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浦議ニュース2015 04/25  06:35

【滝澤翔のレッズ・レビュー】Jリーグ 浦和vs水原三星レビュー『力がなかったのではなくて、力を出せずに終わった』

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浦和レッズを追いかけるフリーライター滝澤翔によるレッズ戦評が浦議オリジナルコラムとしてでスタート!



▼発動しなかったコンビネーション
グループステージ第4節を終えて、1分3敗の勝ち点1。GS突破へ、黄色信号が点灯している状況に置かれた浦和だったが、第5節の水原三星(韓国)戦の結果次第ではラウンド16進出の可能性はまだ残されていた。敵地での最終節、ブリスベン・ロアー(豪州)戦まで望みをつなぐには、浦和が水原に1-0、もしくは2点差以上のスコアで勝つことが絶対条件。"背水の陣"とも言える一戦でペトロヴィッチ監督は、直近のリーグ戦・J1ファーストステージ第6節・横浜FM戦から先発メンバー8人を入れ替えて決戦に臨んだ。

「試合前、私はこのチームでいけるという自信を持って送り出した11人だった」
試合後の会見で雄弁にそう語ったペトロヴィッチ監督だったが、大幅なメンバー変更を施した影響は決して小さくなかった。"ミシャ・レッズ"自慢の前線のコンビネーションは鳴りを潜め、11分に橋本和→李忠成→槙野智章によるコンビネーションから槙野がシュートを放った場面以外は、選手同士の連係が合わないシーンが多かった。一方の守備では相手の鋭いカウンターを浴びて、肝を冷やすシーンが頻発。「前半は本当に(西川)周作くんに助けられた」と槙野が語るほど、守護神のファインセーブでなんとかしのぐ展開となった。


▼選手交代で流れを呼び込む
「試合が始まれば思い描いた展開にはならなかった」
指揮官はハーフタイムに3枚代えを決行するなど、自身の先発の人選ミスを認めるかのような用兵を実践。最前線にはフィジカルが強く、ここ最近の試合では「ピッチの上で自分自身の特長を発揮できるようになってきた」というズラタンを起用し、前半は1トップだった李をシャドーのポジションにスライド。また、前半はシャドーだった柏木陽介がボランチの位置に下がったことで、「陽介からパスが出てくるようになった」(李)と、後半の浦和はパス回しがよりスムーズになった。

後半の開始からお尻に火がついたように攻め込んだ浦和は、相手の陣形が間延びしたスキを突き、チャンスを創出。69分には「ズラ(ズラタン)の良い動きが見えたし、あの位置から何本かシュートを打っていたので、相手もシュートを読んでいただろうからクロスを選択した」という高木俊幸のクロスボールに、ズラタンが頭で合わせて待望の先制点を奪った。

▼2点目を取りに行った結果
1-0のスコアで勝ち切れば、GS突破へ最終節に望みがつながるーー。勝ち点で並んだ場合、当該成績で順位が決まるレギュレーションを考慮すれば、浦和には1-0のまま試合をクローズさせる選択肢もあった。ところが、実際のピッチ上ではそれとは異なる意思統一の下、戦っていたという。柏木が証言する。
「2点目を取りに行こうとしていた。2点差になれば優位に立てる試合でもあるから」
しかし、その選択は「われわれは後半のほうが強い姿を見せられるチーム」とソ・ジョンウォン監督が自信を持つ水原三星のストロングポイントを発揮するシチュエーションを作り上げていたことと結果的に同義だった。

74分、中盤の中央での浮いたセカンドボールを競り合った青木拓矢がルーズな対応でマイボールにできずにいると、そこから水原のカウンターを浴びて、最後はヨム・ギフンのクロスから途中出場のコ・チャウォンに同点ゴールを奪われてしまう。

1-1となったことであと2点が必要になった浦和は、前がかりに水原ゴールを攻め立てる。しかし、終了間際の89分には同点ゴールの場面と同様に、右サイドを崩される形で最後はセレッソ大阪や横浜FCでもプレーしていたカイオに決勝弾を叩き込まれた。

アディショナルタイムの3分が過ぎると、試合終了を告げるレフェリーの笛が鳴り響く。埼スタには韓国の地からやってきた水原サポーターの奏でる勝利の歌が轟く中、浦和のゴール裏からは容赦ないブーイングが飛んだ。
 
▼力がなかったのではなくて、力を出せずに終わった
最終節を待たずしてグループステージ敗退が決まるなど、2015シーズンのACLは浦和のアジア挑戦史上、最もシビアな結果となった。2007年大会で優勝カップを掲げた経験のある鈴木啓太は、「この取材の中で言葉にして人に伝えることは難しい」と前置きしながらも、今回のアジア挑戦を次のような言葉で総括している。
「こういう結果は予想をしていなかった。大きな自信があったかどうかは別として、もっと良い形を見せられたんじゃないか。自分たちが積み重ねてきたことを出せるチームだと思っていたけど、実際には90分を通してすべてのゲームにおいて(積み重ねてきたことを)出せなかったことが結果に表れたんじゃないか。これが受け止めないといけない現実。力がなかったのではなくて、力を出せずに終わった。それが結果的に力がなかったと解釈できるのではないか」

オフシーズンの浦和は期限付き移籍からの復帰組を含めると、11人の新戦力が加わり、指揮官が抱える手駒は単純に増えたことになる。それを実証するかのように、"ミシャ・レッズ"の看板である1トップ2シャドーのポジションには、直近の水原戦を含めた今季の公式戦12試合で、実に12パターン、すべての試合で組み合わせが異なっていた。もちろん、その背景には大黒柱である興梠慎三が負傷で離脱している影響もあるが、熟成途中のコンビネーションで勝ち抜けるほど、アジアは甘くなかった。 

ましてや、4年目を迎えた"ミシャ・レッズ"の可変システムによる戦術は、アジアでの対戦相手にも丸裸にされている。例えば今節の水原もボランチのキム・ウンソンがシャドーの柏木にマンマークで張り付き、守備時には最終ラインに吸収されて、"変則5バック"を敷く徹底ぶりだった。

その一方で守備面でも目を背けてはならない現実がある。
「相手のクオリティーの違いはあるけど、リーグ戦では我慢強さを発揮できているのに、ACLでは先制してからのゲーム運びに課題があるし、クリーンシートで終わることができていない」
槙野がチームの問題点をそう指摘しているように、アジアでの球際の攻防に象徴される守備の耐久力不足が失点につながっている側面は否めない。

個で相手よりも優位に立てる時代が過ぎ去り、足りない個の力を補う戦略や戦術・ゲームプランでも優位性を持たないチームが、本気でアジアタイトルを狙うのならば、ACLに臨むスタンスそのものを見直す必要があるだろう。




滝澤翔(たきざわ・かける)
30代のフリーライター。サッカーフリークになったきっかけは高校選手権。いきものがかりの『心の花を咲かせよう』、大原櫻子の『瞳』など、選手権のイメージソングをきっかけに歌っているアーティストを好きになる傾向がある。


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