今年よりTwitterでスタートした「浦和レッズのプレビュー、レビュー」が面白いと話題となっている浦ビューさん。
その原稿を浦ビューさんに許可をいただき浦議に転載させていただきます。
J1第29節 プレビュー
浦和レッズvs大分トリニータ
いつも読んで頂きありがとうございます。
今回も開いて頂きありがとうございます。
代表ウィークが明けてリーグ戦が再開します。
前回清水戦のプレビューは、いつも以上にシンプルなことしか書かなかったお陰でいつも以上に多くの方に読んで頂けました。読まれてこその作品づくりなので嬉しい一方、平坦な事しか書かなかった方が読まれた結果に今コンテンツをやっている意義や難しさを改めて感じました。
今節は大分トリニータとの対戦です。
リーグ前半戦の中で最も読まれたプレビューが大分戦(第17節)。感想や宣伝を1番熱心にしてくれたのも大分サポーター。そして、カタノサッカー。
様々な視点から大分トリニータにはとても好感を持っているチームです。
で、今回も1人でも多くの方に読んでもらった方が嬉しいので、難しく深いことは書かずに出来るだけシンプル志向の内容にします。
又、予めツイッターで宣伝しておきましたが、前回対戦時のプレビューを読むこともオススメしておきます。カタノサッカーの凄さをよく理解できる内容らしいです。金曜日の試合をさらに楽しみたい方は併せて是非!
~大分最近の結果と今季の成績~
第24節 広島戦 0-0△
第25節 松本戦 0-0△
第26節 湘南戦 2-1◯
天皇杯 広島戦 1-1(PK10-9)◯
第27節 磐田戦 1-2●
第28節 名古屋戦 1-1△
10勝10分け8敗 31得点 27失点 勝ち点40現在8位。
・片野坂のコメントはいつでも「目標は残留」。
・最近の成績を見ても負けない結果を残しています。勝ちきれないと評価できるほど限りなく勝ち点3に近い試合を沢山しています。
・天皇杯はベスト8進出。
・アウェイ戦の成績は4勝7分け3敗です。
アウェイでも”負けない”結果を残しています。
・夏場に藤本が衝撃の電撃退団。
・夏場に田中達也、嶋田、小林と大分らしい補強。
・複数失点はまさかの5試合のみ。
浦和の複数失点もまさかの12試合…。
・複数得点は11試合。
浦和の複数得点は8試合。
・最多得点者はオナイウの10得点。
次いで神戸に移籍した藤本が8得点。
2人で18点で、大分の総得点が31なのでチームの約6割の得点者がいない状況での浦和との対戦に。
~最近の大分のスタメン~
第26節 湘南戦 2-1〇
第27節 磐田戦 0-1●
第28節 名古屋戦1-1△
・基本システム3-4-2-1(5-4-1)。
・スタメンは流動的で常に相手に合わせて最適な選手を選択しています。
・岩田とティティパンは負傷離脱中。
・オナイウ阿道、伊藤涼太郎は規定で出場できない。
・2週間も空いてるのでスタメンは全く読めないけど、最近スタメンでは使われていないボランチの長谷川は浦和戦向けの選手に思えるので、なんか使ってきそうな気配があります。彼は両利きです。
・1トップ2シャドーは推測できるはずがないです。小塚、伊佐、後藤、三平、嶋田、小林、小手川。1トップ後藤に小塚、嶋田の2シャドーとかは浦和に良い味を出してきそうな気はしますね。
さぁ、片野坂監督は誰を起用するのでしょうか。
一方の浦和は…
橋岡がこれまでの傾向で考えると金曜日開催なので出場させるのは難しいかなと思っています。色んな他のメディアを見てるとそのまま宇賀神を右WBで起用させるのではないかと予想しています。
そうなると大分の左WBは自然と田中達也になりそうです。前節の名古屋戦ではいつもとは左右を変えて、田中達也を右、松本怜を左に起用していました。その意図を片野坂監督は「田中達也が太田宏介に対して上回ることができる」と考えていたそう。反対サイドが吉田豊だったので、まぁ太田からの方が牙城は崩せそうなので、片野坂監督の気持ちは分かります。結局、前半途中に元に上手くいかなくて元に戻したのですが、インテリジェンスを感じる両WBの松本怜、田中達也ともに左右できるのが強みで、不慣れな右で起用されそうな宇賀神とキレキレドリブラー田中達也とのマッチアップになれば少し心配かもです。
橋岡が出れないなら、シンプルに関根は右でいいんじゃない?と思ったのが1点。橋岡が出てくれるなら田中達也は上背ないから、橋岡の空中戦を全面に押し出しいきたいよね?と思ったのが1点です。
あとは青木も別メニューで出場微妙らしいです。
カタノサッカーに阿部ちゃんは確かにいいかもしれないです。
更にいつもより多い中4日空けてもらったとはいえ、壮大な広州決戦が待ち受けているので、色んなことを考えながらメンバーを人選するかもという情報も見ました。
さぁ、大槻監督は誰を起用するのでしょうか。
〜前回対戦を超ザックリと〜
前回のアウェイ対戦が大槻監督だったので振り返っても大丈夫でしょう。
浦和は蔚山戦で大逆転を起こした後の連戦でした。
なので、メンバーも大幅入れ替えでナバウトやマルティノスや柴戸や大輔先生などのサブに甘んじていた選手たちがスタメン。しかし、メンバーを入れ替えただけでは済ませてはいけない完敗を喫しました。
大分のストロングである擬似カウンターに乗るのか、乗らないのかというテーマに大槻監督は乗りました。そのアプローチは、”結果的に”失敗だったと思います。なので、スペシャルな専門家たちに詳細に分析されるほど綺麗に何度も何度も大分に擬似カウンターを発動されてしまいました。西川のビッグセーブや大分の最後の質が足りないせいで何とか事なきを得たシーンは数多くでした。
一方のボール保持ではミラーゲームなので、ズレを作らないとハマる形になる噛み合わせでしたが、浦和の最終ラインからのビルドアップでは、そのまんまハマる形で始めたので、大分は5-2-3(5-4-1)で外に誘導していき容易に奪取してボール保持の時間を増やせていました。
しかし、それを解決しようとしたのがマルティノスとナバウトと長澤で、とにかくルールとか繋がりはなかっただろうけど、彼らの前への推進力や非効率でも走ることでマンマーク対応の大分の守備陣を動かしてゴール前まで運ぶことはできるようになっていました。
後半序盤に大分のボール保持で出し手も背後に飛び出す受け手もフリーにしてしまい、藤本に先制点を挙げられました。
その後は武藤や興梠を投入して陣容を整えたけど、大分に対する準備と狙いが見えなく効果的な攻撃は見せられず。スタッツ的にも前代未聞の枠内シュート0本でした。
後半終盤に好調の小林成豪が投入して、直後にロングシュートでゴールを決めて2-0。
最後までボールを主体的に保持した大分が圧勝した試合となりました。
大分のチャンスxGは2.17で、これは今季の大分にとって2番目の好成績なので、明確な決定機を作れた大満足の試合だったと想像します。
超ザックリと振り返るとこんな感じです。
私も6月から観る眼が成長したせいか、改めて前回対戦を見直してみるとめちゃくちゃ破綻してしまっているところを新たなに見つけてしまいました。よく2失点で収まったなぁと安堵するほどです。
あとは後半開始前の円陣が長過ぎて、浦和の選手が散らばる前に笛が鳴ってしまったことにはガッカリです。キックオフの重要性を説いてきた側からすると、こういう小さなことも含めて完敗は必然だったなぁという印象です。
一応、レビューも当時過去最高に読まれたレビューでした。今の方がもっと具体的かつ正確に伝えられます。でも、その当時のベストを尽くしている作品なので、更に詳しく前回対戦を振り返りたい方は是非!
~カタノサッカー〜
この部分は伝えた方がいいなと感じたので、前回対戦のプレビューの文章から引用します。
大分のプレー原則は、相手陣内でのボール支配率、ポゼッションが上がることに意味を持つチームではないと思います。狙いは常に相手の最終ラインの背後です。そのスペースをいかに使えるのか、空けさせるのかが、「大分のライフワーク」だと思います。なので、大分にとって最も嫌なことは、GK高木まで猛烈にプレスをかけられることよりも、自陣にブロックを敷かれて完全撤退されることだと思います。
昇格組・大分ということで、対戦相手は甘く見て高い位置からプレスに出てまんまと大分のライフワークを遂行されたのが、開幕の怒涛の快進撃。
そこからも順調に勝ち点を積み上げて前半戦最後の浦和にも勝利して、上位で折り返しても目標は変わらず「残留」。
常に自分たちが一番弱者と考えているところからのチーム作り・試合プランがカタノサッカーの根幹にはあります。
ミラーゲームに相性が良くないことはJ2時代からのカタノサッカーの悩みらしいです。
カタノサッカーのライフワークや狙い、大分の負け試合やリズムが狂った試合を観た傾向から前回のプレビューで導き出したアバウトなプランが以下の2つでした。
①浦和が「主語」でボールを握る
②大分のライフワークをさせない為に後ろに5-4-1とガッチリとブロックを敷く
①はボール保持の時間を意図的に作ること、
➁は大分のライフワークを作れせない意図で言及したプランです。
結果的にどちらも採用せずに完敗の0-2でした。
①はオリヴェイラ体制が終了して約1ヶ月後ぐらいでの対戦だったので、現実的ではないし、そういうことできるほど整備されていませんでしたが、大分のリズムを狂わすことができるなら、パスのためのパスになってでもいいから浦和がボール保持してほしいという意味を込めてでした。
しかし、振り返りで前述したようにミラーゲームでハマる噛み合わせに対して、ズレを作ることをほとんどしなかったので、ボール保持どころかパスも回らない状況に陥り、①プランは実行されませんでした。
②プランも前述の振り返りの通り前姿勢に守備をしたので実行されませんでした。
つまり、ボール保持時も非ボール保持時も私のプランとは真逆のプランで挑んだわけです。
では、今回はどうなるのでしょうか。
〜想定される試合内容〜
カタノサッカーと対戦するときに最もポイントとなるのは、非ボール保持時に前からプレスに出るのか、後ろに撤退するのかだと思います。
今コンテンツではそこだけにフォーカスしていきます。
私としては、前回と変わらずの意見を持っています。
「ボール保持の時間を意図的に増やす。決め切れずに守備になったら、前線からのプレスはほどほどに後ろに撤退して”待ち”の守備をする」というところから始めたいですね。
それを用意した場合に懸念されることは埼スタにサッカーを観に行く方たちの求める理想の試合展開とは最も程遠い雰囲気になることです。
大分はリスクを冒さず冒さず丁寧に浦和を引き出そうと引き出そうと誘い込むビルドアップをするのに対して、浦和が待ちで後ろに下がり込み続けると、浦和サポーターの求める雰囲気とは真逆の現象が何十分も繰り広げられることになってしまいます。試合結果や状況によっては変えていく必要があると思いますが、個人的にはそうなってしまった方の試合展開の方が勝つ確率が高そうであることは言及しておきます。
というよりも、そういうヒリヒリした試合を好んでいる自分がいます。
サポーターを取り込むことが上手い大槻監督がJ1の中で異彩を放つ存在である大分トリニータをホームに迎えたときにどんなアプローチをするのか。
試合を見てのお楽しみにしましょう。
しかし私の意見とは裏腹に、おそらく、おそらく大槻監督が持たせる狙いは・・・
「俺たちは上積みして6月のときとは違うんだ!同じやり方で再戦だ〜!」というプランだと思います。
そこで大事になるのが「じゃあ、どうやって前線からハメましょうか?」というテーマだと思います。
基本的にGK高木の存在があるので、数的不利な状況からのアプローチになります。
なので、俯瞰で見ると数的には不利なんだけど、それを平面で見た時に、どのような守り方をすれば数的不利ではなく数的同数に見さすことができて、どのような守り方をすれば大分に圧迫感を与える事ができるかが重要になります。
前回は「嘘でしょ?」とひっくりコケるようなハメ方が多発していたので、大分が何度も明確な決定機を作れたのも納得なのですが、ボランチを前回のようなポジショニングやタスクで守らせるとまた似た試合になるかなと考えています。
一糸乱れず絶え間なく続けないと絶対に大分は突けます。
それは単純に興梠がしっかりと矢印を示してスタートして、シャドー、WBと続けば外回りにボールが回って制限できていた広州戦や清水戦とは違います。申し訳ないですが、急造システムだった広州と清水とは比較にならないほど質が違います。狙っている事の壮大さも違います。
というよりも、ライン間に人数をかけるよりもサイドを起点に前進していくのが大分なので、本当に最近機能している誘導の仕方で正しいのか?というところから構築し直す必要があると思います。
具体的に言うと長くなるので避けますが、大分には数的優位を作る、相手とズレを作るパターンと全体の配置が沢山あって、絶対に自分たちの最後尾のビルドアップで息詰まらないようになっています。その1つには数の問題もあって、クリーンにボールを回せるように後ろに人数を重くします。「それって非効率じゃない?」という疑問になるけど、結局、大分が狙っているところは相手の背後ということで、なぜ、後ろに人数を重くしているのかの理由も分かります。
「相手に来て欲しい、来てくれなきゃ困る」
「相手を誘い込みたい、引き込みたい」のです。
その誘いに乗って奪えることに越したことはないです。だって、奪ったらゴールはすぐそこなんですから。実際に大分が相手に明確な決定機を作られたシーンを振り返ってみると自陣でのパスミスが相当数ありました。なので、必ずしも前から行くことが悪とは思っていません。だから、この2週間でスペシャルなことを施して、大分をハメきれる何か効果的な策を講じることができたならやった方がいいですよ。
でも”タダほど高いものはない”といいますか、”甘い蜜には毒”があるといいますか、浦和が今季低迷に陥った原因、失点の仕方、前回対戦からの経験を考えると甘い蜜を無料で吸いに行くと、200万円の請求と腹痛に襲われる可能性の方が高いと個人的には、個人的には、個人的には思います。
あの前線から激しくプレスをかける湘南でさえも大分に対して自制をして後ろ気味に構えてました。湘南が自制してきたことに関しては対策を外されたようで片野坂監督も意外だったとコメントしています。
片野坂監督視点から浦和がどう映ってるか聞いてみたいところですが、多分浦和は前からハメに来るだろうなぁと想定したプランと選手を用意するのではないかと思います。
大分は松本山雅や鹿島や名古屋のように引かれた相手に対して、どうやって崩し切れるかが1番の悩みであり、何度でも言いますが、相手に前から来てくれた方が有難いチームなので、事前の想定では浦和はやり易いと考えていると思います。
そこをね、そこを敢えて大槻監督には対策を外してもらうのを期待しているんです。
大分がどう前進していくかの想定についてはシンプルさを求めているので省略します。どっちみち、レビューで渋く言及するつもりです。
唯一前回対戦で面白いと思ったハメ方は、サイドに誘導して4-1-5の1の長谷川にパスを出させて、ボランチの長澤が地力の差を見せて奪取した1分のシーンは良かったと思います。
でも、それ以降はその誘導の仕方はなかったので、準備したことではなかったかなという評価です。
・【浦和ボール保持:大分非ボール保持】
次に浦和のボール保持についてです。
意図的に無意味なパス続きでもいいから、浦和がボール保持する時間を長くしてみる事も結果に直接影響を与えるかは分かりませんが、大分のリズムを狂わす一端にはできるはずです。
先ずは前回対戦ではしなかったズレを作ることはした方がいいかもしれないですね。4枚を形成させてスタートさせた方がいいと思います。
清水戦では工夫のなかった左サイドと工夫しようとしていた右サイドで分けて槙野と岩波のポジショニングの違いによって、ビルドアップの仕方が違っていた事を言及しましたが、大分戦では非常に重要な問題だと思います。
この点は槙野のポジショニングは変えていくべきだと清水戦のレビューで具体的に提示していますし、実際に9月のセレッソ戦のレビューで言及した面白い前進の手段を大槻監督はすぐに広州戦で初実践してくれているので、なんとなくまた実践してくれる予感はあります。というよりも、ド素人の意見ながら間違ったことは言ってないので、いつかはそこに行きつくだろうなと思っています。それが一刻も早い大分戦だったらいいな!そして、勝つ確率上がりそう!
あと前回対戦は、無意味にシャドーが降りすぎで自分たちから勝手に圧迫されたシーンも多発していました。時間とスペースが確保できていないのに攻め急いで前線に送る必要はないですからね。
大分の非ボール保持時を超ザックリまとめると・・・
・相手自陣では5-2-3(3-4-3)気味で中央からは完全に通さない規制をしつつ、いつでも強度高く連動したプレスができるようになっています。
・自陣では5-4-1でボールホルダーには常にアプローチできる選手がいます。後ろの選手たちはマンマーク重視で対応しています。
「コンパクトさ、連動、マメさ」は素晴らしいものがあると思います。
ボールを保持することで守備をしていると考えるのがカタノサッカーの正しい見方だと思いますが、単純に守らせても選手層を感じさせない程J1で上位に値する堅さだと感じています。
相手陣地でのネガティブトランジション(攻撃から守備の切り替え)も基本的に即時奪回ではなく、後ろに撤退してポジション回復に努めます。
大分はやり方を浦和に合わせて大きく変えて守備することはしないと思いますが、浦和相手には「前に!前に!」守備をした方がいいと個人的には思っていて、最近浦和から勝利を挙げているチームはほとんどそれを強調して勝ってきているので、片野坂監督もいつも以上に矢印を前向きにさせて、相手自陣では3-4-3とキッチリと守備のできる3枚から方向付けて早め早めの規制をかけさせることを強調させるかもしれませんね。
というよりも、前回対戦ではそうでした。
それに対して、浦和はズレを作ることなくビルドアップをし続けたので、大分は苦なくボールを回収し続けました。
だから、結局、大分は平常運転ですよ。
それに対して、浦和さんにスペシャルメニューはあるんですか?という試合展開になると思います。
大分に付け入る隙はマンマーク重視の守備を狙った個人の質を見せつける攻撃だと思いました。
特に大分の両HVに個人勝負を持ち込むことはシステム的にも戦力的にも面白いことが起きそうな気がします。大分HVの脇を使う、手前を使う、裏を使うって感じに。そこを使うには日頃から言っている相手に影響を与えることや選択肢を与えることができていることが前提条件ですが。
なので、浦和のWBが必ずしも早くから高い位置を取って相手のWBをピン留めさせることが有効だとは大分戦の場合には思っていません。1番使っていきたいところをワザワザ渋滞させる必要ないですからね。これはサンフレッチェ広島から学びました。
マンマークだと外すのが上手い武藤や起点を作れる興梠はいつも以上に相手に脅威を与えられるはずです、本来は。その利を全面に押し出していきたいです。
武藤が食いつかせて食いつかせて食いつかせて関根が手前から岡野の背後のスペースを走る。そこに大輔先生からのパスがやってくる。最も理想的ですが、そんなに簡単にはいきませんね。
2週間ありましたから。何か効果的な手段は示してくれることを期待します。ポジティブな現象をレビューで渋く言及できるように頑張って欲しいです。
~最後の質が足りない大分だけど・・・~
何度も言及しますが、相手の最終ラインの背後のスペースをいかに使えるのか、空けさせるのかが、「大分のライフワーク」です。パスを回しながら相手の守備陣の矢印が前向きになった隙を見つけて背後に出すと。※上図は広島戦で見られた大分の狙った形です。
更に前回対戦でも何度も何度もやられた擬似カウンター(ボール保持からのカウンター)は、相手を誘い込みたいと思っている大分にとって、再現性のある攻撃のパターンとなっています。
次に大分が押し込んできたときの話を本当にちょろっとだけします。
松本怜は押し込んだ時の起点とならなければいけない選手で要注意選手です。
上図はサイドに張る松本に対してHVの岡野がインナーラップして関根の内側から追い越してきたのをシンプルに使う前進です。
さらに、追い越すのが岡野ではなくシャドーの嶋田がサイドに流れるというオーソドックスなパターンもあります。嶋田が受けて、さらにもう1回松本が追い越しにきて、もっと深い位置からクロスを上げようとするのは大分のゴール前の顕著な特徴ですし、前回対戦でも幾度となくやられました。
今度は松本がパスを受けてから中央にカットインしてきたときです。松本は積極的にカットインで中央に視野を向ける選手なので、対峙する関根はそういう情報も頭に入れていて欲しいですね。
で、カットインしたあとの周りのアクションも手数がたくさんあって、その一例が上図です。嶋田が槙野をサイドに引っ張り出して、そこにできたスペースを反対サイドから斜めに小塚が流れてきて松本からのパスを受けるパターンです。
ほかにも・・・・
上図はちょっと違う意図で作っていたので、出し手がシャドーの小塚になっていますが、セレッソ戦の田中亜斗夢のゴールみたいなことを実は前回対戦で執拗に狙っていました。おそらく、浦和の食いつき癖を分かってだと思います。まんまと藤本の動きに複数人が釣られて、手前の後藤が空くシーンがありました。
浦和のDF陣の食いつき癖を小塚からだけではなく、カットインした松本からも入ってくるよ!ということはお伝えしておきます。
そして、なによりも大分が他のチームとは異なることは、より深いゾーン、ボックス脇まで侵入していくことを再現性ある形として持っています。ゾーン3まで侵入して押し込んだ時にサイドでクロスを上げられそうな状況でも上げずに、より深いところ深いところに入ってからニアサイドに低軌道なクロスを送ってきます。
藤本が退団したこともあり、以前よりは他の球種や高さのクロスも使うようになっていますが、浦和には高さで勝負するより下で合わせた方がいいと思っているので、鳥栖戦でいうクエンカに決められたマイナスのグラウンダーのクロスや前回対戦で執拗に繰り返されたニアサイドへのグラウンダーのクロスを中心に上げてくることは間違いないと思います。
左サイドも同様な作りや関わり方もしますが、基本的には田中達也の仕掛けが最も脅威だと思います。関根みたいにどっちにでも仕掛けられますから、厄介そのものです。田中達也が加入したことにより、純粋なカウンターも仕掛けられるようになったし、個人の質だけを唯一全面に押し出してくる選手かなという印象です。
ということで、押し込んだ時の質が足りないと片野坂監督は仰っていますが、やろうとしていることは面白いですし、理にかなっていることばかりです。
でも、得点数が伸びないことも含めて質が足りていないとは思います。その理由は残念ながら個人の質が・・・というのが個人的な見方です。
今は悩んでいる課題だと思いますが、どうせ片野坂陣営のことなので、そこもクリアしていくんでしょうけど、今はそこに悩んでいるんですから、浦和はいい時期に対戦できたと思って、絶対に0点に抑えて欲しいですね。
〜セットプレー〜
ゴールキックは新ルールを積極的に活用しています。
高木の真横にCB鈴木が立って、チョコンとパスを繋ぐ足元から始めるゴールキックを用意しています。
ゴールキックもどの程度、何を基準に、どこを優先的に抑えたいかで、大分の誘いに乗るのか乗らないのかを決めなきゃいけません。
個人的には誘いに乗らない、乗ったとしても大分のWBにはすぐに規制をかけらるぐらい厳しいマークをつけておくことは絶対条件としてさせるべきです。
これは、ACLファイナルにも繋がる重要な部分です。
まぁ、ゴールキックに注目している方は少ないかもしれませんが、大分のゴールキックは全体の配置や始め方など面白いので、気にして見てみてください。
コーナーキックやフリーキックからの得点は今季未だにありません。多分、全チームで大分だけだと思います。なので、全てを浦和レッズと浜野コーチに信じています。。
~総括~
大分は、藤本が抜けた穴というよりは相手チームがよく分析してきたなという方が結果には直接的に影響を及ぼしていると思います。勿論、藤本の退団で出来なくなってしまったことや逆算できなくなったプレーがあるとは思いますが、片野坂監督は必ずしも藤本を主役にチームを作っていたわけではなく、あくまで脇役の1人として藤本が生きる為のよりよい作りをしていただけなので、オナイウならオナイウ、伊佐なら伊佐とまたキャラクターが変わった時に何を選択した方が最善なのかを見極められる力は片野坂監督、安田さん含めたコーチ陣の大分陣営はJリーグの中で群を抜いてトップクラスですから、今回も「オナイウは規定で出れないよ?」という難題に対しても物凄い筋の通ったプランを用意してくるはずです。用意します。
アウェイで対戦した17節の時よりも「大分にはこうやって戦う方がいいんだよ!」と提示してくれたチームが沢山いて、大槻体制の月日も経っていますから、結果以上に圧倒されたアウェイ戦に比べて、明確なプランとアクションを見せられる試合にはなって欲しいです。その上で勝つことができれば最高ですが、大分は強く、負けない確率を高めて試合してくるチームなので、さぁ、勝負の明暗はどこで分かれるかなというのを楽しみに見たいと思います。
大分の方が臨機応変にも戦えて手数もあります。ただ、顕著な課題が引かれた相手を崩せないことです。 相手の嫌がることをするなら「それをやっちゃえばいいんじゃないの? 」というのが前回、今回と何度も何度も言及していますが、伝えたいことです。
でも、前から行く決断をしたのであれば、大分のライフワークが遂行されやすいことは強く認識していて欲しいです。それが頭に残っていれば、最低でも前回対戦のような頓珍漢な前がかりのプレスにはならないはずです。
大分戦は事前の準備が相当結果に反映すると思っています。その点では、2週間あったので、浦和はいい時期に当たったのではないかと思っています。
残留を確固たる目標とした今、強烈な過密日程が控える前の試合で絶対に勝っておきたい大分戦に用意したことが、正当だったのか、カタノサッカーにダメージを与えるものだったのか、どのような意図があったのかレビューで渋く言及していこうと思います。
大分は個人の質、選手層では「我々は18位だと思う。」と公言する片野坂監督の発言は失礼かもしれないけど当てはまっていると思います。でも、それを理解してのあのスタイルを創り上げようとした決心と自信には本当に興奮します。そして、スタメンが固定されないほど相手に合わせて最適な選手を選ぶことができる戦力層を作り上げた事も本当に圧巻です。
選手層は最下位だけど戦力層は豊富。
素晴らしいクラブだと思います。
こういう相手にそろそろ勝ちたい。
優秀な指導者と明確な特徴と面白いスタイルのチーム相手にそろそろ勝ちたい。特に片野坂監督には勝ちたい。自分に何をできるってわけじゃないんだけど、カタノサッカーを粉砕する浦和を見てみたい。
・さいごに
鹿島戦のレビューより投げ銭システムを採用しています。完全無料公開した最後に全てに100円をつけさせて頂いてます。今回の作品が面白いと思って頂いた方は是非前のめりに! 完全無料公開して最後に100円をつけている理由は下記の記事で30秒で読めます。
面白ければリツイート等々で拡散、宣伝して頂けると嬉しいです。感想もお待ちしております。
今回も読んで頂きありがとうございました。
浦ビュー
初めて浦和レッズを見た方にも読みやすく分かりやすい内容にしつつ、長く浦和レッズを応援して頂いてる方にも満足して頂ける内容を目標に2019年より浦和レッズの公式戦のプレビューとレビューをTwitter上でスタート。
Twitter:@ura_view17
1 匿名の浦和サポ(IP:175.132.137.183 )
宇賀神の右サイドは絶対に止めてくれ。
宇賀神が右サイドで良いプレーしたのを見た事もないし、居るだけで存在感ゼロだよ。
左に宇賀神もしくは山中、右に関根で良いでしょう。
わざわざリスクを犯す起用をする必要は全くない。
そしてサブに森脇を入れよう。
2019年10月17日 18:08
1.1 匿名の浦和サポ(IP:118.87.84.110 )
でも練習からすると右には宇賀神が入りそうですね。
2019年10月17日 18:23
2 匿名の浦和サポ(IP:1.72.1.70 )
ここは予想するところでは無いけれど、
今回も大分相手に「ノル」と思います。
なぜならチームは好調の兆しあり、であり
それは「ノル」方にウエイトが寄ってるから。
そして当然ですがまた負けると思います。
残留争い上は厳しいのでなんとか運良くドロー
で収まって欲しいとは思いますが。
2019年10月17日 18:11
2.1 匿名の浦和サポ(IP:106.128.161.6 )
大槻監督を悩ませる1つかもしれませんが
浦和でサッカーをする以上、引いて待つ、
みたいのは許されない、みたいな空気が
サポにはありますからね。
2005年とかはそんなことなく、
押し込まれまくっても気にしないだけど
ミシャ5年でサポは積極的な
「ボール保持」「ボール奪取」
こそ浦和スタイルと思い込んでいる気がします。
これが悪い足枷にならなければ良いですが。
リトリートしてと勝ち点1をとればいい、
という戦術を大槻監督が選べますかね。
残留争いなんだから危険な三点より
確実な一点です。
2019年10月17日 18:54
2.2 匿名の浦和サポ(IP:175.132.137.183 )
大槻監督になってからの浦和を見ると相手にボールを持たれると耐えきれず失点をする事が多い。
その中で意図的に「引いて待つ」の状況を作っているのではなくボールを奪えず「持たれる」「回される」という状況だからサポも騒つくのでしょう。
2019年10月18日 05:48
2.3 匿名の浦和サポ(IP:106.133.174.16 )
大分戦のあとは、鹿島と広島。
仮にこの3試合で勝点3がマストと考えたら、このホーム大分戦で勝点3の確保を目指すべきでは?
2019年10月18日 07:35
3 匿名の浦和サポ(IP:58.98.136.9 )
2-1 同意。攻めろ浦和レッドダイヤモンズ
2019年10月17日 22:01
4 匿名の浦和サポ(IP:126.179.251.134 )
なんかフルボッコにされそうな予感がする
2019年10月17日 22:27
5 闘(IP:60.38.62.52 )
今後のリーグ戦はJ1に残れるか否かの分水嶺のような、
ヒリヒリとした戦いになりますね。
そうすると、「楔のパスが無くてイライラするぜ」よりも、
前のめりになったところを刺される、のを防ごう、
ってのがこのコラムの内容かと理解しました。
仕事疲れで頭が十分働かないですが、一語一句吟味して
サッカー観戦力高めます。
浦ビューさん、ありがとう。
2019年10月17日 22:50
5.1 匿名の浦和サポ(IP:118.87.84.110 )
分水嶺、そんなこと言ってて松本戦で負け、湘南戦で引き分けたんだよね、何しろ今の浦和は勝負弱いから心配、それに今日の夜は雨みたいだから余計負けそうでならない。打ちひしがれて雨の中、浦和美園駅まで歩くのいやだから今日はテレ玉観戦にする、でも途中でテレビも見たくなくなるんだろうな。
2019年10月18日 09:54
6 匿名の浦和サポ(IP:1.72.1.70 )
ぶっちゃけ残り全部引き分ければ残留可能だからね
負けなきゃいい、をやるのは全然あり
来年に繋がるかは分からん
でも残留争いするクラブってのはそういう事
来年よりも今が一番大事
2019年10月18日 08:00
7 匿名の浦和サポ(IP:106.130.128.60 )
森脇楽しみ
2019年10月18日 11:10
8 浦和美園の浦和サポ(IP:49.98.7.102 )
雨予報だしロング打ってこぼれ狙って欲しい。
2019年10月18日 11:51
9 匿名の浦和サポ(IP:115.179.110.76 )
理論的な分析は確かに面白く好きなんだけど、
金曜開催っていうだけで諦めるような、感情論もあるかな。。
青ユニみたいなもん。
今年はもう無いだろうけど、仕事も困るから、来年は絶対に金曜開催止めて欲しい。。
2019年10月18日 15:35
10 匿名の浦和サポ(IP:121.114.176.104 )
引いて守って後ろで転がす。
そんなサッカーが長時間続いたとき、浦和のサポーターが我慢できるか?
2019年10月18日 16:20
11 匿名の浦和サポ(IP:121.114.176.104 )
引いて守って後ろで転がす。
そんなサッカーが長時間続いたとき、浦和のサポーターが我慢できるか?
2019年10月18日 16:22
12 匿名の浦和サポ(IP:153.207.117.174 )
試合とその結果を見て、浦ビューさんの分析と見立てに感服!
まさに言及している通りの展開になりましたね。
それと、興梠選手が「あの場面ファールしてでも止めなきゃ」とコメントがありました。
やはり持っているモノが違う男だなと思いました。
2019年10月19日 07:58
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