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浦議ニュース2017 07/14  22:09

『自信と手応えは渡しても結果は譲らず 無失点のバランスに徹したダブルボランチ』天皇杯 浦和vs熊本【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼サッカー界を見渡せばよくあるパターンの試合
カテゴリーが下の相手に自信や手応えは渡したが、結果は渡さなかったという勝利になったのが、12日の天皇杯3回戦ロアッソ熊本戦だった。

1週間でリーグ戦3試合の過密日程を終えたばかりの浦和はもとより、J2で残留争いの渦中にありリーグ戦の優先順位を高めらなければならない事情のある熊本も、直近のリーグ戦からスタメン11人全員を入れ替えていた。

そうした中で、前半の半ばくらいまでは熊本がボール保持率を高める展開になった。浦和は守備時に誰かがプレスを掛けた時に、それに連動すべき選手の動きがやや遅れ気味になっていたために、次の選手にパスを出されたところでボールをなかなか奪えない。とはいえ、全く緩慢にマークに付いていないというわけではなかったので、熊本もなかなか浦和の最終ラインに圧力を掛けることはできなかった。こうして、つながれてはいるが崩されないという時間が続いた。

逆に、前半の半ばを過ぎると浦和が同じ状況になった。ところが、浦和の場合は事情が少し違い、ボランチで出場した矢島慎也が「予想通り、相手は前からプレスにきたんですけど、かいくぐれる場面はあったけど回数が少なかった」と話したように、2シャドーの梅崎司や高木俊幸の足下に入るパスが少なく、遠藤航からズラタンなどに向けたロングボールの回数が増えてしまった。

そうしたお互いに膠着した状況の中で、前半終了間際に得たフリーキックを高木が約35メートルの無回転ショットで決めて1点を確保。後半も、ゲームキャプテンを務めた梅崎に言わせれば「もっとスカッとするような」というゲームではなかったが、バランスを崩すことなく1点のリードをキープして勝利した。

こうした勝ち方は、ヨーロッパでのカップ戦でもよく見るタイプの勝利だ。熊本の池谷友良監督は試合後に「やって欲しいことは、かなりやれた。悔しさはあるが、違う喜びや充実感がある」と話した。こうやって"挑戦者"は手応えを得るが、結果的には上のカテゴリーのチームで高い能力を持つ選手が個人技で試合を決める。サッカーの世界ではよくあるパターンの試合になったというのが、強い印象にある。

▼アピール合戦に走らずバランスを重視したダブルボランチ
もちろん、今の浦和、特にリーグ戦での出場機会から離れている選手たちにとってそれが満足のいくものであったかと言えば別問題だ。決勝ゴールの高木はフリーキックについて「あれを決めなければ終わりだと思っていた」と話したが、それもそのはずで、今季で言えば、5月のFCソウル戦、6月の天皇杯2回戦で低調なパフォーマンスだった、あるいはミハイロ・ペトロヴィッチ監督がそう判断した選手たちは、その後のゲームでベンチ入りメンバーから外れている。または、それまでは途中出場の機会を多く与えられていた選手が、ベンチで90分間を過ごすことが増えている。ペトロヴィッチ監督が就任して6シーズン目になるが、総入れ替えのゲームはこうやって判断材料に使われている。

そうした中で、少し注目したいと思っていたのがボランチだった。矢島は6月の2回戦で前半のみで交代となったが、この日は後半27分までプレーした。前回のゲームでは「試合は90分だし、バランスを考えながらプレーしていたところだった」と消化不良だったことを話していたが、この日はまとまったプレータイムを得た。青木拓矢と組んだダブルボランチも「チームが失点の多い中で、無失点は良かった。両方が上がってしまわないように気を付けてプレーした」と話している。

後半からシャドーに入った武藤雄樹も「青木は裏へのボールを出してくれたし、相手のボールを奪い切る強さ、(矢島)慎也は止める、蹴るのレベルの高さを出してくれていたと思う」と、そのプレーがチームの中で重要なものであったと話した。

矢島自身は「最後は両足がつってしまった。(ファジアーノ)岡山では、相手の方が先に運動量が落ちて自分が最後に良さを出せていたのに」と、コンディションアップに苦しんでいることを話し「ボールを奪い切れれば次につながるんですけど、守備の課題はそこですね」と自身を厳しく評価したが、プレータイムを得てこそ認識できる課題が見つかったことを話している。

主力を固定する傾向のあるペトロヴィッチ監督だけに、レギュラークラスのメンバーが大幅に変わっていくことは考えにくい。しかし、8月に入ってからの過密日程を見てみれば、ある程度の選手を入れ替えながら臨まなければどうしようもない状況になることが予想される。そうした中で、青木と矢島がアピール合戦に走ることなく無失点で勝利するバランスでプレーしたことは、この天皇杯3回戦で見られた価値の一つだ。

確かに、下部カテゴリーの相手に力の差をこれでもかと見せつけるような勝利ではなかったが、気負ってチームがバラバラになった挙句、相手に勝利を渡すことだけはトーナメント戦では絶対にやってはいけない。その最低限の仕事はしっかりと成し遂げたゲームだった。

※関連リンク
「決めなければ終わり」高木俊幸による決意の一撃への思い【轡田哲朗レッズレビュー/天皇杯3回戦熊本戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。


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