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浦議ニュース2017 07/03  08:31

『劇的勝利の裏で「課題はそのまま」 両立しない戦術とファウルの重要性』Jリーグ浦和vs広島【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼下がった時ほど守れない傾向が浮き彫りに
リーグ戦で5試合ぶりの勝利を4-3で収めた1日のサンフレッチェ広島戦は、試合後に武藤雄樹が第一声で残した「試合には勝ったのでとても大きな勝利だと思うけど、チームの課題は今までのものがそのまま出ていると思う。言い方を悪くすれば、たまたま勝てた部分がある」という言葉が、非常にしっくりきた。

確かに、関根貴大のゴールは圧巻のロングドリブルという意味で原口元気や永井雄一郎のもの。決意あるドリブルからの劇的な決勝ゴールという意味で長谷部誠が決めたものに肩を並べるような、クラブ史に残るゴールであったのは間違いないだろう。それが、ジュニアユースから浦和で育った選手が決めたものであることも非常に感動的だった。

だからこそ、武藤が話したように「課題は今までのものがそのまま」という言葉は重い。この日、浦和は最終ラインに那須大亮を起用して、遠藤航をボランチに、柏木陽介をシャドーにというように、後ろから選手を順次繰り上げるようにしてラファエル・シルバをスタメンから外した。3バックとダブルボランチをセンターバックでプレーし得る選手たちで固めたのにも関わらず、失点を免れるに十分な強度を得られなかった。

前半から感じていたのは、前で守れている時は強いが、最後の4分の1のエリア、自陣の半分よりゴールに近いところまで入り込まれてしまった時には、人数がそろっていようと脆弱性があることだ。1点目は槙野智章がボールウォッチャーになってしまって絞り遅れたのが否めなかったし、2点目はドリブルで入り込んでくる相手MF柏好文に対して3人が周囲にいながら侵入され最終的にゴール前での人数不足を招いた。3点目はカウンターだが、いずれもペナルティーエリア内の十分な角度で、相手の目の前がオープンな状態であるだけに、GK西川周作に責任を見出すのは無理がある。

▼相反する攻守の戦術、どちらを優先すべきか
その、前で守れている時は強いという状況を生んだのは、ボランチの遠藤が相手のボランチに対して積極的に捕まえに行く姿勢を見せられたことだ。そして、それは試合前からの狙いであったことも明かしている。

「今日は前から行くというか、(相手の)ボランチが落ちたら(こちらの)ボランチが行くという形でやっていた。チームとしても切り替えが良かったと思うし、基本的に前から行く姿勢は出せたと思う」

その一方で、自分たちから良い流れにするのを難しくした面があるとも話している。それが、マイボール時に最終ラインで那須と阿部勇樹が開いた中央に遠藤が降りていく"3枚回し"がプレッシング戦術と相性が悪いことだ。ダブルボランチ2人が一度最終ラインに下がるということは、当然相手のボランチまでの距離が遠くなることを意味している。遠藤は、普段は3バックの中央にいるからこそ感じた意見を話した。

「3枚回しをすると阿部さんから槙野さんに(ボールが)行って、そこから中に入れてフリックして失うと"真ん中ぽっかり"があるので難しい。3枚回しでボランチ2枚が落ちるのが多いけど、自分がボランチに入ってみるとあんまりいい形じゃないと思ったのが正直なところ。(相手の)ボランチに対して(自分たちの)ボランチが前に行くのであれば、自分が後ろで受けてそこから前に行くのは不可能になる。ときどき下がって1回落ち着かせるのは状況によってありだけど、90分やり続けるのはダメかなと」

両立しないものは状況に応じて使い分けるというのがベストだろうが、それにはかなり高い判断力と、それが全体に共有されることが必要になる。理論上は成り立つかもしれないが、現実的には難しいだろう。現状、最終ラインに強度が足りない以上は、なるべくそのエリアに近づけないためにもできる限り前で守ることがベターではないだろうか。

▼ファウルを上手く使うのもスポーツ
そうした中で、もう少しイエローカードを受けてでも止めるというプレーがあって良いはずだ。昨季よりも攻撃的にというスローガンを掲げた以上、カウンターが増えているのは自然だ。しかし、そこでカードが増えるという段階を飛び越えて失点だけ増えていくのは、問題ではないだろうか。

このゲームでも、行かせたら危険という場面でファウルをせずに追いすがった結果、ピンチを拡大した場面があった。イエローカードは各選手が90分の中で1度もらえる権利だ。それを行使してでも止める必要がある時は、躊躇すべきではないだろう。森脇良太も、そうした議論はチーム内であったと話している。

「終わった後にチームの中でそういう意見もありました。プロフェッショナルなファウルは必要だと思うし、危険な時にいったんプレーを止めるのも大事な作業。2失点目は典型的だったと思う」

サッカーはルールがあり、反則をすればルールに従った罰を受ける。ボールの周辺に限定すれば、それがフリーキックやPK、それに伴うイエローカードやレッドカードだ。プレーの中で反則をした方が得な時には反則をした方が良い。実社会で同じ考え方をすれば大問題だが、これはスポーツだ。

次の対戦相手である川崎フロンターレは、Jリーグ屈指の攻撃力を持つチームだ。下がって受け止めようとしても簡単ではないだろう。だからこそ、どれだけゴール前に近づかれる回数を減らせるか。その一つのカギが、"上手な"ファウルの使い方にあるのではないだろうか。

※関連リンク
武藤雄樹を支えた前日練習後のチームメート ストライカーにとって最高の薬【轡田哲朗レッズレビュー/明治安田生命Jリーグ第17節広島戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。


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