ニュース

広州恒大最大の警戒は外国籍選手ではなく17番ヤン・リーユー【浦ビュー】

今年よりTwitterでスタートした「浦和レッズのプレビュー、レビュー」が面白いと話題となっている浦ビューさん。
その原稿を浦ビューさんに許可をいただき浦議に転載させていただきます。

 

ACL 準決勝 第1戦 プレビュー
浦和レッズ vs 広州恒大

 

いつも読んで頂きありがとうございます。
今回も開いて頂きありがとうございます。

 

ACL準決勝です。
ここからは緊張感を持って、より一層の責任感と前のめりな情熱で、読んで頂いた方に何か心を打てる作品になればなと思います。

 

ACLは情報が少ないので多くの浦和サポーターに読んで頂けるよう面白さに限らず拡散、宣伝して頂けると嬉しいです。

 

そして、今回も最後まで読んで頂けると嬉しいです。

 

 

 

 

〜広州恒大・最近の成績〜

 

第21節 山東戦 3-0◯
第22節 北京国安戦 3-1◯
第23節 重慶戦 1-1△
ACL(H) 鹿島戦 0-0△
第24節 江蘇戦 1-3●
ACL(A) 鹿島戦 1-1△
第25節 武漢戦 0-1●

 

5戦勝ちなし、リーグ戦2連敗で浦和戦へ。

 

〜広州恒大・今季の成績〜

 

19勝2分4敗 55得点 19失点 勝ち点59 現在首位。

 

得点数はリーグ1位!
失点数もリーグ1位!

 

北京国安と上海上港を凌駕して現在首位です。
そして、得点数も失点数もリーグ1位と過去最大級の成績を誇っています。

 

第1節 広島戦 2-0◯ (H)
第2節 大邱戦 1-3● (A)
第3節 メルボン戦 4-0◯ (H)
第4節 メルボン戦 1-1△ (A)
第5節 広島戦 0-1● (A)
第6節 大邱戦 1-0◯ (H)

 

3勝1分2敗 9得点 5失点 勝ち点10 2位通過。

 

ベスト16
山東戦 2-1 ◯ (H)
山東戦 1-2 ● (A)
延長 1-1
PK戦 6-5◯

 

ベスト8
鹿島戦 0-0 △ (H)
鹿島戦 1-1 △ (A)

 

浦和も色んなACLを戦ってきたので、結果を見ただけで広州がどれだけ踏ん張って戦ってきたかがすぐに分かります。本当にギリギリの戦いをして勝ち抜いてきています。

 

グループリーグは最終節に直接対決勝利で逆転2位!
ベスト16は山東にPK勝ち!
ベスト8は鹿島にアウェイゴール差!

 

しかし、面白いデータもあります。
アウェイでの成績が2分3敗です(90分間)。
更には全アウェイでの失点数は9です。

 

一方でホームでの成績が4勝1分と圧倒しています。
(鹿島がアウェイで踏ん張ったことがよく分かります)
更には全ホームでの失点数は僅か1です。

 

ACLの敵地で戦うことの難しさ、ホームでの強さを象徴しているようなチームですね!

 

データ上で言うと、浦和はホームでの第1戦に大きなアドバンテージを作っておきたいのが通常より求められる戦いになりそうです!

 

~広州恒大・最近のスタメン~

 

画像1

 

画像2

 

画像3

 

画像4

 

・基本システム4-4-2、4-1-4-1、4-2-3-1などを採用

 

・多くの選手が複数ポジションをこなせるので、どのスタメン、どの配置に置かれるかは読めない。

 

・注目選手は両サイド。

 

~主な注目選手~

 

ACL恒例のこのコーナーです。相手選手の特徴を知ることでもっと楽しく試合を観て頂けたら嬉しいです。

 

では、スタート!!

 

・17番 ヤン・リーユー

 

国内選手で注目選手を1人見つけるのが個人的な楽しみになっていますが、今回はこの選手に太鼓判を押します。リーグ戦では11アシストでオスカル達を凌駕して断トツのアシスト王。右SH中心です。

 

アシストの多くはクロスです。ヤン・リーユーと他の選手との違いはグラウンダーのクロスをゴールに繋げているところです。勿論受け手となるエウケソンやパウリーニョの素晴らしさありきですが、ボックス内で最適なスペースを見つけてそれに合わせた球種を蹴ることができる能力は圧倒的です。

 

関根はクロスを上げさせないように頑張る。
槙野たちは17番がクロスを上げるときはいつも以上にグラウンダーのクロスが来ることを想定しながら、マイナスへの意識、パウリーニョたちにスペースで合わさせない対応をする。

 

針の穴に糸を通すような芸術的で正確なクロスを上げさせたくはないです。

 

まずはこの選手を覚えて頂ければ、もう今回のプレビューは成功です。

 

では、映像で確認お願いします。

 

 

・8番 パウリーニョ(ブラジル🇧🇷)
説明不要のワールドクラス。リーグ戦15得点の3位。できないことはないんじゃないですか?
奪わせても、守らせても、ドリブルさせても、シュートさせても、クロスあげさせても、フリーキック蹴らせても、競り合わせても抜群ですよね?

 

あとは、パウリーニョが生きるようにチームが働きかけることとパウリーニョによってもたらされた恩恵を味方選手が気づいて応えるにかかっているだけだと思います。

 

現在はボランチやIHやSHなど複数のポジションをやっています。監督が浦和を見て何を重要視させるかによってパウリーニョのポジションを決めると思います。

 

IHで起用された鹿島戦では鹿島のボランチは三竿が厳しくマークにつき、自由を与えませんでしたが、ある程度のラインを決めて、そのラインより低く下がってビルドアップに参加したら追うことはしないと決めていた感じで、オスカルやジョナタンビエラに対応してきたようにどのように管理するのかは大切ですね!

 

ゴール前では2列目から飛び出して一気にゴールに近づける手段にもなっていますし、クロスに合わせるゴールも非常に多いです。それは、17番のクロスあってこそです!クエンカの教訓を生かせる場がすぐにやってきました!飛び込んでくるよ、パウリーニョ。

 

でも、やっぱり1番の違いを出すのは”ボール奪取力”ですかね。動きのない固い第1戦になることが予想されるので、一瞬の違いとトランジションで劣勢を優勢に変えそうな怖さを1番秘めている選手です。

 

逆にACL男の長澤がパウリーニョを吹き飛ばす馬力を見せてくれることをめっちゃ楽しみにしておきます。

 

では、圧倒的なパウリーニョをご覧ください。

 

 

・9番 タリスカ (ブラジル🇧🇷)

 

左足で魔法をかけることができるFW。
外国籍選手と言うだけで警戒と対策は立てられていると思うので心配してませんが、ゴールやドリブル以外での魅力は局面を1発で変えるロングパスです。ちょっとこのロングパスをされると手に負えない感じです。単にサイドを変えるロングパスではなく、一気に相手を追い込む局面を作り出すロングパスです。

 

「ここ見えてるんかい!」と突っ込みたくなる認知力とキックの質で怖い怖いです。

 

さらに強烈なのは爆発的なロングシュート精度とFKです。フッキの弾丸シュートとは違った芸術的なコースが素晴らしいロングシュートを放つことができます。FKでもパウリーニョと思いきやタリスカが蹴ってしまうこともあります。西川は大変な作業になるので安易なファールはやめましょう。

 

リーグ戦8得点、ACL5得点のACLに強い選手です。

 

では、まずはゴールシーンからです。

 

 

そして、伝説のロングパスです。

 

 

・89番 エウケソン

 

この選手も知っているでしょう。7月まで上海上港に在籍していて浦和と幾度となく対戦してきたFWです。私的には上海上港を開幕から追っていたので、1番見守ってきた選手です。

 

前を向かせてもよし、背負わせてもよし、スピードに乗ると手に負えない馬力があり、味方を生かす才能もあり、得点も量産しています。

 

とてもとても怖く抑えるのが難しい選手ですが、北京国安のバカンプ、上海上港のアルナウドヴィッチを抑えた自信で今回も試合から存在を消してほしいです。

 

上海上港時代でもそうですが、エウケソンはフッキとかパウリーニョのように試合中常にオーラを放っている存在ではなく、試合から消えてしまっているときもあります。そして、そのまま光らないまま終える試合も見てきました。

 

広州に加入してからの方がよりシンプルに仕事をできる環境を整えてもらっていてゴールのペースも早いので、”広州のエウケソン”は不気味ですが、頑張って下さい。

 

では、ゴール集です。

 

 

・16番 フアン・ボーウェン

 

ボランチ、アンカー起用の欠かせない選手の1人。
合わせる系のセットプレーのキッカーも任されていて、鹿島戦での値千金のゴールはフアン・ボーウェンのCKからでした。ロングパスやサイドチェンジでスイッチを入れる傾向のあるチームなので、フアン・ボーウェンの抑えの効いた正確なキックは時間とスペースを与えてはマズイと思います。

 

どれだけ凄いかデータで見てみると…

 

ロングパスの回数がリーグでマスチェラーノハムシクオスカルに続く第4位の記録です。

 

ロングパス精度で比較するとこの3人よりも成功率が高いです。

 

ということで、凄さが分かったのと同時に怖さも出てきました。

 

失点したときに「3つ前のプレーがフアン・ボーウェンのロングパスだったのね!」と振り返りがないように気をつけたいです。

 

では、凄さを直視してみましょう。1つでは収まりきらずに2つで!

 

 

17番は必修で覚えて欲しいです。

 

その次に覚えられそうだったら、16番も覚えてみてください。

 

・7番 ウェイ・シーハオ

 

中国籍選手の中で最もスピードがあり、浦和が嫌なタイプのドリブラーです。現役中国代表です。17番の最大の武器がグラウンダーのクロスなら、ウェイ・シーハオはドリブルです。左右両翼お互いの武器を嚙合わせると非常にいやなセットになっています。

 

背後へのロングパスに抜け出すのもウェイ・シーハオのタスクです。今回のACLは意外とこの系統の選手を封じ込めることができているので自信を持って封じて欲しいです。

 

では、映像で確認お願いします。

 

 

・23番 パク・チス(韓国🇰🇷)

 

187cmの大型韓国人CB。前に強く大胆に出ていける素晴らしい潰し屋だけではなく、持ち出せる、質の高い球種を蹴れる現代型のCBだと思います。映像で見て頂きますが、特にロングパスで局面を変えることができる点では攻撃のスイッチ役も担っています。

 

しかし。。
多くの試合を観れていませんが、少しすってんころりんしそうな選手だとは感じました。反転とか下がりながらとか自分の身体を上手く扱えてないのかなというシーンを見ました。カウンター時、ちょっとこの選手に向かって何かを仕掛けてみたら面白そうな気がします。

 

この選手、半袖は着ないようです。

 

では、ロングパスを映像で確認お願いします。

 

 

・29番 ガオ・リン

 

在籍10年の広州の顔です。186cmの大型FWにもかかわらず、細やかなステップワークが得意で、小刻みなドリブルで相手をかわしていくことも得意で勿論決定力も備えています。現在は、エウケソン加入により、序列を下げてベンチの機会が多く浦和戦でも恐らくベンチスタートですが、終盤はシンプルに放り込んでくる広州にとっては最強の武器。かとおもったら、ボックス内で繊細なタッチからの絶妙のクロスを見せつけます。槙野たちは幾度も対戦してきたので経験を大切に封じ込めて欲しいです。

 

〜2人の左SBと幻の35番〜

 

最近の広州の左SBは、25番ドン・ハンウェンか21番ガオ・ジュンイーのどちらかです。

 

この2人に共通しているのは右利きであることです。
右利きの左SBです。

 

対峙するのが恐らく橋岡なので、この特徴は、ミス誘発ポイントにしてみてもいいのではないかと考えました。いつも槙野が制限をかけられているように…。

 

鹿島戦の失点シーンも最大要因ではありませんが、鹿島の人数が揃っていた中央にしかボールを持ち出すことができずに次の味方が伊藤翔にパスカットされてから失点していました。なので、浦和にとっては右に右に誘導して左SBにパスが出た瞬間に橋岡がグッと距離を詰めて緊張感を与えるぐらいの仕掛けを用意してみても良いのかなと思いました。

 

 

CBとかも兼任している選手たちであんまり持ち出すとかオーバーラップして大胆な攻撃力がある訳ではないので、躊躇なく出て行くと面白いことが起きそうです。

 

広州ほどのチームが、なぜ左利きの左SBがいないかというと実はいます。35番のリー・シュエポンです。この選手は凄いですよ!しかし、7月の試合を最後にスタメンもベンチにも入っていません。恐らく怪我だと思います。

 

リー・シュエポンの凄さは広島が1番感じているでしょう。調べてみると2016年の浦和戦にもスタメンで対戦していました。

 

欠場濃厚な選手を紹介しても意味ないですが、一応映像も作成しておいたので、スタメン入りしたら至急アップ致します。

 

ちなみに25番のドン・ハンウェンの方が前への推進力があり右SBでも出場する選手で、少し逆足であることを長所に変えるシーンもありました。

 

ということで、幻の35番は欠場で、右利きの左SBが濃厚なので、その特徴をどうにか自分たちのものにしたいです。

 

・5番 ジャン・リンポン

 

“中国のセルヒオラモス”と呼ばれているらしいです。
現役中国代表で9月のアジア最終予選ではスタメンで出場。現在はSBが主戦場で球際に強く、相手の芽を摘む奪取力は魅力的です。

 

でも、少し股を取られてかわされる回数が多いのかなぁという印象を持ちましたね。更に、シンプルに相手と正対した時にサイドに追い込んだことに満足してしまい、相手が粘るとズルズル置いてかれるシーンありました。

 

直近2試合は欠場。負傷かもしれませんが、スタメンであれば対峙するのは恐らく関根。左右ドリブルできる関根なら越えられる選手だと思います。

 

攻撃の方が力を発揮できる選手で、縦関係で17番のヤン・リーユーがいるので、後ろや内側に絞ることが多く、そこからの斜めのクロスやエウケソンに当てるパスなどは質が高いです。

 

しっかりと斜めのパスを閉じることをこの選手には心がけてほしいです。

 

・10番 ジェン・ジー

 

ベンチ予想だったので作ってなかったのですが、前日会見に出席したので急遽取り揃えました。ちょっと雑感になりますが同じ中盤の16番よりかは攻撃的かつゴールに直結するラストパスを送るイメージの選手です。1月のアジアカップ中国代表でした。あんまりこの選手を深く追えなかったので、スタメンではないこと、活躍しないことを願っています。

 

 

・監督 ファビオ・カンナバーロ

 

またもやビッグネームです。現役時代はパルマ、インテル、ユヴェントス、レアルなどで活躍したイタリア人CB。2006W杯では優勝キャプテン。

 

指導者としてはアルナスルや中国代表も指揮。

 

とにかくイケメンでピッチ横でも情熱的に身振り手振り指示を送り、ときにはペットボトルを下に叩きつけるほど選手に声を荒げる姿は、ACLへ懸ける想いが相当に強いことが伺えます。決して、浦和を侮ってはいません。

 

〜180分の戦いで想定するのが難しい第1戦〜

 

個人的に広州はやり易いと思います。
勿論、ここ10試合ぐらい色んなタイプのチームと対戦して1回も勝てなかったので何を言っても説得力に欠けますが。

 

更に浦和は鳥栖戦で少しボール保持時の前進の手段を変えたので、鳥栖戦を継続させるのか、それ以前のできなかったことに戻すのか、広州仕様があるのか、という点でこの試合を想定するのが難しくなったのが要因の1つです。

 

更に興梠の出場の有無です。
決定的な仕事をしてくれているうえでは依存度の高い選手なので、興梠が出場するかで前述した前進の手段を変えるのか戻すのかを決めることにもなりそうです。

 

個人的には上海戦を筆頭とした鳥栖戦以前の手段でボール保持時は進めるのではないかと想定します。
そして、鳥栖戦では武藤が一定の手応えを感じていた背後へのランニングを継続して求めて行くはずなので、シンプルに背後に走った武藤や長澤を使ってあげることも増やすのではないかと想定します。

 

広州のシステムは4-4-2、4-2-3-1、4-1-4-1と最終ラインは4バックですが、中盤と前線の枚数は微調整して戦い続けています。

 

大槻監督は「噛み合わせ」を強調するような発言が多く、9月は実に5チームもミスマッチが生じる「噛み合わせ」でスタートしましたが、想定できた優位に立てるエリア、人を残念ながら効果的に使い続けることはできませんでした。

 

そういう点では今回もミスマッチが生じる「噛み合わせ」からスタートします。それは相手の前線が1枚なのか2枚なのかでも全然変わりますし、中盤の陣形でも変わります。

 

広州が複数のシステムを採用していることから、どのシステムを採用するか決めることはできないので、あとは試合が始まってからどのような噛み合わせになっているかをピッチ上で選手が、ピッチ外で大槻監督が確認して、優位に立てるエリアを突ける準備ができているかに懸かっていると思います。

 

個人的にはそんなに噛み合わせが考えるべき優先順位としては高くないですが、表向きの会見とはいえ大槻監督はよくコメントしていることなので、先ずは広州がどのようなシステムであるかを確認してみましょう。

 

特に4-1-4-1(4-3-3)の広州は脆弱になりやすくく、第24節の江蘇戦で1-3で敗戦した試合は、相手に執拗にアンカーの脇を突かれ続けて、そこにボールを入れられてからの失点続きでした。

 

浦和戦でもアンカーを採用するシステムの可能性もあるので、そうであれば浦和は大いにチャンスになると思います。ボール保持時にちゃんと影響を与えるようにアンカーの脇にシャドー(武藤や長澤)が立ってあげることによって、そこに通すことができれば最高で一気にゴールが近づきますし、広州はアンカーの脇へ通させないように中央に絞られるので、そうなれば外のWBが空くので関根に頑張ってもらう…という感じに相手に選択肢を与えるポジショニングを明確にしてあげることは重要です。

 

更に広州はボール保持時4-1-4-1から非ボール保持時になると4-4-2にスライドすることもしていました。鹿島戦ではそのスライドが狙われ目になっていました。

 

画像5

 

画像6

 

上図のようにスライドしないといけないので、少しでも遅れると浦和は突けます。

 

特に右IHで起用された9番はタリスカは問題でした。監督的にはかなりリスキーな起用だったはずです。実際にパウリーニョが先に動いて前線に列を上げたのを1回、タリスカのスライドが遅れて2回と連動を疎かにして、鹿島に効果的に前進されていました。

 

なので、前半途中ぐらいに諦めてタリスカをWGに変更させていました。ボール保持時から非ボール保持時で陣形が変わるのも大槻監督の言う噛み合わせや優位に立てるエリアを探す手がかりになると思います。

 

他にも4-4-2、4-2-3-1とどのシステムを採用させるかは本当に読めないです。しかも、セレッソ戦とかで深く言及しているようにSHが浦和の左右CBにプレスに出るか出ないか、鳥栖戦で言及したシャドーを消す切り方をするのか、WBへのコースを限定する切り方をするのかでまた全然話は変わってくるので、繰り返しになりますが、相手がどう守ってくるのかを見つける眼、それによってどこが効果的なのかを判断できる眼、試合状況によって(特に後半)手段を変えられる大槻監督の眼は日常からの積み重ねですが、このような難しい試合だからこそ重要になってくる部分だと思います。

 

一方で広州目線に立つと、システムはどうなるかは分かりませんが、ライン設定は後ろのスペースを消すために結構早めに撤退してくれると予想しました。

 

更に、前線の枚数が1枚か2枚かは分かりませんが、ガッチリと同数でハメにくることはなく、浦和の最終ラインにプレスもそこまでかけないと予想します。

 

ということで、いつも今コンテンツを読んで頂いてる方なら通じ合うと思いますが、この守り方は、今の浦和に最もやってはならない悪い対応です。

 

相当カンナバーロ監督が熱心に分析してきたとしたら、浦和が嫌がることをしてくるはずですが、多分浦和が最も嫌なことはしないと思います。

 

だから、広州はやり易いと最初に述べました。

 

あとは毎回のように言ってますが、関根と橋岡では使い方や生かし方を変えてあげないといけないし、1トップの人選によっても変えてあげないといけません。

 

あとはラインを下げてくれた広州に対して、月並みですがカウンターを気をつけれいけないです。Jリーグ勢がACLで屈してしまっているのは結局その部分なので、いい試合なのにカウンターで屈してしまったと言われないようにカウンターへの「担保」が大切ですね。

 

鹿島戦の値千金のコーナーキックもカウンターから獲得したものでした。

 

 

結論は、広州がある程度後ろにラインを設定して、浦和の最終ラインにボール保持することを許容すれば、浦和は勝機十分だと思います。

 

ということで、
次は「浦和非ボール保持vs広州ボール保持」です。
こっちの構図の方が、180分の戦いを意識しながらになると思います。

 

広州はこれまでACLで対戦してきた中では、1番主体的に自分たちがボールを保持しながら試合を進めたいチームに見えました。

 

キャラクターに合わせてポジショニングを変えます。
システムに合わせてもポジショニングを変えます。
最後尾に浦和からプレスを受けても上海よりも外す術とルートが多いです。

 

具体的には…

 

(図1)

 

画像7

 

(図2)

 

画像8

 

上図のように、左右ともにSBとSHが外側で同レーンに立ち外回り外回りでボール回しをしたり(図1)、左サイドではSBが高い位置を取り、7番のSHが内側に絞りますが、右サイドではSBが内側に絞り、17番のSHは外に張り続けたままで左右非対称にボール回ししたりします(図2)。

 

画像9

 

右サイドでSBとSHが縦関係になっているときです。関根が先に動いて17番を捕まえにいったにもかかわらず、槙野はエウケソンに留められてスライドできずにできた内側の空間をタリスカが斜めのランニングで突いてくるというよなシーンは現実的に起こりそうなシーンだと思います。

 

パウリーニョやタリスカを筆頭に最適なスペースを見つける能力は抜群で、そこに合わせてくれる質の高い出し手がいるので一瞬たりとも気は抜けません。

 

色々工夫されていて相手に影響を与える準備はできていますが、主な選手の特徴で感じて頂いたと思いますが、

 

広州の攻撃のスイッチは…

 

①サイドチェンジのためのロングパス

 

②浦和の2列目を越えるためのロングパス

 

が、入ってからギアを上げます。

 

広州は、そのロングパスがマイボールになれば最高で、渡らずにセカンドボールを拾われたとしても、なんたってパウリーニョを筆頭にボール奪取の猛者たちがいるので、2次攻撃で仕留めたりすることもあります。

 

ここに関しては、Jリーグでは体感できない迫力があるはずです。

 

(パウリーニョの例を代表して・・・)

 

 

(シンプルなロングボールのセカンドボールから・・・)

 

 

そして、何より16番、10番、9番タリスカと局面を1発で変えるロングパスを蹴れる選手が山ほどいるので、本当に警戒です。

 

大輔先生が中央CBに起用されたことでラインの上げ下げの微調整が行いやすくなり、上海戦や鳥栖戦の前半など一定の手応えを感じたようですが、しっかりとボールホルダーの状況を見ずにラインを上げてしまうと16番の映像で見たような豪快な背後の取られ方をしてしまいます。

 

あと、最もシンプルであっという間に決まってしまうのがパウリーニョ(タリスカなど)が中盤でパスを受けて反対サイドへ広げた勢いでボックス内に侵入してクロスを上げてもらって決めてしまう自作自演式ゴールです。

 

だから、中盤で一度捕まえたら絶対野放しにはしてはいけないです。頑張れ、青木!エヴェルトン!

 

 

上海はオスカルがいないとボール保持時はほぼ機能しないチームでしたが、広州は特定に依存することなくボール保持することはできますが、セレッソやHonda FCや鳥栖のようにキッチリと論理的には進めて来ませんが、全ての状況を一変させる武器を備えている選手が多く、その武器を活かすために前方に走る選手、合わせる選手がいるチームなので、大槻監督のコメントを借りれば、反対サイドの「担保」、最終ラインの背後の「担保」が重要になると思います。

 

浦和の選手たちが想像する以上の質の高いロングパスや意外な視点で送ってくるので丁寧に丁寧に先ずは入って欲しいです。

 

広州は第1戦アウェイなので、最低限負けなければいい試合になると思います。しかし、ボールを保持することで自分たちの守備の時間を減らし、浦和の攻撃の時間を削る為に、ボール保持して試合を進めるのかと言われると、そういうチームには見えませんでした。

 

なので、基本的に浦和がボールを保持する試合になるのではないかと思います。反対に浦和は”ホーム強し”というよりも”後半90分強し”というチームなので、自分たちもアウェイゴール差で上がってきたように、埼スタでの失点に関しては物凄いデリケートに考えていると思います。大槻体制になってリーグ戦の失点数が前半に比べて後半の方が3倍多いことは鳥栖戦で言及しましたが、8月と9月の公式戦に限定しても前半は6失点に対して、後半は驚きの19失点です。こちらも約3倍です。

 

なので、浦和も恐らく非ボール保持時になると慎重に入ることが予想されて5-4-1とセットさせると思います。

 

もしも、「前に前に!」行くのであれば、前述したように、広州の左SBがエラーを起こせるように右へ右へ誘導させていってもいいのかなと思います。

 

画像10

 

〜結論〜

 

浦和も広州も本当は個人の質を見せ付け合う展開の方が良いチームになります。つまり、個人の差を見せつけやすいオープンな展開がそれに該当すると思います。

 

しかし、恐らく両チームとも外行きの格好を着て、チームとして戦おうとすることを見せ付け合うスタートになると思います。

 

そして、両チームとも非ボール保持になると、一旦後ろに撤退することを優先したスタートにさせると予想します。

 

つまり、お互いにリスクをかけないスタートにさせるはずです。

 

セットプレーとか想像を超えるような安易なミスで早々に失点してしまったら試合前の色々なプランが崩れてしまいますが、15〜20分過ぎても固い感じにジリジリとした展開が続けば、浦和にとって凄いいい土俵になると思います。

 

前半の結果にかかわらず後半になると広州は切れ味を出して本性を表し始めるので、浦和がそれに乗っかるのかは、大槻監督次第です。

 

オープンな展開になった差し引きで浦和が劣るとは思いません。広州の切れ味は上海に比べると落ちます。しかし、それは浦和が上海戦でほとんどオープンな展開の誘いに乗らなかったからなので、お互いにオープンな展開を望んだときに広州を上回れるかは未知数です。

 

蔚山の第2戦も上海の第2戦も0-0で迎えた前半の終盤に先制ゴールを挙げているので、喉から手が出るほど欲しい先制点ですが、早く決まりすぎるのも最近の浦和的には良くないので、固く始まって20分過ぎた辺りからを浦和の土俵にして、先制点を挙げることができれば、後半の戦い方も明確になる点で1番理想的だと思います。

 

最悪後半に1-1に追いつかれても”後半90分強し”の浦和なので、良いスコアじゃないですかね。

 

大槻監督には想定内なことを増やして試合状況による最適な方角へ導いてあげられるように頑張って欲しいです。特に後半です。

 

そして、何度だっていいます。外国籍選手以上に17番に気を付きましょう。みんなで守れば怖くない。17番のグラウンダーのクロスをみんなで守りましょう。

 

〜セットプレー〜**

 

コーナーキックのキッカーは基本的にはロングパスが最強なあの16番です。エウケソンは上海時代からそうですが、ボックス内でめちゃくちゃ動いてマークを外そうとしています。スタメンによっては相当上背のあるチームになるので、セットプレーはいつも抑えることができていますけど、今回は少し分が悪いかなと思っています。

 

更にタリスカのゴール集を見て頂ければ分かりますが、コーナーを一度クリアしてからのセカンドを再度クロスを入れてタリスカが2得点したりしています。鳥栖戦でもそんな感じで金崎に決められたので、最近悪かったことを全てポジティブに変えて分が悪いセットプレーを抑えて欲しいです。

 

直接フリーキックは、パウリーニョとタリスカの左右を揃えているからホントにファールしてはダメです。合わせる系のフリーキックはあの16番です。

 

被コーナーキックはゾーンとマンマークの併用です。

 

~前日会見~

 

大槻監督と関根の前日会見見ました。上海よりチームとしてまとまっているというコメント同意見です。中国籍選手の質が高いコメントも同意見です。大槻監督は広州vs北京国安、広州vs上海の試合を観たそうです。私も見たので「あの試合を観たのか~」、「あの試合を観てどう思ったのか聞いてみたいなぁ」という感想ですが、いつも以上にいい会見だと感じたのでぜひ見てみてください。

 

~広州への理解~

 

広州がどのようなチームか大まかには分かったでしょうか。最終局面でどのような攻撃をするのかなどはやっぱり主な選手映像を何度も確認して視覚的に理解を深めて頂くのが一番です。そして、あそこに収めた映像意外に特異なことはしてきません。17番のクロス映像に対するパウリーニョの関わり方、16番のロングパスに対する全体の関わり方といった具合にあの映像たちを見ておけば明日の情報量としては適量だと思います。

 

今コンテンツのポリシーは・・・

 

今季から浦和レッズを見た方にも分かりやすい内容にしつつ、長く浦和レッズを支えている方にも満足して頂けるコンテンツ」です。

 

ちょっと最近前者の方を疎かにして頭に入らないという意見も頂きましたので、ちょっと立ち返って今回はできるだけシンプルを心がけました。

 

だって、広州のために費やせた時間2日しかなかったですもん。

 

いつものACL作品よりかは当然落ちましたが、普段読まない方も読んで頂ける作品になったと思っています。ぜひ、ぜひ拡散、宣伝、感想お待ちしています。

 

~テンションが上がる一端になれていますように~

 

ゲンを担いで今回も…読んで頂いた方の心のボリュームが少しでも上がってくれた嬉しい動画です。

 

サッカーは常に相手ありきと意識した煽り動画です。

 

•さいごに

 

結局、浦和が勝てばどうだっていいという事を敢えて大真面目に広州の特徴を踏まえて見ることによって、試合を楽しんでくれたらとっても嬉しいです。読んで良かったと思って頂けたら最高です。

 

今回は完全無料公開した最後に300円をつけさせて頂いてます。埼スタのマッチデーと同額です。今回の作品が面白いと思って頂いた方は是非前のめりに! 勘違いされている方も多いので完全無料公開して最後に有料にしている理由は下記の記事で30秒で読めます。

 

 

多くの方に読んで頂きたいのでリツイート等々で拡散、宣伝を義務として頂けると嬉しいです。感想もお待ちしております。

 

 

 

浦ビュー

初めて浦和レッズを見た方にも読みやすく分かりやすい内容にしつつ、長く浦和レッズを応援して頂いてる方にも満足して頂ける内容を目標に2019年より浦和レッズの公式戦のプレビューとレビューをTwitter上でスタート。
Twitter:@ura_view17

 

コメント

  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:221.185.192.147 )

    第2戦アウェイだからな。
    明日勝てなかったらほぼ絶望的。

    このコメントに返信

    2019年10月01日 22:02

    • 1.1 匿名の浦和サポ(IP:101.111.140.134 )

      別に浦和はアウェイ苦手にしてないし、
      攻めるしかない時の方がいい攻撃をしていると思う。
      一番やってはいけないことは先に失点した場合に無理に攻めてカウンターをくらうこと。
      2戦目もあるので、0-1の負けはokくらいの気持ちで臨んで欲しい。
      そりゃ当然勝って欲しいけど。

      2019年10月01日 22:29

    • 1.2 匿名の浦和サポ(IP:182.169.203.152 )

      勝てなかったらではなく、レッズサポなら励ましの言葉を言うべきなんじゃないの?こういう時に、負ける時の事を考えるのは、おかしいと思います。

      2019年10月01日 22:32

  2. 2 指定席住人(IP:49.98.149.94 )

    明日と天河体育中心体育場、参戦します❗

    このコメントに返信

    2019年10月01日 22:38

  3. 3 匿名の浦和サポ(IP:133.218.3.6 )

    勝って欲しいけど、後半立て続けに失点する映像が頭から消えない。

    このコメントに返信

    2019年10月01日 22:44

    • 3.1 匿名の浦和サポ(IP:218.33.171.156 )

      上海戦の第1戦も、後半ペレイラ監督が動いてきたら前半と全然違う試合展開になってしまったしね。カンナバーロ監督も複数のシステムを採用してるようだし、後半動いてきた時に対応できるか不安。
      結局槙野がタリスカにイエロー貰わせて第2戦出場停止に追い込めるかがまた勝負のカギだったりするのかね。

      2019年10月02日 00:37

    • 3.2 匿名の浦和サポ(IP:223.132.11.2 )

      ほーんと、相手の変化にすぐに対応できない。分析して指示を出すのは監督の役割だけど、このチームは監督に指示される前に自分たちで対応するようなインテリジェンスとか、監督からの指示であれ、ピッチ内での指示であれ、チーム全体で意識を統一するとか、そういうのがあまり見て取れない。青木あたりが全員を引っ張っていく意識を持って実行してくれればいいのになあ。

      2019年10月02日 10:27

  4. 4 匿名の浦和サポ(IP:218.138.142.73 )

    エウケソンって上海で出たのに出れんの?

    このコメントに返信

    2019年10月01日 23:00

    • 4.1 ウラワ(IP:61.193.215.146 )

      鹿島戦にスタメン出場しているので出られるみたいですね

      2019年10月01日 23:53

  5. 5 匿名の浦和サポ(IP:27.94.49.152 )

    とにかく勝つ!!何が何でも勝つ!!絶対に勝つのだ!!

    このコメントに返信

    2019年10月01日 23:19

  6. 6 ウラワ(IP:61.193.215.146 )

    一番やっていけない事はむやみに攻め込んでからのカウンターと大量失点
    2試合で決着をつけるという事を考えて欲しい

    このコメントに返信

    2019年10月01日 23:48

  7. 7 匿名の浦和サポ(IP:121.3.143.3 )

    アルヒラルが決勝に上がりそう
    再び叩きのめしたい

    このコメントに返信

    2019年10月02日 02:33

  8. 8 匿名の浦和サポ(IP:106.130.45.94 )

    やってやろうじゃないか、ACL優勝とJ残留争い!

    このコメントに返信

    2019年10月02日 06:31

    • 8.1 匿名の浦和サポ(IP:103.5.140.158 )

      強いのか弱いのかわからない。

      2019年10月02日 07:39

    • 8.2 匿名の浦和サポ(IP:1.75.215.89 )

      どちらかというと弱い

      2019年10月02日 17:08

  9. 9 匿名の浦和サポ(IP:49.98.137.38 )

    あとこおろぎさんの得点王。

    このコメントに返信

    2019年10月02日 06:48

  10. 10 匿名の浦和サポ(IP:49.98.170.142 )

    ここ10試合で13得点の21失点。
    守備が完全崩壊している状態ではあるがホームでの失点は大きなビハインドになる。
    3ボランチとか多少のシステム変更をしてでも失点を抑えるべき。
    とにかく失点をしない。
    先に失点をすると大槻の交代枠の暴走采配が始まるよ。

    このコメントに返信

    2019年10月02日 07:14

  11. 11 匿名の浦和サポ(IP:103.5.140.158 )

    浦和は守りきれないからな。前半2点先制して、後半2点取られるくらいがベスト?

    このコメントに返信

    2019年10月02日 07:45

  12. 12 匿名の浦和サポ(IP:1.75.197.9 )

    くやしがり精神異常者ア▪︎タのオナニ一
    笑笑.笑笑

    このコメントに返信

    2019年10月02日 07:53

  13. 13 匿名の浦和サポ(IP:1.75.197.9 )

    ア▪︎タってドMなのかな。
    削除されるのに悦びを感じてるのかもしれないね。
    今頃PCの前でヒィーヒィー言ってるかもね。
    笑笑.笑笑

    このコメントに返信

    2019年10月02日 07:56

  14. 14 匿名の浦和サポ(IP:182.171.85.218 )

    棚ぼたでACL獲れるって・・・本気で思ってるのかな?

    このコメントに返信

    2019年10月02日 08:37

  15. 15 匿名の浦和サポ(IP:113.41.252.218 )

    てかブラジル人選手が半端ない

    このコメントに返信

    2019年10月02日 09:50

    • 15.1 匿名の浦和サポ(IP:153.225.250.164 )

      エウケソン中国籍取得したから、来年はもう一人反則外人入れるだろな広州
      あっちは来年もACL出られるんだろうから、今年は浦和に譲ってもらおうか

      2019年10月02日 14:04

    • 15.2 匿名の浦和サポ(IP:1.75.215.89 )

      なんかFWのアランも中国籍とるみたいな話があるらしく、現在はレンタル中だけど中国籍として戻すかもしれないらしいよ。

      2019年10月02日 17:09

  16. 16 匿名の浦和サポ(IP:119.106.98.133 )

    武藤の無敗神話発揮してほしい

    このコメントに返信

    2019年10月02日 14:49

  17. 18 匿名の浦和サポ(IP:126.255.45.43 )

    ものすごいクオリティの記事ですね。感動しました!
    他サポですが今日スタジアム行くので、応援の意味も込めて投げ銭させていただきました!
    うちのチームでもこんな記事が読めたら嬉しいんだけどなあー

    このコメントに返信

    2019年10月02日 17:51