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浦議ニュース2017 07/08  12:55

『リーグ戦の半分が終了「今ないもの」に目を向けた川崎対策はハマらず』Jリーグ川崎vs浦和【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼相手選手から見ても「しっくりきていない」

浦和レッズは5日の川崎フロンターレ戦に1-4で敗れた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)順延分のゲームを終えたことで、全チームがリーグ戦のちょうど半分になる17試合消化でそろった。この勝ち点26で41得点、29失点の8位という数字がそのまま今季の前半戦を全て反映したものになる。

川崎戦で浦和は4バックシステムを導入した。ACLのFCソウル戦(ホーム)の前日練習でも同じ形にトライしたが、全くハマらずに試合当日は同じメンバーでも3バックに戻した。今回も同様かと思われたが、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督はそのままピッチに送り込んだ。残念ながら、それは功を奏さなかった。

前述の得失点数を見れば明らかなように、浦和は得点力に課題を抱えていない。そのため、4バックは川崎を相手にうまく守ることを目的としたものになる。しかし、川崎の中村憲剛は「浦和はいつもウチとの試合で嫌がってるから」と話し、先制点を決めた小林悠は「やりやすかった。相手がしっくりきていない感じがした」と、相手から見ても上手くいっていない状態だったと話している。

▼システムに関係ない前半の2失点
前半の2失点だけで言えば、システムが3バックだろうと4バックだろうと関係ないだろう。センターバックの遠藤航と槙野智章が、まるで通ってくださいというゲートを作るかのようにしてゴール前への侵入を許している。1点目は、遠藤が相手の小林悠に対して、ボールを受ける瞬間にゴールから遠い側からアプローチしてゴール方向にターンされるという拙い応対をしてしまった。

遠藤は「(小林)悠くんが最初にオフサイドポジションにいたところで、槙野君が下がったことで同じラインになってしまった。自分の行き方も、左(ゴール方向)から行かないといけなかったし、あそこで右から行くのもボールを奪いきれていない焦りが出てしまったと思う。冷静さを欠いてしまった」と話した。一方の小林は「(遠藤の寄せ)は背中で感じていたし、マキ(槙野)の背中を取れていたので、そっち側にトラップできれば1対1になると思えたので」と、浦和のセンターバック2人の見せたスキが明らかだったとも話している。

▼駒井善成と関根貴大は混乱状態に
2点目も同様にセンターバック2人の間が完全に割られてしまったものになった。ところが、意外にも川崎の前半のシュートはこの2本だけだった。だからと言って、4バックがうまくいっていたかというと、それは違うだろう。小林に「アンカーの脇がいつも空いていた」と指摘されたように、関根貴大と駒井善成に与えられた特殊なタスクは、短い準備期間で簡単にマスターできるものではなかった。攻撃時には森脇良太と宇賀神友弥の両サイドバックが高い位置を取ることで、開いて受けようとすれば重なって押し出されるように中に入り込んだが、自分たち自身にも周囲の選手にも予定外のプレーは全体のスムーズさに大きなマイナスへ作用した。守備時には中央に戻って阿部の脇を埋めるのか、上がってくるサイドバックをケアすればいいのか中途半端になってしまった。

駒井は「何とかボールを引き出してほしい。前に行ったら開けということだったけど、僕とモリ君(森脇)、ウガ君(宇賀神)と関根が重なることも多かった。前半は何をしているんだろうという感じで」と、ピッチ上で混乱状態になったことを話した。そして「試合の中で気づくことが多かった」という言葉からも、準備不足は明らかだった。中3日で試合前日しかゲーム形式のトレーニングができない状況で採用に踏み切ったことは、完全に裏目に出た。

システムというのは選手の立ち位置であり、勝つための工夫をピッチ上に表現するものであるが、それを機能させるにはそれなりの時間と繰り返しが必要になる。これでは、精度の高い攻撃を武器にする川崎に蹂躙されるのも致し方ない。これまで付け焼刃の浦和対策をあざ笑うように崩してきたチームが、逆の立場で同じことをしてしまった。結局、浦和がマイボールにする場面は、テニス用語でいえば「アンフォースト・エラー」と呼ばれるような、相手の影響を受けていないパスミスでスローインをもらうものが多かった。

確かに、ペトロヴィッチ監督が一つのシステム、選手の序列をハッキリさせる起用法、細かなところで変更はあるにしても大枠は変わらないコンセプトを貫いてきたことで、柔軟性や対応力に難が出ているのは事実だろう。だが、結果が出ないからと言って、助走段階もなくいきなり「今ないもの」に目を向けるとどうなるかというのが、川崎戦で得られた教訓のはずだ。システムにしろ選手にしろ、未知のものには常に一定以上の魅力がある。だが、それがその期待通りになってくれることの方が少ない。それよりは「今あるもの」をどう生かせるかに目を向けた方がいい。そうした中で、緩やかな変化を生んでいくことは必要になってくるだろう。

9日の新潟戦を終えればリーグ戦は一度試合のない週を挟む。まずは、これまでに積み上げてきたものを大事にして戦うこと。その上で何か大きな変化を求めるなら、その後になるだろう。

※関連リンク
「人のせいにするのは逃げ」と西川周作 笑顔での握手をもう一度【轡田哲朗レッズレビュー/明治安田生命Jリーグ第18節川崎戦】(浦レポ)

動画:【公式】ハイライト:川崎フロンターレvs浦和レッズ 明治安田生命J1リーグ 第13節 2017/7/5



轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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