浦和レッズについて議論するページ

気がつけば、最後にコラムを書いてから、もう2年以上が経ちました。お久しぶりです。浦和を愛するみなさん、ごきげんいかがですか?
浦議から依頼を頂き、改めて月1ペースでコラムを書くことになりました。マッチコラムではないので、戦術以外にもさまざまなテーマに手を出そうと思います。

 

▼左サイドの守備が不安もDF陣が守り切る

ACL準決勝セカンドレグ、広州恒大戦はパーフェクト・ゲームだった。0-0の時間をできるだけ長くしながら、相手が焦ってすきを見せたところで、試合を決める1点を奪う。試合前に興梠慎三が語っていた筋書きが、ここまできれいにハマるとは思わなかった。

重要なポイントは2つあり、その1つは、前半を0-0に抑えたことだろう。

浦和は左サイド、ファブリシオと関根貴大の守備が少し不安定だった。攻撃重心のファブリシオがスペースを空けがちで、関根もスライドするタイミングをつかめないまま前に出て、背後を突かれるシーンが目についた。右サイドは長澤和輝が相手サイドバックを見ながら最終ラインまでカバーし、安定していたが、対照的に左サイドは危険と隣り合わせだった。

ただし、そういった箇所からアタッキングサードに攻め込まれても、浦和はいざとなればペナルティーエリア内にブロックを切り下げ、割り切って守備を固めている。相手に自由にフィニッシュさせることは無く、大半は窮屈なフィニッシュを強いた。また、そのDFに連動し、GK西川周作もコースを限定しながら、安定したセービングを披露している。浦和は見事、筋書き通りに、前半を0-0で終えることができた。

 

▼流れを変えた主審のジャッジ

しかし、後半のキックオフ後も、広州恒大の猛攻は続き、浦和はゴール前で跳ね返す展開に。しのいで、しのいで、またしのぐ。粘り強く戦ってはいたが、さすがにこれを、あと45分間続けるのは辛い。

そこに一つの転機が訪れたとすれば……おそらく、レフェリーのドロップボールだったのではないか。

後半4分、浦和は自陣ペナルティーエリア内で、広州恒大の攻撃をどうにか防ぐと、ボールを拾ったエヴェルトンから橋岡大樹へパスをつなごうとした。ところが、このボールがレフェリーの足に当たり、広州恒大の選手に渡ってしまう。ご存知の通り、今年のルール改正により、このケースはインプレーではなく、ドロップボールになると変更されている。

正直、浦和は助かったはず。エヴェルトンのパスに対しては、33番のDFジョン・ジーチャオが鋭くインターセプトを試みており、レフェリーに当たらなければ、彼に高い位置でボール奪取された可能性が高い。

すでにパウリーニョらに2次攻撃、3次攻撃を受けた後だったので、さらに4次攻撃となれば、浦和の守備が決壊するリスクは高くなっただろう。思いがけないドロップボールにより、相手の攻撃をバシッと寸断できたのは幸運だった。

もしかすると、これを意図的に行うこともできるのでは? つまり、レフェリーにわざとボールをぶつければ、相手の攻撃の流れを切ることができる……と思った人もいるかもしれない。

私も同様の疑問を以前、JFAの小川佳実審判委員長をインタビューしたとき、ぶつけたことがあるが、「ひどいこと考えますね。その場合はレフェリーへの乱暴な行為として、レッドカードを受けるリスクもありますよ」とたしなめられたことがある。

さすがに退場のリスクは負いたくない。このようなケースは幸運で片付けておくのが良さそうだ。

 

▼J1残留争いへの教訓として

一方、このケースから今後につながる学びを得るとしたら、それは相手の様子ではないだろうか。

広州恒大としては、このドロップボールにより、押せ押せのリズムがぶつっと切れた。選手たちの白けた様子と、緩慢な歩き方を見る限り、高まっていたテンションや緊張の糸が、一瞬切れてしまったように見える。

実際、ドロップボールで再開後、西川はエウケソンに寄せられて前線へロングボールを蹴ったが、このとき広州恒大は、前線と中盤の戻りが鈍く、縦に間延びしたままだった。そしてボールを拾った23番DFパク・チスに、長澤がプレッシャーをかけると、10番MFジェン・ジーへの簡単なパスを失敗。

パスが悪かったのか、MFジェン・ジーのサポートが遅かったのか。いずれにせよ、エリアを考えれば慎重にプレーするべき場面であり、広州恒大としては集中を欠いたプレーだった。

この突如として降ってきたドロップボールにより、相手に大きな隙が生じた。そのパスミスを阿部勇樹が拾うと、浦和はファブリシオを経由して右サイドへ展開し、橋岡のクロスから興梠がヘディングを叩き込む。このクロスに対する守備も緩慢だった。浦和としては、この時を待ち、粘り強く耐えていたわけだ。

また、広州恒大としては不運なアクシデントだったが、とはいえ、本物の強さを備えたチームならば、このような理不尽があっても冷静さを失わず、戦えたはず。

ボールは丸い。試合は何が起こるかわからない。予期せぬアクシデントで災いが降り掛かったとき、どのように立ち向かうことができるか。

他山の石をもって玉を攻むべし。広州恒大の失敗には、何かを学ぶべきだろう。こういうディテールが、最終的には勝敗を分ける。ACL決勝はもちろん、今後のJ1残留争いに際しても、心に刻んでおきたい教訓だ。

 

清水 英斗

サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『日本サッカーを強くする観戦力』、『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』、『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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    • 1.1 匿名の浦和サポ(IP:223.217.215.117 )

      Google等の翻訳機能を利用するといいよ!

      2019年10月28日 22:30

  1. 2 匿名の浦和サポ(IP:126.182.20.18 )

    次の相手に先発でのファブリシオ起用はやめた方が良い。押し込まれ続けるだろうし、中国勢と違って戦術がしっかり浸透しているから。が、汰木、マルティノス、杉本も守備をしないからファブリシオを使うしかない。

    このコメントに返信

    2019年10月27日 14:33

  2. 3 匿名の浦和サポ(IP:49.98.133.83 )

    小難しい解釈をしているが単純に広州恒大は外国人頼みのサッカーでしかもプレーは雑だし単純に弱かった。

    このコメントに返信

    2019年10月27日 16:48

  3. 4 匿名の浦和サポ(IP:111.239.69.106 )

    ACLは罰ゲームとか言ってたチームがあったけど、
    今の浦和にとってはJリーグの方が罰ゲームやな…

    このコメントに返信

    2019年10月27日 21:24

    • 4.1 匿名の浦和サポ(IP:49.98.163.223 )

      Jが日程的に厳しくなるから罰ゲームってみんな言ってるんですよ?

      2019年10月28日 17:39

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