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しびれくらげの北サイドスタンドから「対サンフレッチェ広島戦」

しびれくらげの北サイドスタンドから「対サンフレッチェ広島戦」17

しびれくらげの北サイドスタンドから 今年よりサッカーライター&有名ブロガー「しびれくらげ」さんの試合コラムを開始!
今回はサンフレッチェ広島戦です。
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●しびれくらげ(山崎一裕)
プロフィール:昨シーズンまで3年間、職業サッカーライターをやっていたアラフォーサポーター。再びサラリーマンに戻るべく就職活動中(お仕事募集してます)。経済的事情から当面は埼スタのみ参加予定。
開店休業中のBlogURL:http://shibirekulage.com/
Twitterアカウント:@shibirekulage

コラム方針:記者席から北サイドスタンドへ、90度移動した立ち位置で、ポジティブに、北サイドスタンド的な目線で書いていきます。
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ご無沙汰していました。しびれくらげです。
ワールドカップの熱狂も過ぎ、いよいよJリーグが再開しました。そしてレッズは前節、ガンバに破れ、数字的には第11節のFマリノス戦から、第12節のベガルタ戦の引き分けを挟んで連敗という形でサンフレッチェ広島戦を迎えました。

サンフレッチェのペトロビッチ監督は元ジェフ、元日本代表監督であるオシム氏の弟子として同じコンセプトのサッカーを志向しているといいます。対するフィンケ監督もオシム監督と同様に(フィンケ監督によれば)「ボールオリエンテッドな」サッカーを志向しており、恐らくサッカーの世界では似たような好みを持っているのではないかと思われます。
かつて「サッカー御三家(埼玉県、静岡県、広島県)」同士だったというのはともかく、共にオフト氏が監督を務め(マツダSC:1987~1988年、レッズ:2002~2003年)ていたり、最近のところではこの中断期間では共にオーストリアのシュタイアーマルク州でキャンプを行ったという共通点もあります。
そして何より柏木にとっては下部組織時代から育った古巣という相手であるわけです。

さて、この日、私は福島県のJヴィレッジで「第34回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」に出場したレッズユースの試合を見て、それから埼スタに向かいました。
レッズユースのこの日の対戦相手は愛媛FCユース。レッズユースは、関東大会で優勝してこの全国大会を迎えたわけですが、初戦で硬くなったのか、らしくないプレーで相手に先制を許し、追いつき、逆転してはまた追いつかれ、手に汗握る展開の中、最後は相手のオウンゴールもありましたが、2点差を付けて突き放しました。
この日のレッズユースの苦戦の原因は、最終ラインやボランチのポジションでの横パスをカットされて、相手にカウンターを食らったものです。この辺りは実に見事にトップチームと共通しているではありませんか(苦笑)。
システムは「4-1-2-3」。フォーバックに1人の守備的ハーフ、2人の攻撃的ハーフにワントップと両ウィングといった感じです。トップチームは2人の守備的ハーフと1人の攻撃的ハーフの「4-2-1-3」ですから、多少の違いはありますが、目指しているところは共通していると言えます。
もちろん、下部組織はトップチームで活躍できる選手を育て上げることが目的ですから、その考え方について学ぶために、同様のシステムを採用するのも当然です。
フィンケ監督がトップチームで「(4-1-2-3と4-2-1-3を含めた意味で)4-3-3」のシステムを採用しており、そしてユースも同様に「4-3-3」で戦っているのです。

ところで、この状況は実は「フィンケ監督」が作り上げたものではありません。
レッズユースが「4-1-2-3」でプレーするようになったのは、まだオジェック/エンゲルス監督時代の2008年シーズンからなのです。
今の所属選手で言えば、「4」の左サイドバックに永田、「1」に濱田、「2」の1人が山田直、「3」の両ウィングが原口、高橋でした。
この時期、トップチームは「4-1-2-3」でも「4-2-1-3」でもありません。「3-5-2」が多かったですね。闘莉王がボランチに入ったときは「4-2-1-3」みたいな感じになったかもしれませんが。
当時私は、ユースのこの新システムを、原口、高橋の両ドリブラーと、キープ力の高い山田直など豊富な中盤の駒を十分に使い切るために採用したのだと思っていました。トップチームのサッカーのやり方とは必ずしも一致しないけれども、将来有望な選手に出場機会を与えるための臨時的なものだと思っていたのです(バルセロナなど、海外のサッカーについてはあまり見ていませんでしたし)。
しかし、翌2009年も、そして今年も、レッズユースは相変わらず「4-1-2-3」のシステムを使い続けています。そしてむしろ、トップチームの方が後追いで「4-2-1-3」になりました。
ここからわかることは、「フィンケ監督」がレッズに新しいサッカースタイルをもたらそうとしたのではなく、レッズのトップチームにも、下部組織にも、新しいサッカーをもたらそうとした誰かが、それができるフィンケ監督を招聘したということです。まあ、そんな大げさな話ではなく、いわゆる「バルセロナ・スタイル」を目指そうというような共通意識が、(フィンケ監督以外の)スタッフの間にもあったのだろうと思います。
そんな意味では、今現在、ユースとトップチームはうまく連携できています。短絡的にトップチームで役に立つ選手を育てているかどうかという意味ではなく、同じ方向を向いてやることができているという意味においてですが。
この状態を続けて行くためには、仮にフィンケ監督がレッズを去ったとしても、同じ指向をもつ監督を招聘する必要があることでしょう。そうしないのならば、「バルセロナ・スタイル」とは異なる、別の新しい哲学を確立し、その新しい哲学に応じた監督を招聘し、下部組織のやり方も変えなければならないでしょう。そしてそれは、決して簡単なことではありません。

前置きが長くなりましたが、サンフレッチェ戦について振り返ってみます。
「共通点がある」と最初に書いておいてなんですが、2つのチームの戦い方は対照的でした。佐藤寿人という、このチームが持つタレントの能力を活かすために、カウンターの局面で執拗に浮き球でディフェンスラインの裏を狙うサンフレッチェと、サヌ、田中達、平川、柏木といった選手の能力を活かし、サイドから迫るレッズ。しかし、レッズはスピラノビッチの高さとポジショニング、坪井のカバーリング、山岸の飛び出しなどによって、ほぼ佐藤寿人を封じることに成功します。
一方でレッズは、特にサヌ、田中達のコンビネーションで左サイドから度々チャンスを作ります。しかし、サンフレッチェは中を固め、失点は防ぎます。将棋で言えば、「千日手」になりそうな前半でした。
ゲームを動かしたのはレッズの選手交代でした。ライン裏を狙う浮き球を跳ね返し続けていたスピラノビッチと堀之内との交代。敢えて意図を推し量るとすると、ディフェンスを1枚削って、ディフェンスができ、中盤としてもプレーできる選手(堀之内)を投入したのかと思いました。しかし、同時に、これは明らかなミスだと思われました。
いわば、敵の攻撃を防ぐのに、盾を使って身体の前で止めるのではなく、身体に直接当てて衝撃に耐えろと言うようなものでした。また、都合の悪いことに交代直後、最終ラインでのクリアミスからサンフレッチェに先制点を奪われてしまいます。
しかし監督のコメントによれば、これはスピラノビッチのコンディションの問題によるものであるようです。だとすれば、これは全く不運なことです。もちろん、「層の厚さ」という点で改善の余地はあるのかもしれませんが。

また、山田直に代えて投入したポンテも、これは結果論ですが失策に近いと思われます。
ポンテはもちろん一瞬のチャンスさえあれば、一本のパスで(相手にとって)危険な状況を作り出す能力を持っています。しかしながら、彼は山田直と異なり、誰かに「使われる」ということがほとんどできません。山田直と柏木を中心として、他の選手も絡めて互いに「使い」、「使われる」状況の連続は、山田直が下がったことによって消え、単調な攻撃を増やしてしまいました。やはり山田直はサポーターが称えるように「浦和のハート」であるのでしょう。現時点での彼が最高潮ではないにせよ、です。
最後の1枚は細貝に代えたエスクデロでしたが、この交代もまた効果を発揮せず終わりました。既にピッチは単調な攻撃が繰り返されるものとなっており、このような状況ではエスクデロは、遮二無二突き進むしか術を持っていないからです(せめて柏木や山田直など、近くでパスを受け渡しする選手がいればまだ違うのですが)。

残念ながら試合は終了し、レッズは引き分けを挟んで三連敗を喫することになりました。とても重い敗北です。ワールドカップの熱狂などどこへ行ったというようなこの日の観客数も、侘びしさに拍車をかけていました。

試合終了後、坪井が一人、試合後の握手を行う両チームの選手の列に背を向け、南サイドスタンドへ歩いていました。以前は敗戦後、何人もの「敗北を受け入れることができない」選手がいたものです。決して誉められた行為ではないでしょうし、坪井はこのことで何がしかの注意なりを受けるのかも知れません。
ただ、内心で苦々しく思いながら、形だけ「礼儀正しく握手をするという形式を守る」ことと、そうせず背を向けることとの間に、どれだけの差があるのだろうかとは思ってしまうものです。

北サイドスタンドからは、「宇賀神」コールと、「高原」コールが発せられました。
私は個人的に、このコールには同調できませんでした。まず宇賀神は、恐らくサヌの起用に対する批判なのだろうと思います(左サイドバックでポジションが被りますから)。
確かに前節のガンバ戦の失点シーンなど、お世辞にもサヌの守備は褒められたものではありません。しかし、その点は宇賀神も実はそう変わりません。第11節のFマリノス戦での失点シーンなど、やはり守備は、例えば右サイドの平川に比べて、万全というわけにはいきません。本職の左サイドバックでない2人を比べて、守備ができないからと言って批判するのがフェアだとは思えません。
あるいは、サヌを起用し続けるフィンケ監督への批判なのかもしれませんが。

そして「高原」コール。これは高原を水原三星ブルーウィングスへ移籍させた、あるいはオーストラリア合宿へ帯同させないという挙に出たフィンケ監督とクラブを批判するものでしょうか。
あるいは、単純に高原がこのゲームに欲しかったというものかもしれませんが、私はこの試合に高原が出場していても、よりいい結果が出ていたとは思えません。彼はそれなりにチャンスを与えられ、それを活かせませんでした。
活かせるような使い方がされなかった、という批判もあるかもしれません。フィンケ監督はこうコメントしています、「エジミウソンとマッチしなかった」と。例えばエジミウソンを中心に考えるのではなく、高原を中心に誰が合うかを考えるべきだったのでしょうか?(そしてエジミウソンが高原に合わないからといって放出するべきだった?)
何にせよ、高原の移籍は既に決まったことであり、高原には新しい挑戦が、チームには高原抜きの環境が与えられ、もう後戻りはできません。時計を逆に進めようとすることなど無駄なことだ、私は個人的にそう思いました。
あるいは、私がうがった見方をしているだけで、今にして思えば、本人には直接届かぬにせよ、高原に向けたエールだったのかもしれません。だとすればその瞬間、憮然として座っていた自分の態度を恥じなければなりませんし、改めて(一人きりでも)彼にコールを送るべきかもしれません。

一つ一つのコールの意味については、取り違えることもありますが、サポーターが本当に望んでいることは外していないと思います。なぜなら、それは私自身が望んでいることでもあるからです。
それは、チームが闘志を取り戻すことです。
もちろん、勝っているから闘志がある、負けているから闘志がないというものではありません。例え負けても闘志を感じられる試合はあるし、勝っても、それが感じられない試合もあるはずです。
例えば、新しいサッカースタイルを身につけることを、新しいレールの上に乗ることだとします。今はみんな、脱線しないようにレールにしがみついている状態です。
その新しいレールに乗ることを、私は否定しません。今まではレールもなく、しょっちゅう後戻りをしたり、明後日の方向に走ったりしていたのですから。
しかし、勝とうと我を失った時、思わずレールから転がり落ちることもあるはずです。落ちたらまたレールに戻ればいい。転がり落ちる勇気を持つこと、そして勝つためにはその犠牲を厭わないこと、例えるならばそれが闘志であるのではないかという気がします。
そんな姿を観客に見せることが、ワールドカップでみんなが学んだ「世界標準」の始まりなのではないでしょうか?



 

コメント

1.mizgi (IP:125.52.201.15)

2010年7月25日 19:00

まとまりのない読書感想文みたいだな。
夏休み最終日になんとかこなした宿題みたいだ。

2.まあ (IP:27.228.39.54)

2010年7月25日 19:11

言ってることは第三者から見れば確かにと思えるんだろうが
負けるとそうは思えなくなってくる不思議

3.ダル (IP:114.181.208.3)

2010年7月25日 19:15

文長いwwww

4.名無し (IP:114.183.176.139)

2010年7月25日 20:04

そろそろ爺さんにも限界だ。
今年の最低はACL出場権。

このままだと去年の二の舞ではないか…

5.au (IP:59.134.80.205)

2010年7月25日 20:46

若手は出れてるだけで満足してるしょ・・
プライドオブ浦和が感じられんよ・・

6.名無しさん (IP:122.30.94.230)

2010年7月25日 21:40

試合後のゴール裏からのコールは聞き取りずらかった。昨日はピッチ上の選手から勝利への意欲の様なものがあまり伝わらなかった。

7.ina (IP:58.0.106.159)

2010年7月25日 21:49

興味深く読ませて頂きました。頭の中でもやもやしてまとまらないことが、はっきりする記事で、同感します。
今シーズン最後まで諦めず、自分として大したことは出来ませんが、出来るだけのことを続けて応援したいとおもいます。

8.名無しさん (IP:59.147.238.67)

2010年7月25日 22:07

なんで、高原コールをしたのか、よ~くかんがえよう~

9.名無しさん (IP:220.210.134.143)

2010年7月25日 22:10

こうして日本のサッカー関係者がバルセロナが強いのは「4-1-2-3」のシステムにあると思っているのが本当に愚かしい。
バルセロナがユースレベルで、どれだけスペイン国内はもちろん海外にまで網張って青田買いしてるか分かってるのかな?
奇麗事だけで真剣勝負に勝てると思ったら大間違いだよ。

10.T (IP:118.15.134.68)

2010年7月25日 22:29

バルセロナのスタイルなるものを目指すことを否定はしないけど、選手確保にどれだけ資金がかかって、かつ、今どれだけ有利子負債を抱え込むことになっているのか。
給与未払いの問題は上手に沈静化させたみたいだけど。

サッカーのスタイルはともかく、クラブの経営はドイツを見習ってほしいなぁと思う。

11.ていうかぁ~ (IP:124.212.199.102)

2010年7月25日 23:52

>当時私は、ユースのこの新システムを、原口、高橋の両ドリブラーと、キープ力の高い山田直など豊富な中盤の駒を十分に使い切るために採用したのだと思っていました。トップチームのサッカーのやり方とは必ずしも一致しないけれども、将来有望な選手に出場機会を与えるための臨時的なものだと思っていたのです

そんなの堀さんに直接聞けばよかったじゃん。
仮にも職業ライターだったんなら。
まあ、この文章見たら単なる自称って感じですけど。

12.名無しさん (IP:126.245.190.91)

2010年7月26日 00:12

別に昨日のチャントに関しては、肯定派。

サポーターから、もっと選手にプレッシャーかけるべき。

13.名無しさん (IP:124.85.215.103)

2010年7月26日 02:44

フィンケは目の前の試合に勝つことを疎かにしすぎ。選手の育成、戦術面でのチームの成熟は確かに大事だけどさぁ。ちょっと前まで優勝を争うようなチームだったのに、これだけ負ければサポーターは我慢できないでしょ。

連携とか去年よりよくなってるのは確か。でもチームの成熟に重きを置きすぎてて毎回練習試合見てる感じ。選手も戦術ばっかり意識してるから一人ひとりの個性が消えてる。これじゃあちょっとつまんないよね。まぁこの前の試合は暑さが・・・。

14.名無しさん (IP:123.224.211.121)

2010年7月26日 16:16

高原コールは、選手に「なんもするな。結果は出すな。高年俸は出してやるから文句だけ言っとけ」ということでしょうか。

あのコールの意味がなんて理解する必要ない。ただのくだらない遊び。

15.名無しさん (IP:118.108.201.182)

2010年7月26日 20:52

山中さんにだけじゃなくしびれくらげさんにも今回は手厳しかった。
やっぱり負けが続くと余裕がなくなってくるのかな?
まあ次ぐらいには勝つでしょうと。

16.Daniele Glassco (IP:173.208.14.170)

2010年12月13日 19:17

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2010年12月28日 20:04

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