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知将・金明輝監督率いる規律ある鳥栖との6ポイントマッチ【浦ビュー】

今年よりTwitterでスタートした「浦和レッズのプレビュー、レビュー」が面白いと話題となっている浦ビューさん。
その原稿を浦ビューさんに許可をいただき浦議に転載させていただきます。

 

J1第27節 プレビュー
サガン鳥栖vs浦和レッズ

 

“知将・金明輝監督率いる規律あるサガン鳥栖との6ポイントマッチ”

 

いつも読んで頂きありがとうございます。
今回も開いて頂きありがとうございます。

 

どう考えても広州恒大戦のプレビューが蔚山、上海戦と対等のクオリティを出せる時間がないと判断したので諦めて、目の前の鳥栖戦のプレビューにみっちりと時間をかけました。

 

しかし、情報過多にならないように今回も試合を楽しめる情報を1つでも提供できるように心がけました。

 

最後まで読んで頂けると嬉しいです。

 

では、プレビューを始めたいと思います。

 

 

 

 

~サガン鳥栖の最近の結果・今季の成績~

 

第23節 湘南戦 3-2〇
第24節 神戸戦 1-6●
第25節 仙台戦 2-1〇
第26節 ガンバ戦 0-1●
天皇杯 セレッソ戦 4-2〇

 

8勝3分15敗 23得点 42失点 勝ち点27 現在16位。

 

・8月は3勝1分1敗と勝ち点10を積んで大きく巻き返し(浦和は8月勝ち点2)。

 

•湘南戦、リーグ戦のセレッソ戦と土壇場のATに勝ち越し弾を決めて勝ち点1を勝ち点3に変えています。

 

・最近は僅差で勝ったり負けたりと完全上り調子ではありません。

 

・8勝中5勝がホームゲーム。

 

・23得点中14得点がホームゲーム。

 

・天皇杯ではあのセレッソ様に4得点を挙げてベスト8。

 

~サガン鳥栖の最近のスタメン~

 

第25節 仙台戦 2-1〇

 

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第26節 ガンバ戦 0-1●

 

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天皇杯 セレッソ戦 4-2〇

 

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・基本システムは4-4-2。

 

・仙台戦では後半からサイドで明確にフリーな選手を作る意図から4-5-1に変更して見事的中して2-1逆転で知将ぶりを発揮した金明輝監督

 

・複数ポジションをこなせる選手が多く試合に合わせて最適な人選を選んでいるらしい。

 

・その中でも外せないのは高丘、高橋コンビ、三丸、原川、安、クエンカ、金崎の8人。

 

・セレッソ戦でボール奪取力のあるパクジョンスをボランチ起用して一定の評価。

 

•豊田や小野や安在や高橋義希がサブに回ることが多い戦力層あるチーム。

 

・天皇杯での勝利により、序列が入れ替わる可能性もあり。

 

〜シーズン途中に就任した2人〜

 

オリヴェイラ監督の成績と大槻監督の成績を比較するほどやってはならないことはないですが、他チームとの比較はクラブ対クラブの話なので、比較してみてもいいかなと思ってますので、今回は結果だけを調べてみました。

 

大槻監督 13試合 勝4分け6敗 勝ち点14
金明輝監督 16試合 勝2分け7敗 勝ち点23

 

大槻監督 15得点 平均1.2 // 20失点 平均1.5
金明輝監督 22得点 平均1.6//26失点 平均1.6

 

大槻監督 前半7得点 後半8得点
金明輝監督 前半8得点 後半14得点

 

大槻監督 前半5失点 後半15失点
金明輝監督 前半14失点 後半12失点

 

大槻監督 ホーム戦 2勝2分け2敗 勝ち点8
金明輝監督 ホーム戦 4勝1分け3敗 勝ち点13

 

金明輝監督はさておき、大槻体制を整理してみると後半の失点数が圧倒的に多いですね。前半の3倍。

 

両指揮官を比較してみました。
あくまで結果なので、鵜呑みにせずに参考程度に。

 

しかし1つだけ確かなことは、
改めて今回多くの鳥栖の試合を見ると金明輝監督は、前回対戦時よりも上積みさせていることです。

 

今回の試合がどっちに転ぶか分かりませんが、ここだけは変え難い事実です。

 

~鳥栖が狙ってきそうなこと・想定される現象~

 

いつもと同じく想定される試合内容についてです。

 

まずは鳥栖がどのように浦和の1stプレスを越えていくかです。

 

・鳥栖が最後尾から足元で前進していきたいとき

 

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鳥栖が最後尾から足元で前進していきたいときについてです。

 

浦和がアクションを起こさなければ一番見られる配置は上図だと予想します。前から見ても後ろから見てもいいのですが今回は前から。

 

①浦和のWBを後ろにピン留めさせる。

 

これはマストでやってくると思います。浦和のWBの外側に人を立たせます。そうすることで、浦和のWBを最終ラインに下げさせる意図があります。

 

②ボランチは1人は必ず中央に留まらせて軸となる。

 

上図でいうと原川のことを指しています。原川がここに立つことで得られるメリットは主に・・・

 

1.浦和の2列目(特にボランチ2人)が開きづらい。つまり、両シャドーも開きづらくなる。

 

2.最後尾でボールホルダーの2CBに角度のついたパスコース役になれている。

 

今回はこの2点に限定します。

 

では、もう1人のボランチの福田は何をしているのか?

 

上図では、浦和の2列目の背後に立ち、槙野に影響を与えるポジショニングを取っています。そうすることで、最前線を5vs5の数的同数にしています。

 

例えば、前回対戦で見られたことは・・・(下図)

 

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という感じに槙野を福田が留めておいて、その背後のスペースを反対サイドから斜めのランニングで抜け出した小野がロングパスを受けたりしていました。

 

福田は背後に立つポジショニングだけではなく、当然原川と横に並んで近いパスコース役にもなり、最後尾からクリーンに前進できる助けに関与することもあります。

 

③2CBは大きく開かせる。

 

2CBは大きく開かせます。そのメリットは主に・・・

 

1.興梠1人で2人を管理させないようにするため。

 

2.GK高丘をビルドアップに参加させるため。

 

3.GK高丘と2CBと中央に留まる原川と大きめの菱形を形成して浦和に的を絞らせない。

 

4.浦和のスライドが遅れれば運ぶドリブルもできる。

 

めっちゃ限定してこの4つに絞りました。

 

興梠に的を絞らせないことや足元が卓越したGK高丘を効果的に使えるようにすることやピッチ全体を隙間なく使おうとすることからこのような設計がされていると思います。

 

2CBが近い距離だと浦和は守りやすいはずです。例えば、秀人がボールを持った時にエヴェルトンが原川へのパスコースを消しながらプレスに出ることも容易になりますし、それに合わせて興梠も2CBを同じ視野に収めることができて2度追いとか強いプレスをかけることができます。

 

というようなことをさせたくない金明輝監督は2CBを開かせます

 

セレッソも同様に2CBを大きく開かせていました。

 

そのときに浦和は片方のシャドーを興梠と同じ列に上げて2CBに2人で同数でハメにいくことを積極的にやっていました。でも、そういうことをしてくることはロティーナ&イヴァンは当たり前に知ってますし、勿論、金明輝監督も知っています。では、鳥栖の場合はどうするのか?

 

その一例は・・・・・(下図)

 

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福田(ボランチの1人)をCBの脇に下げます。そうすることで、再度数的優位を確保します。上図には書いてませんが、福田の降りる動きに青木がついていって、祐治→福田のパスが入ったときに青木にプレスを来させます。

 

これで、鳥栖は大成功です
だって、右SBの金井はフリーだから。

 

福田は青木を引き付けるだけ引き付けて金井へパスを送ります。エヴェルトンは人の意識が強いので原川がエヴェルトンにちょっかいを出すように影響を与えて、金井がパスが受けたときには浦和の2列目を完全崩壊させるところまで追いつめるているかもしれません。

 

パスを受けた金井は・・・

 

1.運ぶドリブルでどんどん運べる。

 

2.前線がアクションを起こして浦和の背後を取る動きを見せればスルーパスもできる。

 

というように味方の動き、浦和の反応、自分の状況を見極めながら最適な選択肢を選べます。上図では5vs5表記ですけど反対サイドの三丸は後ろに留まっておく理由はないので、前へ出てきて6vs5の局面を作ることもできます。

 

以上のように、
鳥栖の2CBに「よし!同数でハメに行こう!」と思っても、鳥栖はこれだけ先、もしくはこれ以上先も設計できていることを観戦する皆さんには知っていただいたうえで試合を見て欲しいです。

 

もう1例だけオーソドックスなものを紹介しておくと・・・

 

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片方のSBが前線の数的同数に加担して、もう片方のSBが2CBが同数でハメられた逃げ場を作るのを加担します。

 

先程のようにすぐに青木がプレスさせないようにも工夫されています。それは上図で示しているように2ボランチが中央に留まることで浦和の2ボランチを留めることです。

 

でも、もし青木が先に動いて金井を消しに行くなら、祐治は原川か福田が空くので出せばいいだけです。

 

他にも長澤まで大胆にスライドしたとしたら・・・

 

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わかりづらかったら、ごめんなさい!ですが、長澤までスライドするってことは反対サイドが空いているってことなので、武藤が金井にプレスに出れば祐治にリターンして秀人を経由して反対サイドという上図の黒矢印ルートや安全に高丘に下げて1発で反対サイドまで広げてもらうオレンジ矢印ルートがあります。

 

もしも、上図の黒ルートかオレンジルートどちらかでスムーズに三丸まで届けられたとしたら、原川はもう次のアクションを起こしていて、三丸に対して斜めのパスコースを作ってあげる動きを必ずしています。必ずしています。

 

もっと深く考えれば、三丸が下がった動きに橋岡が食いつけば、クエンカまで届けてもいいんです。5vs5よりも4vs4のときのほうがスペースはあるのでチャンスの確率も高まっていますからね!

 

そして、ここで言及しておきますが、
鳥栖が本当にいやらしい!と思うことは”豊田陽平”がいることです。

 

ここまで鳥栖の足元からの前進についてどのように設計されいているかを様々な視点から見てきましたが、「困った!、危ない!」と思ったら、最後は豊田へロングパスを送ってしまえばいいんです。

 

豊田の場合はテキトーや逃げのロングパスでさえもチャンスに変えることができてしまいます。

 

足元から前進させることもこれだけ深く設計されているのに、ロングパスでもチャンスメイクできちゃう。

 

だから、鳥栖とはやりたくないんです。

 

いろいろ話を広げすぎましたが、
本来の議題は「2CBに浦和が同数でハメにきたときに鳥栖がどうしてくるのか?」でしたね!
その1例を紹介しました。

 

では、ここまで読み進めると
「もう浦和の打つ手はないのか?」という気分になります。

 

全然そんなことはないんです。

 

容易に想像できることで大槻監督が対策しそうなことはWBを積極的に縦スライドさせて前線の守備に参加させることかなと思います(下図)

 

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興梠の数的不利を嫌って武藤に列を上げさせて同数でハメる→サイドでフリーのSB金井を関根が先に動いて捕まえに行く→槙野~橋岡の4枚が全体的にスライド

 

このようにすることで、先ほど言及した金井からスムーズに前進してくことは抑止できるはずです。

 

このような対応をされたときの鳥栖の考え方は色々あります。

 

まず、反対サイドの三丸をどうすればいいのか。
前線は4vs4の同数なので、自分が高い位置を取れば数的優位を確保するので、祐治はそれを認知して前線に素早く送ればいいんです。4vs5となれば浦和は血迷うでしょう。優先順位を間違えていつものように壮大なエラーをするかもしれません。

 

三丸は万が一を考えて、前線ではなく金井と同じぐらいの高さまで降りてきたら、先ほど言及したように浦和を引き寄せて引き寄せて三丸に時間とスペースを作ってあげて一気にズドンと三丸まで届けてあげればいいんです。三丸は運ぶドリブルできるので、浦和の戻りが遅ければ、これまた浦和陣内で5vs4と鳥栖が数的優位を別の手段から作ることができます。

 

そして!そして!そして!

 

「豊田がスタメンだったらWBを縦スライドさせて4vs4、三丸の状況によっては4vs5の数的不利になっても大丈夫?」という問題が生まれます。

 

豊田がいるということは同数もしくは2人で管理できているぐらい安心が欲しいのが自然な考えです。

 

だから、私は豊田がスタメンならWBを積極的に縦スライドさせるほど勇気を持てません。だって、鳥栖は「いざ!」というときにすぐに豊田へロングパスを放り込むからです。鳥栖の思い通りになって悔しいですがWBは後ろにピン留めされるのを受け止めてしまうと思います。

 

先制されたら、豊田リスクを背負ってでもWBも積極的に縦スライドさせますけどね! 0-0ではやりづらいです。

 

しかし、浦和の少ない光が豊田との空中戦は他のチームより勝てる確率が高いことです。大輔先生、マウリシオ、槙野。他のチームから羨ましがられるほど空中戦に強いCBは揃えています。

 

では、浦和のCBの特徴を踏まえて金明輝監督はどう考えるのか?

 

個人的な意見は、豊田はスタメンで使わないと思います。

 

「ええええ~」。こんなに豊田豊田言っておいて使わないんかい!という感じですが、浦和のCBの特徴を考えればスタメンでは使わない感じがします。

 

前回対戦では豊田は怪我で欠場でした。

 

だから、金明輝監督としては浦和対策しやすくて金崎、趙、小野とスピード感のある選手を起用して浦和のCBと空中戦で競り合うのではなく、留めたり、釣りだしたりしてCBの頭上を越えるような背後狙いでロングパスを使ってきました。

 

ね! 浦和サポーターなら槙野たちがどっちが苦手かわかりますよね?

 

さらに、現在の鳥栖は当時より豊田の序列は高くなく、金森の加入で、金崎&金森のスピード感満載コンビで挑んでいます。

 

浦和の特徴、最近の序列を考えて、豊田はベンチに置いて浦和のCBの苦手なことをニヤニヤ二ヤと金明輝監督は仕込んでくると予想します。

 

では、豊田がベンチなら・・・

 

積極的にWBを縦スライドさせることを推奨します。

 

その代わり・・・

 

絶対絶対絶対、槙野~橋岡の4人が一糸乱れずにもう抱きつくぐらいの気持ちで鳥栖の前線の4人に自由を与えさせないことです。

 

そして、もしも三丸が前線で高い位置を取ったら、それはもうとりあえず捨てときます。

 

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あとは三丸まで素早く広げられたら、全力で橋岡たちがスライドすればいいんです。

 

まぁ、「全力で」とか「死ぬ気で」という言葉を使っちゃえば、豊田が出たときもこの対応をやればいいんですけど。。。

 

でも、鳥栖は浦和が食いついてくるなら金井から三丸のサイドチェンジではなくて、手前の高丘とか秀人を経由して三丸に届けることをしたいと思うので、やっぱり浦和は「全力で」頑張っても難しい選択肢を突き付けられる場面はたくさん起こると思います。

 

とりあえず、「どこかを抑えたら、どこかのスペースは空く」というのはサッカーの原則なので、その中で豊田がスタメンのときとスタメンでないときによって対策を変えて方がいいのでは?というテイにしておいて、いくつも対応策を持っておいた方がいいよ!ということを言及しました。

 

こういうことを考えたくないのであれば、早くから後ろに撤退してしまえばいいだけです。

 

ここまで、鳥栖がどのように1stプレスを越えさせようとしてくるのかを様々な視点から言及してみました。

 

~鳥栖が狙うラスト・前回のような失敗は許されない~

 

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前章で色々言及してみましたが、左SBの三丸が高い位置を取った5vs5がもっとも鳥栖がやってきそうなことだと思います。

 

その理由は………

 

クエンカを内側でプレーさせたら相手(浦和)に脅威を与えることができるからです。

 

そして、内側にポジションを取ったクエンカにパスを送るのが鳥栖の最終ラインの重要なミッションだと仮説を立てれば、浦和の2列目を広げる作業をすればライン間は開きます。上図で示したのは長澤を広げた作業です。長澤が原川の動きに引っ張られると容易にライン間は広がります。もしも、長澤が原川ではなくボールホルダーの秀人にプレスをかければ、秀人から原川に横パスしてしまえば、橋岡を三丸がピン留めできているので、原川は運ぶドリブルで大きく前進できます。前章で福田を降ろして数的優位を確保したのと同じ形ですね!

 

このような視点から見ても鳥栖は浦和のWBを留めることを重要視させるはずです。

 

そして、気持ちのいい状況でクエンカ、前線の選手に送ります(下図)

 

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最後の部分はセレッソ戦での盛大な2失点目の釣りだされ具合とか前回対戦でも同サイドで数的優位にもかかわらず抑える優先順位、被った動きで安に決められた先制点と明らかな単調なミスをチームとしてやってしまうと鳥栖は決めれるチームなので本当に些細なことに気をつけて欲しいですね。

 

 

左サイドでは、三丸、クエンカ、金崎(原川)の三角形の形成からフリーな選手の創出動かした相手の逆を突くこと原川や福田らの4人目の後ろからの飛び出しが非常に巧みに設計されています。

 

鳥栖はクロスからの得点が26%とチーム最多のパターンでもあるようにクロスで解決させたいチームです。

 

三丸は質の高いクロッサー、クエンカは1人では負えない選手、金崎や金森はJリーグトップクラスに相手をかく乱させる術を持ち合わせている、豊田はトップ中のトップの空中戦というように本当にクオリティ高いクロス、最後の局面を演出できます。

 

大槻監督がよく言う「思い切って足を振りましょう」ということを体現するのが金崎で、じゃあボックス内では時間とスペースを与えずに「足を振らせないようにしましょう」ということをしたいです。

 

金崎はサイドからの斜めのパスを受けるためにスペースを見つけて(主にボックス脇)、そこに届けてもらったときのシュートに持っていくまでの一連の所作は本当に天下一品です。

 

映像は全シーン金崎が収める、スペースに侵入してから生まれたチャンスシーンです。興梠とはまた違う味わい深さがありますね!鹿島時代より動きが機敏な感じがします。

 

 

次は、鳥栖の特徴的な再現性のあるプレー集です。巧さ、仕込まれ具合、効果抜群感。素晴らしいチームです。

 

 

こういうのを巧く対応するのは個人技術だったりするので、槙野や岩波になんとか依存して踏ん張ってもらうしかないですね。

 

・鳥栖のカウンター

 

低い位置での守備でボール奪取してからのポジティブトランジションもスムーズなシーンを作り出すことが多く、前向きに直線的に急ぐというより、

 

(ピンク矢印が鳥栖の傾向)

 

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白矢印なカウンターは、大袈裟に言えば前線2人だけでもできるものです。しかし、ピンク矢印は後ろからの押し上げ、幅を取れる用意がないとできない点で3~4人は関わっていないと実現できないと思います。その点で、「さぁ!カウンターだ!」となったときのみんなで攻めるぞ感とかここは頑張りどころ感みたいなものを感じました。ボックス内に豊田が走りこんでいるなら上のボール、金崎や金森ならスペースに流し込む下のボールということも見極めてラストボールを分けながらラストパスできているようでした。

 

確かに前回対戦でも2、3回鋭いカウンターを見せつけられましたもんね。

浦和はカウンターを受けそうなときに過度にボールウォッチャーになったり、なんとなくボールホルダーの選手に吸い寄せられて最後に大外の選手が余っていることが他のチームより多め?なので、「ゴールは中央にある」と当たり前のサッカーの原理ですが、優先順位は中央とアンテナを張りながらボールホルダーに行く人、金崎にマークする人、金森にマークする人、大外から走ってくる人は自分が捕まえるよ!と瞬時に最適なものをチームとして導き出して欲しいと思います。まぁ、そういうことは練習しか補えないので試合前日に言及しても意味ないですね。日頃の行いです、本当に。

振り回し方とか、相手の逆を突いてく感覚とか、いかにも浦和の苦手分野という感じです。あとはガンバ戦のように盛大に外し続ける金崎が再来してくれるとか、最後の最後の踏ん張りでなんとか・・・を信じます。

 

~鳥栖のキックオフ・浦和か見て右側から~

 

前節のガンバ戦で鳥栖はキックオフから15秒ほどで東口がビッグセーブしなければ先制できていた明確な決定機を作り出していました。

 

鳥栖のキックオフはいつだって相手(浦和)から見て右側です。

 

先ずはそこに放り込んできます。

 

7月中の浦和は相手チームのキックオフに連続している苦しんだ試合がありましたね。

 

些細なことですが、序盤に決められると本当に苦しくなっちゃうので、一応心配に心配を重ねて言及しておきました。

 

 

〜ゴールキックはデザインされている〜

 

鳥栖のゴールキックはデザインされています。
なので、相手チームのデザインされたゴールキックにも対策ができています。浦和が失態を犯したセレッソ相手にちゃんと鳥栖は対策していました。

 

プレビューでは言及しないです。多分、レビューで言及することになると思うので。

 

〜コーナーキック〜

 

コーナーキックは恐らくキッカーが両手を挙げたらニアサイド、片手を挙げたらそれ以外(中央、ファーサイド)という感じに明確に使い分けているように見えました。

 

原川、安、安在と左右キッカーを揃えています。

 

ボックス内でどういう外し方をしてどう合わせていくかとかは1番重要ですけど今回言及しないです。

 

観戦ポイントとしては、
両手を挙げたらニアサイドです。

 

サインが変わってたらごめんなさい。

 

被コーナーキックは、ほぼ純粋なマンマークです。

 

セットプレーから5得点、6失点と平均的な記録ですかね。前回対戦して以降に失点数は増えたようです。

 

〜ロティーナ監督絶賛の鳥栖の武器が炸裂!?〜

 

鳥栖目線での問題点は、時間帯、結果によって後ろのスペースを消すために早めに撤退することをやってしまうのかについてです。

 

毎回読んで頂いている方は「またかよ!」という感じですが、浦和を倒すなら「前に前に!」が1番です。Honda FCも見事に下がらずにミスを浦和に連発させましたからね。

 

名古屋戦は0-2から後半に2-2に追いつけたけど、神戸戦は0-3から1点も返せなかったことも「前に!前に!」が影響していると思います。

 

「前に前に!」がいいと思う理由を簡潔に伝えると…

 

「浦和がそれに対して外す術をほとんど持ってない」からです。

 

前回対戦の埼スタで鳥栖は基本的にラインを下げず、西川にもプレスをかける攻撃的プレッシングでスタートさせていました。

 

しかし、先制点を挙げてから2FWを浦和のボランチまで下げてしまいました。なので、浦和の3CBは比較的自由に持つことができて槙野がロングシュート打てたり、攻め込むことができて15分後ぐらいには浦和が宇賀神のゴールで同点に追いついています。

 

この件に関して、金明輝監督は
得点したあとに、チームとして準備していたことを放棄した。自分たちが臆病になってラインがズルズル下がる、ボールに行けない、それは勝っていないチームにありがちなプレーで、修正していくべきところ。同点になってからエンジンがかかって、相手の思いどおりのプレーをさせなかった反面、危ないシーンもあった。そこは当然反省しなければならない。決めるべきシーンもあった。両方のゴール前でのクオリティーで差が出たのかなと思います。」とコメントしています。

 

なので、前回対戦の先制後の対応はやっぱり悪手であることを理解していて、今回はホームということで、守備から回るということは絶対したくないはずです。

 

鳥栖に4失点後のロティーナ監督が「鳥栖の前線からのプレスが良かったからパスを繋ぐことができなかった」と浦和にもその一言を言わせたかった極上の賛辞を送るほど鳥栖の前線からの「前に!前に!」はしっかりと仕込まれています。

 

さらに直近のリーグ戦のガンバ戦でも4-2-4で挑戦的に「前に!前に!」のプレスをかけていました。

 

その理由を金明輝監督は「ガンバさんは前からプレスを掛けて長いボールを蹴らせておけばリズムが出ないので、それを狙った。」とコメントしています。

 

色々な試合を参考にしながら踏まえると、浦和の最終ラインに対してどう対応していけば的確なプランを打ち出せるはずです。

 

さぁ、浦和さんは、大槻監督はどうするのでしょうか?

 

ということで、
浦和ボール保持vs鳥栖非ボール保持」に話題を移したいと思います。

 

基本的に4-4-2なので、セレッソと同じイメージを持つことは本当はダメなんですけど、私たちは観戦者なので同じイメージで大丈夫です。

 

で、セレッソ戦のレビューで言及した「浦和ができなかった」ことを鳥栖戦では少しでもやって欲しいと思います。

 

読んでない方の為に簡潔にまとめると……

 

パスのタイミング、身体の向き、受けるタイミング、相手を見ること、受け手と相手の位置関係を意識して欲しいということです。

 

特に岩波→関根の関係性に対して個人的な意見をかなり述べましたが、やっぱり神戸とか鳥栖とかをそういう視点で改めて見てみると、当たり前のようにしていますし、「あ〜。自分の意見も間違ってないんだなぁ」と確証させてくれることを当たり前のようにできています。

 

別に浦和に同じことをして欲しい訳ではないのですが、「どっちが効果的でゴールの確率を上げてくれますか?」と言われたら、間違いなく浦和(岩波→関根の関係性)ではないです。

 

だから、セレッソ戦のレビューで言及したことをとりあえず少しでもできるようになってから、ようやく議論の場で着席して色々話せると思うので、鳥栖戦のレビューがそういうことが言えるようなプレーを見せて欲しいです。

 

鳥栖の非ボール保持時の特徴は、豊田がスタメンならいよいよ浦和はボール保持には苦しむだろうなと思います。豊田のプレスのコースの切り方、限定の仕方、詰め方はお世辞抜きにリヴァプールのフィルミーノに値するほど素晴らしいので、この視点だけにフォーカスすれば、金明輝監督は豊田をスタメンに使いたいはずです。

 

2トップなので中央からはやらせたくないように対応するところから始めます。

 

特徴的なのは次です。

 

つまり、浦和のHV(左右CB)がボールを受けたときに鳥栖のSHはWBへのパスコースを消すような対応をします。これは、前回対戦でもそうですし、他の試合でもそうしていることが多かったです。

 

SHが外側を消すということは、浦和のシャドーが空きやすくなります。前回は槙野→武藤とパスが入ったり、ナバウトの立ち位置さえ良ければというシーンはありました。鳥栖的には当然シャドーにパスを通されたくないので、ボランチかSBがシャドーにすぐ対応させます。

 

単にSBがWBにパスが出たらすぐにプレスができるようにする、SHが内側に絞って背中でシャドーを消すチームが多いだけで、鳥栖もやっていることは同じです。1つ違うのは、HV(左右CB)にとってシャドーが見えているか見えていないかです。

 

図1

 

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HVにシャドーに勇気があるか、一瞬でも一歩でも時間とスペースを作り出せるタイミングで状態で受けられるか。

 

図2

 

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クエンカが長澤を消すならば、長澤が2、3歩前に上がって三丸に影響を与えて橋岡に時間とスペースを作ってあげる。

 

図3

 

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クエンカが長澤を消して三丸も先に動いて橋岡を消すなら長澤に背後に送ってしまえばいい。秀人がスライドするなら、興梠に送ってしまえばいい。

 

いつもいつも言及していますが、図3に関してはオリヴェイラ体制ではできていたこともありましたが、大槻体制ではあんまり見られないので。ここはセレッソ戦のレビューで言及しましたね!

 

SHがWBを消してボランチがスライドして、もう片方のボランチもスライドして・・・というように4-4きれいに中央にコンパクト重視で守るチームに比べて反対サイドをより捨てていることになっていると思います。なので、同サイドがダメなら、反対サイドに時間とスペースはより与えられていると思います。実際、前回対戦では後半になってからマウリシオや青木から宇賀神に何回も斜めのサイドチェンジが通すことができていたので、いつも以上に狙うことは大切だと思います。でも、サイドチェンジといっても、関根と橋岡ではキャラクターが違うので、事前の周りの関わり方から作り方は変えてあげないと思います。

 

鳥栖は4-4きれいに中央にコンパクト重視で対応している試合もあるので、必ずしもここまで言及してきた前回対戦と同じ対応をしてくるかは分かりませんが「鵜呑みにせずに参考程度に」覚えて試合を観て頂ければ嬉しいです!

 

~鳥栖の失点パターン~

 

鳥栖の最近の失点傾向を見ると押し込まれたときに
「外側で、SHとSBの中間ポジションで」フリーな選手を作られてそこからの斜めのクロス、スルーパスでゴールというのがとても多かったです。

 

 

映像で見て頂いた通り、そういう失点が多いです。なので、浦和も他のチームの波に乗りましょう。

 

外側でフリーな選手を作るには、、、もうこれまで沢山言及してしていますし、浦和はWBを採用しているシステムです。

 

特に橋岡が起用されたら、できるだけ時間とスペースをみんなで作ってあげないといけないんです。できます。絶対できるよ・・・。ボックス内に興梠がいるので、そこの部分だけちゃんとしてあげるだけで絶対得点の確率は上がります。関根も山中も宇賀神も同様です。

 

浦和が鳥栖戦で見事な得点を生むなら、そういうゴールだといいな!

 

〜オープンな展開は……?〜

 

最近の浦和の得点パターンはオープンな時間帯、展開の時が多くです。

 

オープンな展開での得点を否定することは全くありません。今の2〜3倍多くオープンな展開から得点できれば勝っているはずなので。

 

でも、オープンな展開ではなくコンパクトに戦いたいと大槻監督から求められていると選手のコメントで言う割に得点パターンがそんな感じなので、

 

「僕たちはオープンな展開を作り出してその差し引きで勝つこともあれば負けることもあります」と宣言するような展開を作ればいいんじゃない?と思うときもあったりします。

 

セレッソは絶対的に秩序を打ち立てたいチームにもかかわらず、浦和の誘いに乗ってしまい同点に追いつかれました。オープンな展開の差し引きで殴り勝とうとすることは求めてないです。

 

じゃあ、今回の鳥栖はどうなの?ということです。

 

前回対戦はとてもオープンな展開になりました。
両チームとも決めてもおかしくない決定機を外して最後の最後にマルちゃんから興梠が決めて浦和が勝ちましたね!

 

セレッソがその誘いに乗ってしまったように、求めてなくてもオープンな展開になってしまうことはあると思います。

 

その中で鳥栖は「オープンな展開で殴り合いになっても準備できているよ?」というスタンスに見えました。前述したカウンターもそうですが、カウンター合戦の差し引きで殴り勝とうとする要素を蓄えられているチームだと思います。

 

オープンな展開になったら、最後は個人技術というか個人の質の違いがより見えるので、ちょっと色々難しい今の浦和には是非と推奨しているのですが、鳥栖もセレッソとは違い臨戦態勢が整っているように見えるので、今回も試合結果によっては後半中盤ぐらいからそういう展開になるのかなと予想しています。

 

その差し引きで勝負を決する展開になったりしたら、第三者は面白いでしょうね。こっちはヒヤヒヤでたまりませんけども。

 

後半中盤からどのように展開が推移していくかは、この試合の注目ポイントです。

 

〜ピッチ上のことを変えられるのは大槻監督〜

 

11戦?勝てない現状を色々な視点で議論されることは自然であり、重要なことだと思います。

 

Honda FC戦のハーフタイムにツイートしましたが、できないことをやらなくてもよくて、あの試合なら興梠じゃなくて杉本だよ!ということをもっと簡潔にやってあげれば良かったと思います。

 

ということで、飛行機に乗れないなら、新幹線に乗ればいいように、できないならできないなりに他の手段があるのがサッカーなので、上積めてないなら上積めてないなりに大槻監督(コーチ陣を含め総称)が変えてあげないと鳥栖のような優秀なチームには勝てないと思います。

 

最後に信じるのは「自分たちのサッカー」とか言いますけど、セレッソ戦、Honda FC戦と土壇場でリードを許してから浦和がどのようにアクションを起こしたかというと、放り込み、中央中央な放り込み。

 

人間追い込まれたときに本性が出ると言うならば、
追い込まれる前から本性出しちゃえばいいじゃん!
でも、本性がそれでいいの?というのが今の浦和だと思います。

 

少し荒々しい表現になりましたが、残念な敗戦のあとにあのセレッソに4得点を奪って勝った鳥栖の試合を見て平常心でいられるほど冷静な人間ではないので、ちょっと感情的に書きました。

 

•まとめ

 

なぜ、今回かつてないほどに前回対戦を参考にしたかを考えると、前回対戦も大槻監督が指揮をしていたからのようです。リーグ戦では鳥栖が大槻監督になってはじめての2巡目のようです。無意識でした。

 

だから、今後の大分戦とかはまたこんな感じになると思います。

 

図で表記した選手は当然変わるかもしれません。
そのキャラクターに合わせて作りかたに変えてくるかもしれません。特に鳥栖はそうです。SBの人選、松岡を起用させるとかでまた違うので、今回言及したことは1つの指針として受け取って欲しいです。

 

鳥栖戦で勝てる対策教えて下さいと複数人の方からメッセージ頂きましたけど、私はそれを導けるほどサッカーのこと知らないですし学べてないですし、日頃の練習、非公開練習で何をやっているのかを見ていない人間です。つまり、5%ぐらいしか判断材料がないので、万が一対策を考えても超マヌケなものだと思います。

 

今コンテンツはあくまで、浦和レッズを観戦する方にピッチ上で何が起こっているのかを「面白く、分かりやすく、丁寧に」提供したいだけなので、現代の溢れすぎている情報の一端として密かに活用して頂ければ作った甲斐があります。

 

今回も読んで頂きありがとうございました。

 

 

浦ビュー

初めて浦和レッズを見た方にも読みやすく分かりやすい内容にしつつ、長く浦和レッズを応援して頂いてる方にも満足して頂ける内容を目標に2019年より浦和レッズの公式戦のプレビューとレビューをTwitter上でスタート。
Twitter:@ura_view17

 

コメント

  1. 1 匿名の浦和サポ(IP:49.98.135.247 )

    つまりまた負けるということですね

    このコメントに返信

    2019年09月27日 17:27

  2. 2 匿名の浦和サポ(IP:60.142.22.100 )

    オープンな展開ならマルティノスがいるじゃないですか!!!やはりマルティノスが活躍するしかない。

    このコメントに返信

    2019年09月27日 17:34

  3. 4 匿名の浦和サポ(IP:60.142.22.100 )

    今思えばオリベイラは現実的に勝ち点取るために後半からナバウトやマルティノスとか汰木出してたからな。ACLもなんだかんだ勝ち上がったしあのサッカーするしか勝ち点は取れないということを気づいてたんだな。経験値がやっぱり違うね。

    このコメントに返信

    2019年09月27日 17:50

  4. 5 指定席住人(IP:49.98.149.94 )

    金崎夢生、豊田陽平、クエンカ
    勝つ❗

    このコメントに返信

    2019年09月27日 18:04

  5. 6 指定席住人(IP:49.98.149.94 )

    金崎夢生、豊田陽平、クエンカ、小野、金森
    うちが勝ち点3頂く❗

    このコメントに返信

    2019年09月27日 18:09

  6. 7 匿名の浦和サポ(IP:126.72.115.41 )

    実は浦ビューが的確すぎて相手スカウトに参考にされてるから今期勝てないとかないよね。。

    このコメントに返信

    2019年09月27日 18:45

  7. 9 匿名の浦和サポ(IP:219.113.106.73 )

    要するに、しんどいってことね?
    でも、諦めるのは別問題。
    ガンガン攻撃的にいくべし!

    このコメントに返信

    2019年09月27日 20:21

  8. 10 匿名の浦和サポ(IP:202.215.165.133 )

    ここで夢生か
    やだなーアイツきらい
    ゴリゴリくんだろうな

    このコメントに返信

    2019年09月27日 23:03

  9. 11 匿名の浦和サポ(IP:27.94.49.152 )

    弱点つかれそう。カナムーはガツガツくるだろうし、やられるだろうね。明日は仕事します

    このコメントに返信

    2019年09月28日 00:10

  10. 12 匿名の浦和サポ(IP:133.218.12.226 )

    いまさら分析しても仕方がない。勝つという気持ちが第一。

    このコメントに返信

    2019年09月28日 04:18

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