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浦議ニュース2016 10/08  09:00

【轡田哲朗のレッズレビュー】ルヴァン杯FC東京vs浦和『7戦6発と大爆発の高木 苦しみながら見出したチーム戦術と個人プレーのバランス』

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▼シャドーの役割で頭がいっぱいになっていた過去
高木俊幸の勢いが止まらない。5日のルヴァンカップ準決勝ファーストレグでFC東京と対戦した浦和レッズは、2-1の逆転勝利を飾った。その勢いを呼び込んだのが、後半32分に鮮やかなミドルシュートで同点ゴールを決めた高木だった。

これで高木は公式戦3試合連続ゴール。今季の公式戦初ゴールとなった同杯準々決勝ファーストレグのヴィッセル神戸戦から数えれば、7試合で6ゴールと大爆発している。

はたして、このゴール量産はどこに要因があるのか。高木はチーム戦術と個人能力を発揮するバランスをつかんだことを話した。

昨季に移籍加入した高木は、清水エスパルスで左サイドのアタッカーとして活躍していた。同じポジションでは石原直樹と武藤雄樹も同期加入になったが、周囲からの前評判という意味での期待度は高木が最も高かったかもしれない。しかし、武藤がレギュラーに定着してブレークする一方で、高木はなかなかチームの中にフィットできずに苦しんでいた。

その大きな要因が、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いる浦和のシャドーには、多岐に渡る役割が課せられることだった。攻撃時には後方からのボールを引き出すリンクマンの役割と、ゴールに直結する位置でのコンビネーションプレーの両方が求められる。そして、ひとたびボールを奪われれば前線でのファーストディフェンダーの役目と、ブロックを作る場面ではサイドハーフとしての役割がある。

武藤は自身の持つ特徴と役割がすんなりとフィットした感があった。石原はケガの不運があったが、サンフレッチェ広島で同じシステムを経験していた。しかし、ゼロからのスタートになった高木は、その役割をこなすことで頭がいっぱいになっていたのだと話した。

「試合に出始めたころは、言われた通りの動きと言われた通りの守備だけで、動かされているだけという感じがありましたね。シャドーの決められた位置だけで動いていた感じがあるし、試合に出るのも途切れ途切れで、ポジションの感覚を掴む前に出られなくなったこともあったので」

もちろん、サッカーがチームスポーツであり、特にペトロヴィッチ監督がコンビネーションを重視する以上、あまりにも好き勝手なポジション取りやプレーは許容されない。トレーニングで積み重ねてきたプレーを出そうとしたとき、いるべき場所に選手がいなければ攻撃はスムーズに進まない。その一方で、自らの長所であるボールを持ってからのドリブル、ミドルシュートといったプレーを出すには、足かせになっていた面があった。

▼"良い意味で"チームのセオリーを崩す個人プレー
そうしたチーム戦術と個人能力の発揮というバランス、"良い意味で"チームのセオリーを崩すサジ加減が最もうまかったのは、ペトロヴィッチ監督就任後だと原口元気(現ヘルタ)だった。チームプレーをしつつ、時々サイドに開いてボールを受けてはドリブルを仕掛け、攻撃にアクセントをつけていた。そして、似たような部分に長所を持つ高木も、その感覚を身に着け始めたのだと手応えを語った。

「ミシャのやることと、自分の好きなこと。そういう感じだと思いますね。しっかりと抜け出す動きをやった上でボールを引き出すというか。特に自分の得意な開いた位置に落ちることですね。何試合かやっていく中で、自分はある程度ボールを触った方が良いと感じました。シンプルにつなぎに参加することも含めてボールを触って、相手の間の難しいところで受けるフィーリングを良くしていくという、試合の中での自分の組み立てができるようになってきている手応えはありますね。

そうやって、今は感覚的にチームの役割も動きもできるようになってきているので。ここは自分のプレーを出せそうだと感じた時には出せているし、そのバランスが良くなったと思います。(得点が伸びているのは)そこだと思いますね」

チームの中で必要な役割を果たしつつ、自分の良さを出す道も見つける。その難しい作業に少し時間は掛かってしまったが、高木は自分の中でのバランスを見つけ出した。そのことがストロングポイントである思い切った仕掛けやシュートを迷いなく選択することにつながる。そして、このFC東京戦の「横のコースはベストではなかったかもしれないけど、縦という意味では枠の外から落ちてくるGKにノーチャンスのシュートにできたと思う」と、自身も納得の一撃を呼び込んだ。

FWの選手は勢いに乗ると、ゴールがゴールを呼ぶとでもいうくらいに爆発することがある。しかし、今の高木が見せているゴール量産には、勢いだけでなく必死にもがいた末に見出して確立した浦和の中でのスタイルが土台にある。

浦和の攻撃陣の中で、稀有な個人能力を持つ高木が不動のレギュラーと呼ばれる存在になっていく日も、そう遠くはないのかもしれない。


轡田哲朗

1981年10月30日生まれ、埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。

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