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浦議ニュース04/14  08:27

『チグハグな采配も規律崩れず勝利 印象に残った敵将による浦和への共感』ACL浦和vs上海上港【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼"マッチポンプ"になったボランチの交代策
長いシーズンの中で、時に運に恵まれた割合が少なからずある勝利もあるものだが、それがやってきたという印象が強かったのが11日の浦和レッズが1-0で勝利したAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の上海上港戦だった。

最前線の形を2トップ+トップ下の形でスタートした前半、ボールを保持しながらなかなか前進できなかった浦和が、ハーフタイムに入る直前に中盤で引っ掛けたボールを左サイドに展開。宇賀神友弥と柏木陽介が左サイドでつなぎ、フォローした青木拓矢が素晴らしい縦パスをズラタンに通し、ズラタンからのラストパスをラファエル・シルバが決めた。結果的にはこれが決勝ゴールになった。

浦和にとって、よりゲームが危なっかしいものに転じたのは、前半にボランチの位置で存在感を発揮していた青木をベンチに下げ、柏木をボランチにシフト。1トップ・2シャドーに戻す交代をしたところからだった。

ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は基本的に「攻撃は最大の防御」と考えることを好む傾向がある。それはこの5年強で誰もが感じていることだろう。つまり、後半に入って押し込まれているならば、前線の構成をいつものものに戻して逆に相手を押し込んでしまおうと考えたのだろう。結果的に、そのアイデアは成功しなかった。青木を欠いた中盤はより劣勢に追い込まれ、柏木の良さである攻撃的な能力がクローズアップされる場面は、ほぼなかったからだ。西川周作のファインセーブとオスカルのキックミスにより、PKを2つ与えたにも関わらず無失点でゲームを進めることができたのは、幸運だったと言えるだろう。

結局、残り10分ほどのところで那須大亮を投入して遠藤航をボランチにシフトし、柏木は再びシャドーの位置に戻った。柏木は試合後に「(那須の投入時)自分が交代だと思った。シャドー、ボランチ、シャドーと試合の中で動くのはかなり厳しいと監督には伝えた」と話していたが、"マッチポンプ"の感がある采配だったことは否めないだろう。見方を変えれば、自身の間違いを認める交代策だったとも言える。こうしたチグハグさはあったものの、選手による勝利への意志に下支えされたプレーと、相次ぐ交代にも混乱しない規律、それなりの幸運にも恵まれてリードを守り切ることができた。

▼浦和の攻撃的サッカーに共感する上海の監督
ペトロヴィッチ監督の交代策で思い出されたのは、試合前日会見で上海のアンドレ・ビラスボアス監督が語っていた言葉だった。

「今の時代でこんな攻撃サッカーをこれだけやっているのは非常に素晴らしい。攻撃のルートもたくさんある。これはレッズの監督のおかげではないか。彼らがずっと攻撃サッカーをやっていての成功になるだろう。攻撃サッカーであり、同じことをやり続けている印象だ」

文字だと伝わり切らない面があるが、やや興奮気味に話していたことが印象に強い。もともと攻撃的サッカーを志向するビラスボアス監督は、どこか浦和のサッカーに共感するものが多いのだろう。また、自身は上海で「パスサッカーをやっていきたい。これは、中国選手と外国人選手の間でのチームワークが重要になる。外国人選手はゴールや局面を打開するパフォーマンスがあるが、彼らに感じてもらいたいのは、他のメンバーの努力のおかげだということ。個人のパフォーマンスは大事だが、常にチームワークを大事にしたい」とも話した。これは、移籍金や年俸など世界的な評価は別にして、浦和で実現されているものの一端だ。

▼記者会見で垣間見えた中国の超短期的視点
ビラスボアス監督は世界的名将と評価される現マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督のアシスタントコーチを務め、その後は一人の監督としてFCポルトやチェルシーを率いてきた。UEFAヨーロッパリーグ優勝監督でもある。実績だけで言えばペトロヴィッチ監督をはるかに上回る存在なのだが、浦和の環境を少しうらやましく思っているのではないかと感じさせる言葉もあった。

「常に勝利するチームにしていきたい。契約するときに、このような話があった。当然だが、全てのチームは良い成績を残したいものだ。チームは早くタイトルがほしい、できれば今季にというリクエストをしてくる」

ビラスボアス監督は、本音を言えば少し時間を使ってチームを作りたいのだろう。"結果だけ"を求められることにうんざりしている面があるのかもしれない。試合後の記者会見でも感じたのは、中国はメディアも恐ろしく短期的にしか物事を捉えないということだ。「今日はフッキがいなくても良い攻撃だったから、もう使わなくていいんじゃないか」というニュアンスの質問が出たが、苦笑したのは日本人記者だけ。そういう意味では、こうした見方がスタンダードなのだろう。さすがにビラスボアス監督も、この質問はまともに取り合わなかった。

ペトロヴィッチ監督には5年間が与えられ、現在のJリーグ6試合で20得点という攻撃サッカーを作り上げてきた。しかし、ビラスボアス監督が同じことをしようとしてタイトルが取れなければ、そのサッカーがどんな魅力的であろうと上海はあっさりと解任するはずだ。こうした、ちょっとした周辺事情が垣間見えるのもACLの面白さではある。

少なからず幸運に恵まれたとはいえ、浦和はこれで決勝トーナメント行きをほぼ確実なものとした。難局を基本的に攻撃的な策で解決しようと試みるペトロヴィッチ監督の悪い面が出たゲームにはなったが、崩れない規律という5年間を掛けて作られたチームの基盤の強さを感じたゲームでもあった。

※関連リンク
ゴールへの欲を抑えてラストパスを出したズラタン いつでも献身的に戦う紳士【轡田哲朗レッズレビュー/ACLグループステージ MD4上海上港戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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