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浦議ニュース12/15   8:15 PM

『シーズン最終戦を勝利 現状の課題が素直に出たクラブワールドカップ』CWCウィダード・カサブランカvs浦和【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼柏木や興梠が話した攻撃面での不足感
浦和レッズは、クラブワールドカップの5位決定戦でウィダード・カサブランカ(モロッコ)に3-2で勝利して、大会を5位で終えた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)と制したアジア王者として臨んだ大会の最終戦で、相手がスタメンを8人入れ替え、進行中である国内リーグ戦のことも考えたメンバーで臨んだとはいえ、「勝って笑顔で終わりたい」という願いを達成できたことは、素直に良かったことだと捉えて良いはずだ。

初戦で出場なしに終わり、この試合ではフル出場した長澤和輝が「ここまでACLから来て、どうしても勝ちたかったですけど、非常に残念な負けになってしまって、そこから最後は勝てましたけど、大会を通してみれば僕としてはとても悔しい大会だった」と話したように、"終わり良ければ総て良し"と言えるものでなかったのは現実だろう。

このカサブランカ戦では、センターバックのマウリシオが流れの中からゴールを決めたように、センターバックがボールを持ち運んで侵入していく場面が増えた。それにより、柏木陽介と長澤が過度にビルドアップに参加して前線を孤立させることなくゲームを運ぶことができた。初戦のアルジャジーラ(UAE)よりも、前から奪いにいく姿勢を見せていたカサブランカに対して、より少ない人数でもそのプレスを外すことができていたのは、最後の最後にチームが少し向上できた部分を示した。

柏木もまた、そうした部分に手応えはあるのだという。

「来季へのヒントがある終わり方なのは良かったことだと思う。相手も初戦より強かったと思うし、お互いに良いゲームをして勝てたので非常に良かったと思う。セットプレーも崩しも、良いものがあった。

今日は攻撃した時の人数を掛けようと。今までは3人だけ、2人だけになっていたから。俺と和輝は引くけど、どっちかは前に残る、センターバックに運ばせるとやったから、より前の距離感が良くなったし、(自分と長澤が)前に入ることも増えた。ミシャがやっていた時のように、中に3人とサイドがいるというのが大事だと思う。今日はそれに近かったし、それがコンビネーションを出しやすいと思う」

興梠慎三も同様に、この試合だけでなくシーズンを振り返って「喜びとしてはACL優勝が一番で、悔しさはミシャの解任が一番。ミシャがやっていたサッカーは非常に楽しかったし、攻撃に関してはミシャとやっていたような攻撃を出せればもっとレベルアップできるのかな」と、攻撃を再構築することが来季への課題になると話していた。

▼パチューカのトレーニングを見て感じたこと
ミシャの愛称で呼ばれたミハイロ・ペトロヴィッチ監督から堀孝史監督にスイッチし、システムも4バックになった。守備の整理と役割の徹底をしたことで、ポゼッションを取られるゲームを耐えきることができるようになり、ACLでの勝利を収めてきた。一方で、初戦のアルジャジーラ戦やリーグ戦のラスト2試合のように、ポゼッションできるゲームでは結果が出ていない。このカサブランカ戦のようにオープンに良さを出し合うゲームでは、良い試合をすることができる。現状の良さと課題が、大会の中でそのまま出る形になった。

長澤が「自分たちがボールを保持するチャンスがある相手に対して、少し主導権を握る試合が増えても良いかなとは思っていました」と話し、矢島慎也も「年間を通してみれば、自分たちがボールを保持する試合は絶対に必要」と話すように、そうしたゲームでのクオリティーを上げることは絶対に必要なことだ。武藤雄樹が「ポジションを動かさなければカウンターを食らうようなことはないけど、今度はボールを持って崩しにいくのは難しくなる」ということを話したように、戦力の編成と共にそのバランスを作り上げていくのが来季キャンプへ向けて取り組むべきことなのだろう。

そうした中で、今大会は各大陸のチームが集まっているだけに、いくつかのチームのトレーニングを見ることもできた。その中で、本田圭佑が所属しているパチューカ(メキシコ)は、ワンタッチしばりで中に2人、外に6人から7人でボールを回すという浦和と同じメニューをやっていた。そこで大きく違いを感じたのはスピード感だ。浦和のボール回しも、日本の他のチームと比べれば速くてうまいと思えるものだが、パチューカのものはそれ以上だった。ショートパスとは思えないスピードでボールを動かすし、偶然に外に飛んできたボールをトラップした時も、ボールの重さに驚いた。足先だけでやっているように見えて、全くそうではないのだ。

浦和のものと違って楽しそうにやっているという空気はあまりなかったし、外からコーチが「もっと速くだ!もっと!」とガンガンに煽る。トレーニングの1つを取っても、まだまだ改善できることや意識を変えることができるだろうし、こうした基本的な技術の向上はシステムのことや戦術の部分をどうするかということよりも、重要な要素になるのかもしれないと感じた部分もある。

いずれにせよ、今季の浦和が10年ぶりにACLという年間を通して遠征をしながら戦っていくビッグタイトルを獲得したことは大きな成果だ。だが、次がまた10年ぶりではきっと意味がない。どこか不完全燃焼の感じを否めないままシーズンを終えることになった世界大会だったが、肉体的にも精神的にも負荷の大きかったシーズンを戦い終えた選手たちには、シーズンオフでその疲れをしっかりと癒してほしい。


※関連リンク

「来年も、その先も」 決意の2ゴールを決めたマウリシオが見すえるもの【轡田哲朗レッズレビュー/FIFAクラブワールドカップ5位決定戦カサブランカ戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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