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浦議ニュース12/11   9:28 AM

『想像以上に厳しい異国での戦い 自分たちから難しい選択をしたゲームに』CWCアルジャジーラvs浦和【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼日本の初夏や残暑の季節のような気候
浦和レッズは、クラブワールドカップの初戦で開催国代表アルジャジーラ(UAE)に0-1で敗れた。異国の地で開催されるクラブワールドカップにJリーグチームが出場するのは初めてのことで、先駆者としての期待も背負った一戦でもあったが、それに結果で応えることはできなかった。

この大会は、いわゆるセントラル方式というもので、ある開催地に出場チームを集めて一気に試合を行ってしまうものだ。25年くらい前までは、ワールドカップのアジア予選はこの形式であったし、今も世代別代表のアジア予選やワールドカップ本大会はその形式だ。ただ、シーズンの最終盤、疲労もたまっているところで、気候も違う場所でクラブレベルでの"合宿大会"に臨むというのは、想像以上に厳しいことなのだと痛感する。

なぜなら、選手たちの動きがどうしても重く見えたからだ。試合時点の気温22度で湿度60パーセントという環境は、想像以上に応えていた。南半球からやってくるチームにとってはちょうどいい環境なのかもしれないが、日本から見れば20度近くも気温が高く、意外と湿度もある。

私自身もアブダビに試合前日から滞在しているが、日中は日差しを含めて日本でいう5月や9月末くらいの暑さを感じるし、気が付けば飲み切った水のペットボトルが大量に身の回りにある状態になった。2日のリーグ戦を終えて試合までに現地で4日間ほどの期間があったにしても、最高のコンディションに持っていくことはあまりにも難しかったのだろう。

▼運動量が必要な戦術は状況に適していたか
だから、負けても仕方がない、ということではない。そうした状況の中で、相手よりも細かい動きを含めた運動量を出さないことには崩し切るのが難しい、ポゼッションして崩しにいく戦術を採用したことはどうだったのかという側面もある。アルジャジーラとオークランド・シティ(ニュージーランド)の試合を見た時に、ボールを制圧して試合を進めていたオークランドが勝ち上がってくれた方が戦いやすいだろうと感じた。しかし、アルジャジーラが勝利したことで、恐らく浦和がボールを持つ試合になることが予想できた。そして、多くの人はこのような不安を感じたはずだ。

「今の浦和が、ボールを持たされても崩し切って得点する試合ができるのか」

果たして、その不安は的中する形になってしまった。柏木陽介は「結局ボールは持てているけど、チャンスは作れないという、Jリーグの最終節、その前の試合みたいな感じになってしまっているという現状があったのかな。いや、それに比べたらチャンスがあった方だと思うけど、その中で決め切れない。見ている人は内容的には、ウチら良かったんじゃないかと思う人も、負けたけど良かったんじゃないかと言う人もいるかもしれないけど、やっている本人としたら、それだけのレベルだったよと。その相手に負けたという、そういうところしか僕の中ではないので。情けない」と、無念の思いを口にした。

サッカーという競技が、人間が11人ずつでカバーするにはちょっと広い場所で行われるものである以上、スペースという概念がある。そうなると、例えば数的同数の局面で言えば、5対5よりも2対2の方が攻めやすいことが多い。ボールを持ってゲームを運ぼうとするなら、多くの回数を得られる反面で1回1回は難しいという攻撃を何回か成功させて、少ない回数で済むものの守りにくい守備も成功させなければいけない。

柏木は、堀監督になってからトレーニングに割く時間の割合、強調する部分の変化についても「最終的にどう崩すかというところのイマジネーションというのは、今のところ足りてないかなというところはあって。練習の中で、そこまでコンビネーションをするという練習が、時間的にもね、堀さんになってからなかったというのがあるから、そこは難しいんだけど」と言及した。今の浦和は、その難しい攻撃を成功させるクオリティーに不安を抱えていた。その上で、中東の気候、シーズン終盤の疲労といった要素も加味すると、自ら難しい方向に飛び込んでいってしまった面が否定できないだろう。

▼泣いても笑っても、次が今季のラストゲーム
この日の試合は週末に行われただけに、約300人のサポーターが駆けつけた。金曜日の午後を休みにして12時間のフライトを経てスタジアムを訪れ、月曜日には仕事に戻るという人も少なくない。ドバイ経由で当日入りした人もいる。西川周作は、そうしたサポーターに申し訳ないという思いを吐露していた。

「自分たちとしては今年最後の大会で、たくさんの方がやっぱり足を運んでくれて。時間とお金を使って自分たちにパワーを費やしてくれて、もちろんサポーターの方ももう一つ上のステージ、レアル・マドリードとやるというところを目指して応援してくれていたと思うので。サポーターの方に本当に申し訳ないですし、ブーイングされても当たり前の結果かなと思います」

サッカーのチームは、どうしてもシーズンが終われば概ね20パーセントほどの選手が入れ替わることになる。このメンバーで戦えるのは、本当に次の5位決定戦が最後だ。現状を受け入れて、割り切った勝利を掴みにいくのか、それともトライしていることに準じて茨の道を歩むのか。いずれにしても、最後は選手たちの充実した表情を見届けてシーズンを終わりたい。


※関連リンク

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轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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