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浦議ニュース2016 11/30  18:24

『蹴られて、ぶつけられて、立ち上がり続けた李忠成 チームのために体を張り続けたファイター』CS鹿島vs浦和【轡田哲朗のレッズレビュー】

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▼「何回ぶつけられたか数えておいてください」というほどのマーク
何度となく体をぶつけられ、蹴られ、ピッチに倒れ込んだ。それでも立ち上がってチームのために走り続けた。

李忠成は29日のJリーグチャンピオンシップ第1戦の鹿島アントラーズ戦でスタメン出場した。公式戦でのスタメンは、10月5日のルヴァン杯準決勝第1戦のFC東京戦以来、7試合ぶりだった。この間、浦和レッズのスタメンは興梠慎三、武藤雄樹、高木俊幸のセットが定番だった。試合が2日前に迫ってからのトレーニングでも先発組に入ることはなく、それこそルヴァン杯決勝で同点ゴールを挙げたように"スーパーサブ"としての起用が予想されていた。

しかし、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は決戦に臨む11人に李の名前を書き記した。李は「戦う自分みたいなのを入れたんじゃないですか」と、指揮官の起用の意図を推し量った。

そして、ピッチ上で彼が見せたのは、その期待に十分に応えるものだった。ボールを左右に動かしながら守備陣の穴をさがしたレッズだが、李が「(スライドが)速いですよね。さすがアントラーズという感じで、とてもいいチームだなと」と振り返ったように、前線のトリオは流れるような攻撃を展開するには至らなかった。

「レッズらしいサッカーじゃなかったですね」と、相手の守備を崩し切れなかったことに対しては悔しさも垣間見せた。

そうしたゲーム展開だったため、縦パスの的になる選手たちに鹿島の守備陣は厳しいマークで臨んできた。その激しさは、李が「やたら蹴られたり頭突きされたりね。何回ぶつけられたか数えておいてください」と話すほどだった。それでも、ピッチに倒れ込んだ彼が治療を要求してピッチの外に出ることは一度もなかった。確認のために近づいたレフェリーに、「大丈夫」という意志を伝え、立ち上がってプレーに参加し続けた。

▼試合終了間際に自陣へ全速力で戻るプレー
確かに攻撃面では大きなチャンスを生み出すようなプレーはできなかったかもしれない。だが、李はそれを補って余りあるほどに守備での貢献が大きかった。チームがボールを奪われてはすぐに切り替え、セカンドボールを味方が回収できるプレーにつなげた。その象徴になったのが、後半43分のシーンだった。

右サイドでボールを持った途中出場の関根貴大が、中央に入れたショートパスをカットされてしまった。「ヤバい、と思った」という関根が追いかけるが、鹿島の攻撃はすぐさま逆サイドにつながっていった。その時、猛然と前線から走って守備のサポートに入り、最後はクロスを上げさせずにプレーを切ったのが李だった。

関根は「チュン君(李)が体を張ってくれたので助かりました。本当に今日は前半からチュン君がハードワークして体を張って前線でキープしていたので、そういうところで自分もやらなくてはいけないと感じました。次は、どんな形であれ今日のような入り方をしないように自分の中で整理したい」と反省しきりだった。

試合終了も近づこうかという時間帯に見せた自陣への猛ダッシュには、李の持つ信念と自負がある。

「自分の良さは運動量。ああいうプレーを11人ができればそうそうやられない。自分が走ることでメッセージがチーム内に浸透する。これからも続けたい」

ルヴァン杯決勝で見せたように、ゴールという形で勝利への執念を実らせるのは分かりやすい形かもしれない。しかし、1-0のリードで迎えた試合終盤に、味方のカバーのために全力を尽くし、大ピンチになりかねないプレーを防いだ。それは、タイトルを懸けたビッグマッチではゴールに匹敵する価値があると言ってもいいだろう。

結局、浦和のビッグチャンスは興梠が得たPKを阿部勇樹が決めた場面くらいだった。まさに粘り勝ちとも言えるゲームだったが、そこにチームが成長するための課題もあるという。

「相手がバチバチ前に来た時に外せない部分がある。そこを外せたら、本当に強いレッズになる。今日は勝ってただ嬉しいというだけじゃなくて、課題も見つかったすごく良い試合だった」

1点を追う鹿島がより激しいマークを見せるところをかいくぐってカウンターのチャンスにつなげるレベルまで上げることができれば、もう一段の進化が臨めると見通している。勝利という結果を手にし、なおかつ課題を得るのはチームとして最高の状態でもある。

▼最後は「レッズらしいサッカーをしたい」
これでアウェーゴールと1勝という優位な状況を得て、ホームに戻ってくることができる。「アドバンテージはアドバンテージ。それを考えることは必要」とした上で、李は、チケットが完売の埼スタで最高のサッカーを見せたいと語る。

「レッズらしいサッカーをしたい。その先に結果がついてくると思う。最高にサポーターが入るし、サッカー選手冥利に尽きる。楽しみしかない。レッズらしい綺麗に崩すミシャのサッカーを体現できると思いますよ」

「今日、眠れるか心配」というほどの痛みは、チームのために体を張り続けた勲章でもある。ホームでのゲームでは、彼らしくゴール前での勝負強さを見せつけて決勝ゴールを奪う瞬間を楽しみにしたい。その先に、目標としてきたタイトルとクラブワールドカップの舞台が待っている。


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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