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浦議ニュース2017 03/01  16:01

『準備と積み重ねがピッチに表れたFCソウル戦 内容の良さをスコアで表現した結果』ACL浦和vsFCソウル【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼前日練習の4バックと守備の役割
浦和レッズは昨季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦でPK戦の末に敗れたFCソウルを相手に5-2の勝利を飾った。臨戦過程から試合中におけるまで、興味深い点の多いゲームになった。

報道などで、前日練習で4バックをテストしていたことは多くの方が知っていたのではないだろうか。25日の横浜F・マリノス戦から中2日という状況では、普段通りなら前日練習もそのゲームで長い時間プレーした選手はランニング程度で済ませ、紅白戦を伴う戦術練習は行われない。しかし、今回に限ってはミハイロ・ペトロヴィッチ監督が入念に守備の役割を選手たちにピッチ上で提示し、システムも4人のDFに青木拓矢がアンカー、そして駒井善成と関根貴大の両サイドハーフは、それぞれに異なったタスクを与えられていた。左右で違った形の守備を構築し、前線の選手たちにもそれぞれ明確な役割を与えた。

ところが、そのシステムはお世辞にも機能していたとは言い難かった。ペトロヴィッチ監督も「こうすればうまくいくのではないか」という腹案をピッチ上で試したはものの、収まりの悪さを感じたのだろう。練習後も多くの選手がなるべく取材を受けないようにしているのが感じ取れた。槙野智章はうまくとぼけていたが、関根貴大は戦術的なことは話せないという空気を分かりやすく出していた。だからこそ、起こった事象に対する報道として4バックという言葉が余計に独り歩きしたのかもしれない。

結果的に、いつもの3バックでスタートしたゲームは良い形で運んだ。前日練習で試したことを試合でやらなくてはいけないルールはなく、現実的な決断だったと言えるだろう。そして、試合後に宇賀神友弥は「昨日のトレーニングで監督としても手応えがなかったから、こうしたんだと思いますからね」と話した。それだけに、少々の無理があっても前日に試したことは大きかったのだろう。「ミーティングだけでやったら難しかったと思いますよ」とも宇賀神は話した。

その一方で、守備の役割を確認した前日練習で生かされたこともあった。それは、FCソウルのアンカーを浦和の1トップが見張り、2シャドーがプレス要員になることだった。宇賀神は「しっかりブロックしながら、どこか横パスや緩いパスが入った時にGOをかけるというのがハッキリできたと思います。守備はハマっていたと思いますし、奪ったところからのショートカウンターでも点を取れましたから」と、守備の機能性を振り返った。また、武藤雄樹も「シャドーの2枚が相手のセンターバックに対して、いける時はいこうと。そして、両ワイドがサイドバックを潰しにいくというのがハマった場面は多かったと思いますね」と、用意した戦術が機能したと振り返った。

後ろの構え方は元に戻したとはいえ、相手に対する基本的なスカウティングと守備戦術の整理が、勝利を引き寄せた要因として大きかったと言えるだろう。

▼過去のJクラブによる浦和対策をしてきたFCソウル
同様に、攻撃の局面ではFCソウルの対応が浦和にとっては非常にやりやすいものだった。GK西川周作まで使うビルドアップに対し、前線と後方が5対5に分断されて間延びした状態でも深追いする守り方は、3シーズンくらい前に浦和対策として多くのJリーグクラブが取っていたもので、もう何年もそれを崩すトレーニングを積んできているものだ。当時は苦戦していた戦術だが、先制ゴールの武藤雄樹は「まあ、ああなったら僕たちとしてはすごくやりやすいですよね」と、今となってはプレーしやすい状況にあったと話した。

浦和のトレーニングではしばしば、前線と後方に5対5のマンツーマン状態を作り、ミドルゾーンに大きなスペースを設定。縦パスを入れることができたタイミングで一気にラインを押し上げ、相手の前線を置き去りにして裏返しの状況を作ってスピードアップし、相手に後方に下がりながらの難しい守備を強いることが行われる。前からプレスを掛けて追い詰めているはずの相手は、実際のところは引きずり出されているだけということだ。ピッチ上に生まれたのは、大原サッカー場で何度となく見た光景であり、特に前半はそのヘビーローテーション状態だった。

もちろん、李忠成が「特に前半は決定的な仕事をして、しっかりと決めたこと。今までは決められずに難しくしていたので」と話したように、良い形の崩しをスコアに表したことが大きい。どれだけ確率を高めようとシュートを外し続ければスコアは変わらず「内容は良かった」という言葉に終始してしまう。そうした意味でも、決定機をしっかりとゴールにつなげたことは、精度の高い崩し以上に称賛されるべきだろう。

戦術的な部分を含む準備とトレーニングの積み重ね、そして、それをピッチ上に表現するための運動量やボール際の強さといった個々のプレーが噛み合った好ゲームだった。もちろん、試合終盤の余計な失点など全てが完璧だったとは言えない、しかし、阿部勇樹、柏木陽介といった不動のダブルボランチが不在の中で、内容も結果もハイレベルなものを残したことは、シーズンを戦う上でチームにとって大きな自信になるはずだ。

※関連リンク
【轡田哲朗レッズレビュー/ACLソウル戦】移籍後初ゴールに笑顔の駒井善成 ポジションを争う選手たちへの強い気持ちを乗せたプレー


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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