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浦議ニュース2016 10/12  10:00

【轡田哲朗のレッズレビュー】ルヴァン杯浦和vsFC東京『浦和の最前線で体を張り続けた興梠によるプロ初のハットトリック 埼スタ決勝ガンバ戦でのリベンジへ』

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▼1トップでありながら2列目から飛び出すプレー
ルヴァンカップ準決勝第2戦で、興梠慎三はプロキャリアの中で自身初のハットトリックを達成した。意外な感じもするが、浦和で見せてきた彼のプレースタイルや言葉の数々からは、どこか納得がいくものがあった。

この試合の興梠は「自分的にもコンディションが良くて、今日は点を取れるだろう」という予感の中で試合の立ち上がりを過ごしたという。実際に、多くの選手から攻撃のつなぎがスムーズにいったという印象の言葉が聞かれた中で、ボールタッチをしながらいい形でリズムを作れたのだろう。

そして、1点目は浦和に来てからの興梠らしさが出た1点だった。

右サイドの駒井善成から速いボールを受けると、相手を背負ってキープしつつ青木拓矢に渡した。その間に次の動き出しを始め、高木俊幸にパスが渡った時点で「出せ!」と大きな声を出したという。

「トシ(高木)が中にタッチした時には、斜めに走るから見て欲しいと伝えていたので。トシは外に出そうと思っていたかもしれないけど「出せ!」と大きな声を出した。感覚としては2列目から飛び出した感じで。相手も付きづらいと思うし、真ん中がぽっかり空いたので」

少なくとも2013年に鹿島アントラーズから浦和に移籍加入してからの興梠は、自らボールを受けて、捌いて、動き直すというプレーを忠実に繰り返してきた。その結果として、興梠自身が話すように1トップでありながら後ろから飛び出すような形になり、相手のマークを混乱させる。そして、ゴール前での勝負強さを発揮したゴールだった。

▼毎試合コンスタントに活躍することを求める姿勢
続く2点目は、プロの世界でストライカーとして生き残る選手だからこそのゴールだった。再び駒井からの展開になったが、今度は相手GKと最終ラインの間のスペースを見つけると、一気にニアサイドに飛び込んで合わせた。「駒井のボールが良かったし、触るだけ」と話したが、そのスペースに飛び込むこと自体がストライカーの証明だ。そうした駆け引きについて「それができなくなったら引退かな」と笑っていたが、ここぞという時にゴールに直結した動きを見せた2点目だった。

そうした浦和に来てからよく見せるようになったプレーと、ストライカーとしての本能のようなゴールで2点を奪った興梠だったが、その後にPKを決めたハットトリック達成については「まさか今日取るとは思わなかった」と笑い「サッカー人生で一度は経験してみたいと思っていた」とも話した。だが、興梠のその後に続く言葉が彼のスタンスを表しているように感じた。

「1試合で3点取るよりは、3試合連続で1点ずつ取る方がすごいような気もする」

興梠は常に、自分のゴールを大切にしながらもチームが得点を取って勝つことが大切だということを強調してきた。強引にシュートを打つこともあるが、基本的にはよりゴールの確率が高ければパスを選択するし、ボールを受けた後にエゴを丸出しにして無理なプレーを繰り返すこともない。そして、1つのゲームで大爆発するのではなく、コンスタントにチームに貢献し続けることが大切だということを強調し、実践してきた。だからこそ、稀有な得点能力を持ちながらも、「ハットトリック」という形ではそれが表れてこなかったのかもしれない。だがこの日、晴れてルヴァン杯と名称が変更されてからのハットトリック第一号として名を残すことになった。

今夏のリオデジャネイロ五輪にオーバーエイジ枠で参加したことは、興梠を心身ともにひどく疲弊させた。自身が「燃え尽き症候群ってこんな感じなのかな」と話すほどの状態にまで落ち込んだが、9月17日にリーグ戦のFC東京戦で決めたゴールから再び上昇気流に乗った。

▼万全な状態で臨めてこなかった埼スタでのガンバ戦
決勝の相手になるガンバ大阪に対しては、この2年間だけでも勝てば優勝が決まった2014年のリーグ戦、昨シーズンのチャンピオンシップの準決勝、天皇杯の決勝と、タイトルに直結したゲームでことごとく敗れてきた。今月1日のリーグ戦では4-0と圧勝したが、「いつも悔しいところでガンバに負けてきた。リーグ戦で勝ったのとは状況が違う」と、興梠自身も話した。

しかし、その興梠は天皇杯の決勝を除く2試合は万全な状態でガンバ戦には臨めていなかった。14年のゲームは腓骨骨折の影響で、試合終盤に強行出場して悪化させてしまった。チャンピオンシップは、1週間前のリーグ最終節の前日練習で首を痛めて欠場した。いずれも、埼玉スタジアムでのガンバ戦で味わった悔しさと無力感だった。

だからこそ、「決勝でこそ借りを返したい。みんな思っていると思うけど、負ける気がしない。いつも通りにやれば大丈夫。冷静にやれば負ける相手じゃない」と、リベンジへの自信も見せている。浦和の最前線で献身的なプレーを続け、チームのゴールを生み出す興梠がカップを掲げる瞬間を心待ちにしたい。


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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