コラム

『今の中途半端な状態が逆にチャンスなのだ』Jリーグ浦和vs大宮【山中伊知郎の素人目線2017】

▼浦和レッズの見捨てられ度はどのくらい?
今回ばかりは、いったいどれだけ集客数があるか、見当もつかなかった。

ACLの済州戦での事件があってから2カ月余り、あまりにいろんなことが、それもロクでもないいろんなことが起こりすぎていて、正直、サポーターはもちろん、初めてサッカーを見に来るような人達が、どんな動きをするのか、想像できなかったのだ。

済州戦についてどう感じたのか?あの女性議員の問題に対してはどうか?一気にチームの勢いが減速して、ディフェンスがズタズタで負けが続いたことについては?その結果の監督交代には?レッドカードをくらった、あの槙野のプレイには?もう、次々に出まくって、頭、混乱しそうだ。

こんなチームは見たくない、と見捨てる人が多いのか?はっきり言って、見捨てられても文句言えない状況かも知れない。

また逆に、こういう危機的な時だからこそ、応援しなきゃ、と考える人が多いのか?Jリーグ元年の1993年、負ければ負けるほどレッズ人気が上がっていったのを私も見て来てるので、こういう現象も起きるかもしれない。

わかんないねぇ。レッズの動員数は緩やかな下降が続いていて、新潟戦なんて、日曜の埼スタなのに3万人割っちゃったし。

「さいたまダービー」でもあるから、4万は超えるとは思っていたが、その先がちっともわかんない。ひょっとしての5万人超えもあるかもしれないが、まさかの4万人割れの可能性も否定しきれない。

「見捨てられ度」がどのくらいかってところだ。



▼この状況を利用してチーム改造を
結果は4万5千あまり。あまり見捨てられてはいなかったのは何よりだが、爆発も起きなかった。

多すぎて力づけられるか、少なすぎて強い危機感を感じるか、どちらかなら、沈滞したチームのムードがガラッと変わるかも、と期待していた。だが、そのどちらでもなかった。

これ、あまり歓迎できないかも。

宇賀神と遠藤の信じられないミスでの失点も、この中途半端なヌルいムードの中で生まれたものといっていい。

J2落ちの瀬戸際にいるわけでもないかわりに、優勝争いの圏内にもいない。最も観客が燃えにくい立場に、今、レッズは座ってる。

選手でいえば、関根は確かに自分の持ち味を出してる。あのコマネズミのような動きが、レッズの、時によってただのパスの回し合いのような単調な攻撃に、独特のリズムを加えている。

だが、攻撃陣で見て、他で、魅力的な選手がついに見当たらなかった。ゴール前に来ても、とにかくパスするばかりで、なかなかシュートに行かない。試合終了直前で、もう狙っていくしかない場面でさえ、パスを続けている。

点を入れたくないのか、とイライラするくらいだ。

菊池も、バランスのとれたいい選手なのはわかる。ただ、バックパスが多かったり、ゴール前、自分でシュートすればいいところでもパスを選んだり、どこか日本人特有の「安全運転」のカラを破り切れないあたりが惜しい。

「忍者」武藤も、よかった時のような、突然現れてゴールに迫る意外性がすっかり薄れてしまっている。

どうも試合見ながら、ずっとグチり続けてしまった。

ネガティブな話ばかりしてしまったが、決して今季のレッズに絶望しているわけではない。

今、チームのバイオリズムは最低ながら、それでもまだ順位は真ん中にいる。J2落ちの心配はないのだから、思いっきり改造も出来る。

チャンスなのだ。

どこをどう変えたらいいかの意見は、サッカーの専門家にお任せする。とにかく変えるしかないことだけはわかっている。

後半戦の楽しみ方は、「レッズがどう変わるか」を見ることだな。先発メンバーもだいぶ変わっていくかもしれないし。


山中伊知郎

昭和29年生まれ。93年のJリーグ開幕時から、シーズンチケットでレッズを見続けている。職業はライター。山中企画という会社を作って、自分が制作費を投下して本も出版している。山中企画の4月新刊が『目が見えない演歌歌手』。生まれつきの全盲で、『NHKのど自慢』のグランドチャンピオンになったのをキッカケにプロ入りして今年10周年の演歌歌手・清水博正さんの本だ。 売れ行き好調で、5月に増刷。昨年11月に出した、かつてのGS(グループサウンズ)をテーマにした『最後のGSといわれた男』(オリーブのマミー・著)に続く、音楽関連本でもある。6月にもまた、作詞家・たきのえいじ氏の『生かされて』と、オタク業界の重鎮・高橋信之氏の『オタク稼業秘伝の書! デラックス・ア・ゴーゴー!』を出した。『生かされて』は、数多くのたきの氏のファンの支援もあり、これも増刷。

コメント

  1. 1 匿名(IP:36.12.67.76 )

    そして唯一アクセントをつけられる関根が移籍……

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    2017年08月06日 23:04

  2. 2 名無しさん(IP:1.75.212.205 )

    関根は元気のように頑張って、海外から代表の座を勝ち取ってほしい!期待してるよ!

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    2017年08月07日 00:14

  3. 3 匿名(IP:126.212.132.39 )

    ACLはミシャサッカーでやりきる、リーグやルヴァン、天皇杯は若手の積極起用や4バック等、来季に向けて変化していくことを期待したい。
    3バックで守備的にやるより、4バックで守備的にやる方が浦和の選手能力的にも、見る方も良いのでは?
    3バックで引いて守ると攻撃が単調になるし、タメを作りにくいので、スピードのある攻撃的な選手の持ち味が出せないと思う。

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    2017年08月07日 12:33

  4. 4 常盤中サッカ-部OB(IP:153.161.141.230 )

    今のレッズは、選手が自信を失っている。各選手はもっと、もっと能力は高い、間違いない。
     但し、春からの試合の多さから、狎れが出ている。ディフェンスに入る時、もう半歩の間合いが詰められれば、ボ-ルは取れる。攻撃の時も、もう半歩、相手から離れてプレ-することを心がけてチ-ムで練習すれば、必ず近いうちに復活する。チ-ムの連戦が続くと、どのチ-ムでも陥る原因ですよ。
     繰り返しになりますが、ディフェンスは、相手との間合いを後、半歩詰めることが重要です。それがチ-ムで出来れば、点は取られにくくなります。レッズはもっと自信を持ってプレ-して下さいよ。日本サッカ-を代表するチ-ムなのですから。堀監督、宜しくお願いしますよ。

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    2017年08月07日 12:48

  5. 5 匿名(IP:220.221.115.140 )

    前監督が選手に要求してきたボールをロストしたくないサッカーから抜け出していない。
    横パスやバックパスは安全策と妄信して繰り返す失態。
    菊池までが今までのスタメンと同様だったのにはがっかりした。

    このコメントに返信

    2017年08月07日 16:30

  6. 6 匿名(IP:220.221.115.140 )

    前監督が選手に要求してきたボールをロストしたくないサッカーから抜け出していない。
    横パスやバックパスは安全策と妄信して繰り返す失態。
    菊池までが今までのスタメンと同様だったのにはがっかりした。

    このコメントに返信

    2017年08月07日 16:30

  7. 8 匿名(IP:210.138.6.44 )

    久々にイラっとするコラムだった
    山中先生はこうでなくちゃ

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    2017年08月08日 06:29

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