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浦議ニュース2016 10/17  22:15

【轡田哲朗のレッズレビュー】ルヴァン杯浦和vsG大阪『ルヴァン杯を勝ち取ったキャプテン阿部勇樹のサポーターへの思い いつでも逆サイドを見ている存在』

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▼優勝が決まった瞬間にサポーターに向かって駆け出した
ルヴァン杯の決勝戦、PK戦で5人目のキッカーを務めた遠藤航のシュートがゴール右サイドに突き刺さった瞬間、浦和レッズは待望のタイトルを手にした。前身のヤマザキナビスコ杯から見れば13年ぶり、国内の主要タイトルという意味では、2007年の元日に天皇杯の決勝で勝利して以来だった。

その瞬間、キャプテンの阿部勇樹は浦和サポーターが陣取った反対側のゴール裏の方向へ駆け出していた。

「苦しい、つらい思いをさせてきたし、長く色々な方が待っていたと思うので、あっちを向いて一緒に喜びたかった」

阿部は「ここ数年、決勝とかでなかなか結果が出なかった。(負けた後のスタジアムを)一周回るのに、申し訳なかった。サポーターもそうだし、一緒に戦ったメンバーもそう。チームとして結果を出せなかったのが残念だった」という思いをずっと胸に抱えながら、とにかく結果を残すために全てを尽くしてきた。

阿部が話したように、ここ数年のタイトルの懸かったゲームで敗れた後のミックスゾーンでは、悔しそうな表情や、時には涙ぐむような表情ばかりを見てきた。そのキャプテンが、本当に嬉しそうな顔で駆け出しているのを見られたことが、取材をさせてもらっている側としても本当に嬉しかった。

阿部は、サポーターに対する思いを、時に笑顔を交えながらしっかりとした言葉で話した。

「サポーターとぶつかることもあるけど、ああいうのは一つになって進んでいると実感できる瞬間でもあるから。この先のレッズを考えた中で、タイトルというのはともに進んでいくために必要だったと思うし、一緒に笑顔になれて良かった。

僕のくる前の年にリーグ優勝しているけど、プレッシャーが選手を個人としても強くしているなと。対戦チームとして、この雰囲気の中で毎試合やったら強くなるんだろうなと思っていた。でも、まだまだ。いつも声援をしてもらって、全て返せたかと言えば全然足りないでしょう。まだまだやるべきことはあるので、これからも続けていけたら。

ここからどう上がっていくかというところで、いつも結果がついてこなかった。ちょっと、今までとは違うんじゃないかなと思うけど、それはこの後にリーグ戦もあるので、そこでどう戦うかだと思う。こういう雰囲気を、自分たち次第でつかめるチャンスがあるから。サポーターから次に向けてのメッセージも受け取ったし、それに向けてやっていければ。目の前の試合を一つ一つやっていくつもりだし、今日きた皆さんもそう感じてくれていると思う」

▼気持ちの部分でも"逆サイド"を見るキャプテン
ボランチとしての阿部勇樹も、キャプテンとしての阿部勇樹も、私の感覚を言葉にすると「いつも逆サイドを見ている」というものになる。攻撃的なプレーではサイドチェンジなどが分かりやすく当てはまるし、守備面ではボールウォッチャーになることなくスペースを埋めるようなことがそうだろう。

だが、そうした目に見えるプレーだけでなく、ちょっとした気遣いや配慮といった部分が、逆サイドを見ているかのように感じられることもある。例えば、このルヴァン杯で言えば準々決勝ファーストレグのヴィッセル神戸戦で、GK大谷幸輝がボールを奪われて同点に追いつかれた直後もそうだった。「もう一度、チームのギアを上げていこう」という時に、阿部はあえてフリーな状態で大谷にパスを渡す。何気ない一つのパスだったが、大谷は「すごく助かった」と話していた。自信を取り戻させるように、チームの流れに取り残されないように、というかのような一つのパスは、阿部らしさが出ているように感じられた。

だからこそ、チームが絶好調で誰もが勢いに乗っている時ほど、スッと控えていく。そして、その流れに乗り切れない選手がいれば寄り添うように気遣う。逆に、連敗が続いてチームが停滞するようなら、自ら相手選手にハードプレスをかけ「もっと行くぞ!」と鼓舞する。例えば、公式戦3連敗が続いた後に迎えた昨年のリーグ開幕戦、湘南ベルマーレ戦は宇賀神友弥が「あんな阿部さん見たことなかった」と話したほどの気迫だった。

優勝の余韻が残るミックスゾーンでも、嬉しそうな表情で取材を受けるチームメートを「やる時はやって、騒ぐときは騒ぐのが浦和レッズなんじゃないですか」と笑顔で見守りながら、気持ちを引き締めているかのようだった。

「この一つで満足するわけでもないので。こうやって良い時の後は気を付けなきゃいけない。去年はファースト(ステージ)を取れたけど、そこからのことを考えたら、ね。試合数が限られてきたけど、まだまだチームとして上がっていくように戦っていかなきゃいけない。去年の経験は、今日生かさなきゃいけないかな」

これまで決勝戦のようなタイトルが懸かったゲームにことごとく敗れているのだから、このルヴァン杯の優勝を「たかが一つ」とは言えない。その一つを取るのがどれだけ大変かを思い知らされてきたからだ。だからこそ、「あれは、たまたまだよ」と言われないためにも、次の一つ、そしてまた次の一つと取っていくことが大切なことだ。

それでも阿部の言葉を聞いているうちに、キャプテンの大役として表彰式でカップを高々と掲げる姿を何度も見られるはずだと、そういう思いにさせられた。



轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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