高い位置を取ってアルシャハラニを留めるのではなく……(上図)
「橋岡が中間ポジションを取る+ファブリシオがアルシャハラニに影響を与えるポジショニングを取る。」
というような事を共有しておけば、アルシャハラニは選択肢を与えられて、絶対に迷います。
で、アルシャハラニらしく橋岡に先に動いてしまうのであれば、岩波からファブリシオに背後を取らせるロングパスを送ってあげればいいです。アルシャハラニが自制するなら、著しい成長で縦への仕掛けで怖さを出せてきた橋岡なので、このように時間とスペースを与えられた中でパスを受けられたら、十分にその後の展開に期待は膨らみます。
アルヒラルは「1-0でリード・大アウェイ」というのが前提にあったとしても、完全撤退したところから試合を組み立てることはあり得ません。浦和が意識的にボールを保持しようとする分、第1戦よりはアルヒラルも非ボール保持の時間が長くなりますが、ラインを下げることはできる限りしないコンパクトな4-4-2を形成して奪いに行くアクションを示してくるだろうと個人的には想定します。
だからこそ浦和には……
・どこから敵陣に侵入していくのか
・どのように一列目を越えていくか
ということに、
こだわって準備しなければ、いつもの浦和で終わってしまうと思います。逆にそこさえ的確にできれば、
シュート・決定機の数は絶対に増えます。絶対に。
アルヒラル相手に青木を最終ラインに降りることに効率性を感じません。最終ライン3枚でどのように前進をスタートさせた方が効果的かは、第1戦のプレビューで記しました。なので、今回は4-1-5を形成するのではないかとプレビューらしく完全なる大胆予想してみました。
しかし、大槻レッズはボール保持を丁寧にしたい試合において、高い確率で4-1-5をセットしてから敵陣に侵入しようとするので、そうするのであれば、やらなければいけないことがあるでしょうよ!ということを両チームの特徴を考慮して言及してみました。
・2週間。
・第1戦を大型スクリーンで見ながら攻撃の練習。
・浦和レッズの選手。
できてもらわないと困っちゃうなという要素が揃いすぎています。
もちろん、プレーするのは選手ですが、ここは大槻監督がどう準備したのか、何を情報として与えているかの裁量が大きいと思います。手腕楽しみにしています。
・過去の大槻レッズから➁
前半90分をリードを許して折り返したのは、大槻体制では蔚山戦と鹿島戦の2回です。
もちろん、スタイルの違いや相手の出方を想定すると参考にならない点も多いですが、追い込まれて点数を取りに行かないといけない時に、浦和が何を意識しているのかは大いに参考になると思って、その2試合を再度見直しました。
その中で他の試合と明らかに違うのは、サイドチェンジへの意識でした。
岩波・槙野→反対のWBへの大きなロングパス。
WBを採用しているシステムですし、相手は4-4-2なのでサイドチェンジや大きな展開は一応通りますよ。
ただ、ただね!
通ったのはいいけど、そのタイミングが味方・相手がどういう状況になっているのかを的確に認知できずに、岩波や槙野の個人感覚で狙ってしまっているように見えてしまうことが多かったので、広げればいいってもんじゃないようなというシーンが多かったです。なので、今回も意欲的に狙うのはいいですが、
全体が共有された中で狙われたサイドチェンジになることを期待したいかな。
それさえできれば、受け手のWBに渡ったときに、
「背後に抜ける人・手前でサポートできる人」って
的確に整理されていて、より決定機を作りやすくなるはずです。
相手が論理的に全体で共有して侵入されると、アルヒラルの守備は、他のチーム以上に簡単に苦しく脆くなります。特に押し込まれたときの右サイドのアルブライクとカリージョの縦関係は緩さ・弱さは気になります。狙いたいです。(決勝戦なので、超本気のカリージョになるはずですが。)
先に動いてしまうとか、
不用意なところで食いついてしまうとか、
スライドできないとか、
ライン間を閉じた方がいいのに閉じないとか、
浦和が的確にやればやるほどボロがでてくるのがアルヒラルです。この相手に無得点というのはあり得ないです。とにかく最初のところを何を基準にどうやって前進していこうかが共有・構築されていれば、優勝できるかは分かりませんが、ひとまず得点は挙げられます。第1戦も全く同じ感覚を抱いていたので、あれほど何もしなかった、できなかったのが驚きでしかないですが、大ホームですし得点は必ずできます。断言します。
天候は雨予報。
GKアルマイウフは、守備範囲やカバーエリアは狭くシュートストップも決して抜群とは言えません。
いつも以上に積極的に狙っていきましょう。
・過去の大槻レッズから③
次は浦和の非ボール保持編です。
第1戦レビューを全文読んだ方は、どういう理由で、左サイドから多くチャンスを作られたのかは自分なりの解釈を伝えています。改めて振り返ると膨大な量になるので、丁寧に振り返りたい方は下記のリンクから読んでみて下さい。
自分の解釈を知っていることを前提に話を進めます。
浦和が第1戦から変わらないといけないと思う点は…
①エヴェルトンにハリキリ守備をさせない。
橋岡に気持ちよく縦スライドさせる為にも興梠→シャドーという順序でプレスに出た方がいいと思います。できるだけWBを高い位置に保たせたいのであれば、エヴェルトンは自制をしてジョビンコを管理・全体のバランスを取るタスクを与えた方がいいと思います。
という希望を持ったとしても、恐らく大槻監督は変えないと思います。エヴェルトンには強烈に前に行かせて、ときに興梠よりも前に飛び出させて行かせることを野放しのままだと思います。
という事を考慮して②へ。
②シャドー若しくはボランチの左右を変える。
エヴェルトンの自分感覚でのハリキリ守備を続けさせるなら、隣り合わせになるシャドーの選手は長澤ではなくファブリシオの方がいいです。
・ファブリシオにどこでエネルギーを最も使って欲しい選手なのか?
・長澤のストロングは何であるのか?
という事を考えると、エヴェルトンにハリ切ってもらう分、ファブリシオの負担を減らしてあげて、長澤は精力的に2度追い3度追い上等の意気込みで守備させた方がアルヒラル自体もプレッシャーを感じると思います。
ボランチの2人も、シャドーの2人も全員右利きなので、特に左右を変えたからといって困るような選手はいないので、エヴェルトンの相方にはファブリシオ、青木の相方には長澤という関係性にしてあげた方が私は良いと思っています。
その点について更に深掘りします。
上図はアルヒラルから見て左サイドでボールを保持しているときです。
第1戦同様に、若しくは、第1戦以上に激しくエヴェルトンは前に行くのではないでしょうか。
アルヒラル目線だと、第1戦ではこのように対応されたときに広い反対サイドに展開してから強烈な突破を見せましたが、”ボランチ”エヴェルトンが出てきてくれることを利用して、エヴェルトンの脇を今回は積極的に狙ってみてもいいかもしれませんね。ジョビンコがいますから。
上図で唯一文字に起こしていますが、反対サイドのWB関根は、第1戦で同じ状況のときに最終ラインに張り付いていましたが、管理しないといけないカリージョ(19番)は高い確率で中央に絞るので、関根が最終ラインに張り付いている必要がないと思います。ボールが自分サイドに展開されることを想定して、前に素早く出れる準備しておいていいはずです。というか、前から制限をかけるなら、そうあるべきです。
そして、第1戦ではお馴染みのようにアルヒラルが広い反対サイドへ展開していったら・・・(下図)。
・左サイドで興梠のあとに続くのは長澤。長澤は沢山走らせて問題なし。
・関根はこっちに来ることを前提としたポジショニングを取れているので、2番アルブライヒを先に管理できている。
・関根の前提条件をチーム内で共有されていれば、
カリージョの動きに誰がついていくべきかハッキリする。そう、槙野です。
・槙野と一糸乱れないように大輔先生→岩波→橋岡もスライド。このときに18番ゴミスが逆流するので、受け渡しを的確に行う。
・ジョビンコの動向は青木が見守るとともに、近隣の最終ラインも捕まえにいけるように意識しておく。
理想論ではありますが、これらを左右で絶え間なく続けることができれば、アルヒラルは前進できずに自然と横のパスが増えるので、例えば、アルブライヒにパスが入ったら奪うスイッチを入れるって決めてしまうとか狙い所を設定出来たら最高です。
再度図を載せてみましたが………
要するに、非ボール保持時は、左右非対称の4-4-2(5-3-2)を常に作ってハメに行って欲しいという思考にどうやら私の結論は辿り着いたようです。
第1戦同様に5-4-1(5-3-2)で我慢するときは我慢ってことを序盤戦はするかもしれませんが、0-0が続けば自然と前から出ないといけなくなると思うので、そのときはこの左右非対称な4-4-2が、エヴェルトンのハリキリ守備を解決できるカバーできる最も効率的な術ではないでしょうか。
この場合で負担が大きくなる選手は、第1戦とは変わります。ひとまずファブリシオは第1戦より遥かに負担が減ります。そして、その分の見返りは必ず生まれると思います。
ちなみに、2017年対戦で堀監督は、中盤の構成を第1戦ではアンカーを置く逆算三角形から、第2戦では1トップ下2ボランチを置く三角形でアルヒラルのシステムに嵌めた目に見えた変更を行いました。
・長澤とファブリシオの左右は変わるのか。
・エヴェルトンのハリキリ守備はどう効果をもたらすのか。やめさせているのか。
・WBをどのように運用していくのか。
非ボール保持時は、この辺りが注目ポイントです。
③興梠はチャンヒョンス重視で。
興梠に守備であまり多くのことを求めないのであれば、チャンヒョンス重視立っておくことを第1戦のときと同様に求めたいです。第1戦での興梠は満遍なく気を遣いながら守備をしすぎているように感じました。
本来なら左CBのアルブライヒには、割り切ってアプローチに行かなくてもいいぐらいです。それを興梠は、丁寧にアルブライヒにパスが回れば追いかけて、エヴェルトンと協力して防いでいたのはいいですが、相方の右CBチャンヒョンスに回避されたときに、
チャンヒョンスをフリーにせざるを得ない状況になって、チャンヒョンスから鋭いパスを数本通してしまいました。
アルブライヒは最も影響力の低い選手です。
運ぶドリブルとか積極的に行う魅力的な面も備わっている選手ですが、ストレートな表現で言えば「フリーで持たせても全く怖くない」です。
なので、他の選手を捨ててまでもアルブライヒに執着する必要はないですし、前から積極的にハメに行きたいのであれば、アルブライヒに誘導・アルブライヒにパスが入った時に奪うスイッチを入れるという感じが個人的に望ましいアルヒラル対策です。
④ジョビンコが生命線であることは変わらない。
驚異のシュート11本・唯一の得点の起点となったという点で、流石はジョビンコという結果を残しましたが、通常の試合よりかは目立たない第1戦になっていました。もちろん、得点に関与されたので言える筋合いないですが、ジョビンコだけに関しては、比較的正しい対応をできていたと思います。
第2戦も同様に疎かな対応をしてはいけません。
・前進の起点はサイドバック
・攻撃の生命線はジョビンコ
この2点だけは、忘れないで欲しいです。
そして、この2点が直接的に結ばれるパスだけは出されないようにして欲しいです。つまり、サイドバックからライン間の内側(ハーフスペース)にいるジョビンコへ斜めのパスが入ってしまうことです。
これは、絶対にダメ、消さないとダメです。
その一方で、第1戦ではジョビンコが青木の視野を外して逆を突いて縦パスを何度も繰り返し受けたのも事実です。
1番やられたくない部分では抑えられたけど、得点にも大きく関与していますし、随所で青木にダメージを与える辺りを見てしまうと、やっぱり正しい対応を取れたのかは疑わしく思ってしまったり…。
ある選手がジョビンコは「あまり脅威を感じなかった」ってコメントしていましたが、それは有り得ないです。完璧に気持ちよくプレーさせていましたから。
ジョビンコはアルヒラルの生命線であり、魔法をかける選手です。何を差し置いても予め封じておきたい選手です。得点が決まるならジョビンコから生み出されると思います。第1戦に引き続き最大警戒選手として挙げさせていただきます。
アルヒラルの全16人の個人の特徴を超詳細に言及したのが第1戦のプレビューの最初に載っています。
観てない方はそこだけでも見ることをオススメします。
・アルヒラルはどのように試合を組み立てるのか
アルヒラル目線だと、非ボール保持時に最もやってはいけないことは、浦和の最終ラインに自由を与える低いライン設定をすることです。しかし、先程も少し触れたように、アルヒラルが完璧に引き込んだところから試合を組み立てることはないはずなので、その点はアルヒラル的に第1戦の結果に捉われず貫くべきです。
守備に多くの問題と最終ラインの選手に最もな不安材料があることは厳しいチーム事情ですが、大きな変化がなければ、浦和は前から規制をかけられるとあまりにもその場凌ぎ感満載の繋ぎをしようとするので、前から行く姿勢を常にチラつかせておくのはアルヒラル的には正しいアクションになると思います。
ゴミスのプレースタイルやピッチ上での熱量を見れば、”決勝”という舞台で、どのような振る舞い、奮闘をするのかは容易に想像できたので、第1戦で超献身的なプレス、スプリントに驚きは全くなかったです。そして、今回も当然働くと思います。それに触発されて、ジョビンコやペルー代表での奮闘を彷彿とさせるカリージョも登場するでしょう。この点を踏まえても、我慢させて浦和のアクションを待つよりも、ベクトルを常に前にしておいた方がアルヒラルは失点の確率は減らせると思います。
次にアルヒラルボール保持をどのように組み立てるかです。
こちらも基本的にはスタンスは変えないと思います。
浦和のWBを積極的に縦スライドして守備をさせたくないのであれば、いつものようにSHが幅を取ればいいですし、浦和WBがピン留めの誘いに乗らずに前姿勢に出るのであれば、槙野(岩波)の脇を意識して狙っていくことも効果的でしょう。
今回は浦和が絶対に1点は奪わないといけないのと、大槻監督なら前への守備アクションを強調することが確実なので、浦和に先にアクションを起こさせて、
背後に蹴りこんでセカンドボールを拾っていくというパターンが選択肢として持って効果的に使えれば、だいぶ浦和を苦しめられるのではないかと思います。
アルヒラルも同様に前から的確にハメに来られると、苦しむ・安易なミスをしがちなチームなので、
その点から考えてもリスクをかけない選択肢を沢山持っておく必要はあります。
今、非常に重要な事を言いました。
アルヒラルは自陣から奪いにくるアクションを取られると苦しむ・安易なミスをしがちです。
第1戦が終わった後にサウジアラビアのアンチアルヒラルサポーターから「どうして前から守備に行かないのか?」「アルヒラルの弱みを知っているのか?」と数件文句の文面が送られてきました。
私に送られても困るわ!って感じですが、
サウジアラビア国内では、その危うさに気付いて突いたチームがアルヒラルから勝利を奪っている事はスカウティングしていれば分かる情報です。
一応、私も観て学んで知っていたので、第1戦のプレビューで、2017年ほど保守的にドン引きする必要ないんじゃないの?という事を伝えていましたが、結果的にはああいう試合でした。
・前から姿勢を示したから失点の確率が高まる
・後ろにドン引きしたから失点の確率が低くなる
必ずしもこういう訳ではないはずです。
その点で考えると、アルヒラルは……
前から姿勢を示したら失点の確率を減らせる相手だと思っていました。
益々第2戦で浦和のやらなければならない事はハッキリしていると思います。
といった、両チームの駆け引きがありながらもアルヒラルには大きな武器があります。GKアルマイウフのキック精度です。これだけで浦和のプレスを無効化できるので、序盤に2、3発チラつかせておくことで、浦和が出づらい状況を作っておくのもアルヒラル的には効果的でしょう。
ゴール前では、お得意の外外の関係からの突破やジョビンコやボランチが走りながら内側(ハーフスペース)でパスを受けた所からの突破など、通常通りのアルヒラルが出れば、主導権を握れると思います。
アルヒラルにとっては悪い過去のデータもありますが、基本的には相当のアドバンテージを持っていると思います。試合後のインタビューを見ても、ルチェスク監督は優秀な指導者だと感じました。第1戦同様に浦和が苦手としていることを積極的に用意するはずです。
全ては相手ありきです。
どんな理想を描いても、準備しても相手も同じぐらい一生懸命取り組んでくるので、真面目に丁寧に現実と向き合わなければ難しい試合になると思います。
・アルヒラルpoint①
カリージョとアルドーサリの左右を入れ替えることは十分に想定されます。2人とも左右入れ替わっても違和感ないですし、この2週間で関根はずっとカリージョにリベンジすることをイメージしながら対策を講じていたと思うので、研究を外す意味で替えてみてもいいんじゃないでしょうか。
・アルヒラルpoint➁
アルヒラルの超好材料は、ボランチの28番カンノが復帰できることだと思います。相当朗報です。カンノが起用されることによって、心もとない守備に安定感を増します。オタイフとアルファラジの2人のボランチでよくも第1戦を完封で終われたないう感想だと思いますよ。カンノ復帰で補完性は完璧。
・アルヒラルpoint③
アルヒラルは先制点を挙げられやすいチームです。
逆にそこから逆転するのが得意なになっているチーム状況です。
・先制された試合・・・15試合中7試合。
・ACLでは7試合中4試合先制を許す。
・2017年対戦は2戦とも浦和が先制。
浦和は早めに先制点を挙げて1-1に戻して、本当の勝負に持ち込みたいですね!
~キックオフ・コーナーキック~
キックオフ。本でいうと目次。
「自分たちはこう行きますよ」とアピールする場。
第1戦のレビューで伝えたので改めて振り返りませんが、第1戦の自分たちのキックオフは最悪の最悪でした。2週間あったので、そういうところもこだわれるはずです。もう最初のキックオフを見れば、どのくらい準備したのが理に適っているのか見極てもいいぐらい重要です。それが意図したものであれば、優勝できます。
詳細知りたい方は、第1戦のプレビュー&レビュー見てください。
コーナーキック。
第1戦からも分かったようにデザインされたものが多かったです。
上図の狙いなどコーナーキックの詳細を知りたい方も第1戦のプレビューを見てください。
第1戦を見るとショートコーナーも多かったですね。でも、パターンとしては限られたものが多く、上図の3つのパターンに似たセットから行ってきたコーナーキックが多かったです。
〜PK戦〜
PK戦になることも大いに想定される点差です。
準決勝以上にこの情報を求められている気がします。
活用する機会が訪れたら、活用してみて下さい!
先ずはアルヒラルのキッカー編です。
※左右はキッカーから見た方向です。
・18番 ゴミス
2019 左中央 ◯
2019 右下 ◯
2019 左下 ❌
2019 左下 ◯
2018 右中央 ◯
2018 右上 ◯
2018 左中央 ❌(枠外)
2018 中央下
今回は割り切ってアルヒラル時代に限定しました。
アルヒラルのPKキッカーはゴミスです。
GKとは視線を合わせず、主審をチラチラ見るのが特徴的でした。左右中央と満遍なく蹴っているので、
的を絞るのは中々難しいように感じました。
左50%中央12% 右38%
確率で言えば、右側に飛ぶことをオススメします。
・7番 アルファラジ
2019 左下 ◯
2018 左下 ◯
2018 左中央 ◯ (ロシアW杯 エジプト戦)
2018 左中央 ◯
2017 左下 ◯
サウジアラビア代表でもキッカーを務めていて、ロシアW杯のエジプト戦でも蹴っています。傾向を見ると、思わずニヤケてしまいます。全て左側に蹴っています。止められなくてもいいから福島(西川)は右側に飛ぶべきでしょう。
左100%中央0% 右0%
確率で言えば、右側に飛ぶ事をオススメします。
絶対に右側に飛ぶことをオススメします。
・28番 カンノ
2018 左中央 ◯
2018 右下 ◯
2016 左下 ◯
怪我から復帰した頼れる中盤の選手。
早い順番で蹴ってきそうな選手です。
左67%中央0% 右33%
少ないデータですが確率で言えば、右側に飛ぶことをオススメします。
・29番 アルドーサリ
2018 左下 ◯
2018 左下 △ (ストップされたが、こぼれ球を詰める)
思わずニヤケてしまう傾向です。
回数こそ少ないですが、左側に蹴りそうな感が満載でした。心変わりしていなければ、今回も左側に蹴ると思います。
左100%中央0% 右0%
確率で言えば、右側に飛ぶことをオススメします。
・24番 アルアビド
2017 右下 ◯
2017 左下 ◯
2016 左上 ◯
2016 右下 ◯
2016 右下 ◯
2015 左下 △ (ストップされたが、こぼれ球を詰める)
助走に角度がないのが特徴的でした。真っ直ぐな助走から蹴り込んでいます。中々読むのが難しい助走と精度のある球種、スピードでした。
左50% 中央0% 右50%
・10番 アルシャフーブ
2019 右上 ❌ (枠外)
2017 中央上 ◯
2016 右下 ◯
2016 中央下 ◯
2015 左中央 ◯
2013 左下 ◯
2013 右下 ◯
2013 右上 ◯
試合中は打ったシュートが入ってしまうほどキック精度抜群の選手。その自信があるのか、PKでも浮き球を蹴っています。途中出場の可能性大なので、PK戦になれば、キッカーになると思います。
左25% 中央25% 右50%
確率で言えば、左側に飛ぶことをオススメします。
・16番 ナサールアルドーサリ
2016 右下 ◯
2016 右上 ◯
17歳のときにU-19アジア選手権に出場して、決勝の日本戦で1つ決めています。相手は小島君。左利きです。途中出場の想定はできる選手なので、蹴る可能性もあります。
左0% 中央0% 右100%
確率で言えば、左側に飛ぶことをオススメします。
・11番 シェフリー
2019 右下 ◯
2019 右下 ◯
2019 左下 ◯
2018 右下 ◯
今季からアルヒラルに加入した選手。
序列は低く出場機会には恵まれていませんが、前所属チームでキッカーを務めていた経験からPK専用として登場する可能性も想定できる選手です。
左25% 中央0% 右75%
確率で言えば、左に飛ぶことをオススメします。
次にGK目線です。
(左右はGKから見た方向です。)
・1番 アルマイウフ
2019 左に飛んでコースは当たったが決められる。
2019 左に飛んでコースは当たったが決められる。
2019 右に飛んで左に決められる。
2019 右に飛んで左に決められる。
2018 右に飛んで左に決められる。
2018 右に飛んで左に決められる。
2017 右に飛んでコースは当たったが決められる。
2017 左に飛んで右に決められる。
2017 左に飛んでコースは当たったが決められる。
2016 左に飛んで右に決められる。
2015 右に飛んで左に決められる。
2014 左に飛んで右に決められる。
2014 左に飛んで右に決められる。
2013 左に飛んでコースは当たったが決められる。
2013 右に飛んでコースは当たったが決められる。
2013 右に飛んで左に決められる。
2013 左に飛んで右に決められる。
2013 左に飛んでコースは当たったが決められる。
2012 左に飛んで右に決められる。
左58% 中央0% 右42%
19戦19敗です。
1度も止めたことがないようです。
試合中でも守備範囲は狭いGKなので、コースを読まれても決まる確率は大いにあります。GK目線だと、福島(西川)の方がストップ期待できる感があるので、PK戦は浦和の方が勝算あると思います。
次に浦和目線です。
先ずは、引き続きGK西川から!!
※左右はGKから見た方向です。
・1番 GK 西川周作
2019 右に飛んで左に決められる。
2019 右に飛んでコースは読んだが決められる。 2019 左に飛んでコースは読んだが決められる。
2019 右に飛んで左に決められる。
2018 右に飛んでコースは当たったが決められる。
2018 右に飛んで左に決められる。
2018 右に飛んでストップが押し込まれる。
2017 右に飛んでコースは当たったが決められる。
2017 右に飛んで左に決められる。
2017 左に飛んでストップ。
2017 右に飛んで真上に外す。
2016 右に飛んでコースは当たったが決められる。
2016 右に飛んで左に決められる。
2016 左に飛んで中央に決められる。
2016 右に飛んで中央に決められる。
2016 左に飛んで右に決められる。
2016 左に飛んで中央に決められる。
2016 右に飛んで左に決められる。
2016 右に飛んで左に決められる。
2016 右に飛んでコースは当たったが決められる。
2016 ソウル戦 ACLベスト16
①右に飛んでコースは当たったが決められる。
②左に飛んでコースは当たったが決められる。
③左に飛んでコースは当たって、大きく枠外。
④右に飛んで左に決められる。
⑤右に飛んで左に決められる。
⑥右に飛んで左に決められる。
⑦右に飛んで左に決められる。
⑧右に飛んで中央に決められる。
2016 ガンバ戦 ルヴァンファイナル
①藤本 左に飛んでコースは当たったが決められる。
②今野 左に飛んで中央に決められる。
③丹羽 左に飛んで右に決められる。
④呉屋 中央に留まり中央でストップ。
⑤遠藤 左に飛んでコースは当たったが決められる。
傾向としては、最後の拠り所はいつも右に飛んでいる印象です。浦和、代表戦問わず大勝負では右に飛んでいます。一方でPK戦になると、ガンバ戦では四回が左です。中央に留まったのは、近年では1回のみ。
以上、西川の直近のPKデータでした。
では、キッカー編です。
※左右はキッカーからから見た方向です。
・30番 興梠慎三
2019 右下〇
2019 右中央○
2018 左下〇
2018 左下〇
2017 左下〇
2017 左下〇
2017 右中央✖︎
2017 左下〇
2017 左中央〇
2016 右下〇
2016 中央下✖︎
2016 中央上〇
2015 右下〇
2014 右下〇
2014 中央中央〇
2017、2018と左を蹴り続けたのが相手のスカウティングされたせいか、今季の2本はGKにとってそちら側に飛びましたが、今季は興梠さん模様替えしたようで右、右と連続で決めています。更には、今季から助走のつけ方を変えていました。
左確率40% 中央確率20% 右確率40%
左右の確率は五分。今季の傾向を考えると右。
・14番 杉本健勇
2019 右下◯
2019 左下❌
2019 左下〇
2018 左下〇
2017 左下〇
2017 左下〇
2016 右下〇
Honda FC戦で止められたのは記憶に新しいですが、高い成功率です。左下を4回連続で打ち続けても決めてしまっています。信じるところはいつも、「左下」。杉本の信念と蔚山のスカウティングが合致しないことを祈りたいです。
左確率80% 中央確率0% 右確率20%
確率で言えば、左。
・22番 阿部勇樹
2016 中央中央〇
2016 右上〇
2015 左中央〇
2015 右下〇
2014 左中央〇
2013 右中央〇
2013 左下〇
2013 右下○
2013 右下○
2013 中央中央○
2013 左中央✖️(ポスト直撃)
2012 左下○
流石はPK職人。2013年の広州恒大戦外して以降は、恐らく全てパーフェクト。勇気を持ってGKの取りづらいコースを狙っていて素晴らしいの一言です。
左確率42% 中央確率16% 右確率42%
確率で言えば、左右五分。
・12番 ファブリシオ
2019 左上◯
2019 左中央◯
2018 左中央〇
2018 左下〇
2018 右上〇
2017 右下
2017 右中央〇
2017 右下〇
PKでも流石の決定力。PK戦の絶対的安心感を誇っていたズラタンの穴を埋めてくれるのは、ファブリシオでしょうか。
左確率33% 中央確率0% 右確率67%
確率で言えば、右。
試合中に確認できたPKは、残念ながら4人のみ。
浦和に長く在籍していれば、興梠、阿部が軸ですもんね。エヴェルトン、マウリシオのポルトガル時代、山中たちも探しましたが見つかりませんでした。
次に直近の浦和のPK戦です。
2016 ソウル戦 ACLベスト16
①阿部 左下に蹴ってコースを読まれたが決める。
②遠藤 右下に蹴ってコースも読まれずに決める。※
③ズラ 右中央に蹴ってコースも読まれずに決める ※
④森脇 左中央に蹴ってコースを読まれたが決める。
⑤西川 中央に蹴ってコースも読まれなかったが止められる。
⑥梅崎 右上に蹴ってコースを読まれたが決める。※
⑦李 左中央に蹴ってコースも読まれずに決める。※
⑧駒井 右中央に蹴ってコースを読まれて止められる。※
2016 ガンバ戦 ルヴァンファイナル
①阿部 左下に蹴ってコースを読まれたが決める。
②ズラ 左下に蹴ってコースを読まれずに決める。※
③興梠 右下に蹴ってコースを読まれずに決める。
④李 右中央に蹴ってコースを読まれたが決める。※
⑤遠藤 右上に蹴ってコースを読まれずに決める。※
以上です。
PKになったときに開いて活用してくれると嬉しいです。
・総括
第1戦のプレビュー&レビューを熟読して頂いた方には、確認のプレビューになったと思います。
浦和の動向を追っていると2週間色んな取り組みで最高の準備をしたことは物凄く伝わりました。
・想定内のことをどれだけ蓄えられているのか
・想定外が起きた時にどの引き出しを持っているのか
・時間帯と結果によるプランを構築できているのか
・準備は最高でも理想と現実が違ったときにどのようなアクションを起こせるのか
ちゃんと創り上げられたものが発揮できる試合になる事を願っています。
「あとは気持ちだけだ〜」と思う方がいる事は分かってますが、こういう試合だからこそ、過去の試合や采配から読み取った上で、想定されること・理想を大真面目に言語化してみました。自分的にはベストを尽くせました。
あとは、結果を待つのみです。
多くの方に読んで頂きたいので、Twitterのリツイート等々で拡散、宣伝して頂けると嬉しいです。
沢山の感想もお待ちしております。
読んで頂きありがとうございました。
浦ビュー
初めて浦和レッズを見た方にも読みやすく分かりやすい内容にしつつ、長く浦和レッズを応援して頂いてる方にも満足して頂ける内容を目標に2019年より浦和レッズの公式戦のプレビューとレビューをTwitter上でスタート。
Twitter:@ura_view17
1 匿名の浦和サポ(IP:101.111.140.134 )
いつも詳細に渡る分析さすがです。
大槻監督が読んでくれていることに期待。
2019年11月24日 11:10
2 匿名の浦和サポ(IP:211.15.235.105 )
浦ビューさんが言うように、第一戦は対策が完全に外れている感じの戦い方でしたね。大槻さんが本当に分析に長けている人なのか疑いたくなりました。第二戦は同じ轍を踏まないようにお願いしたいです。
2019年11月24日 12:58
3 匿名の浦和サポ(IP:1.33.15.179 )
第1戦の出来には驚いた。全然スカウティングできてなかったし、後半での修正も無し。
大槻という人の器を知らされた。マネジメントのできない人なんだろうな。
2019年11月24日 15:28
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