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浦議ニュース12/05   9:55 AM

『「中の上」で終わったリーグ戦 上げられなかった普通のクオリティー』Jリーグ浦和vs横浜FM【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼あらためて、浦和の戦績を確認する
浦和レッズは2日の横浜F・マリノス戦に0-1で敗れ、7位で今季のリーグ戦を終えることになった。シーズンを通してみれば、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制してアジア王者のタイトルを獲得したことは、様々なマイナス面を補うほどのインパクトを与えたかもしれない。しかし、チームにとって根幹になるのが年間を通したリーグ戦であるのは事実であり、昨季に年間で最も多くの勝ち点を取ったチームによるこの結果は、決して今シーズンが上手くいったと言えるものでないことを示している。

試合後に矢島慎也は「下位チームにはしっかり勝ったと思うんです。それはポジティブなことだけど、中位や上位のチームに対して、良い試合をしながらもうちょっとのところで競り負けてばかりだった。悪い試合をしたとしても、セットプレー一発で勝ってしまうような強さを身につけないといけない」と話した。戦績表を見ても、その印象はあまりにも正しいものであることが分かる。リーグ戦が終了した今、確認の意味でその中身を見てみたい。

18チームのJ1リーグを、6チームずつ上位、中位、下位と分けた時に、浦和は中位の中で最も上の順位という見方ができる。そこで、それぞれのグループに対してどのような結果だったのかを見れば、今季の順位があまりにも妥当であることが見えてくる。

上位チームとは12試合を行っているが、1勝1分10敗の勝ち点4という散々な結果と言うしかない結果が残った。そのうち、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指揮下で1勝6敗、堀孝史監督の指揮下で1分4敗であるから、必ずしもどちらの監督の問題であるとも言い切れない。シンプルに、今季のチームは上位に入るには値しなかったというだけの結果が残っている。

先に下位チームとの戦績を確認すると、12試合で9勝2分け1敗だった。大宮アルディージャに対する1分1敗という成績が非常に勿体ないが、勝ち点29を稼ぎ出したと考えれば悪くないどころか合格点の成績だ。実は、このゾーンから得た勝ち点だけを比較すれば、浦和を上回るのは鹿島アントラーズの勝ち点31だけだ。これは、本来リーグ戦を勝ち抜くためには非常に重要な要素になっておかしくない。過去の浦和を見れば、むしろこういった順位からの取りこぼしが最終的に影響を与えてきたシーズンがあったのだから、今季の戦いの中でポジティブに評価できるのは、この勝てる相手にしっかりと勝利したという部分だ。

中位チームとの10試合では、4勝4分2敗で勝ち点16だった。優勝争いをするためには基本的に試合数の2倍くらいの勝ち点が必要になるから、その8割程度しか取れていない。中位チームを完全に凌駕するだけの強さはないが、その中では上の方にいる。まさに「中の上」という言葉がピッタリくるものだった。

▼良くも悪くもない試合でどれだけ勝てるか
今季は、ACLではあれだけのゲームができるのに、リーグ戦では・・・。という、見方をされて仕方のないシーズンだった。その原因を求めるとするならば、「普通のクオリティー」を上げられなかったことにあるのではないだろうか。

決勝トーナメントに入ってからのACL、特に全てが第2戦をホームで戦うという抽選結果を得たことで、勝利条件がハッキリしてそれに向かって全力で尽くす姿を多くのサポーターに見せてきた。こうしたゲームは少し特別であり、むしろ昨季までは苦手にしていた印象すらある。しかし、スタジアムの空気も相まって持てる力の100%に近いものが発揮できる試合が続いた。そうした状況で、浦和は間違いなく強いチームであると言えた。

問題は、そうした強烈な外圧のない試合だ。ある程度、どのような仕事にも共通するのではないかと思うが、直面するすべての事柄に対して全力でぶつかり、それが発揮できるというのは理想であり、幻想でもあるだろう。手を抜くわけではないが、恐ろしく力が入るわけでもない。そんな「普通」の状態において、今季の浦和は高いレベルを出せなかった。言い方は悪いが、アベレージが低くて一発のあるチームという言い方もできるかもしれない。ACLにその一発を並べて勝ち抜いたのは評価されるべきだが、リーグ戦はアベレージがものを言う。過去数年とは、少し逆の傾向のチームになっていた。

来季に向け、淵田敬三代表は「2019年のACLにJリーグ王者として参戦する」という宣言をした。補強などの動向はこれからになるものの、リーグ戦で優勝し得る陣容が整えられると仮定した上で、実現するためには、「普通」の試合のクオリティーが高いことが絶対に必要だ。そのためには、困った時の武器と言えるものや、大崩れしないための戦術的な共有なども必要になる。それを堀監督はシーズンオフと来季のキャンプの間に構築していかなくてはいけないだろう。

最終戦のマリノス戦、その一つ前の川崎フロンターレ戦も、ものすごく良い試合ではなかったが、悪い試合でもなかった。この「普通」の2試合で連敗したことが、今季のチームを象徴していると言えるのではないだろうか。


※関連リンク

自分を生かす方法を痛感した矢島慎也 積極プレーの理由は深い【轡田哲朗レッズレビュー/明治安田生命Jリーグ第34節横浜戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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