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浦議ニュース2017 04/09  18:33

『積み上げたものの差を見せつけた仙台戦 3ボランチ攻略法と前線のアドリブ力』Jリーグ浦和vs仙台【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼12年開幕の広島戦で味わった記憶
「まさにそうですよね。完成度の違いというか、なすすべなく負けたというか。そういう試合をしたいと思います。チャンスを決めることができれば、大量得点もあるんじゃないかと思っていますよ」

7日のベガルタ仙台戦で、浦和レッズはクラブ史上最多タイの1試合7ゴールというゴールラッシュを見せ、7-0の勝利を飾った。

左ウイングバックでスタメン出場した宇賀神友弥は、この仙台戦を前に冒頭の言葉を残していた。この時、例として問いかけたのが2012年の開幕戦。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の就任初戦でサンフレッチェ広島に敗れたゲームだった。

仙台は今季から、浦和と同じような3-4-2-1システムで丁寧に後方からビルドアップしていくサッカーに取り組んできていた。違う監督が別のチームの完全なるコピーを志向するとは思えないが、少なからず参考にしている部分はあるはずだ。だからこそ、宇賀神が「仙台も今は結果が出て手応えがあると思うんですけど、そこからスタイルとして確立するまでが難しいと思うんですよ」と話したように、そのチーム作りのプロセスは実感として感じられる。浦和にとっては、5年以上の積み重ねによる違いを見せるべき試合だった。

▼13ボランチ攻略のカギになった森脇良太
仙台の渡邉晋監督は、試合後の記者会見で「浦和対策で少し変えた」と話し、具体的には「ミラーゲームでは個の能力で突破されるし、マイボールでも捕まりやすい。あえてマッチアップさせないように3ボランチで臨んだ」と話した。ただこれは、浦和の側としてもスカウティングの段階で「ミラーゲームも、3ボランチもどちらもあるぞ」という情報が選手たちに入っていたのだという。

そうした5-3-2システムへの対応は、浦和にとっては慣れたものだ。この時のキーマンは、森脇良太と槙野智章の両ストッパーにある。ピッチの横幅68メートルをカバーするのに、3人というのはかなり厳しい人数構成だ。したがって、3ボランチのサイドにできるスペースを攻撃時の起点にすることが、守備ブロック攻略のカギになる。浦和でこの役割を担うのが、森脇と槙野だ。

この日の2点目は、その典型例だと言えるだろう。関根貴大と森脇が右サイドを崩し、興梠慎三のゴールを導いた。右利きのストッパーでありながら、左足で芝生の上を滑っていくような最上級のスルーパスを出した森脇は、現在の浦和において替えが利かない存在だ。守備面の不安がクローズアップされがちであるものの、攻撃のサポートの貢献度を考慮すれば収支は大幅にプラスになる選手だ。その森脇は、興梠のゴールが決まった瞬間に自分が得点したかのような大きなガッツポーズを見せていた。

「僕ら(森脇と槙野)が起点になるシーンを多く作らなければと思っていましたね。得点につながったのが一番うれしかったですよ。綺麗なパスが通っても得点につながらないとうれしさは出ないですからね。正直、昨日が誕生日だったので得点が取りたかったので、シュートを打ちたいと思ったんですけど、関根が良い動きをしてくれたのが見えたので。シュートも悪くないですけど、どちらの確率が高いかと思えばパスだと選択しました」

▼「試合前に話していたわけではないけど・・・」
後方での起点づくりがスムーズだった攻撃は、最前線の3人も相手の守備を混乱させていた。この日は興梠が1トップに入ったが、両シャドーの武藤雄樹と李忠成がボールを受けに降りてきた時、仙台のマーカーは2人についてきた。特に右シャドーの李をマークした増嶋竜也はよりその傾向が強く、そこにできたスペースに興梠が流れてボールを受ける場面が多く見られた。そうなると浦和の前線は選手たちがクロスするようにしてゴール前に入り込んでいくが、その連動性に仙台の守備陣は人を最後まで見るのか、スペースを埋めるのかが曖昧になった。その間に浦和は決定機を何度も作り出し、ゴールを重ねていった。

古巣相手に鮮やかなミドルシュートも決めた武藤は「いろいろなコンビネーションが出せたと思いますよ」とした上で、ピッチ上のプレーをこう振り返った。

「相手が5バックのマンツーマンだったので、僕たちはボールを引き出そうとして、そこでスペースができれば慎三さんがボールを収めたり裏を取ってくれたりする。試合前に、ああやって攻めようと話していたわけではないですよ。その都度の判断でプレーしていた結果だと思います」

こうした阿吽の呼吸こそ、5年間以上を掛けて積み上げてきたものの差を見せつけた最たるものと言えるだろう。仙台もビルドアップから丁寧に攻撃を組み立てようという意志は見せていた。しかし、リードがついた後は余計に浦和の守備陣にパスを読まれてカウンターという場面の連発になっていた。ただこれは、浦和もペトロヴィッチ監督就任後の2年間ぐらいは何度も経験してきたことだ。

キャリアでは2度目、リーグでは初となるハットトリックを達成した興梠は「仙台も去年と違うサッカーで、レッズと同じようにやっているように見えるけど、始めたばかりなので。うまくやれば楽しいサッカーなので、続けて欲しいなと思います」と、文字だけで並べれば嫌味に見えるかもしれないが、こうした方向性のチームが出てきたことを真摯に歓迎していた。だからこそ、そうした相手に「目指す場所はこういうレベルなんだ」ということを見せられた仙台戦は、積み上げることの力と大切さを表現できた試合だと言えるだろう。

※関連リンク
ハットトリックの興梠慎三、神戸戦後のミックスゾーンでの悔しさからの得点劇【轡田哲朗レッズレビュー/Jリーグ第6節仙台戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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