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浦議ニュース04/17  08:28

『過去の失敗から学んだ引いて守る形 ペトロヴィッチ監督と選手の関係性とは』JリーグFC東京vs浦和【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼山岸範宏が「ペナから出ろ!」と怒号を発していた記憶
「そういうの、ありましたね」と、槙野智章が試合後に話したのが、浦和レッズが引いて守った時の失点パターンだった。浦和は16日のFC東京戦を1-0で勝利したが、それは前半に興梠慎三がワンチャンスをモノにして奪った1点を守り切ったもの。特に、後半の30分過ぎからはボール支配を完全に明け渡し、なりふり構わず逃げ切った試合展開だった。

今でも印象に残るのが、2013年のシーズン終盤戦で優勝を争っていたころのことだ。秋に入ってGKのレギュラーポジションを奪還した山岸範宏が、トレーニング中から守備陣に対して「ペナから出ろ!」と大きなジェスチャーでボックスを指し示しながら怒号を飛ばしていた。この時期の浦和はタイトル争いへのプレッシャーからか、先制すると途端に腰が引けて守備ラインが下がり、人数はいるのに守っていない状況が生まれ、結局ゴール前の混戦からボールを押し込まれる。そういった、勝ちきれない失点を重ねていた。

それからしばらく浦和がここまで全力で逃げ切りに掛かるような試合展開は多くなかったが、11日のAFCチャンピオンズリーグの上海上港戦と2試合連続でそのような状況に追い込まれた。その当時に比べると、ペナルティーエリア内までズルズル下がることなく守れるようになったという意味で、浦和の守備は大きく変化したのだという実感になった。

▼バスケットボールの分析手法から得る守備戦術の見方
以前、バスケットボールの分析をされている方と話す機会があった時に、「サッカーでは攻撃の成功をどのように定義するのですか」という話になった。バスケットでは、攻撃の成功の指標として「オープンショット」というデータがあるのだという。それは、相手のディフェンスが目の前にいない状況でシュートを打てること。例えば、全体のシュートの割合の中でオープンショットの割合が多いのに得点が伸びなければ、戦術は正しいけど選手の技術に問題がある。逆に、オープンショットの割合が少ないのに得点が多ければ、戦術の拙さを選手の技術がカバーしたという考え方になるのだという。

バスケットとサッカーでは、パス成功率が全く違う上にドリブル突破の成功率も比較できないので、必ずしもこの考え方を当てはめきれるわけではないのだが、逆に守備側から考えるとしっくりくる部分が多い。

つまり、相手の前がオープンになっているシュートを多く打たれているのに失点していなければ、守備戦術が破綻したものを味方GKの技術や相手のシュートミスに救われたということになる。逆に、シュートされてもブロックに入れる距離で守れている、あるいは苦しい体勢に追い込んでいれば、守備戦術は破綻をきたしていないということだ。そうした中で決まったシュートは、基本的に相手を褒める方が良いということになる。

このFC東京戦で、現実的に得点になりそうな距離で相手の前がオープンになってしまったシュートがどれだけあっただろうか。試合開始直後の1本と、一度コーナーキックでマークが浮いてしまった場面くらいではないだろうか。特に守りに入った残り15分で、ズルズルと下がり過ぎて誰もボールに行かず、結果的にフリーでシュートを打たせるというような場面はなかった。

そうした意味では、ブロックを作って守るにしても、その練度は確実に向上したと言えるだろう。槙野は「数々の勝ち点を落としてきた中で、こういう戦い方を勉強してきたと思いますので。ボールホルダーへプレッシャーを掛け、後ろはラインを下げない。そしてセカンドボールを拾うというのが大事でした」と話した。少し時間が掛かり過ぎた感はあるにしても、痛みから学びながら向上しているということを、結果論だけではなく守備の内容という点からも表現できていたと言えるだろう。

▼選手側からの監督への提案がチームのバランス向上に一役買う
そして、今季のキャンプからのチーム立ち上げで、バランスの針をかなり攻撃的に振ってスタートした公式戦を戦う中で、その針を少し戻す方向に調整できていることの要因に、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督と選手たちの関係性を挙げた。

「監督が落とし込んでいる言葉とプレーに対して、選手も少し違うんじゃないか、こうした方が良いんじゃないですか? というディスカッションをできるようになってきていると思います。最後の最後でタイトルを落としてきていますからね。その経験から、監督から言われる前に、選手同士で話し合って修正できている面があると思います」

槙野が「正直に言えば疲れていますよ」と話した連戦の最中にあるゲームだったが、夏場以降やもっとシーズン終盤戦になれば、このくらいの疲労を抱えた試合がスタンダードになっていくはずだ。そうした意味では、2試合連続で逃げ切りを重視したゲームで無失点に終えることを達成したことは、今後の浦和にとって精神的にも力を与えるはずだ。

※関連リンク
上海戦の課題を修正した遠藤航 今季から導入している湘南式の守備システムとは【轡田哲朗レッズレビュー/明治安田生命Jリーグ第7節FC東京戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。


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