浦和レッズについて議論するページ[浦議]

レッズサポ集いの場! 総アクセス数= 総コメント数=

浦議ニュース2017 06/28  09:55

『勝ちたい気持ちの悪循環 無心でプレーすることの必要性』Jリーグ鳥栖vs浦和【轡田哲朗のレッズレビュー】

  • 71
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


▼持てる力を発揮させてくれないメンタル状態

トンネルの出口はなかなか見えてこない。浦和レッズは25日のサガン鳥栖戦に1-2で敗れた。"鬼門"と呼ばれた鳥栖のスタジアムとの相性が何か作用したというようなことよりも、単純に試合に勝つだけのクオリティーがチーム全体になかったという形での敗戦だった。

キャプテンの阿部勇樹は試合後「今日は言葉が出てこない。今日の試合だけじゃなくて、一回整理しなきゃいけない部分がある」と、つぶやくように話した。そして、一度ミックスゾーンから歩いて去ろうとした後に、もう一度こちらに寄ってきて「今は難しく考えすぎているのかもしれない」と話していった。

サッカーに限らず、日本には「心・技・体」という言葉があるが、ことスポーツにおいては「体・技・心」の順になるのではないかと思っている。大人と子供くらいに体格差があれば、どれだけ技術や精神で上回っても勝負にならないし、仮にそこで並んでも素人とプロくらい技術の差があっても相手にならない。

同じプロサッカー選手、それも同じJ1での対戦となれば、どれだけ良いコンディションで臨めるのか、戦術的な面を含めた技術で少しでも上回ることができるのか、という争いがあるのは当然。だが、その上で持てる体力や技術をどれだけ発揮できるのかという点で精神的な面はクローズアップされてくる。阿部のいうように「難しく考えすぎている」のかもしれないが、今の浦和が持てる力を全て発揮できているようには思えない。

当然ながら、サッカーはゴールを奪いたいボール保持者と、ゴールを奪わせたくない守備者がせめぎ合うものだ。ゴール前に近づいていくにつれて、圧力は強まるし、必死に守ろうと人数は増える。その中でシュート、ドリブル、パスを成功させようとすれば高い精度が必要になるが、今の浦和はそれを出せていない。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が嘆いた、前半45分に柏木陽介のパスを右サイドに抜け出した武藤が、中央に折り返したボールを大きく浮かせてしまったプレーは、追い詰められているチームに特有の慎重にやろうとしすぎて、かえって精度を欠くという現象に見えた。

興梠慎三は、4月までにはJリーグの他クラブが羨ましく思うしかないほどに出せていた最終局面の精度を取り戻すために必要なことを問われると、「分からないよ。誰かに教えて欲しい」と憔悴した顔で話していった。

柏木陽介は、それを「勝ちたい、勝ちたいという気持ちが前に出すぎているのかもしれない」と話した。そして「1回、(失点)ゼロで終わる試合をしたい。0-0だっていい。そこで自信をつけて、キッカケを作って」と、チーム全体のメンタルバランスが崩れていることを示唆した。

▼前節のミスから「無心」を強調した西川
そうした中で、リーグ前節のジュビロ磐田戦で2つのミスをしたが、この試合で起用されたGK西川周作は、一つのキーワードになる言葉を残している。それが「無心になること」だ。

「こういう時は考えすぎる部分があると思うので。このチームは一人一人、こだわりの強い選手が多いので、失点に対して、ミスに対して考え込んでしまう傾向がある。それはプロ選手としてあって良いことだと思いますよ。ただ、逆に1回深呼吸して、肩の力を抜いてやってみる。自分もそうですけど、それで余裕が生まれてくる。今日、チームが負けてしまったけど、自分に関していえば前節よりも無心でプレーすることはできたと思う」

西川は、前節に自分が大きく影響を与える形でチームが敗戦している。そこで「やってやるんだ」という強い気持ちを持つことは悪いことではない。ただし、そういった強い気持ちは逆向きに作用してしまうこともある。それであれば、試合前に様々なことを考えていたにしても、ゲームでは無心になることが一つだと話す。

それは、攻撃陣にも当てはまるはずだ。「これを決めれば」、「このパスが通れば」、「このトラップが決まれば」という雑念は技術に狂いをもたらす。無心でプレーし、後でどうやってプレーしたか思い出すくらいがちょうど良いのだろう。逆に言えば、ペトロヴィッチ監督のサッカーは半ば型を覚え込ませることで連動性と判断スピードを上げるものでもあるのだから、考えすぎずにプレーする方策として、その部分にフォーカスすれば良いのではないだろうか。

次節はサンフレッチェ広島とのホームゲームになる。どうしても注目を集めるゲームになるし、もしかしたらホームでの対戦であること自体がプレッシャーになる状況と言えるのかもしれない。そうしたタイミングだからこそ、チームは一つの方向にまとまるしかない。

「余計なことを考えずに肩の力を抜いて。それが一番の解決策だと思うので」

西川はそう強調していた。今の浦和に必要なのは、タイムアップの笛が鳴った後に勝ったことを実感するような無心の集中力を発揮するゲームなのだろう。

※関連リンク
「もどかしさが半端じゃない」柏木陽介 苦境の打破に向けた意外なプランを語る【轡田哲朗レッズレビュー/明治安田生命Jリーグ第16節鳥栖戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

サッカー注目記事ランキング

    おすすめサッカー記事

過去記事

2017
07/ 08/ 09/

2017
01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/
2016
01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/
2015
01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/
2014
01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/
2013
01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/
2012
01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/
2011
01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/
2010
01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/
2009
08/ 09/ 10/ 11/ 12/