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浦議ニュース03/13  09:04

『「内容は良かった」となりかねなかった試合展開 宇賀神が語ったチームの成熟と柔軟性』Jリーグ浦和vs甲府【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼相手2トップの横から侵入するもチャンスを決められず
ヴァンフォーレ甲府戦の前半は、恐らく多くの方が危惧していた展開だったのではないだろうか。「内容は良かったが・・・」というミハイロ・ペトロヴィッチ監督の試合後会見が想像できるようなスコアレスでの折り返しだったからだ。

浦和レッズにとっての直近2試合、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のFCソウル戦と、リーグのセレッソ大阪戦は、前半の内容良く攻撃を仕掛けている時間帯に、それをゴールに反映することができた。しかし、この日は手元のメモで前半18分までの段階で4回に渡ってゴールになってもおかしくない形を作り出しながら、スコアが動かせなかった。

その状況に、宇賀神友弥はピッチ内で選手同士が声を掛け合っていたのだと話した。

「この甲府戦はカウンター一発で0-1というのを一番警戒していたので、攻めながらも決まらない中でリスクマネージメントはしっかりしようと。動かしてから勝負のパスというのを焦れずにやろうという声掛けがありましたね」

このゲームで前半から繰り返していたのは、青木拓矢と阿部勇樹が遠藤航の両脇に降りて、3人で相手2トップの横から敵陣に侵入していくことだった。これは、甲府戦に向けたトレーニングでもペトロヴィッチ監督が「スペースができたらドリブルで侵入して数的優位を作れ」という指導で意識を強くしていたことからも、よりこのゲームで強調された部分だ。

甲府は5-3-2システムで守備を作ったが、2トップのうちウイルソンは守備時の働き方が気まぐれだったため、前半は比較的そのサイド、浦和の右サイドからビルドアップが成功することが多かった。

右ボランチの青木は「相手2トップの横からという狙いは試合前からありましたね。もう少し自分がスムーズに動かせたら良かったと思いますし、自分がそうだと周りもそうなってしまうので。もう少しドリブルで持ち運んで、相手を引き出して裏というのが監督の狙いでもあったと思うんですが」と、狙いを実現できた部分がある反面、やりきれない部分も少なからずあったと話している。

▼相手の布陣変更に合わせて浦和の攻撃も変化
その一方で、後半に入ると甲府の吉田達磨監督が3ボランチのうち田中佑昌と小椋祥平のサイドを入れ替え、ウイルソンの後ろに守備で強さを見せる小椋を配置するという修正を行った。そのため、後半はより前に食いつく守備をする田中のいるサイド、浦和の左サイドからのビルドアップが増えた。

着目すべきは、かなりシステマチックに守備組織を作ってくる相手に対して、相手選手の特性などから生まれやすい穴を試合の中で発見できていることだろう。宇賀神は、そうした相手の交代策を踏まえ、攻撃の矛先を変えられたことをチームの成熟という観点から話している。

「前半は3ボランチの右(浦和の左サイド)に小椋選手がいたんですけど、後半は槙野が田中選手の死角に入るようなポジションを取って、そこで相手が下がるなら阿部さんが長いドリブルで入り込むというプレーも出せたと思います。そうやっていけるのは6年間やって成熟してきているところだと思いますね。相手が5バックと3ボランチでボールを入れさせたくないという姿勢でしたけど、左サイドで時間を作って関根のサイドに持っていくこともできたと思います」

確かに6年目を迎えている現体制なので、バリエーションが増えていなければ大問題だ。しかし、大事なのは増えた選択肢の中から相手や試合の状況に応じて適切なプレーを選んで実行していくことだ。その部分に問題が少なからずあったのがここ数年の実情であったようにも思うが、こうして「自分たちのやりたいこと」、「相手の状況」、「点差などの試合状況」を総合的に踏まえ、柔軟性があり効率的なプレーをできる割合が増していけば、勝利をものにできる可能性は高まっていくはずだ。

▼セットプレーは修正を試みるも、選手交代のタイミングで失点
その一方で、宇賀神が「2-0になって少し油断が出たのが反省点ですし、ここまでリーグ無失点がないので、こういう試合で失点したくなかったです」と振り返ったように、1失点を喫する形になった。その場面は槙野智章に代えて駒井善成を投入し、阿部勇樹が最終ラインに降りる形にした直後だった。自陣で相手スローインの場面での交代になり、それも交代したサイドでの選手交代があった場面だっただけに混乱もあった。

マイボール時や、相手ボールでも敵陣深くの際に交代するのが、最もリスクは少ない。しかし、コーナーキックなどに加えて自陣でのスローインまで交代を見送っていれば、タイミングが無くなってしまう。そこはより注意深くプレーすべきだったということになる。

ただし、2試合失点が続いたコーナーキックに関しては、西川周作がストーンに入る青木の立ち位置を、実際に青木の体を手で動かして調整していたように、修正は見られた。数多くのセットプレーを与えたわけではなく、危険なボールを何度も跳ね返したわけではないが、その意図が見えていることは記しておきたい。

今後は中国遠征でACL2連勝同士による上海上港との直接対決、リーグではガンバ大阪との対戦が控えている。力のある2チームにどれだけのゲームが見せられるかは、浦和の序盤戦を見る上でも大きなポイントになるのではないだろうか。

※関連リンク
【轡田哲朗レッズレビュー/Jリーグ第3節ヴァンフォーレ甲府戦】ゴールラッシュを見せるラファエル・シルバ。チームメートが語るその能力とは(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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