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浦議ニュース2016 10/30  22:56

【轡田哲朗のレッズレビュー】Jリーグ磐田vs浦和『リベンジを果たす勝利を掴んだ西川周作 失敗から学ぶ守護神の真骨頂』

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▼ファーストステージでの"失敗体験"を突いてきた磐田
「自分は失敗から学んでいるし、今日は何としても結果を残してリベンジしたかった――」

浦和レッズがジュビロ磐田に1-0の勝利を飾ったゲームに、その強い思いを持っていたのが西川周作だった。それもそのはずで、西川は磐田戦に大きな借りを作っていたからだ。

もう半年以上も前になるファーストステージの第2節、チームにとってリーグ戦のホーム開幕戦となったゲームで、西川はGKとしては「やってはいけない」の部類に入る失点をしていた。味方のバックパスを受けてパスをつなごうとしたところで奪われ、相手に先制点を与える失点をしていたからだ。難しいプレーを選択したように見えた判断は、多くの批判を浴びた。

それが磐田の名波浩監督の頭にあったかどうかは定かではないが、このゲームで磐田は基本的に守備ブロックを作って浦和の攻撃を待ち受ける戦術を取ったものの、西川にバックパスが入った場面ではプレッシャーを掛ける意思を見せた。磐田にとっての「成功体験」であり、西川にとっての「失敗体験」を思い出させようとしているかのようなプレーだった。

西川も、「悪いことを思い出させようという意図は、もしかしたらあったかもしれないですね」と振り返った。

「全部が全部ではなかったけど、自分にプレッシャーを掛けてくるのは感じましたね。周りの選手が良いポジションを取ってくれたというのはありますけど、今日はそれによってメンタルを悪い方向に流されず、むしろウェルカムだと思ってボール回しに参加しようと思っていました。多少のプレッシャーが来てもつないでみようと。そこで1つ2つはがしたら、相手も来られなくなったわけですし、そこの駆け引きを楽しむこともできたと思いますね」

それが冒頭の「リベンジ」という言葉につながっていた。相手がバックパスを受ける瞬間にプレッシャーを掛けてくるという、過去に失敗をしたことがある状況から安易に逃げることなく、そこで学習したものを生かしてさらに相手の上をいこうとする。それが、このゲームでの安定感につながったのだろう。

▼失敗から学んで克服したもう一つのもの
そしてもう一つ、失敗から学んでリベンジを果たしたことがある。それは、年間のリーグ第33節というタイミングに起因するものだ。

2012年から14年まで、浦和はこのタイミングで必ずサガン鳥栖とのアウェーゲームを戦い、いずれも勝利が求められるゲームで引き分けや敗戦という結果になってきた。それが、手が届いてもおかしくなかったリーグタイトルを遠ざけてきた大きな要因であったのは間違いない。特に、14年の1-0でリードしながらラストプレーとなったコーナーキックで失点したゲームは、全員の心に大きな傷を残した。だがこの日も、武藤雄樹のゴールで1-0とリードはしたものの、その後の相次ぐ決定機を決められずに時間が進んでいた。あの時の悪夢が嫌でも思い出される試合展開だった。

ミハイロ・ペトロヴィッチ監督も試合後に記者会見で「サッカーは自分たちがチャンスを決めきれないことを続けていると、相手の1つのチャンスで失点してしまう。そういうことがよく起こるものだ」と、このゲーム運びが大きなリスクを含んだものであったことを話していた。

だからこそ、西川は努めてピッチ内にネガティブな空気を出さないように声を掛けていたと明かした。

「守備の人間でセットプレーの前などに『チャンスはピンチだぞ』と。決めきれない時間が長いほど我慢が必要だと思っていましたからね。こうやってポジティブな空気を出しながら、『ピンチはチャンス』、『チャンスはピンチ』と言い続けてやれている。やっぱり、誰か一人でもそういう『まずいな』という雰囲気を出してしまえばやられてしまいますから。チーム全体で、良い緊張感とリラックスのバランスで毎試合できていると思います」

結局、最後の最後まで浦和の守備陣は集中力を切らすことなく、かといって腰が引けてしまうことなくゲームを締めくくり、1点のリードをそのまま勝ち点3へとつなげた。この試合で決めたセカンドステージ優勝という称号よりも、もしかしたら大きな価値を持つことだったのかもしれない。

▼最終節のシャットアウト勝利で歴史に名を刻めるか
この無失点勝利により、リーグの年間勝ち点は73に伸び、リーグ年間失点数も27を維持した。これまでのJリーグ歴代最多は、同74と同28だ。そして、その最少失点記録は浦和が06年にリーグ優勝を果たした時に記録したものでもある。

「その記録は一つのモチベーションになっていますよね。今年に関していえば、勝ち点が多いだけでは真のチャンピオンではないけど、年間1位で上がってくるチームを待ち受けたい。それがチャンピオンシップを勝ち取ることにも大きな力になると思いますから」

チームを最後方から支える守護神はこう語った。この記録はいずれも、最終節の横浜F・マリノス戦を無失点で勝利すれば自動的に達成できるものであり、チームが目標としてきた年間のリーグ勝ち点1位も同時に手中に収められるものだ。

常に「失敗から学ぶ」を信条としてきた守護神は、最終節を笑顔のシャットアウト勝利で飾ることでリーグの最高の締めくくりとしようとしている。


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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