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浦議ニュース12/06  14:14

『2年連続で責任を背負い込んだ武藤雄樹 9番を背負ったシーズンの最後に届かなかったあと一歩』CS浦和vs鹿島【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼3度のチャンスを生かせず「申し訳ない」と繰り返した
ロングボールを槙野智章が競り、そのこぼれ球に反応した武藤雄樹の左足シュートがクロスバーの上に外れた瞬間、また今年も彼は責任を背負い込んでしまうのではないかと感じた。浦和レッズのチャンピオンシップ決勝第2戦は、鹿島アントラーズを相手に1点の差で敗れた。

その1点は、足りなかったのか、守れなかったのか。その捉え方は個々のサッカー観によるところも大きいのではないかと思うが、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督があくまでも攻撃的にチームを組み立てていくという哲学の持ち主である以上、2点目を奪えなかったことに敗因を求める方が、このチームには自然なのではないかとも感じる。その象徴になってしまったのが武藤だった。

「残念な結果になってしまったし、サポーターの皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。1点リードしたところからのカウンターだったので勿体ない。個人的にも前半から試合を終わらせられるチャンスがあったので、申し訳ない。クロスバーに当たったもの、1対1になりかけてブロックされたもの、最後の・・・。3つはあったので、そうですね・・・、申し訳ないです。シンプルに、前に槙野さんとズラタンがいるんで、そこにボールを入れようというのは明確だったので。放り込んでこぼれ球と思っていたし、僕のところはまさにそうやって作ったチャンスだったので・・・」

絞りだすように言葉を発する武藤は「申し訳ない」という言葉を繰り返した。その3つのシーンの描写を繰り返して、傷をえぐるような行為は今さら必要ないと考えるので、それは省こうと思う。

▼9番を背負い戦ってきた1年
武藤は今季から「9番」を背負う決断をしていた。その打診に首を縦に振るキッカケになったのが、昨年のチャンピオンシップだった。準決勝のガンバ大阪戦の後半終了間際、ゴールから2メートルほどの距離から放ったヘディングシュートは相手GKに当たり、クロスバーに当たり、ゴールの外に飛んだ。90分の終了時と延長戦の終了時、2度にわたって武藤は崩れ落ちていた。

昨年に加入した武藤はリーグ4戦連続ゴールを決めるなど、一躍レッズの前線の主役の座を手にした。だが、最後の最後に悔しい思いをしたからこそ、自らその一歩の壁を超えるために、あえてプレッシャーの懸かる番号を選んだ。敗戦から一夜明けて、あらためてその1年間を問いかけた。

「普段の練習の時からたくさんの人が9番のユニフォームを持ってきてくれて、スタジアムでも9番を掲げてくれた。結果で応えられなかったのが悔しい。たくさんのサポーターの期待の番号なのは分かっているから・・・。そうやって、すごくたくさんの人に期待をしてもらっていたので、それに対してプレッシャーよりも喜びを感じてプレーしていました。ほとんどの試合に出てしっかりプレーできたと思うけど、もっとゴールはできたと思う。次こそは試合を決められる選手という意気込みで9番を着たのに、結局は自分が決めていればという試合になってしまって、その部分で言えば・・・。そんなに簡単に理由を見つけられる課題ではないのだけど、9番を背負うからには、ああいうところで決められる選手が着てきたはずだから」

背番号の重みに押しつぶされるのではなく、武藤はあくまでも前を向いてゴールに向かい続けてきた。シーズン通算で16ゴール、その中にはAFCチャンピオンズリーグの広州恒大戦、ファーストステージの首位決戦だった川崎フロンターレ戦など、決勝ゴールは少なくない。シーズン終盤に入っても、セカンドステージ優勝が決まったジュビロ磐田戦は、彼のゴールで勝利したゲームだ。「大事な試合を決定づけることのできる存在ではなかった」などという自己評価をするには、実績が申し分なさすぎるだろう。

それでも、チャンピオンシップというあまりにも決定的なゲームでのシュートミス、それも2年連続だっただけに、心の傷は深かった。

「さすがに今日(4日)、みんなの中で元気な感じで来たのは誰もいなかった。全員が昨日勝ってクラブワールドカップに出ることを想定して日々を過ごしていたので、受け入れがたい結果だけど、天皇杯もなく休みがあるので、今すぐに切り替える必要もないというか・・・。何も考えられないというか、気持ちの整理はつかない。来年が始めるまでに切り替えるしかないのかな・・・」

傷心の武藤の傷を癒すのは、きっとタイトルを決めるゲームでの決勝ゴールでしかないのだろう。彼にその能力があることは誰もが分かっている。三度目の正直を背番号9に期待して、来シーズンをゆっくり待ちたい。


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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