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浦議ニュース2017 04/02  12:33

『交代と修正によってゲームの表情を変えた神戸戦 指揮官が施した勝利への策とは』Jリーグ神戸vs浦和【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼神戸守備陣を混乱させた交代策
浦和レッズは1日のヴィッセル神戸戦を3-1で勝利した。リーグ戦でアウェーの神戸戦に勝利するのは、実に2007年以来10シーズンぶり、会場をこの日のノエビアスタジアム神戸(神戸ウイングスタジアム)に限定すれば、05年以来のことだった。

前半は、その"鬼門"にやってきた感が否めない展開だった。阿部勇樹や柏木陽介が最終ラインに降りることで落ち着きこそ生まれたが、5バックで人数を合わせて固められる守備に、有効な縦パスがなかなか入らなかった。西川周作が「やっていてそこまで危ない感じはしなかった」というビルドアップだったが、ボールが落ち着かない場面はどうしても目についた。前半の半ばには、槙野智章のロングボールに宇賀神友弥が抜け出しに掛かったところで、2度に渡ってPKが与えられてもおかしくないプレーを見過ごされていた。

神戸の側から見れば、前半はほぼ狙い通りだったという。3バックの右で出場していた元浦和の高橋峻希は、「前半は守備面でプラン通りだった」と話したが、その高橋が「あそこから甘くなった」と話したのが、武藤雄樹に代えて駒井善成が投入されたタイミングだった。

その交代で浦和は柏木がシャドーに入り、駒井がボランチに入った。それまでの2シャドーに比べ、柏木は自由にポジションを移しながら興梠慎三と李忠成が2トップのように振る舞う場面が増えた。そのことで、神戸の守備陣は混乱したのだという。高橋は「武藤選手が代わったところで、興梠選手と柏木選手が流動的に動くようになって、寄せられなくなっていきました。完全にマンマークという指示ではなかったし、中でいきなり変えるとグチャグチャになってしまうので」と、浦和の攻撃の変化に対応しきれなかったと話した。単純にズラタンや青木拓矢を入れるのではなく、1つの交代で2つのポジションをチェンジしたことが、神戸がゴールに掛けていたカギを開くポイントになった。

▼槙野智章と森脇良太に送られた指揮官からの要求
また、ビルドアップの部分でも前半からの修正が施されていた。槙野の前方には、前半は田中順也が構えている時間が長かった。そこでミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、「もう数メートルで良いから高い位置を取れ」という要求を出したのだという。つまり、田中の背後まで一度入り込むポジションがリクエストされた。

「その位置取りが相手を押し込む要因になったと思います。前半にビルドアップで引っ掛かっていた怖さはあったんですけど、田中選手を引っ張ることで遠藤選手と阿部選手にボールを持ち上がるスペースができる。自分のところにボールが来なくても下げさせる駆け引きですよね。もちろん、失った瞬間はスペースを突かれる怖さがありますけど、後半には相手選手の疲れも見えてきたので、ハマるだろうなとは思いました。その後、柏木選手が点を取ってくれてからは少し控えめにしましたよ」

分かりやすい交代策ではないが、自分たちの変化によって相手のポジションを動かしてしまうことでビルドアップの改善が図られていた。そうしてリズムが好転していた時間帯に駒井が入って変化が生まれたからこそ、余計に神戸の守備陣は浦和のアタックに対応しきれなくなっていったのだろう。

▼度重なるポジション変更を可能にした継続性
その後、残念ながらミスからのカウンターで1点を返されてしまった。すると、今度は那須大亮を最終ラインに投入し、遠藤航がボランチ、駒井は右サイドにシフトした。通常、サッカーのチームで最終ラインやボランチはなるべく選手交代のカードを使いたくないポジションだ。特にセンターバックは、負傷がない限りは変化させたくないポジションの筆頭になる。槙野は「本来だったら混乱するそうな場面ですよね」とした上でこう続けた。

「那須選手も駒井選手もうまくゲームに入ってくれたというクオリティーもありますけど、このチームがずっと継続的にやれていることが大きかったと思います」

ペトロヴィッチ監督は、トレーニングの大半をゲーム形式で行う異色の指揮官だ。しかし、そのゲームでのメンバー構成は、就任当初はほとんど同じチーム分けだったものが、選手層が厚みを増したのに比例して様々な組み合わせで行われるように変化している。駒井や遠藤のボランチも、那須のセンターバックも、ゲームでは突発的な起用に見えるかもしれないがトレーニングでは行われているものだ。そうしたバリエーションの増加を、指揮官自身がこのゲームに生かしたと言うこともできる。

4連勝中と好調だった神戸を大の苦手とするアウェーで撃破したゲームの中では、選手個々だけでなくチーム全体の駆け引きでも勝利を引き寄せることができたと言えるだろう。

※関連リンク
最後の最後まで脚力を残していた宇賀神友弥 最後のアシストを導いた積み重ねとは【轡田哲朗レッズレビュー/Jリーグ第5節神戸戦】(浦レポ)


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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